とある策士の外史旅(仮)   作:カツヲ武士

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近寄ったら逃げられたミミズサイド

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原作は既にない!
嫌いな人は読み飛ばし!


これが神心会の最終兵器効果だっ!!

逃げられましたか・・・

 

「どうした雛里?戦わずに勝ったんだから良いことじゃないのか?」

 

はい、それは良いことなんですが・・・

 

「はっ!私たちに恐れをなして逃げる

臆病者に何を心配している!」

 

・・・(はぁ)

 

「物資は大急ぎで持ち出したみたいだな。

民が飢えないのはもちろん、俺たちの

兵糧にもなる分はありそうだ」

 

「そうだね!ご主人様!今までの砦で手に入れた

物資もそろそろ無くなっちゃいそうだったから

ココで補充できたのは嬉しいよね」

 

「ふん!どうせなら全部置いていけばいい物を!」

 

・・・(言ってることがまるで山賊ですよ)

 

 

 

 

『・・・雛里は何を心配しているのだ?』

 

あ、鈴々ちゃん。彼らが戦わずして退いた理由です。

 

『・・・もしかしてお兄ちゃんが危ないのか?』

 

いえ、空城計ではありません。

アレは民はともかく物資は必要以上に

残しませんし、この物資があれば

ご主人様が言うように、当座の

兵糧としては十分です。

 

『じゃあ何が問題なのだ?』

 

敵が戦力を集中させて居るという事と、

私たちの情報を知っているという事です

 

『集中はわかるのだ。

バラバラより、纏まった方が

強くて厄介なのだ』

 

そうですね。烏合の衆という

言葉もありますが、やはり兵力は

集中させたほうが良いのは事実です。

さらに今回も我々が侵攻軍。

相手は一致団結して防衛に当たるでしょう

 

『なるほど、それは厄介なのだ』

 

当座の兵糧は手に入れました。

次はどこへ向かうかになるのですが

 

『ここで鈴々たちの情報か?』

 

・・・はい、今までは鈴々ちゃんは

無名の将でしたので一騎打ちにも

挑発にも乗ってきましたが、

ここまで一気に落としたことで

その名が知られてしまいました

 

『今までみたいに簡単には行かなくなる?』

 

そうです。今後は我々の兵隊さんも

どんどん減ってしまいますし

敵が篭城してきたら、兵糧もどんどん減ってしまいます

 

『ここで次の収穫を待つのはダメなのだ?』

 

益州の人たちも準備を整えますし

劉表さんに情報が伝わってしまいます。

 

『あぁお姉ちゃんの旗だから』

 

はい、いずれ我々は劉表さんに叛旗を

翻しますので、劉表さんの領土に

するわけには行きませんでした。

まぁ同じ劉旗ですから、民には

わからないでしょうけど・・・

 

『途中の楊懐と高沛は知ってたのだ』

 

はい、そして名乗りをあげた我々に対し、戦場で叫ばれたのが外道劉備。

 

『世話になった劉表を裏切ることになるし、

敵の益州の人間からしたら間違いなく外道なのだ』

 

そうですね。

やってることはそう言うことです。

ですが、益州の皆さんが問題にしてるのは

そこではありません。

 

『違うのだ?』

 

はい、平原のことを指して、

為政者としての資質なしと

見なされてるんです。

 

『・・・たしかに平原のみんなを見捨ててるのだ』

 

七千もの働き手を失った平原は、

あのとき元ちょ・・・徐庶の言ったように

かなり凄惨な状況だったようです。

 

『・・・うん。鈴々たちの罪なのだ』

 

平原で民を切り捨て、

今また劉表の信義を切り捨てようと

している我々は信用できないと。

 

『鈴々も、相手の立場ならそう思うのだ』

 

はい。そのため今後の彼らは

降伏よりも交戦を選び、勝てないと

判断したら物資を持って後方へ退くでしょう。

 

『敵が強くなって、こっちの兵糧が無くなっちゃうのだ』

 

そうなります。

ですから今は一刻も早く

大きな都市。巴郡だと江州を落とすか

侵攻して雒城まで攻めるかなんですが

 

『奥に行ったら後ろが危なくならないか?』

 

そうですね。

後は長安に援軍を要請されるかもしれません

 

『え?劉璋は長安と戦をしてるのだ!』

 

劉璋さん自身、為政者としてそれほど

優れてる方ではありません。

 

『うん?そうなのか?』

 

はい、ですので益州の将軍さんは

よりいい人が益州を収めてくれるなら

従うことだってあるんです。

 

『お姉ちゃんとお兄ちゃんは・・・』

 

信用されてませんから。

 

『あのとき朱里と雛里の言うとおり

三千の兵だったら・・・』

 

そうかもしれませんね。

けど今はそれを言ってもしょうがないです。

 

『うん、そうなのだ』

 

信用してもらうためには

善行を積み重ねなくてはなりません

 

『うん』

 

ですが積み重ねるには時間が必要です

 

『・・・うん』

 

時間をかければかけるほど

劉璋さんも準備しますし

劉表さんも手を打ってきます

 

『けど一気に攻めても・・・』

 

はい、物資がなければいくら

都市を落としても、いずれ

食べ物が無くなってしまいます。

 

『う~どうするのだ?』

 

それを考えてます。で、鈴々ちゃんにお願いなんですが

 

『う?』

 

愛紗さんを軍議の場から外したいんです。

新しく手に入れたココ、南鄭の

周辺警護とか言って連れ出せませんか?

 

『あぁ最近の愛紗はちょっと五月蝿いのだ』

 

鈴々ちゃんが活躍してますからね

自分もって言って聞かないんです

 

『いろいろバレれば今の鈴々みたく警戒されるんだから、戦力は出来るだけ隠したほうが良いのだ』

 

そうですね。で、ここで隠してる

愛紗さんを使いたいんですけど

 

『?それなら喜んで従うと思うけど?』

 

益州の人に警戒されてる鈴々ちゃんと

ご主人様を南鄭に置いて。

桃香様と愛紗さん、それに私が

南の江州へ行こうと思うんです。

 

『あぁ、お兄ちゃんと離れることになったら

絶対に文句言うのだ』

 

・・・やっぱりそう思います?

 

『思うのだ』

 

他に現状を打開できる案が無いんですけど・・・

 

『お兄ちゃんと離れるお姉ちゃんは大丈夫なのだ?』

 

あぁ、それもありました。

そうなると私と鈴々ちゃんしかいなんですけど

 

『鈴々はそれでもいいけど、敵は警戒しちゃうのだ?』

 

まぁ、田階さんとか田豫さんも居ますから

 

『あいつら、なんだかんだ言って戦慣れしてるから十分戦力になるのだ』

 

荊州の武将さん達よりも

上でしたしね。

 

『なのだ』

 

ですから愛紗さんは次回以降に使うと

言う形になりますね。

 

『それはそれで文句言うのだ』

 

もぉ・・・どうしろって言うんですか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど、じゃあ敵が後退して

戦力や物資が後方へ運ばれる前に、

一定以上蓄えのある江州を落としたいわけだ」

 

はい奥の雒城へ攻め入るには

物資も後方も不安を抱えてしまいます。

 

「そうだな、それに雒城は確か・・・」

 

・・・どうしました??

 

「いや、何でもない。江州を取って

劉表への情報を遮断するのには

俺も賛成だ。」

 

ありがとうございます。

もし挟み撃ちとかをしてくるようなら、

一度引いて、孫堅さんが劉表さんを攻めるか

 

「劉璋と劉表に江州を巡って戦をさせるんだな?」

 

はい、両者とも兵を出した以上は

戦果が必要です。ですがご主人様は

そういった名声にこだわってませんので

 

「そうだな。物資がない江州をわざわざ

死守したいとも思わないし。」

 

もし劉璋さんと劉表さんが

江州を巡って争った場合、勝った方を

叩けば、さらに物資が手に入りますね

 

「はは、そうだな。

やってることは山賊だな」

 

・・・そうですね。

 

「あ、すまんすまん。

戦国時代なんてそんなもんだ。

俺だっていつまでも無責任に

『人殺しはいけません』なんて言えないよ」

 

本当はご主人様と桃香様には、

こんな戦場の泥をお見せしたくはなかったんですが。

 

「おいおい。俺だって

皆を泥の中に叩き込んで置いて、

後ろでふんぞり返っていられるほど

面の皮は厚くないぞ?」

 

ご主人様・・・

 

「けど桃香は違う。

あいつには綺麗なままでいて欲しいって思う。」

 

はい、皆に見せる夢は綺麗なままでないと

 

「そうだな。俺の知ってる

世界とは随分違ってきたせいで

天の知識も役に立たなくなってきたけど・・・」

 

それは違います!

 

「ひ、雛里?」

 

ご主人様の価値はそこではありません!

 

「・・・」

 

たしかに未来の知識は役に立つのでしょう!

ですがそれに引きずられて今が見えなく

なっては意味がありません。

 

「・・・そうだな」

 

ですから一番貴重なのは、ご主人様の世界の知識そのものです!

 

「俺の世界の知識そのもの?」

 

はい!知識は積み重ねです!

ご主人様の居た世界は、この世界より

およそ1800年も進んでいたとか?

 

「あ、ああ、そうだな」

 

なら、その我々が気付かない視点や、

考えもつかない様々な意見は1800年の蓄積なんです!

 

「1800年の蓄積・・・」

 

ですから、ご主人様も胸を張ってください!

ご主人様だって私たちの夢なんです!!

 

「雛里・・・」

 

ご主人様・・・

 

『・・・軍議中なのだ』

 

「「あっ!!」」

 

『・・・まったく、愛紗とお姉ちゃんが

査察に行ってるから良かったものの、

今は正直そんな暇はないのだ。』

 

「「はい、すみません!」」

 

『いいから軍議』

 

「あ、ああ、そうだな!」

 

そ、そうですね!

 

『で、お兄ちゃんとお姉ちゃんと愛紗が残って鈴々と雛里が江州へ行くのは?』

 

「い、いや、それでいいと思う。

今の桃香から俺が離れたら危ないだろうし、

雛里一人だと愛紗を止めれなくなるからな」

 

愛紗さんが言うこと聞いてくれるはず

ないですもんね・・・

 

『最近の愛紗は焦ってるのだ』

 

「鈴々一人が活躍してるからな」

 

ですが、あんなに入れ込んだ人を戦場に出す軍師なんていませんよ

 

『絶対変なことしてみんなに迷惑かけるのだ』

 

「・・・そうだよなぁ」

 

ですから、私たちがいない間

愛紗さんが進軍を希望しても、

ご主人様がなんとしても抑えてください!

 

「・・・俺にできるかな?」

 

『俺と桃香を置いていくのか?って言えば

納得するのだ』

 

そうですね。一緒に行こうとか言い出したら

後方はどうなる?って聞いてください。

 

『なんとかなる!とか言い出したら、

お部屋に連れて行ってヤればいいのだ』

 

・・・まぁそうですね。

毎回そのまま足腰が

立たなくなるくらいにすれば

お部屋に呼ばれる為に進軍を

主張するようになるかもしれませんね。

 

「なんだか俺の扱いが酷くないか?」

 

『使えるモノは何(ナニ)だって使えって言うのだ』

 

そうです。今の我々には愛紗さんの

わがままに構っている余裕はありません。

 

ナニを使ってでも止めてください

止めないと人が死ぬんです。

いいですね?

 

「あ、ハイ」

 

では、これから愛紗さんが戻り次第

軍議を行いますので。

 

『お兄ちゃんは、愛紗が

外に出たら困るって感じで頼むのだ』

 

「りょ、了解!」

 

それじゃ鈴々ちゃん。

陣容の確認と出陣してからについて

打ち合わせしましょうか。

 

『わかったのだ』

 

「・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「鈴々、逞しくなりすぎ」

 




このくらいから張飛覚醒するし、まぁいいよねってお話です

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