とある策士の外史旅(仮)   作:カツヲ武士

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ウブでシャイなお弟子さんと
個性に悩む地妹と鉤眉さんの会話

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原作は既にない!
嫌いな人は読み飛ばし!



蛇遣い座の人って仮面いらないの?

そうですね。恥ずかしがり屋の私は

とりあえずアナタ方の目を奪うとしましょう

 

「「目がぁぁー目がぁぁぁー!」」

 

『親指と人差し指で眉間を突いて

視覚と判断力を奪う。

これが虎口拳っっ!!』

 

五月蝿いので顎も外しましょう

 

「「あ、あがががが!!」」

 

『風摩殺!一見頬に掌を当てただけなのに、

しっかり顎が外れるんですね!』

 

伯師妹、とりあえず先ほどの

お茶のおかわりもらえますか?

 

『はいっ』

 

その間に地姉の文を読みましょう。

あぁ、あなた方は疲れてるでしょうから

暫く寝てなさい。

・・・奇跡の部屋で。

 

「「?!」」

 

『師姉様!お茶が入りました』

 

ありがとうございます。

とりあえず一緒に飲みましょうか?

 

『はいっ!』

 

 

 

 

ふむ、陶謙がねぇ・・・

 

『徐州のあほがどうしたんですか?』

 

えぇ、さっき言ってた間者の話が

あったでしょう?

 

『はい、宛の情報を喋って破裂する予定の木人間ですよね?』

 

そうです。ソレが執拗に陶謙に降伏を

勧めてるようですね。

 

『えぇ~まだ破裂してなかったんですか?

それに今更降伏されても・・・』

 

そうですね。

確かに陶謙は逆賊認定されてませんので

州牧の座を李厳殿に譲って

隠居するといえば、まぁ命は助かるんですが。

 

『助ける意味がないんですよね』

 

はっきり言えばその通り。

この情報を逆賊連合に流して、

不協和音を高めても良いのですが・・・

 

『劉琮の擁立がさらに遅くなっちゃいます』

 

何をしてるのやら・・・

 

『それで、地味な妹さんと

変な眉毛は何をしにきたんでしょう?』

 

陶謙が降伏してきた場合の対処について

の打ち合わせと、

世間で不仲と言われている

私と地姉の仲の調整ですね。

 

『あほはいいとして、不仲の調整ですか?』

 

えぇ、不仲だからといってお互いに

使者も何も出さないのは不自然でしょう?

 

『あぁ、妹さんなら代理としては十分ですもんね!』

 

そうですね。安北将軍である私に対しては

地姉が来ても不自然ではありませんが、

不仲と言う前提があるならば

地妹が来るのが正解です。

 

『なるほど、山の子さんは代理というには少し軽いですからね』

 

そういうことです。

で、伯師妹としてはどう思いますか?

 

『降伏は保留して劉琮が立つのを

待てばいいと思います』

 

それが一番ですね。

まぁ公式に降伏を宣言できるほどの

決断力が陶謙にあるとは

思えませんので、のらりくらりと

流せば良いでしょう。

 

『今更両方に良い顔しようって

言うのが、よくわかりません』

 

そうですよねぇ。

ココで劉琮の即位は認めない!とか

言って、地姉に援軍要請できる

くらいの決断力があれば、どこか

の太守くらいなら任せても

良いのですけど・・・。

 

『虫に集られますね』

 

そうです。ソレを切り抜けるだけの

実力を見せれば良いのですが。

 

『そんなのあったら、とっくに

孫堅か地味な姉さんに降ってますよね』

 

こんな無能がよくもまぁ州牧なんて・・・

 

『何もなければ平和だったかもしれませんけど』

 

徐州と青州の黄巾は普通に生活苦ですから、

そうとも言えませんよ

 

『あ、そうでした。

青州の孔融には及ばなくても

陶謙も立派なあほですもんね』

 

一時期は小沛の闕宣とかいう輩と

手を組んで、泰山郡を攻めようとしたとか

 

『あぁ、天子を自称した気狂いの仲間でしたっけ?』

 

そうですね。黄巾に乗じて

色々なところで天子を名乗る阿呆が

出てきましたが、あっさりと

討伐されてますね。

 

『今回のも劉琮の即位の邪魔になるからって

陶謙に殺られたんですよね?』

 

自分で手を組んでおきながら

都合が悪くなったら切り捨てる。

そんな輩の降伏を許すのか?

と言われればアレなんですが・・・

 

『なんだかんだで天子を名乗った賊を討伐しただけですから』

 

投降を許さないと言えるほどの悪行を

行っているわけではありません。

 

『スゴク・中途半端です』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、いう訳で陶謙の降伏は認めません。

質問はありますか?

 

「「はいっ!」」

 

では地妹。

 

「はいっ!もし大々的に

降ると公表してきたらどうしましょう?」

 

即位が間に合おうが

間に合うまいが

劉琮の即位に手を貸した

事実を持って逆賊とします。

 

陶謙には安北将軍の許可を取れと

言って下さい。

 

他には?

 

『はいっ!』

 

鉤眉、どうぞ

 

『はいっ!そもそも皆さんは

劉琮に即位させたあと、

どのように動く予定なのでしょうか?』

 

あぁ、そういえばわざわざ言ってはいませんね。

 

「そうですね、賛姉は何か知ってる

みたいですけど、私たちには何も

情報が来てないですね」

 

ふむ、地姉はあやふやながら

気付いてますか。

為政者の目でしょうね

 

『軍師や将軍では気付かないモノでしょうか?』

 

いえ?目には見えてるけど

大きすぎて理解できてないだけですね。

 

「・・・そんな大きな動きが?」

 

ありますよ。今は劉琮のせいで

滞ってますが。

 

『では何をするかは・・・』

 

まだ教えられませんね。

自分たちで気付いて下さい。

 

あなた方が公孫賛に従うならそれで良し。

従わないならそれでも良し。です

分かりましたか?

 

『「はいっ」』

 

とりあえずの流れは、劉琮の即位と

長安のヘタレが混乱することが

前提となってます。

 

「では、もし長安が混乱しなければ?」

 

我々が混乱させます。

 

『「あぁ」』

 

孫策は劉琮即位の予定日から

おおよそ一ヶ月前程度に

盧江を出るでしょう

 

「そして即位と同時に

劉琮を認めないと宣言し

江夏を攻めるんですね?」

 

そうです。逆賊連合も我慢の限界ですが

肝心の劉琮が襄陽をでないことには

何もできません。

 

『そのために宛の兵力を減らしたと

いうことでしょうか?』

 

その通り。

師が宛から南下することはない。

汝南と二手に別れているから

積極的な攻勢は無い。

そう判断させるためですね。

 

「周囲の我慢の限界はどれくらい

と予測してますか?」

 

まず孫堅は三ヶ月

 

「え?孫堅もですか?」

 

劉表は孫堅が北上するのを

待ってる節がありますからね。

 

『誘うために敢えて孫策を動かす?』

 

集めた兵だって無駄に食わせる

わけには行きませんから。

 

「確かに。では曹操は?」

 

二ヶ月がいいところでしょう

 

『汝南が落ち着く前にですね?』

 

汝南が安定したら許昌での即位が

難しくなりますからね。

 

『劉表は?』

 

すでに限界でしょう。

ミミズの動きや劉璋の動き、

孫堅の動きに逆賊連合の動き。

そして長安の動き・・・

それら全てに対応できる器ではありません

 

「あぁ、限界ってそう言うことでしたか」

 

もはや人間不信と深読みで

まともな考えができる状態ではないでしょうね

 

分不相応な夢を抱けばああなります。

 

「あと長安ですか」

 

長安は我慢させてる方ですから、

特に無いでしょう。

 

時間があればあるほど

劉弁殿下も落ち着くし、

他の皇族の説得もできる。

なんて考えているのかもしれません。

 

「役人はコレだから・・・」

 

『そうですねー。今こそ動かないと

大変なことになるでしょうに・・・』

 

長安の財は洛陽から移した財。

漢全土から徴収できているわけではない

と言うことを理解できてないのですよ。

 

「名家連中が溜め込んでた財が、

どれくらい凄いのかって話でもありますね」

 

『百年以上も賄賂・中抜きで失われた国家予算ですから』

 

それらを我が物顔で使えるのが楽しい

みたいですね。

 

あとは、劉表の手先として

益州に侵入したミミズに対して、

長安から援軍が出ました。

 

「え?長安が劉璋に援軍ですか?!」

 

『帝を名乗った劉璋を長安は

認めていなかったはずでは?』

 

名目上は同じ皇族ですし。

禅譲も考えていないことも無い

らしいので、貸しをつくりたい

と言うのもあるのでしょう。

 

「貸しになんて思うはずないですよ」

 

『なぜか逆恨みしそうですよね』

 

そうですね。勝手に益州に

入ってきて偉そうにするな!

とか言いそうです。

 

「長安の役人はそんなこともわからないんですか?」

 

『公孫越様。わかってないから出陣の許可がでたんですよー』

 

その通り、しっかりと物資も出てます

 

「馬鹿ですねー」

 

『皇甫嵩将軍や朱儁将軍は

戦に出たがってると

聞きましたが、それも関係あるんでしょうか?』

 

関係はあるでしょうが、

それよりも他の情報を重視したようです。

 

援軍の第一陣は馬騰の配下

韓遂率いる5千の涼州騎兵ですからね。

 

『「え?!」』

 

「長安にいる部隊じゃ最精鋭の部隊じゃないですか!」

 

『長安どころか、漢全土で見ても最高級の精鋭部隊ですよー!』

 

野戦なら并州勢でも苦戦する部隊です。

援軍としても速さと力を

両立してますから問題ありませんね。

 

「いや、それはそうでしょうけど、

馬騰殿がなんで?」

 

『そうです。羌族に備えて動けないはずでは?』

 

益州の将、黄忠が援軍要請に来て、

長安に益州でのミミズの所業を伝えました。

 

「・・・益州でもやらかしてるんですか?」

 

『えーと、そもそもミミズとは?』

 

平原を切り捨てた劉備ですね

 

『あ、あー、あの県令の癖に

7千もの兵を連れて袁紹に味方した!』

 

「賛姉にとっての人生の汚点よ!

今度はナニしたんです?」

 

簡単に言えば、

劉表から物資を貰って益州攻めて

自分のモノにしようとしてますね。

 

『それだけで相当アレですけど』

 

「それなら長安から援軍なんて

出ませんよね?」

 

さっきの貸し借りの名目だけでも

出しそうですが、まぁそうですね。

とりあえず落とした城や砦の兵を

捕らえて人質にしてます。

 

『まぁ軍師としては普通の考えですよね』

 

「・・・そうね。捕虜の使い方としては間違ってないわ」

 

人質にした相手が問題でして。

 

『他のお城や砦の人じゃないんですか?』

 

「まさか劉璋には意味がないでしょうし」

 

落とした砦や城の兵士の家族に対して、

物資や新たに兵として参加するよう

命じています。

 

『「鬼かっ!!」』

 

「いや、兵士の家族って?!」

 

『つまりは民じゃないですか?!』

 

そうですね。

為政者として考えれば

ミミズが何をしたいのか

さっぱりわかりません。

 

「山賊の頭目としてならわかりますけどね」

 

『一時の武功の為に人と資財を根こそぎ

持って行って、平原を地獄に落とした

劉備ならではの所業ですね』

 

まったくもってそのとおり。

 

長安も、さすがにそんなのに益州を

盗られたら不味いと判断したようです。

 

「動ける人間根こそぎ兵士にされますね」

 

『罠を張られて、全部焼かれて

終わりそうですけど』

 

そうなればどれだけの

民が失われることか。

 

そう考えた馬騰が即座に兵を出して

これ以上の侵攻をおさえ、

朱儁か皇甫嵩が援軍の本体を率いて

ミミズを潰そうというのが今の流れですね。

 

「あ、それで長安が動けないなら」

 

『劉琮の即位もしやすくなりますね。』

 

そこまでを見越して、

師が馬騰に動くように命じたのがことの真相ですね。

 

『「・・・」』

 

「全部掌の上ですか・・・」

 

『コレ、私たち曹操陣営に行ってたら、

普通に血を吐いて倒れてますよ』

 

勝ちの目があると言いましたので、

師の驚く顔が見れるかと

期待してたんですけどねぇ。

 

「あぁ、それは良いんですか?」

 

驚いたあとに

「壁を越えるのが楽しいんじゃないかっ」

て言いながら笑顔で壁を壊しに行く人ですから

 

『越えてないじゃないですか!』

 

当たり前です。足元にある

壁をわざわざ越えてもしょうがないでしょう?

 

「せめて頑丈であることを願って壊すんですね」

 

『想像以上に薄い壁でしたよー』

 

そんなわけで、周りがどんなに

粘っても二ヶ月以内に劉琮が即位します。

 

「しなかったらどうなりますか?」

 

『なにか策が?』

 

・・・めんどくせぇと言って、

さっさと全部終わらせる予定です。

 

『「えぇぇぇぇ」』

 

それでも我々の狙いは達成できますので

 

「あ、そうなんですね」

 

そうですよ。

あくまで劉琮が帝を名乗ったほうが

都合が良いってだけですから。

 

『ま、まぁ待ってる間に新しい街も作れますし』

 

戦が終わった後にしないと、

無駄に荒れてしまいますから

 

「そうですよねー」

 

『戦自体はどれくらいかかる予定で?』

 

曹操の粘り次第ですが、

まぁゆっくり二年くらいは

かける予定ですよ。

 

「ゆっくり・・・してますか?」

 

『もう、わかりませんね』

 

それが師です。

 

「そう言う人でした・・・」

 

『まだお会いしてないんですけど、もうお腹いっぱいです』

 

それがわかれば十分です。

 

他になにか質問はありますか?

 

『「ありません!」』

 

では地姉には準備しておくよう

伝えるように。

 

お疲れ様でした。

 

『「はいっ!お疲れ様でした!!」』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ミミズさんにはナニかありますよねー。調べたほうが良いのでしょうかー?』




別に顔を見られたからって
殺す人ではありません。

絶対後からあの設定
邪魔になっただろってお話


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