とある策士の外史旅(仮)   作:カツヲ武士

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ミミズ陣営再び

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基本的に蜀アンチ!
キャラがブレてる?
情緒不安定なんですよ

原作は既にない!

嫌いな人は読み飛ばし!!


これが劇場版ジャイアン効果だっ!

速すぎる。

援軍に来るのも速ければ

戦場での機動もまるで追いつかない。

 

コレが涼州騎兵!

 

幽州にいた頃は騎兵隊は趙雲さんや

公孫賛様達の直属だったから

実際の戦闘はほとんど見れなかったけど・・・

 

今考えたらわかる。

信用できない私たちに

情報を隠してたんだね。

 

いや、問題は今!

幽州の田階さんや田豫さん

以外ではついて行けないし

ついて行っても小数だから潰される。

 

かつて十万の羌賊を率いて

漢に弓引いた韓遂の指揮も、

初めて万の兵を操る私よりはるかに上!

 

雒城方向への進軍は

なぜかご主人様が嫌がるし。

 

兵たちも無理やり戦わせてるから

これ以上私たちが不利になったら

裏切られる・・・

 

前進は・・・ダメ。

これ以上の進軍はできない。

 

南鄭は捨てて上庸まで下がる?

今は成都まで行く必要はない。

南に回って犍為や牂牁を手に入れて

時間を稼げばいい。

 

中原で事が起これば

長安の軍勢だって退くし

劉表さんも益州から目を離す。

 

けど撤退なんて言ったら・・・

 

『雛里、これ以上は危険なのだ』

 

鈴々ちゃん・・・

 

『打って出た兵はみんな

追いつけないで帰ってくるし、

追いついたと思ったら

誘いで囲まれてるのだ』

 

そうだね。

さっきも鈴々ちゃんが

居なかったら全滅してたよ

 

『相手は城攻めはしてこない。

狙いは出る兵と入ろうとする兵なのだ』

 

騎兵ならではの変則的な兵糧攻め・・・だね。

 

『騎兵で城攻めの道具を

持ってきてないから、

そうやって城を落とそうとしてるのだ!』

 

油断していた。

準備が足りなかったっ!

 

『鈴々と雛里は南に行って、

ちゃんと城を落としてきたのだ!』

 

けどまさか江州を落として帰ってきたら

長安の軍勢が来てるなんて

流石に想定外だったよ。

 

『雛里はちゃんと長安から

援軍が来るかもって言ってたのだ』

 

そうだけど・・・

 

『それなのに何も考えないで、

前進とか攻勢とか言って周りに

迷惑かけて、敵に備えなかった愛紗が悪いのだ!』

 

確かに。ここまで接近に

気付かなかったって言うのはちょっとね。

 

『今だって、

「自分が出れば敵が逃げる!」とか

言ってるけど遊ばれてるだけなのだ!』

 

そうだね。無駄に出撃したと思ったら、

後ろの兵隊さんが襲われてさ、

取って返した頃には敵は居なくて

負傷兵だけが残ってるんだよ?

 

『わざと殺してないのだ?』

 

うん、そう。わざと

負傷させて私たちの物資を

さらに減らそうとしてるの。

 

『味方の兵隊を、負傷したからって

殺すわけにいかないのだ』

 

もちろんそう。

そのことに関羽さんが気付いてない。

 

『お兄ちゃんやお姉ちゃんは・・・』

 

お二人は戦に関わっても

邪魔になるからって軍議には参加しないの

 

『お兄ちゃんはわかるけど・・・』

 

鈴々ちゃん。

桃香様をそうしたのは私たちだから・・・

 

『それでもっ!

いくらなんでも無責任すぎるのだ!』

 

それでも良いと思ってたんです。

 

『雛里?』

 

桃香様の夢を知れば、

みんな賛同してくれるって思ってたんです。

 

『・・・みんなが笑って暮らせるならその方が良いのだ』

 

そうだよね。だからその夢が

泥で汚れないようにって

守ってきたつもりだったんです。

 

『それは守ってると言わないのだ』

 

はい、ただ甘やかしてただけです。

現実も見せずに、夢の中にいれるようにって

 

『そうやって夢の中にいる

お姉ちゃんのために、

今を生きる人たちを殺してきたのだ』

 

そうですね。

本当なら桃香様も現実に目を向けて

しっかり指揮を取ってもらわないと

困るんです

 

『なら今からでも!』

 

・・・遅すぎます。

 

『えっ・・・』

 

今更戦略も戦術も兵の指揮も

まともに習得してこなかった

桃香様が戦場に出てきても、

皆さんの足を引っ張るだけなんです。

 

『・・・』

 

益州の兵が相手なら、

私や鈴々ちゃんが補佐して

いろいろ覚えてもらうことも

出来ました。

けど相手が涼州の騎兵だと・・・無理です。

 

『お姉ちゃんを気遣って戦える

相手じゃないのだ・・・』

 

援軍が来るにしても、

皇甫嵩将軍か朱儁将軍が率いる

官軍だと思ってましたし。

 

『この険しい道を普通に

騎馬で駆けてくるなんて

想像も出来なかったのだ・・・』

 

援軍の決断も速かった。

進軍も速かった。

そして彼らの戦は、まさに狩り。

 

『追い詰めて、傷付けて、

じわじわ攻めて、絶対無理はしないのだ』

 

5千の騎兵が全員騎射してくるのにも

驚きました・・・

 

『うん。こっちは近付く前に

散々撃たれて数を減らしていくのだ』

 

兵の練度が違いすぎます。

それに将としての練度も。

今の私たちでは到底勝てません。

 

『篭城しても物資が狙われるから持たないのだ』

 

殿を残して退くしかないでしょう。

 

『じゃあ鈴々が』

 

それはダメです。

鈴々ちゃんはご主人様と桃香様を

守ってもらいます。

 

『けど・・・』

 

私が残りますよ

 

『そんな!』

 

愛紗さんに殿なんてできません。

「こんなところで死ぬわけには行かない!」

 

とか言って兵隊さんを置いて、

ご主人様と桃香様を追うでしょうからね。

 

『だけど、それじゃあ!』

 

兵隊さんに「死ね」って言って

おきながら、自分は死にたくない

なんて言えませんよ

 

『田階とか田豫だって!』

 

あの人たちが居なかったら

とっくに私たちは終わってますよ?

これからあの涼州騎兵から逃れる

ためには、絶対に必要です。

 

『けど、けど!』

 

絶対死ぬって決まったわけじゃないですし。

 

『・・・なにか鈴々にできることは?』

 

そうですね。

軍議で無駄な発言をする

愛紗さん、いえ関羽さんを抑えてもらえますか?

 

『・・・わかったのだ』

 

あとは、そうですね。

桃香様をお願いしますって言うのと

ご主人様をお願いしますって言うの。

 

『頼まれなくてもちゃんと守るのだ!』

 

ありがとうございます。

 

それと、朱里ちゃんに「ごめんなさい」って言って欲しい。かな。

 

『じ、自分で言うのだ!』

 

うん、そうだね。

戻ったら「無茶してゴメン」って謝るよ!

 

『そうするのだ!』

 

じゃ、軍議行こっか?

・・・よろしくね?

 

『・・・うん。わかったのだ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何故退かねばならない!我々は二万

相手は五千だぞ?!」

 

鍛え抜かれた騎兵は一騎で五人の歩兵に匹敵します

 

「こちらとて鍛えてきただろう!」

 

訓練でいくら鍛えても、

実践で磨かれてきた

彼らには遠く及びません。

 

「なんだとっ!私が鍛えた兵が弱兵だとでも言うつもりかっ!」

 

『愛紗、それ以前にこっちは

負傷兵も多くて二万もいないのだ』

 

「それはっ・・・」

 

負傷兵の治療のためにも

物資を使いますが、

その物資を狙われるので

城に入れることができません。

 

「なら負傷兵など!」

 

『愛紗、ソレをしたらお姉ちゃんの夢はどうなるのだ?』

 

「・・・」

 

「今のままじゃ

どうしようもないのはわかった。

その上で撤退しなきゃいけないのも

わかった。けど撤退してなんとかなるのか?」

 

ご主人様、重要なのは時間なんです。

もう少しで劉琮様が帝を名乗ります。

 

「そうなれば長安の連中も退くだろう!

わざわざ我々が退く必要など無いではないか!」

 

退かなかったらどうするんです?

 

「な、何?」

 

なんだかんだ言っても敵兵は

5千なんです。

ならこの五千はこちらで

劉璋様や劉表様の牽制に

当てるという可能性は十分にあります。

 

「そうか、少ないからこそ・・・か」

 

はい、そうなった場合。

我々はこのまま篭城となりますが

その間に雒城方面から兵が出て

上庸を落とされたら・・・

 

「完全に退路を塞がれることになるな」

 

ですので、ここ南鄭は捨てて

上庸と江州を維持してもらい、

北や西ではなく南から勢力を

広めてもらいます。

 

「南・・・」

 

はい、犍為や牂牁になります。

ここより南なら、涼州の騎兵も劉璋様の

許可がないので侵入できません。

 

「上庸は?」

 

ここ漢中ですら劉璋様は

いい顔をしていないでしょう。

これ以上の南下は物資を遮断される

可能性が出てきます。

 

「アイツ等って劉璋への援軍じゃないのか?」

 

はい、正確には益州への援軍ですね。

 

「それは同じことだろう!!」

 

・・・

 

「雛里?」

 

・・・彼らは劉表様にも劉璋様にも、

もちろん桃香様にも味方していないんです

 

「なるほど、誰かに統一されるよりも

混乱していたほうが干渉しやすいか」

 

そうです。長安にしてみれば

誰を擁立するにせよ、益州は

混乱していたほうが都合が良いんです。

 

「ならココで意地を張ってるのは

劉璋にとっては、敵が削り合ってる

ようなものってことか?」

 

はい、長安の軍勢が勝手に劉表様の

軍勢を叩いてくれているんです。

あとは「勝手に益州に入るな」

とか言って長安の兵を退かせるつもりかと。

 

 

「なんだと!そんな小賢しい真似をしていたのか!」

 

「奴らが雒城方面に攻めたらどうなる?」

 

我々がココで戦っている

時間を使って、彼らは

籠城の支度を整えているでしょう。

ですので・・・

 

「あぁ、そうか。俺たちが

満足に籠城できないのは

準備不足が原因だもんな」

 

すみません。

まさか長安がここまで早く軍を出すとは思っても見ませんでした

 

「そうだ雛里!お前の怠慢だぞ!どうする?!」

 

『愛紗、鈴々達全員の罪なのだ』

 

「・・・鈴々っ!」

 

「そうだぞ愛紗。

雛里一人のせいじゃない。

むしろ雛里は長安から

敵が来ることは予測してたんだ。

それに備えなかったのは、

留守を預かってた俺たちじゃないか」

 

「ご、ご主人様!」

 

現状、殿を残して撤退してもらうしかありません。

 

「殿か。」

 

はい、私が残ろうかと

 

「「雛里(ちゃん)が?!」」

 

はい、兵は五千と負傷兵を全部。

ご主人様たちは全力で逃げてください。

 

「い、いや、ちょっと」

 

鈴々ちゃんと・・・愛紗、さんは

ご主人様と桃香様を

お守りしてもらわなければなりません。

 

「いや、けど!」

 

田階さんや田豫さんは

軍勢を率いて戻って

もらわないといけません。

涼州の騎兵に対抗できるのは

お二方だけですから。

 

「「・・・」」

 

他の方々だと、どうしても

後を追われてしまいます。

 

「「・・・」」

 

それと私が抜けたあとは

朱里ちゃんを呼び寄せてください。

 

「それはっ!」

 

あぁ、死ぬつもりは

ありませんよ?

ですが、軍師がいない間だって

周りは動いてるんです。

 

今の私たちには空白の時間を

作っている余裕はありません。

 

「・・・そうだな」

 

そんな顔しないでくださいご主人様。

 

「ゴメン雛里!俺がもっといろいろ出来たらっ!

雛里一人にこんなことはさせないのに!」

 

・・・良いんですよご主人様。

 

「・・・雛里」

 

・・・夢を見れました。

桃の香りがする、とっても綺麗な夢でした。

 

「・・・雛里ちゃん」

 

その夢を現実にするために、

朱里ちゃんと頑張ってきました!

 

『雛里・・・』

 

みんなにも、みて、もらい、たくて・・・。

がんばって、きました。

 

『「「・・・」」』

 

こ、これ、からも、がんばるん、です。

だから、ごしゅじん、さまと、とうかさまは

ぶじじゃなきゃダメなんでしゅ。

 

あ、かんじゃいましゅた・・・

 

「雛里っ!!」

 

だからごしゅじんしゃま!ぜったい!ぜったい!

とうかさまのゆめを!!

きれいなゆめをなくしゃないくだしゃい!!

 

「雛里ちゃん・・・!」

 

「あぁ、ああ!絶対に守る!守ってみせる!」

 

りんりんちゃん・・・

 

『・・・まかせるのだ』

 

おねがい、します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

じゃあみなしゃん!

しゅぐにてったいのじゅんびを!

 

 




準備が出来てなければ
籠城戦はできませんし
周りが全部敵地ですからね。
援軍がこない籠城戦は負け確定ですってお話

接近される前に
柵でもあったら良かったかもしれませんが

それすら作れませんでした。
歩兵なら一ヶ月以上かかっても
騎兵だけなら10日かかりませんからね

むしろ江州から間に合った張飛と龐統が凄いレベル。

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