とある策士の外史旅(仮)   作:カツヲ武士

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ソレが雪っっっっ!

腰を殺られた為に、
日中はひたすら呻いてました。

明日も二話更新出来るかなー

オリ設定オリ展開!
原作はすでにない!
原作キャラアンチありっ!
嫌いな人は読み飛ばし!


群にして個、個にして群

なるほどねぇ。ここが界橋。

 

「はっ!いかな大軍でも一度に渡る

事の出来る兵は限られております!」

 

ま、そりゃそーだ。

で?沮授の策は?

 

「え、策が必要ですか?」

 

良くわかってるじゃないか。

賢しげに何か言ったら

矯正してもらう予定だったのに。

 

「さらっと矯正させようと

するの止めてくれませんか。」

 

 

いやぁ、十万を越える兵を

指揮する軍師がぼんくらじゃ

困るからな。

 

「まぁ、気持ちはわかりますが。

ちなみに今のところ提案出来る

策と言えば、橋を補強するとか

新たに橋を建てるとか

船橋を使うとか。

騎兵で無理矢理突破など

あるにはありますが」

 

まぁ、普通ならそうだわな

 

「えぇ、敵将の麹義もソレを想定して

弩兵や弓兵を組織してますな」

 

更に言えば橋を渡ったところに

杭と穴と縄だな。

 

「橋に手を付けるより

少数精鋭の騎兵で橋を渡り、相手を蹴散らした

後で兵を渡らせると考えたのでしょうな」

 

そうだな。并州の騎兵や幽州の騎兵を

知ってれば、まぁそうすると予測するだろうよ。

 

「実際、罠が無ければ出来ますからな」

 

罠が無ければな。

 

「では?」

 

第一陣を普通に渡らせろ。

藤盾兵を前にしろよ。

 

「ですよな」

 

渡り終えたら設営準備。

どーせ弓も弩も二千も居ねえんだ。

しかも立地や距離からして

正面からしかこねぇ。

 

「後ろの歩兵がきても一緒ですな」

 

悲しいまでに準備不足だ。

そもそも弓兵が足りん。

 

「まぁただでさえ弓兵を鍛えるのは

大変ですから。」

 

そーだな。

 

「その上で新たに

徴兵した新兵の基礎訓練と

将の慣熟訓練。

更には剣、槍、弓、騎馬の

連携訓練です」

 

更には反董卓連合で中間の部隊指揮官を

散々消耗してる。

 

「そこそこ優れた将程度では、

まともな部隊運用などできませんな」

 

そーゆーことだ。机上の戦なら勝てるかも

知れんが・・・あぁ無理だな。

 

「おや、机上ならば勝ち目はあるのでは?」

 

相手が筆頭様だぞ?

 

「あ、無理ですな」

 

だろ?机上ですら全部読まれて潰される。

 

「・・・おや、あのまばらな反撃は」

 

焦りだな。兵も部隊指揮官も将も焦ってやがる

 

「藤盾は知らなければ焦りますよ」

 

だな。弓や剣、槍なんかの突きに滅法強い。

その上安くて簡単に作れるから便利だよな。

 

「弱点は火と衝撃でしたか?」

 

そうだ。火と言っても

側面と裏面に燃えにくい

木を使ってるから、相当数の火矢を

撃ち込まないと火の盾を持ったヤツに

襲われる事になる。

 

「・・・混乱するでしょうなぁ」

 

まぁな。代わりに陣だの渓谷に招き入れて

からの火計は効果的だぞ。

 

「弱点を知っていれば、普通は

そんな無駄遣いはしませぬがな」

 

深追いさえさせなければ、

大体の敵に対して有利に働くし

訓練も特に難しいのが要らないのが

素晴らしいよな。

 

「そうですなぁ。

ただ構えるだけですからな」

 

それなりに覚悟は必要だが、

自分が持つ盾の後ろが一番安全だとわかってるから

兵も下手なことはしねぇ。

ま、すげー頑丈な盾ってだけなんだから

相手が鍛えられた槍兵だったり

縦横無尽に駆ける騎兵なら

苦戦もするけどな。

 

「今の微妙な距離を保って

射撃してくるだけの状況なら

まったく問題ありません。」

 

つまり今は

無敵の盾兵による蹂躙だな。

 

「盾兵で蹂躙と言うのもアレですなぁ」

 

まったくだ。

 

「ちなみに殿が敵の立場なら如何しますか?」

 

あぁ~ん?

あぁ、逆転や逆襲を防ぐために

盤面を反対にして考えるってヤツか?

 

「そうですな。敵が公孫伯珪なら

これ以上はない相手ですから」

 

あー。うー。

相手は藤盾の弱点を知らないからなぁ。

槍で思いっきり叩けば割れるんだが、

知らなきゃできんよな。

 

普通なら混戦に持ち込むか

罠のある陣に退くか、

あえて通して、

後方を狙う素振りを見せての兵力分断

決死隊を募って時間を稼いでからの

橋の爆破かな。

 

「混戦に持ち込むにしても

将兵の能力差は、部隊の動きを見れば

一目瞭然ですから、第一陣だけで勝てますな。」

 

あぁ、罠のある陣に退く場合は

 

「毒を仕込もうが油を仕込もうが、

敵陣に入る前に全て焼きますので」

 

後方を狙っての戦力分断ったってなー

 

「そもそも第一陣と第二陣

だけでも敵より兵が多いのですから、

此処を突破されたら前に我々の十万。

後ろに彼らの十万に挟まれます。」

 

だな。アタシらの目的は

南皮の制圧じゃない。

 

「河北袁家の殲滅ですからな」

 

そうだ。アタシらに

此処で奴らを生かす理由が無い。

なら、部隊を通してもらったら

後方の敵陣を焼いて、戻ってくる。

残った敵兵は包囲殲滅だ。

 

「となれば警戒すべきは橋の爆破ですが」

 

残念ながらそこまでの覚悟も無ければ

決断出来る権限も無いようだ。

 

「大軍に用兵なしとは言いますが、

ただ無策で進むだけではただの阿呆。

全てを潰す準備が必要と知りましたよ」

 

そうだな。戦は始まる前にどれだけ

準備したかで決まる。

兵の数、武装、訓練、兵糧に情報、その他色々だ。

奴らは準備が足りなかった。

それだけの話だな。

 

「ごもっとも。ついでに言えば

先見もありませんでしたな」

 

袁家に残った時点でな。

忠義なのか惰性なのかは

知らんが、アタシらには

関係ない。

阿呆は死ね。だ。

 

「御意。あぁ、そろそろ第一陣が

渡り終えますな。」

 

火矢を撃ち込ませろ。

罠を露呈させてやれ。

 

「かしこまりました」

 

 

 

 

 

―――――――――――――

 

 

 

火矢の指示が来たか。

少し早い気もするが、

全てを潰すのだから

さっさと焼いた方が良い

と言うことだな。

 

「えぇ、そうね。

罠があるって事実が敵に余裕を生んでるなら、

さっさと潰して絶望を上げましょう」

 

・・・

 

「何かしら?」

 

いや、この短期間で随分染まったなぁと。

 

「あぁ、それはそうよ。

軍師なんて一皮剥けば如何に相手を

効率的に殺すかを考えるロクデナシよ?

理想だとか誇りごと踏みにじるのが

軍師の仕事。ソレを自覚したなら

袁紹だろうと曹操だろうと、

敵なら殺るわよ。」

 

一皮剥くのが大変なんだがな。

 

「まぁね。やっぱり人間だから

自分をただの殺戮機械だなんて

思いたくは無いわ。

大切なのは気持ちの切り替えよ!」

 

切り替えができんヤツは

出来るようになるまで殺られるからなぁ

 

「『馬鹿は死ななきゃ治らない。

治らないなら治るまで死ね』の理は

まさに真理よ・・・」

 

最初に筆頭殿にお会いして

無駄な矜持を無くせたのは

良かったな。

 

「えぇ、足らぬを知ることができてたからね」

 

それだけで地獄体験の回数が1回減るし

 

「本当に良かったわ!」

 

あぁ、そういえば、奇跡の部屋はどうだった?

 

「・・・」

 

ん、拷問ではなく治療だったんだろ?

 

「えぇ、そうね」

 

・・・ナニか居たのか?

 

「いいえ、ナニも居なかったわよ」

 

ならば、無言で顔を青ざめさせる

理由が無いのでは?

 

「・・・部屋の中はね、真ん中に診療台があって、

奥に続く扉があるくらいだったわ」

 

ふむ、まぁ普通の部屋だな。

 

「壁とか天井が真っ赤でね?」

 

ふむ、まぁ高級感のある

普通の部屋だな。

 

「診療台の下から顔?みたいなのが出てきて!

コロシテクレーって声が聞こえて来るのよ?!」

 

ふむ、珍しい診療台があるだけで

ちょっと高級感がある普通の部屋だな

 

「そんなわけあるかっ!」

 

いやいや、別にアレだろ?

その顔?に噛みつかれたとか、

一緒に壁に並べられたとか、

火炙りにされたとかじゃないだろ?

 

「当たり前のじゃない!

ソレのどこが治療なのよっ!」

 

弱い己を壊して造り直してるじゃないか

 

「治すの字が違うでしょ!」

 

おいおい、軍師が戦場で感情を出すなよ。

矯正案件だぞ?

 

「ひぃ!?」

 

将帥は慌てるな。

恐怖は飲み込め。

頭は冷やせ。

心は燃やして、

敵は殺せ、だ。忘れたか?

 

「え、えぇ。忘れて無いわ!

軍師が慌てちゃダメよね!」

 

まぁなんだかんだ言っても

これがお前たちの初陣だ。

落ち着かない気持ちもわからんではない。

 

「そ、そうよね。わかってくれるわよね?!」

 

あぁ、同情の余地はある。

 

「じ、じゃあ!」

 

だがダメ

 

「な、何でよー!」

 

兵には関係ないだろ。

 

「ぐっ。」

 

お前が焦ったり慌てたりしたせいで、

まともな指揮が執れなくなったら、

迷惑するのはその指揮に従う将兵だ。

 

「・・・はい」

 

よって矯正の掟に従い、まずは1回だな。

 

「あぁぁ~折角今まで失敗もなく

やってこれたのに!」

 

失敗は出来るうちにしておけ。

取り返しのつかないときに

やられたら、矯正ではすまんぞ。

さすがに庇いきれん。

 

「そうよね。まだ誰に迷惑をかけた

わけでも無いんですもの。

反省を活かせるだけマシよね」

 

わかってもらえて嬉しいよ。

私もお前に矯正を受けるように

仕向けた甲斐があると言うものだな

 

「あ、あんた?!」

 

軍師が武官に乗せられるようでは

まだまだ甘いぞ。

 

「ぐぬぬ!」

 

何がぐぬぬだ

 

「お、覚えてなさい?!アンタも

道連れにしてやるんだから!」

 

ふ、それができれば一人前だ。

 

「・・・アンタがこの前、

州牧様が筆頭様の為に用意した

お茶菓子を食べたことを、

シロ様に教えるわ」

 

止めないか!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、アレはなんだろうな?

 

「私の目には、

私たちが敵陣に突撃したときに

火計を発動させる予定だったのに、

先に火矢を撃ち込まれたことで

陣が燃やされて慌てふためいてる

敵兵が見えるけど?」

 

いや、その陣の中で

無駄に味方を殴り飛ばしてる

阿呆が見えないか?

 

「あぁ、居るわね。

そんなことしてる暇があるなら

さっさと下がれば良いのに」

 

そうだな。兵を落ち着かせるなら

態々殴り飛ばす必要はないんだが。

 

「今まで勢いだけで動いてたみたいだもの。

兵の統率なんて執れないわよ」

 

所詮は袁紹の腰巾着だな。

 

「そうね、袁紹が居ないのなら

あんな猪に従う将兵は居ないわ」

 

ま、それも考えて前回の

洛陽で田豊や顔良を討ち取ったのだろうが。

 

「その上で前回アレを態々生かした理由が

わからないのだけど、

此処で討ち取っても良いのかしら?」

 

良いらしい。

教頭殿から許可が出ているそうだ。

 

「前は李儒様から止められてたってこと?」

 

そうらしいな。

顔良と田豊は張任殿を出して

討ち取らせ。

文醜は李厳殿と筆頭殿の二人を出して、

生かして帰還させた。

 

「・・・わからないわね」

 

教頭殿だぞ?わからないのが当たり前だ。

 

まぁナニかを見定めていたと思うのだが、

ソレが終わったと言うことだろうさ。

 

「それじゃあ?」

 

あぁ、厳綱!王門!

あの阿呆を殺せ!

 

「「はっ!」」

 

あぁ、一騎討ちなどする必要はないぞ。

弓でも槍でもかまわん。

囲んで殺せ。

 

「「よろしいので?」」

 

一騎討ちしたいなら後で筆頭殿に

頼んでやるが・・・

 

「「結構です!」」

 

あぁ、できたら頭は割るな。

南皮の阿呆に届けてやるからな。

 

「「はっ」」

 

では行け。部下を無駄に殺すなよ?

 

「「かしこまりました!!」」

 

さて、そろそろ第二陣も橋を渡り終える。

ヤツを討ち取れば終わりだな。

 

「・・・意外よね」

 

何がだ?

 

「いえ、てっきり『最期の手向け』とか

『覚悟に敬意を示して』とか

『武人として』とか言って

アナタが行くかと思ったんだけど」

 

あぁ、確かにそう言うヤツも居るな。

 

「実際あの二人もソレを確認したんでしょ?」

 

そうだな。奴等は私が武人としての矜持を

持つことを知っているからな。

 

「矯正されても捨てないくらいの

決意でしょ?なら・・・」

 

その矜持が、あの袁紹の腰巾着を

武人として認めて居ないのだよ

 

「あぁ、そう言うことね」

 

そう言うことだよ。

 

ヤツは恵まれた立場にありながら

ぬるま湯に溺れ、同僚と共に主や

己を鍛えることをしなかった。

 

主従で好き勝手に生きてきて、

遊び気分で戦場に出てきた挙げ句

周囲の足を引っ張り続けた阿呆共だ。

その上で今更顔良の仇だの、

袁紹の為にだのと、ただただ見苦しい。

 

アレは武人ではない。

ただのわがままな女だ。

 

そんなヤツに向ける敬意などない。

 

「無様に生きてきたのだから無様に死ね、と」

 

そうだな。まぁただの阿呆だ。

せめて首は阿呆の主に届けてやるさ。

 

「・・・変わったわね」

 

当たり前だ。

今の私は、好きに生きて

好きに死ねる浪人じゃないんだからな

 

「そっか、そうよね」

 

しかし変わったと言えば、お前もな

 

「?・・・何よ?」

 

鼻血を出さない鼻眼鏡って

何なんだろうなって

 

「あ、アナタねっ!」

 

公孫賛殿を、地味地味言うが

お前はソレ以上に地味に

なるんじゃないかなーとか

 

「言ってはならん事を!

言ってはならん事を!」

 

鼻血がお前の個性だったんだな・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドウシターアタイハマダマダヤレルゾ!

 

グワッ

 

 

 

テキショウウチトッター

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私にはまだ眼鏡が有るわよっ!」

 

 

 

 

 




確か劉備陣営だったよな?と
探り探りで袁紹陣営を削ってた李儒くん。

管理者が来ないなら
遠慮する必要無いよね!

文醜にどんだけ興味が無いんだってお話。

腰が!腰がぁ!!

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