シャルロット・デュノアの妹、ジャンヌ・デュノアです。   作:ひきがやもとまち

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他の作品を優先して、軽く少しだけ書くつもりでいたら悪ノリしちゃって完成してしまったから投稿しておく、ジャンヌIS最新話です。
簪とジャンヌがタッグを組むまでの流れを語るお話。相変わらずマイペース過ぎるジャンヌに簪はどう立ち向かうのか? と言うテーマのお話でもありますね~…たぶんですけれども…。


第25話「ガールズ・ヒート&ブロークン・ヒロイズム」

 IS学園、IS整備室。各アリーナに隣接する形で存在する整備課のための設備である。

 その場所に最近、入り浸って作業をおこない続けているのが更識楯無の妹である簪だった。

 

「・・・各駆動部の反応が悪い。どうして・・・」

 

 メカニカル・キーボードをひたすら打ちながら、空中投影させているディスプレイ上の機体を凝視する更識簪の脳裏にあるのは、完璧すぎる姉の姿のみ。

 

「コアの適正値も上がらない・・・。タイプが向いていないの・・・?」

 

 ――かつて姉の楯無が『ミステリアス・レイディ』を一人で作り上げたように、自らもまた未完成の機体を独力で完成させる――

 

 それが彼女の目標であり、幼い頃から憧れと並行して劣等感を抱き続けた姉に対して彼女なりに示せる精一杯の自己主張。

 姉にできて自分にできないはずがない、などとは露とも思わない簪だったが、最低でもこのくらいできなければ姉の陰さえ踏むことはできないだろうという決意を心に深く刻み込んでいた彼女であったから。

 

 

 ――余談だが、IS学園では校則として整備課がはじまるのは二年生からであり、彼女はその優秀さから特例として認められており、治外法権のIS学園で思いのまま校則をいじることが許されているのは学園最強の最高権力者である彼女自身の姉、更識楯無生徒会長だったりするのだが。

 

 ・・・この時点で簪の姉に対する反抗期が、姉自身による七光りとご意向によって初めて成立しているものだと考えるのは穿ち過ぎだろうか・・・?

 

 少なくとも真面目で素直な性格をした簪は、その様にひねくれた思考で自分のやろうとしている作業を見つめてはいない。

 姉と同じ結果を出せば、自分も姉に近づけるのだと信じたいから信じ続けて疑う気は少しもないのである。

 

 ・・・所詮、人が求めやまぬ真実など、その程度のものでしかなく、自分が納得できる理屈づけさえできれば嘘か誠かなど些細な問題・・・それが人の心の真実なのだから・・・。

 

「・・・・・・ふう」

 

 思案の末に溜息をついて簪は、ディスプレイを閉じてキーボードを片付けて帰り支度を始める。

 曰く、その心は。

 

(やっぱりダメ・・・計算が合わない。帰ってアニメでも見ながら改めて計算のやり直しをしよう・・・)

 

 ・・・完全に、テスト前に部屋の掃除をしたり撮りだめしていたアニメを見始める高校生の思考に陥ってしまっている簪だったけど、友達いないんで自分の思考と同じ事やってる大勢のその他な人たちの事なんてわかりませんし知りません。ただ、自分の抱えている事情と気持ちは他の人には理解できない特別なものなんだと信じるのみです。

 

 なんか見方を変えると色々とダメなこと思っている簪が整備室を出ようと、ドアに近づいていったとき。

 自動ドアが勝手に開いて、部屋の外から見覚えのある目つきの悪い瞳をした美少女がズカズカ入ってきて、自分の方へと一直線に向かってきやがったのだった!

 

「な、な、な!?」

「コンコン、失礼しまーす。ノックするの面倒くさかったんで今しました。あと、今度のタッグ戦で更識簪さんと組むことに決めました。だから、パートナーの機体を見せてもらいに来ました。だからさっさと見せなさい。

 それから私、アンタのパートナーとして出場することに決めたジャンヌ・デュノアですので、よろしく~」

「・・・いきなりすぎる!! あと、全部まとめすぎてるし、事後承諾ばっかりじゃないの!

 あと、なんで一番大事な自己紹介が、一番後だったの!?」

 

 更識簪、尤もすぎる常識ツッコミ。・・・流石にこれはフォローしようがないジャンヌちゃんの途中経過省略しすぎな事情説明。

 これで理解できる者がいるとしたら、それは恐らく互いの気持ちを誤解なく理解し合うために言葉を必要とせずにテレパシーで伝え合う超能力に目覚めた新たなる人のカタチ達のみであるだろう多分だけども。

 

「えー・・・、私そういうの面倒くさいから苦手なんだけど・・・」

「・・・苦手な理由を正直に白状しすぎている・・・っ!? だいたい何の用があって私に付きまとってくるの――」

「しょうがないわねー・・・、じゃあハイ。斯く斯く然々そういう訳なんで以下省略。以上!

 はい、これで説明できたわね? 納得したら話を進めるわよ、時間押してんだから全くもう・・・」

「何の話・・・っ!? なんだか色々と全部なんの話をしているの貴女は!? 本気で1から10まで訳がわからない・・・っ!!」

 

 混乱の極にある更識簪であったが、生憎とジャンヌの性格的な理由から1から10まで説明してると途中で切れるだけだから無理矢理ショートカットさせていただきます。

 

「あー・・・もう! 女のくせしてグダグダ屁理屈ばっかでうっさいわね! いいからアンタの専用機出して見せなさいって言ってんだから出しなさいよ! そして見せなさいよパートナーになると私が決めた私に!

 出さなければ撃つ! 異論反論はヴァルハラで聞いてあげるから先に行って待ってなさい!」

「ムチャクチャな暴論過ぎるーっ!?」

 

 ジャンヌ、結局はいつも通りにIS展開させて、力業での力押し。この子に屁理屈は求められても、理屈を求めるのは無理でした。

 

 だが、簪とて意固地になっている反抗期な女の子。アッサリと暴力の前に屈すると思ったら大間違いである。

 

「三つ数えるまでに展開しなさい。未完成品だろうと、展開だけなら問題ないはずだから」

「・・・そんな脅しには屈しない・・・っ。私は貴女たちとは出場しない・・・、そう決めたから・・・!

 だから私に構わないd―――」

「1!」

 

 ズダダダダダッ!!!!

 

「・・・2と3は・・・ッ!?」

「知らないわよ、そんな日本語。だってニホンでは、1だけ覚えておけば生きていけるって警察庁長官のオッサンが言ってたもの。

 ニホン警察のトップが言ってたんだから間違いないわ。嘘じゃないし、アニメでもないのよ現実なのよ。・・・違うの?」

 

 ジャンヌ、小首をかしげながらガチに質問。・・・日本のアニメで日本を誤解してしまった外国人の極地がここにある・・・。

 

「まっ、結果的にIS展開して無傷で助かったんだから問題なしでいいじゃないの別に。結果オーライって奴よ。『結果良ければすべて良し』!!」

「・・・反射的に展開するのが、あと0コンマ1秒遅かったら死んでたけどね・・・っ」

 

 代表候補生に選出されるだけあって、鍛えに鍛えた反射神経のおかげでギリギリISを展開させるのが間に合い九死に一生を得た簪からの恨みに満ちた地の底から響くような怨嗟の苦情。

 だが、この程度でジャンヌが萎縮してくれるなら苦労はない。今回もまた予想通りというか、予定調和でこうなった。

 

「ダイジョーブ、ダイジョーブ。『絶対防御』あるんだから死なないわよ、どうせ。IS操縦者はISある限り、死にたくても死ねないゾンビアタック上等っぽいところがあるからダイジョーブだってきっと。

 オリムラもこの前、死んだと思ったら生き返って戦線復帰してきた上にパワーアップするスーパー野菜人やってたから、アンタもきっとできるわよきっと。だからダイジョーブ」

「なにが・・・!? そして今の話の、どこがどう大丈夫だったの・・・!? あと、織斑一夏にはいったい何があったの・・・!?」

 

 専用機未完成だったから簪は知らない、福音事件最後の一幕。

 その話題を出したジャンヌだったけど、そもそも彼女自身も大して詳しくない事件だった上に、どっちかって言うと出撃前に箒から聞かされた厨二エピソードの方が好みだったこともあって興味事態があまりなく事件後に調べようともしなかったジャンヌの興味はアッサリと簪が展開した中々イケてるデザインのISへと移り変わってしまっていたのであった。

 ジャンヌちゃんは、自分の出した話題に興味が持続しない。

 

「へぇー、これが《打鉄》の後継機なんだぁ~。

 なかなかイイ感じのフォルムしてるじゃない♪」

 

 頭の先からじっくり眺め下ろしていき、メカニカルで侍っぽさの少ない《打鉄・弐式》のデザインに心底から感心して共感して絶賛しながら、視線を徐々に徐々に下げていくジャンヌ。

 

「ふんふん、基本ベースは《打鉄》を基にして、コンセプトを機動型に変更したってのは、こういうことを言ってたのね。

 造った奴はけっこうセンスあるじゃな・・・・・・い・・・・・・?」

 

 そして、徐々に下がっていく視線に合わせて、徐々に徐々に訝しさを増していきながら表情と声音を変えていき、口数が目に見えて減っていくジャンヌ。

 

「・・・・・・」

 

 気づくと黙り込んだまま、ジーッと簪の展開させている日本の新型機《打鉄・弐式》の全体像をジッと見つめ続けるようになっていた。

 

 

 専用機だからだろうか? 簪に合わせてカラーリングが微妙に変更されており純白だった装甲に薄い青が混ぜ合わされて柔らかい印象を見る人に与える落ち着いた機体色。

 

 防御力重視で取り付けられていた増加装甲の侍風スカートアーマーは、機動性を重視した独立ウィングスカートに換装され、重そうな今までのイメージとは懸け離れた別物のように見えなくもない腰部一帯。

 

 肩部のサムライっぽさ満載だったシールドは大型ウイングスラスターに置き換えられており、小型の補佐ジェットブースターを搭載したそれは防御用のシールドだったときより遙かに巨大化していて見る影もない。

 

 コンセプトとして『防御型から機動型への変更』があり、それに併せて武装も接近戦仕様から全距離対応型へと換装されている以上、打鉄をベースにして開発された全く新しい新機軸の機体と言い換えてしまえば同じ部分を探す方がおかしいと言えなくもないのだが、しかし。

 

 

「・・・全っ然《打鉄》じゃないじゃないの、コレ・・・。

 こんだけ変えるんだったら、もう《打鉄》の名前受け継ぐ必要性なくなったんじゃないのよ、これっぽっちも・・・・・・」

「うぐ・・・っ!? い、言ってはいけない言葉を遠慮せずに堂々と・・・っ」

 

 簪、表情を引きつらせて地味にショック。

 正直なところ彼女も、そう思わなくはないのだが・・・あくまで彼女の目的は『未完成のまま放置されている自分に与えられるはずだった専用機を自分一人で完成させること』であり、『予定されていたものを自分一人で完全な形に仕上げてみせること』である。

 

 ハッキリ言ってしまうなら、『お姉ちゃんと同じことやらなきゃ意味ないの! 私が勝手に改造した機体を造ってもダメなの!』という簪理論で完成目指している機体であるため、不満があっても設計図から大きく逸れることは不可能なのである。

 

 まぁ、正式名称までは流石に彼女個人が変えれるものではないから仕方ないとしても、未完成の状態なら完成までの間、開発スタッフが別の名前を付けて呼んでいた機体は古くからいっぱいあるので別に問題ないとも言える。

 

 

「なんで違う機体を、同じような名前で造ってんの? アンタの国って。勿体なくない? 普通に考えてさ」

「い、いいのよ別に・・・。伝統なんだから・・・。《打鉄》は日本純国産の量産機で世界第二位のシェアを誇る大成功例なんだから、先達にあやかろうとするのは当然のことでしょう・・・?

 だ、だいたい別の名前で別の機体として発表したとして何の意味があるって言うの・・・?」

「あるじゃないの。バカでっかい意味が一つだけ」

「・・・どんな?」

 

 疑惑に満ちた瞳でジャンヌを見つめながら問いかける更識簪。

 その視線を気にすることなくジャンヌ・デュノアは、そのデカい胸を「ドカン!」と突き出し大きく張って、堂々とした大きな態度で大声を出して言ってやった。

 

 

「違うの二つ造ったことにして、二つとも売った方が儲かるじゃないの!!」

「セコい・・・っ!? そして、あざとい・・・っ!? 堂々とかっこうよく言っていい言葉じゃ全然ない・・・っ!!」

 

 胸を張って宣言するジャンヌちゃんは、世界第三位のシェアを誇るIS企業から産業スパイするため日本のIS学園にやってきた過去を持つデュノア社の社長令嬢だい。

 

「あなたたしか、世界第三位のシェアを誇るIS企業デュノア社の社長令嬢のはずでしょう・・・っ!? それなのにどうしてそんなセコいお金儲けのためにISを利用すること考えたりするの・・・っ。そんなの絶対、専用機を与えられた代表候補生のしていいことじゃないのに・・・っ!!」

「ハッ! そんな会社、とっくの昔に経営傾いて日本の白式データ盗みだして自社の第三世代IS開発に流用しないとやってけないレベルにまで落ちぶれてたわね! 私が日本に来たその時点で既に!!」

「なっ!? そ、そんなことって・・・っ」

 

 狼狽える簪、その醜態を見下ろしながら露悪的な笑みを満面に浮かべて勢いを増すジャンヌ。

 ぶっちゃけ、ノリ過ぎちゃってて本来の目的なんだったか忘れてたりします。イノシシは頭に血が上って走り始めると、何のために走り出したのかとか忘れちゃって崖下に転落することがたまにある。

 

「『祇園精舎の鐘の声! 諸行無常に響きあり!』頂点にあるものは必ず滅ぶのが歴史の必然!

 大英帝国のブリカス共は没落した! モンゴル帝国の羊飼い共は柱一本残っていない! それが人類史というもんでしょうが更識簪! アンタ達ニホンも、ニホンの代表候補生達にも必ずや敗北と終わりがやってくるのは疑いないわ!」

「う、嘘よ! そんなはずない・・・っ! 私は負けない! お姉ちゃんに追いつくまでは絶対に・・・っ」

「ハッ! なぁにがお姉ちゃんよ! いい年をしてシスコンなんてみっともないわね! 少しぐらいは姉離れを覚えたらどうなのよ! 高校生らしく大人になってさバーカ!!」

 

 

 そして叫ぶ! 言ってはならないブロックワードを大声出して、言ってしまった!!!

 

 

 

 

「アンタみたいなのを妹に持った、お姉ちゃんのデーベソ!!!!!!!!」

「お姉ちゃんの悪口言うな――――――――――――――ッ!!!!!!!!!!」

 

 

 ドゴォォォォォォォォッッン!!!!!

 

 

「ぐはぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

 

 

 まともに右ストレートを食らって吹っ飛んでいくジャンヌ・デュノア。

 反抗期だけどお姉ちゃん大好きな妹の前で、お姉ちゃんの悪口いうのは禁句であることを、彼女は自分の経験則から学べていない。

 

 

「お姉ちゃんは世界一なの! 宇宙一なの! アンタなんかに分かってたまるか!

 この男装して女子校に入学してきたヘンタイ姉を持つ、ツンデレ愚妹――――ッ!!!」

 

 

 

「お姉ちゃんの悪口言うな――――――――――――――ッ!!!!!!!!!!」

「ぐはぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

 

 

 

 そして自分の経験則から学べていない妹パート2も、右ストレートを食らって吹っ飛んでいき、斯くしてシスコン妹対シスコン妹二人による『スーパーシスコン大戦』がここに開始されることになる。

 

 

 

「この! この! アンタのお姉ちゃんなんか! アンタのお姉ちゃんなんかぁぁぁっ!!」

「えい! えい! 貴女のお姉ちゃんなんて! 貴女のお姉ちゃんなんてぇぇぇぇっ!!」

 

 

 不毛すぎる妹同士の戦い合いは、始まった時点でいつの間にか解除してしまってたISなしで行われてしまい、ボコスカ殴り合うだけのキャットファイトへと発展していき。

 

 

「私のお姉ちゃんは世界一なんだからねぇぇぇぇぇぇぇっ!?」

「だったら私のお姉ちゃんは宇宙一だぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 

 

 子供同士が「僕の父ちゃん宇宙飛行士」みたいなノリになってまで続いていった後。

 最終的に疲れ切って互いに動けなくなった頃。

 どちらともなくつぶやかれた、この言葉を以て終戦を迎える。

 

 

「ぜぇ、ぜぇ・・・。ね、ねぇ・・・なんで私たち、こんな所でケンカしてたんだっけ・・・?」

「はぁ、はぁ・・・。た、たしか・・・・・・・・私の記憶がたしかなら、ば・・・・・・」

 

 

 

 

『『・・・・・・・・・・・・・・・・・・忘れ・・・・・・た・・・・・・・・・(バタン)』』

 

 

 

 斯くして不毛な戦いは不毛な終わり方を迎えて終戦し、放課後の人が来づらい整備室で戦い合っちまったことから誰かに発見してもらうことができずに翌日までボロボロの気絶した体で放置されていた二人が目を覚ましたとき。

 

 彼女たちの視界に広がっていたのは、自分たち一人一人ではどうしようもないほど壊れまくった整備室の備品類と、IS完成に必要となる高級機材の数々だったガラクタの山。

 

 そして・・・・・・なんで自分たちがこんな場所で眠っていて、起きたら体の各所が痛みまくっているのか理由が思い出せない、昨日後半からの記憶がゴッソリ抜け落ちてしまっている、都合の悪いことは受け付けたがらない引きこもり系美少女たち二人だけ。

 

 

 これだと簪の目標達成も、ジャンヌの友達と一緒にタッグ戦出場も不可能っぽかったので双方いったん譲り合い。

 簪はジャンヌと一緒にタッグ戦に出ることを条件として、デュノア社が所有するIS開発に必要な機材を都合してもらえることが決定されましたとさ。

 

 

 

「・・・そう言えば、聞き忘れたんだけど・・・。どうして、そこまでして私と一緒に出場したいの・・・? あなただったら私以外にもいっぱい組んでくれそうな人がいるはずなのに・・・」

「フッ・・・。それは簡単なプログレムよカンザシ・・・。私はただ――ラウラの奴に吠え面かかせられたら後はどうでもいいからよ!

 ほかの連中と普通にコミュニケーション取れるようになっただけのアイツの前で、『あたしの方はアンタより先に友達作っちゃったー☆ 先を越し過ぎちゃってゴメンねー♪』とか自慢しまくってアイツに地団駄踏ませてやれればそれでいい! 後は知ったこっちゃないわ!」

「私、関係ない!? 関係ないよその理由に私!? 今の理由のどこを探しても私である必要なかったんだけど・・・っ!?」

「いや、ある! ――ぶっちゃけ、素直に友達作りしようとして逆ギレして怒鳴らないでいられる自信なかったし・・・ひねくれ者はひねくれ者同士でコミュニティ作らないと、できあがった後にはぶかれそうで何か怖いし・・・」

「私の求められた理由がマイナス方向に天元突破しすぎてる・・・っ!?

 でも、分からなくもないところがスゴく微妙・・・っ!!」

 

 

 

 こうして、各学年の専用機持ちだけが参加する合同タッグマッチにジャンヌ・デュノア&更識簪ペアのエントリーが決定されたのだった。

 

 妹に(変な子ではあるけど)友達ができたことを声には出さずに内心で喜んでいる姉たちに見守られる中。

 二人の妹たちは今日も学生寮の自室で論争を繰り広げている。

 

 

 

「・・・なんで、そんなこと言うの・・・っ。勧善懲悪のヒーローは格好いいじゃない・・・っ!

 悪の軍団を正義のヒーローが打ち倒すシンプルさが、最高に清々しくて気持ちがいいし・・・っ」

「ハンッ! あんなモンのどこが清々しくて気持ちいいってのよ? 苦労知らずの宮廷貴族様たちが好みそうな綺麗事に詭弁にご都合主義の連続連発速射連射乱射のオンパレード展開ばっかじゃないの。

 あんなのフランス版シンデレラを絶賛したがる、古くさい道楽貴族趣味の持ち主だけが好きでいりゃいいのよ。本当のヒーローについて語りたかったらコレ見なさいよコレ! 【Fate/stay night劇場版Unlimited Blade Works】!! どっかの聖女様と同じで空気読まずに正義の味方気取りで突っ走った末に、自分の信じる正義で身を滅ぼした敵キャラクターの道化っぷりがサイッコーに笑えて気持ちいいわよ!?」

「イヤよ! そんな展開・・・正義の味方が救われる方が私は好きなの・・・っ!!」

 

「んじゃ、コレは? 【機動戦艦ナデシコ】最終巻。私、ナデシコよりもカキツバタのが好きだったから思わずDVD買っちゃった」

「・・・あ、それはちょっと観たいかも・・・あと、見終わったら貸してほしいかもしれない・・・」

 

 

 こうして今日も、オタク少女と、厨二オタク少女の二人はタッグマッチを控えて練習と機体開発作業を終えた後にアニメを観ながら盛り上がり、試合当日の日を待ちわびている(?)

 

 打鉄弐式の完成予定日と、そのすぐ後に控えるタッグマッチ当日まであと僅か!

 

 

 

「・・・そう言えばタッグマッチって何時だったっけ・・・?」

「・・・?? たっぐまっち・・・・・・?」

 

 

 そして事の始まりからタッグマッチそのものには興味のなかった二人の少女は普通に忘れ果てていたのでありましたとさ・・・・・・めでたし、めでたし?

 

 

つづく

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