シャルロット・デュノアの妹、ジャンヌ・デュノアです。   作:ひきがやもとまち

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更新。雨降ってきて予定潰れたから書くのが早まった回のため短いです。
早く文化祭まで行きたいですしね。・・・ぶっちゃけ一夏の訓練と同棲生活がメインの原作部分なので関係しないジャンヌには描くべきポイントが見つからなくて・・・。


第16話「ミスしてたよレイディ」

「・・・は? 負けたらコーチしてもらう約束で勝負に応じたから、ああなっていた?

 ・・・・・・アンタ、それ本気で言ってんの?」

 

 畳道場に上がり込んで(上がり込まされて)一夏から先ほどの件で説明を受けたジャンヌは、心の底からクズと見下げ果てたような眼で一夏を睨みつけてから吐き捨てるような口調で罵っていた。

 

「いや、本当に本当なんだって! 俺は本当に更識会長から指導してやるからと言われていて、挑発されて、売り言葉に買い言葉で買っちまった勝負の果てにあんな結末が待ってただけで・・・・・・嘘じゃないんだジャンヌ! 俺を信じてくれ!」

「いや、別にそこは最初から疑ってなかったわよ? 筋も理屈も通ってたし」

「・・・・・・・・・え?」

 

 キョトンとした顔で意外すぎる反応を(一夏主観での話だが)返されてしまって、思わず一夏の方もキョトン。

 

「えと・・・じゃあ、どこをどう俺の本気を疑ってたんだ・・・?」

「先に指導を頼んだ奴がいて、引き受けてもらっておきながら断りもなしに別の奴からの誘いを受けさせられてる今の状況」

「う、ぐ・・・」

「あと、さっきの話を説明すれば、パンツ丸出させの性犯罪を合法化できると思い込んでるっぽいキチガイぶりも」

「それは言わんといてください!! お願いしますジャンヌさま!!」

 

 思わず全力土下座の織斑君。男が女に頭下げるとか格好悪いとか言ってられない。そんなこと言える立場でないことぐらい流石の彼もわかってる。

 今回に関しては・・・・・・はっきり言って情状酌量の余地なく完膚なきまでに自分が悪い!!

 

 

 そんな一夏の醜態を見つめながらIS学園生徒会長の更識楯無は愉快そうにコロコロと笑う。

 

「まぁまぁ、ジャンヌちゃん。一夏君も反省しているみたいだし、その辺で許してあげましょうよ。お姉さんからのオ・ネ・ガ・イ♡」

「いや、お姉さんって言われても一個しか年違わないような気が・・・・・・」

「あら、一つだけ上でもお姉さんはお姉さんでしょ? 私間違ったことは言ってないわよ?」

「そりゃまぁ、そうですけど・・・・・・私、同い年で腹違いの姉がいますからねぇー」

「あ」

 

 そこで今ようやく思い出したような顔になる楯無。この人本気でデュノア姉妹の家庭の事情を今に今まで忘れてました。心の底から楽しんでたせいです。

 あと、日本だと腹違いで同世代な姉妹なんてドロドロした昼ドラみたいな展開しかあんまり見かけないから、傍目に見ても仲良しデュノア姉妹が義理の姉妹だってことを関連付けて考えることがあんまりなかったせいと言うのもある

 

「あ・・・あ~・・・あぁぁー・・・・・・それは何というか、なんと言っていいのか・・・とりあえずゴメンなさい。無神経な発言でした。しゃざい」

「いや、別に気にしてないからいいんだけど。・・・ところで今の『しゃざい』ってなに? 右手に持ってる扇子にも『謝罪』って書いてあるんだし、わざわざ口に出して読まなくても良かったような気がするんだけど・・・」

「口に出して伝えたい美しい日本語なので二つ言いました」

 

 混ざってる。なんかいろいろ混ざってますよ、生徒会長さん? あれ・・・? なんかデジャブ・・・byどっかの平行セカ以下略。

 

 

「まあ、そういう訳だから。私はこれから一夏くんの専属コーチをするから会う機会も多くなるだろうし、今後ともよろしくね? ジャンヌちゃん♪」

「はあ、まあ私は別にどうでもいいっちゃ、いいんですけど・・・」

「・・・あら、ちょっとだけ意外。予想と違って、ずいぶんと呆気なく引き下がっちゃうのね。もっと絡んできてくれたら楽しいことしてあげるつもりだったのに-」

 

 アッサリと一夏のコーチ役を奪われたことを受け入れてしまったジャンヌと、何の問題もなく受け入れられたことに少しだけ不満そうな会長。・・・アンタ一体どっちであって欲しかったんだよ。

 

 とは言え、会長がどう思っていようとも。

 ジャンヌにとって一夏のコーチ役が楯無一人に限定されることに反発する意思など生まれるはずがなかったのである。

 なぜなら彼女は―――

 

「私はコーチ役やってませんからねぇ。自分以外の誰がやろうが、そいつらの問題だろって感じでやってますし、誰かがやること自体に変わりないんで別にいいかなって」

「ふぅ~ん?」

 

 なんとなく要領を掴めていないような楯無さんの表情。

 彼女としてはジャンヌもコーチング役の一役を担っているのだと思い込んでいたわけではあるが、これはあながち間違っていない。実際に開始当初はローテーションの名義にジャンヌの名前は記されていたのだから。

 それがどうして今は外されているかと言えば、自分から『性に合わない』と言って他のメンバーに投げ渡してしまったからである。

 

 

 実のところジャンヌは教えるだけならともかく、模擬戦闘訓練の相手をするのが苦手だ。弱いのでも不利なのでもなく、嫌いなわけでもないが、とにかく苦手なのである。

 

 じゃあ、何で苦手なのかと聞かれたら、こう答えるのだろう。

「戦いに滾ると、私の魂が叫び出すのが止められなくなるのよ・・・っ!」とかなんとか厨二台詞を。

 

 要するに、一度火がついてしまうと止まれなくなるのだ、このイノシシ少女は。

 どちらかか、あるいは両方が倒れるまでひたすら全力出して戦い続けてしまう悪癖を持ってしまっている。

 実銃とは言え、軍事利用禁止の条約故にセーフティがかけられていて、戦闘と模擬戦闘の違いがあやふやになりがちなISを使った戦闘訓練は、致命的なまでにジャンヌには向いていない。

 最近では似たもの同士と化したラウラと倒れて戦えなくなるまで戦って、戦えるまで回復したらまた戦う、どっかの雑誌編集部みたいな訓練風景が日常と化してしまっていたりする。

 短期目標は、VTリベンジシステムを再起動させること。

 福音戦でも期待してたのに出てこなかった、あの役立たずシステムを無理矢理にでも引き出してやるため最初に出てきたときと似たような状況を作り出しまくっていたのである。

 

 考えるよりも感じるよりも、突撃して突破したがる女の子。

 それが、シャルロット・デュノアの妹、ジャンヌ・デュノアです。

 

 

 

「・・・そう言えばジャンヌのノワールも白式と同じで攻撃特化のアンバランスなタイプだろ? 普段はどうやってエネルギー配分やりくりしてるんだ?」

 

 すっごく身近に仲間がいたことを(ようやく)思い出した一夏が質問して、ジャンヌは「はっ! 何を今更その程度のことを・・・」と、馬鹿にしきったような鼻息一つで笑い飛ばし、一夏をかなり「ムッ」とさせたからこう答えるのだった。

 

 

「全速力で突っ込んでいって、倒される前に倒す。

 倒せなくて負けたら、それまでのことよ」

 

 

「うわ、何この子。超カッコいい・・・・・・」

 

 楯無さん、思わず本心から賞賛台詞が出てきてしまいました。

 実家が密偵もやってる対暗部用の暗部組織な上に主家でもあるので、ジャンヌみたいな「死ぬか生きるかの戦い方」は実のところあまり用いたがらない人だったりするので、自分の中の乙女な部分が個人的に憧れてたりするのであった。

 

『人は自分が絶対に手に入れられないものをこそ、一番に求めて憧れる生物である』

 

 ・・・そんな言葉が昔のゲームにあったような無かったような。

 

 

「ま、まぁ、戦い方は人それぞれだからいいんじゃないかしら? ジャンヌちゃんはそれで」

「別に肯定してもらわなくても、今まで通り続けるつもりですから好きに酷評してくれて構いませんけど?」

「うぐ・・・」

 

 楯無さん、撃沈。ひねくれ者のひねくれた理屈は、事なかれ主義の一般論に特効スキルが付与されやすいので要注意。

 

「と、とーにーかーく! 第三アリーナいくわよ、第三アリーナに! そこで一夏くんには『シューター・フロー』とイグニッション・ブーストを組み合わせた対射撃戦用の戦闘動作をマスターしてもらう予定なんだから。あんまり出足に時間割き過ぎちゃうと習得までの時間がかかり過ぎちゃう!

 アレ使えないと次に敵が現れて射撃戦だった場合にめちゃくちゃ苦戦することになっちゃうんだからね!? そこん所、わかっているのかしらジャンヌちゃん!?」

「はぁ、まぁ。言ってることはご尤もなんで分かり易いっちゃ分かり易いんですけど・・・・・・なんで今更? この前の夏休み前に教え始めといてくれたら福音戦で楽できた気がするんですけd―――」

「さぁ、善は急げよ一夏くんにジャンヌちゃん! 敵と戦いは待ってくれないわ! 希望の明日をつかむためには後ろばかり見ていちゃダメよ! 強くならなくちゃいけないの!」

 

 

「あり得たかもしれない未来のタラレバ話をするよりも、明日をつかむための力が欲しい! 明日を望む意思だけじゃなくて、平和な明日を築く力が必要な今だから! 私は銃を握って戦場に向かう!

 大好きな君が今天国に行くよりも、いつか私が地獄へ行く未来を選ぶために! 私の銃はホッチキス!(汗みずくで必死になって誤魔化してるロシア代表選手の日本人)」

 

 

「・・・・・・(ジト目になってるフランス人)」

「・・・・・・(男の自分よりも潔い戦い方してる女子の存在を知って落ち込んでる日本男児)」

 

 

 

相変わらず混沌とした状況のまま、次回へ続く。

 

 

 

恒例じゃないけど今回もオマケ「一番頭のいい人間とは?」

 

一夏「そう言えば何かの本で『一番頭のいい人間というのは誰にでもわかる言葉で説明できる者』というのを読んだ気がするんだけど、楯無さんってまさにそんな感じの人だよな」

 

ジャンヌ「そーね。少なくとも自称天災の篠ノ之束とか言う、誰からも理解してもらえなかったMADよりは頭いいのは確かなんじゃない? アンタが今言ってた言葉が正しいんだとしたら、だけどね」

 

一夏「ぐ、む・・・」

 

 

バカor天災ウサギ「ぶえっくしょいっ!! うー・・・なんか最近くしゃみする回数増えたかなぁ~? 束さんは天才だから風邪は引くはずないけど、夏風邪は頭いいと引くらしいから、きっと夏のせいだよね♪ すべては真夏の太陽が悪い~♪」

 

クロエ「・・・・・・(鼻水が飛んできてビッチョリ)」

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