シャルロット・デュノアの妹、ジャンヌ・デュノアです。   作:ひきがやもとまち

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久しぶりの更新となります。あんまりにも間が空きすぎてしまったので今回は速度優先で短めです。
一旦28話を書き直して、アニメ版との融合を目指し直してみました。今までのは解りにくくならないよう削除しますけど、データは残しておきますので必要な方がいましたら言ってくださいませ。


第28話「オープン・ユア・ハート『要するに本音隠さず全開ってことよ!』」

 IS学園で急遽開催される運びとなった、専用機持ち限定のタッグマッチトーナメント。

 ・・・それは開始と同時に、波乱と混乱を齎してしまうイベントとなってしまっていた。以前、学園を奇襲してきた無人IS《ゴーレム》の発展型が空から奇襲をかけてきたからである。

 状況は、各専用機持ちたちが部屋ごとに分散して待機していたところを襲われたことからIS学園側にとって、甚だ不利な戦況になりつつある・・・・・・。

 

 

 

 

「このおおおっ!!」

 

 ガギンッ!と、空から降下してきた謎の無人IS襲撃者たちに襲われていた専用機持ちたちの一人である中国代表候補の凰鈴音は、《双天牙月》の一撃を加えてやってから恨みを込めて敵の機体を蹴り飛ばしてやり、肩部ユニットの衝撃砲《龍砲》を展開して砲口を向けさせていた!

 

「こいつ・・・性懲りもなく何の用よっ!」

 

 興奮しながら相手を罵倒する凰鈴音。

 彼女は以前に、これと同じでなくとも同系統の機体と戦ったことがあり、その機体に一夏との勝負を邪魔されるのは今回で二度目になる只一人の専用機持ちだったからだ。

 いつぞやの借りを返そうという怨恨から、敵の倒し方が多少なりと過激になってしまったとしても無理はない。無理はないのだが・・・・・・しかし!

 

「な・・・!? ビットでの防御で衝撃砲を防いだですって!?」

 

 敵は形状を大きく変化させてきており、その変化は中身にまで大きく及んでいるのか、以前とは桁が異なる実力を持てたと確信していた鈴の一撃を容易に防ぎ切り、

 

「鈴さん、下がってっ!」

 

 タッグを組んでトーナメントに出場する予定でいたため同室で待機中だった、セシリア・オルコットによるレーザーライフルとビット攻撃を併用した『偏向射撃』でさえ仕留めきれずに回避されてしまった姿を前にしては、敵機への認識を改めざるを得ない。

 

「なんなのよ、こいつ! 前のとは違って防御型ってわけ!?」

「なんて堅いシールド・・・! それに、あの防御力で、あの機動力・・・!? それに――」

 

 予想外の・・・否、予想を遙かに上回る敵の強さを目の当たりにして驚愕する二人に対して、以前の初期型《ゴーレムⅠ》と違って武装を一新させた最も異なる特徴を持つ左腕を突き出させた《ゴーレムⅢ》は、彼女たちに向けてビーム砲を放つためチャージを開始した電子音を二人の鼓膜に同時に響かせる。

 

「火力もありそうねぇ・・・」

 

 地獄へと続く門がポッカリ開いているかに見える、ビーム砲の砲門にエネルギーが集まっていく光景を見せつけられた鈴が、犬歯をむき出しにしながら悔しそうに吐き捨ててやった次の瞬間!

 

 ピーッという充填が完了したことを示す電子音が聞こえたか聞こえなかったかという刹那の間を空けてから、ビーム砲から自分たちに向かってビームが発射されたと思ったとき。

 

 ―――それは突然、聞こえてきた。

 

 

 

「カンザシ―――――――ッ!!!!!」

 

 

 

 ピンチの味方を助けにやってきたヒーローと言うより、単なる『怒号』と呼んだ方が適切な声量と攻撃力に満ち満ちた声音で叫びながら、シャルロット・デュノアの妹ジャンヌ・デュノアが壁突き破って、いきなり横から割り込んできて、鈴を狙ってビーム撃とうとしていた寸前の状態だった《ゴーレムⅢ》の左腕に、自分の機体が持ってたランスの切っ先が偶然なのか狙ってなのか分かっている時間的余裕も与えられないままブッ刺され。

 

 思わず鈴が、「あ・・・」とつぶやき、セシリアもまた「・・・あぶな」と忠告してあげようとした次の瞬間には。

 

 

 ドゴォォッン!!!

 

 

 ・・・敵もろとも爆発しやがった。というより暴発させてしまいやがった・・・。

 車のエンジンもビーム砲もコロニーレーザーも、一度火を入れてしまえば爆発もするんだってことを知らなかったんだろうか? この仏産イノシシ娘は・・・・・・。

 

「――げほっ! けこっ! ごほっ! か、カンザシ~・・・だ、大丈夫だったー・・・?」

 

 黒煙の中から、流石に弱々しい声でフラフラしながら出てきた煤だらけの美少女IS操縦者ジャンヌ・デュノア。

 彼女は自分が助け出した中国人娘の『凰鈴音』と、イギリス貴族令嬢である『セシリア・オルコット』の姿を見つけ、暫しの間「・・・・・・」と沈黙して黙り込んだ後。

 やりきれない想いを胸に、こう叫ばずにはいられない気持ちを抑えることが出来なくされてしまっていたのだった!

 

 

「・・・・・・・・・って、違うじゃないの!!!」

「そうよ!? 違うわよ! だから何!?」

 

 

 ――いきなり我が身を省みずに助けに来てくれた援軍と、助けてもらった側による意味不明な応酬が開始されただけだった・・・。

 いやまぁ、お互い言わざるを得ない事情はあるからこその発言だったんだけれども。むしろ互いに相手の事情を何も知らないまま偶然助けちゃったせいで言い合う羽目になっちゃってるだけなんだけれども。

 

 それでもまぁ、助けに来てくれた味方から『間違えて違う奴助けちゃった!』宣言された方の鈴としては素直に感謝できないし、ジャンヌの方はそもそも鈴を助けたつもりすらなかった。

 悲しいすれ違いが誤解を招いて否定し合いを生じさせてしまっていた訳なのだけれども、それでもジャンヌの方には関係がない。本命を助け出すため探しに行かなきゃいけないから忙しい。

 

「チィッ! 余計なところで想定外の人助けのために無駄なダメージを食らっちゃったわ! これ以上ダメージ増えるとカンザシが助けるときに足りなくなるかもしれないから私は行くわよ! アンタたちはアンタたちで適当に頑張んなさい! 後よろしく! それじゃ!!」

「うん、ありがとう助かったわ! だからもう二度と来るなバカ! 帰れッ!!」

 

 そして、罵り文句と共に帰って行くヒーローと、感謝と一緒に罵声も履いてヒーローの背中に塩蒔きたくなってる助けてもらった側の凰鈴音。

 現実の世界で、『アンタたちを助けに来た訳じゃない・・・』を実現されてしまってイライラさせられてから、改めてジャンヌが去って行った後に戦いを再開させようと襲いかかってきた、さっきの“事故”で左腕失った《ゴーレムⅢ》を逆に激しく睨み返すと。

 

「――今更おっそいのよアンタは! ったく! 相変わらず空気読めない奴ねぇ! 所詮ガラクタはガラクタかぁぁぁッ!!!」

「機械だから人の心など分からないのですわ! だから空気も読めないのですわ! わたくしたちが傷つけられる前に戦闘を再開してくれれば良かったですのに! それなのに!!」

『・・・・・・』

 

 相手の実力に合わせて二対一で送り込まれてきた自動操縦の無人ISとして、ジャンヌが去って行くのを待ってから相手してあげようと出てきたにも関わらず『空気読めないKY機械』呼ばわりされて謂われなき侮辱を浴びせられまくっている《ゴーレムⅢ》は泣いてよかったけど、泣けない。だって機械なんだもん。

 

「ああ、ムシャクシャする・・・ッ!!! こうなったら、この苛立ち! アンタで晴らさでおくものかぁぁよ!!!」

「そうですわそうですわ! 乙女のプライドをズタズタにして泥まで塗りつけた礼儀知らずでKYなフランス聖女と同名の少女への想い、しかと受け止めて思い知りなさい! このサンドバックマシーン!!」

『・・・・・・』

 

 こうして、鈴とセシリアVS左腕失ったゴーレムⅢとの第2ラウンドが開始された訳なのであるが。

 そもそも何故ジャンヌは、カンザシを探してこんな所まで出張ってきていたのだろうか?

 そこには深くて浅い、更識姉妹特有の事情が存在していたからである・・・・・・。

 

 

 ・・・・・・それは、カンザシとジャンヌが遅刻寸前でギリギリ大会開始に間に合って(?)、更識会長からありがたい開会の挨拶が再開された直後のことだった。

 

 

 

『――コホン。えー、一部問題児ちゃんたちを含めて、全校生徒の皆さん全てが無事に大会開催に間に合ったことを喜び、実りのある時間となるよう期待も込めて。開会の挨拶を終わらせていただきます!』

 

 アハハハハハ~♪♪

 

『とまぁ、堅苦しいのも茶化すのもこの辺りにするとして。・・・お待ちかね! 対戦表を発表しま~~す☆』

 

 おおぉぉッ!? オオオオオオォォォォォォォッ!?

 

 

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

 

 

 

 

 ――とまぁ、こういう流れと手順を踏んだ上で。

 久々に現物と再開したリアル完璧お姉ちゃんの光り輝く姿と、人気者っぷりを見せつけられてしまった結果、コンプレックスが再熱して再び双鬱状態へと急転直下でテンション急落しちゃった簪ちゃんは、ジャンヌには「先にピットへ行って待ってる・・・」とだけ言い残して開会式の会場の出口近くで見つけた階段下の狭いスペースに入り込んで丸くなると引きこもりモードを始動。

 そして、そのままモード解除するより前に空からゴーレムⅢが降りてきて戦闘開始。専用機持ちたちは各所で分断され、個別に対応せざるを得なくなってしまい。

 

 ジャンヌはいるはずの相方がピットにおらず、「ここにも居ないし!? あっちにも居なかったし!?」とあちらこちら探し回っては、開会式行われてた会場出口からドンドン遠ざかっていく知らないが故のアホな真面目愚行をやらかしまくって、彼女は今ここにいる。

 

 

「くっ・・・! 一体どこにいったのカンザシ・・・!! そして私が今いるのはどこなのよ!?

 人いなくて案内板もないから、外国人の私一人じゃ日本の建物わかんないんですけどー!?」

 

 

 ――今、自分がアリーナの中のどこに居るのか分からないまま、どこかにはいる。

 ぶっちゃけ、専用機持ちと生徒たちしか参加者いないIS大会やるには広すぎたのだ、このISアリーナは・・・・・・。

 

 このまえIS使ったバトル・レース大会の会場が、ISを使用できる広さを持たせた会場作ったら収容可能人数多くなり過ぎてしまって利用方法が限られまくったから仕方なくやってたのと同じ事情によって、イベント参加者の数と観客数と舞台となる会場の広さとで差がありすぎてしまって、何もない伽藍とした空間の方が遙かに多くなってしまっている現状のISアリーナ内。

 対テロ訓練も一応は兼ねているため、今までのイベントだったら道案内してくれてた一般生徒たちさえ配置されていない中をジャンヌは走り抜ける! カンザシを探して見当違いの方向を目指して! ひたすらひたすらに走り続ける!!!

 

 

「私の目的地は・・・・・・・・・どこよ!?」

 

 

 救国の聖女と同じ名を持つフランス人少女は、果たして苦しむ友人の少女を探し出して救い出してあげることが出来るのだろうか・・・? それは一先ず見つけてもらわないことには分からないので、次回に~~~続く!! それしかない!!!

 

 

つづく

 

 

オマケ『次回はヤツが来る予定!(シャアではないが少佐ではあるぞ?)』

 

ラウラ「しかし今回は、最初の突撃でよく当てられたものだな。敵の反応速度は第二世代の数値では追いつけないはずだろう?」

 

ジャンヌ「ん~、まぁねぇ。もともと刺すつもりで突撃してった訳じゃなかったから偶然だったんじゃない? ほら、騎兵ってチャージする時どうしても切っ先前に伸ばしてるから、そのまま突き刺さっちゃっただけだったからさ」

 

ラウラ「ああ…そういえば、いつも持ってたよな。その串」

 

ジャンヌ「槍よッ!?」

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