とある策士の外史旅(仮)   作:カツヲ武士

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前話の続き。

眼鏡二人組と
弟子の女子とーく回

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原作はすでにない!
嫌いな人は読み飛ばし!


大体の父親は娘に甘い

一体アナタ方は何を口走ってるんですか?

 

『「あ”い”ぃ”ぃ”ぃ”ぃ”ぃ”ぃ”ぃ”ぃ”ぃ”だぁ”ぁ”ぁ”!!」』

 

あいだ?質問に答えてませんね?

 

『「ずぃ”ぃ”ぃ”ま”ぜぇ”ぇ”ん”!』

 

まったく、わざわざ仲違い

してるように見せるのは良いですが、

話の内容を聞かれたら、

全部裏で繋がってるとバレるではないですか

 

『「あだだだだだ!割れる!割れる!!割れる!!!」』

 

軍師のくせにそんなこともわからない

頭はいらないでしょう?

眼鏡を残して散りなさい

 

『「な、なんで眼鏡が割れないの?!」』

 

師曰く、【眼鏡使いの眼鏡は割るな】

眼鏡に対する最低限の情けだとか。

 

『「眼鏡をつけてる人じゃないんですねえぇぇぇぇぇ!!」』

 

当たり前です。何故あなた方に情けなど

掛けねばならないのです?

情報漏洩は矯正案件です。

知ってますね?

 

『「ハイッ!存じ上げております!!」』

 

ならばなぜ大声で内情を話す必要があったんです?

 

『「・・・あぅ!割れるっ割れるぅぅぅ!!!」』

 

質問には返事です。

 

『「ハイッ!ずびばぜんでじだっ!」』

 

死なねば治らないのなら、治るまで死ね

 

『「普通に死んじゃいます!!」』

 

死ねば良いのでは?

 

『「せめて幻魔拳で!!」』

 

気がもったいないですね

 

『「いやいやいや」』

 

アナタ方に拒否権はありません。

 

本来は相手の顔を捉える勘と、

相手の頭を潰す握力が

有れば可能なこの将軍苦牢ですが、

この技には発展形があります。

 

『「?!」』

 

指だけで相手の全体重を支える握力、

顔面を捉えたまま吊るす腕力、

土台となる足腰。

 

『「あだだだだだ!!」』

 

更には相手を振り回して、

受け身を取らせずに

脳天から大地へ叩きつける技術と残虐性。

 

『「えぇぇぇぇぇ?!」』

 

受けなさい。コレが地獄の超特急です

 

『「死ぬ死ぬ死ぬぅ!!!」』

 

と、言いたいところですが、

ココで脳漿をぶちまけても

清掃員が面倒な思いをするだけですからね。

 

『「ほっ」』

 

今回の矯正はココまででいいでしょう。

受けた場合の痛みと衝撃は

後で教えてあげましょう。

 

『「ハイっありがとうございます!!」』

 

まったく、軍師が大声で情報漏洩など

何を考えているのやら・・・

 

『「・・・」』

 

で、眼鏡が二つ揃って何用ですか?

 

『「ハイっ!報告と相談に来ました」』

 

ふむ、大将軍殿の相談は男性関連ですか?

 

『いえ!その大将軍の役職と帝位についてです!』

 

公孫賛殿は?

 

「ハイッ!劉璋が帝を名乗った事に対して

どのような対応を取るべきか協議に来ました!」

 

なるほど。では僕眼鏡からですね。

鼻眼鏡も聞いていきなさい。

 

『(鼻眼鏡って・・・)』

「(僕眼鏡って・・・)」

 

いいですね?

 

『「ハイッ!」』

 

 

では、大将軍は返上するつもりで?

 

『ハイッ!そのつもりです!正直長安の

相手をする労力が惜しいのが現状です』

 

まぁわからないではありません。

陵墓の財については?

 

『まだ何も言われません!』

 

あぁ、元々王允しか知りませんでしたか

 

『ハイッ下手な使者に聞かせるわけには

いかない案件ですので、それも含めての

長安へ呼び出しかと思われます』

 

ふむ、現状なら馬騰や皇甫嵩も知ってるでしょうね。

 

『おそらくその通りかと!』

 

逆賊討伐を表に出しておけば、

長安は表立って何も言えませんが、

陵墓の財を盗んだと言われるのは

問題がありますか。

 

『大将軍と長安の間に不和があると

囁かれるだけではすみませんね』

 

そうですね。

 

では劉表の子が帝を名乗った場合、

長安はどうする気なのかは確認してますか?

 

『ハイッ!確認はしてますが明確な返答はありません!どうもそこで思考停止しているようです!』

 

所詮は役人ですか。

ではこちらはソレに備えて

防備をしていると言っておきましょう

 

『よろしいので?』

 

下手に財の移動をして

劉表が騒いでも面倒ですから。

 

『確かに』

 

劉表の子を認めるなら

そのまま渡すし、認めないなら

遺勅を果たすために使うと言えば良いでしょう。

 

『なるほど、あとは言い方ですね!わかりました!』

 

で、大将軍の返上ですが

コレは別に長安に行かなくてもできますね

 

『え?そうなんですか?』

 

僕眼鏡・・・あなたの眼鏡は飾りですか?

 

『す、すみません!』

 

次に使者が来たら怒った振りして

印綬を投げつけてやればいいでしょう。

実際無礼な申し出なんですから。

 

『あ、そうですね!』

 

使者が陵墓の財を知らないならそれまで

 

『知ってるのが来ても、遺勅を果たすって強弁するんですね!』

 

そういう事です。

あとは私に従って動くとでも

言っておけば、使者は私に来るでしょう

 

『はい!』

 

まぁ、元々洛陽に居た連中は

私と師を知ってますし、

馬騰も師を知ってますからね。

使者が来るとしても、

長安で帝の擁立が終わらない限りは

従う必要も無し。

 

『それでも長安の連中が何か言ってきたら?』

 

内容によりますね。

あぁ、鼻眼鏡

 

「ハイッ!」

 

すでに話は帝位についてです。

アナタも思うことがあったら

意見を述べることを許可します。

 

「ハイッ!ありがとうございます!」

 

現在、公孫賛としてはどのように対処

するつもりですか?

 

「ハイッ!基本的には放置です!」

 

『え?!』

 

なるほど、公孫賛はいろいろ知ってますからね

 

「ハイッ!私も全ては知らされてませんが

『今は静観だ』とだけ」

 

良い判断です。

僕眼鏡

 

『ハイッ!』

 

アナタ方もやってることは

静観と大して変わりませんよ?

 

『え?あ、そういえばそうですね・・・』

 

アナタ方はすでに覚悟を

決めてますからね

極端な話、誰が帝になろうが

関係ないでしょう?

 

『そうですね。李儒様と司馬様に従うと決めてますので』

 

「我々もそうですね。

別に誰が皇帝になっても、

幽州には関係ないですから」

 

幽州も并州も涼州も

漢の盾でしかありませんでしたからね。

 

『そうですね。帝位が空なのは困りますが』

 

「それも支援物資の手続きさえ

きちんとしてもらえれば、問題ないですし」

 

今は長安が裁量を握ってるので、

涼州牧である馬騰は楽が出来ているようですね

 

『はい、馬騰様が長安にいるのは

極端な話、帝室の為ではなく涼州の民の為です』

 

「その辺を長安の連中が理解できているかどうかですね」

 

おそらく出来てませんね。

だからこそ長安の連中は実務よりも

帝位を重視しています。

まぁ、今はそれで都合が良いのですが

 

『余計な物資が余計な勢力に行かないからですね?』

 

「あ、そうか、彼らにしてみれば潜在的な敵勢力に物資は渡せない」

 

そういう事です。

劉表は劉璋と戦う同志ですが、

物資を渡した結果、ヤツの子供が帝を

名乗られても困りますから。

 

『対して我々は、今までの蓄えもありますし・・・』

 

「もともと北方騎馬民族に備える予算は

有ります。中抜きする連中を

董卓様や袁紹が殲滅してくれたおかげで、むしろ滞りなく物資がくるようになってます」

 

これも辺境の州牧の辛さを知る

馬騰の手際でしょうね。

漢の地を守りたいならアナタ方への支援は

途切れさせるなと念を押しているのでしょう。

 

『馬騰様・・・あ、でも!』

 

「董卓様が大将軍の印綬を返したら、物資が滞るのでは?!」

 

それは違います。役人の思考が読めてませんね

 

『逆、ですか?』

 

「もしかして、これ以上関係が悪化しないように

繋ぎとめようとする?」

 

そうですね。自分の力で戦うことが

出来ない彼らは、制裁も当然他人任せです。

 

『他人と言っても、羌族が居るから馬騰様が動くことは無いし』

 

「皇甫嵩将軍も朱儁将軍も、劉璋や劉表に備えるなら動けない」

 

私や公孫賛には別に敵がいるので、

わざわざ董卓を敵に回すことは無い。

あとは師ですが。

 

『曹操や劉表の最前線です。なおさら動けませんね』

 

そうですね。そして力で制裁を

与えられないなら。

物資の支給を滞らせることくらいですが。

 

「普通に考えたら我々の物資を滞らせたら、漢の地が騎馬民族に蹂躙されますよね」

 

一時の感情で制裁を訴えるモノは

居るでしょうが、今の長安にはその結果に対して責を負える人間がいません。

 

『ならば我々は今まで通りで良いと?」

 

長安の希望通り、大将軍ではなくなる程度でしょうか?

 

「普通なら【程度】ですむ問題じゃないんですけどね」

 

『実際大将軍と言っても、全体の

指揮なんて取れませんから位負けも良いところですよ』

 

体裁を整える必要がある分面倒なんですよね。

実際安北将軍になったことで

師と同格扱いされても困ります。

 

「あぁ、それはそうですね」

 

『凄く良く分かります!

大将軍の使者だからって

将軍府の方々にへりくだられても

困りますよね!』

 

いえかつての部下が上司になることは

多々あることなので、それには慣れてください

 

『ですよねー』

 

「まぁ、いきなり大将軍って言うのには

同情しますよ」

 

まぁ、普通は段階を踏むものですから

慣れないのは分からないでもないですが

 

『「・・・((この人が動揺するのが想像できない))」』

 

師は安東将軍だけではなく

郎中令ですから、同格では無いと

いう話ですよ。

 

『そ、そうですね!

前も次席様がおっしゃってましたが

李儒様は郎中令様ですから

安北将軍殿より偉いんですよね!』

 

「ですが、新帝が立った場合、

郎中令様の位はどうなるのでしょう?」

 

まぁ、特には変わらないでしょうね

 

『そうなんですか?』

 

普段長安に居ないとはいえ、それは

先帝の遺勅に従った結果ですからね。

とくに剥奪する理由がありません。

 

「また、不必要に李儒様を敵に

回すことも無いですからね」

 

『安北将軍の時はアレでしたけど、

さすがに郎中令の位は怒りますよね?』

 

・・・怒るでしょう。

 

『「?!」』

 

あの位は師がご自身で稼いだ財貨に

弘農の荘園から得られた財貨で得たモノです

先帝が自身の意思で罷免するならまだしも、

長安のヘタレや益州の阿呆。まして曹操の傀儡

ごときが触れたなら、どうなるか

考えたくもありませんね。

 

「な、なるほど」

 

『では、前に次席様が仰っていた李儒様の

我慢の限界とは・・・』

 

あの荘園ですね。

狐が言ったように、あそこに

手を出そうとしたら、師が動く前に

我々が動きますが。

 

『「わ、我々?」』

 

えぇ。初期から将軍府に所属していた全員です。

 

『「み、皆さんですか?!」』

 

あそこは我々全員がお世話になった場所。

皆の逆鱗ですね。

 

『李厳殿一人でも無理なんですが・・・』

 

私と、師を含む全員が洩れ無く怒り狂うと

断言しましょう。

 

「敵に回した勢力の首脳部が

一人残らず地獄を見ますね。」

 

えぇ。死にたくても死ねない苦しみを、

最低10年は与えます。覚悟するように。

 

『「手出しなんてしません!!」』

 

ま、それが賢明ですよ。

無論、冗談や脅しでも言わないことです。

へうへうと地姉にも伝えておきなさい。

 

『「ハイッ!」』

 

それと、師が最近機嫌が良いようです

 

『あぁ、そうらしいですね?』

 

「私どもはなかなか接点がなく、

わからないのですが、そうだったんですね?」

 

そうなんです。

で、とりあえず何が原因かわかったら

教えて貰えませんか?

 

『筆頭様もわからなかったんですね?』

 

えぇ。正直、師の心の動きを

理解できるなら、

ソレはもう人間じゃないでしょう?

 

『「・・・(否定も肯定もできないっ!)」』

 

そんなわけで、何が原因でいきなり

機嫌が悪くなるかもわかりません。

 

『あぁ、ソレは怖いですね』

 

えぇ。鼻眼鏡はまだ知らないでしょうが、

機嫌が良くても悪くても危険なのが師です。

 

『そうですね』

 

「えぇ~」

 

更にそれを周りがわかるくらいに

表に出すなんて、もはや災害の前触れです。

 

『そうですね。前は恐怖公が解放されましたね』

 

「えぇ~!」

 

鼻眼鏡にも事態の重要性が理解できましたね?

 

「ハイッ!」

 

何かわかったら連絡を。

 

『・・・私たちに対処できますかね?』

 

知らなければ何もできませんが、

知ってれば出来ることもあります。

 

 

「え?何かあるんですか?!」

 

・・・ここにある伯師妹の肩たたき券があれば、

大概の事は流せますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『「お父さんか?!」』

 

 

 

 




李儒くんは左慈と話して色々解決したのと
茶飲み友達が出来たのが嬉しいだけです。

かなり昔から、
最悪の事態として想定していた、
神の介入が無くなったら
そりゃ喜ぶよねってお話。

さらりと投げ捨てられる大将軍の地位

ちなみ李儒くんは地獄の断頭台は
できるけど、改良型は出来ません。

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