とある策士の外史旅(仮)   作:カツヲ武士

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前話の続きです

余裕ある孫策サイドと
余裕のない親子サイド

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オリ展開

原作は既にない!
嫌いな人は読み飛ばし!




たとえ99%勝ち目がなくても・・・1%でもあれば!

いやーなんて言うかさ

 

「策殿の言いたいことはわかります。

エグいの一言ですね」

 

『そうですか~?きちんと問題提起から

解決方法まで提示してあげましたし~』

 

「そうですよね。最後には感謝してましたよ」

 

『魯粛の言う通りです。不必要に

敵を作らないのが外交の基本ですからね~』

 

いや、そもそも豫州に攻めないじゃない?

 

『ソレを利用して、司馬様や李儒様が

アレらに恩を売るんですよ~』

 

なるほどなー。

 

それだと司馬様や李儒様にも損は無いし

私たちにも恨みは向かないわよね。

 

「いや、それは良いけどさー。これって

孫策様は大丈夫なのか?」

 

へ?太史慈は何のことを言ってるの?

 

「いや『喋りすぎ。よって矯正』とか言われないかなぁって思ってさ?」

 

あ、り、陸遜!!

 

『太史慈さんのご懸念は

ごもっともですね~

まぁ私は別に良いですけど~』

 

な、なんですって!!

 

「あ、まさかっ?!」

 

「程普様、何かあるんですか?」

 

「魯粛!陸遜の噂、聞いてないの?」

 

「噂?あ、あぁ!一晩中アレだったって!!」

 

「そうよ!私も最近ようやく

わかったんだけど、一晩中なんて

普通は不可能なんだからね!」

 

「「え?そうなんですか?!」」

 

「魯粛も太史慈も覚えておきなさい。

男には賢者の時間と言うのがあって……」

 

へぇ、そんなのが・・・

って違う!!

アンタ!アレのために私を使ったな!!

 

『さぁ~なんのことでしょう~?』

 

くっ!女の顔になってる!!

 

「・・・孫策様おそらく大丈夫です」

 

甘寧、何か知ってるの?!

 

「はい。私や周泰は捕まっても、今まで

アレなことはされたことがありません」

 

そっちの心配はしてないわよ!!

 

『目的のためには何でも利用するのが

軍師ですよお~?』

 

は、嵌められた!

 

『まだ乙女じゃないですか~』

 

だからソッチじゃないわよ!!

 

「・・・サツバツとしてんなー」

 

「・・・太史慈さんも気をつけましょうねー」

 

「「「魯粛が言うな!!」」」

 

「ヒドイっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、言うわけで江夏を落としたら、

南陽には私と魯粛で向かうわ!

 

「え”っ」

『え~』

 

「まぁ今後の展望を確認するには

策殿が行く必要があるし、

陳珪との会談の内容を説明する

必要があるから、どっちかは

行かなきゃダメだろうけど・・・」

 

「わ、私が行くより行きたがってる

陸遜様の方が良いですって!」

 

『そうですよ~。行きたくない人を

連れてってもしょうがないじゃないですか~』

 

ダメよ!

 

『「そんな~」』

 

そもそも陸遜だって、魯粛に

地獄見せなきゃダメだって

権と話してたんでしょ?

 

「そんなことを?!」

 

『ソレはそうですけど~』

 

陳珪を見なさい!

途中まで余裕綽々だったのが

最後は土下座よ?!

 

「まぁ、そうですけど・・・」

 

『まだ全体的な角度が甘いですけどねー』

 

・・・土下座の角度はともかく!

温いままでいられちゃ困るのよ!

さっさと成長しなさい!

 

「と、とうとう私にも成長の機会が?!

コレでシュウユ様を越えてみせるっ!」

 

『ココでそう思える心の強さは凄いですよね~』

 

実際地獄見てないからね・・・

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「お母様・・・」

 

えぇ、完全に掌で転がされていたわ。

・・・私のせいね。

 

「そんな!」

 

いいの。まずはこれからを考えましょう。

 

「はいっ」

 

まず孫策は止められない。

 

「そうですね。劉表様の子に

従う気はないと明言されてしまいました」

 

それはそうよね

無条件に帝だからって考えてたけど、

それなら何故劉璋に逆らうんだ?なんて

言われてしまったらどうしようもないわ

 

「我々を潰したあとで、長安の

擁立した帝に従う気でしょうか?」

 

可能性は高いわね。

それで劉琮を逆賊認定させて、

曹操や陶謙を西、北、南で挟んで殲滅。

奪った豫州と荊州の北部を差し出して

今の交州と揚洲の領土を認めさせる気ね。

 

「それなら、豫州は最初から

手放す予定と言うことですか?」

 

そうね。だから

「無駄な損耗をしたくない」

って言うのは本当よ。

口実があれば止まるってこともね。

 

「そうなると安北将軍と安東将軍ですけど・・・」

 

司馬懿と李儒・・・

情報が全くないのよね。

 

「李儒の方は、陶謙様配下の孫乾さんが

潜入して、心を壊されたとか・・・」

 

間者ですもの。見つかって

捕まったらそうなるわ。

 

「殺さなかったのは、恐怖を伝えるため?」

 

おそらくそうね。実際にそのせいで

陶謙が怖気づいてる。

 

「まさか公孫賛に降伏の使者まで送ってるなんて・・・」

 

あぁ、早合点しちゃダメよ?

 

「え?」

 

陶謙が降伏したがってるとは

言ってたけど、そのための使者を

送ったなんて一言も言ってないわ

 

「あっそうですね!じゃあ嘘を?!」

 

いえ、本来なら嘘を付いて離間計に

するんでしょうけど・・・

 

「ではやはり?」

 

今回のは嘘ではないわね。

私たちから見ても日和ってるのは

わかるんですもの。

 

「・・・そうでした」

 

だから降伏の手土産に豫州を攻めるのも十分あり得るのよ

 

「そんなところに孫堅様や公孫賛が来たら・・・」

 

全部纏めて蹂躙されるわね。

 

「連合を纏めて戦おうにも、

董卓が大将軍を返上してまで

我々を潰すと言ってますからね」

 

そうね。どうしても戦力が分散

されてしまう。

 

今までは公孫賛が後ろを突く

可能性を考えていたから、

全軍は出てこれないと考えていたけどね

 

「劉琮様が逆賊認定されたら

公孫賛も一緒に南下してきます・・・」

 

もう汝南を攻めるなんて言ってる

場合じゃない。生き残るためには

どんな手でも使わないと・・・

 

「劉備みたいに名が汚れても・・・ですか?」

 

・・・そうよ。どのみち

このまま死んだら逆賊の一味として

討伐されたって汚名が残るだけですもの

 

「確かに」

 

生きていれば汚名返上の機は

いくらでもあるわ!

だから、今は生き残るために

何をするべきかを考えなきゃダメなの!

 

「は、はい!」

 

それで、話は司馬懿と李儒・・・

いえ、司馬懿様と李儒様に戻るわけだけど。

 

「公孫賛、様との伝手は・・・」

 

無理でしょう。実際私たちは

公孫賛様には一度もお会いしていないわ。

 

「確かに、使者も二人の軍師にしか

会ってないみたいでした」

 

完全に遊ばれてたのよね。

 

「持っていた情報の量が違ってました」

 

えぇ、初めから「大きさが違う」

と言われていたのにね。

 

「その上でこっちを見定めていたのでしょうか?」

 

そうね。あちらの態度から、

我々がどこまで情報を持ってるかを

確認してたのね。

 

「なら初めから我々の情報は・・・」

 

要らなかったのよ。

そもそも公孫賛様単独でも

勝てるんだから。あとは司馬懿様や

董卓様に邪魔されない環境さえ作れば

良かったんですもの。

 

「今ならそれも簡単です」

 

そうね。董卓様が逆賊討伐の為に

安北将軍様に従うって言ってるんだから、

それに賛同すれば、北は纏まるわ。

 

「賛同しなくても、

最悪お互いが関わらない

だけでも十分ですよね」

 

董卓様の軍勢が冀州を経由して南下した

場合は、曹操の予定通り官渡と白馬で

向き合うことになるでしょう?

 

「騎兵相手ならば、あそこの地形を利用すれば十分以上に戦えるとのことでしたが・・・」

 

その間に南の孫堅様と東の陶謙。

青州に公孫賛様が来る・・・

 

「どう考えても兵も将も足りませんよぉ」

 

この状況なら、公孫賛様は20万もの

兵を出す必要がない。5万でも負けるわ。

 

「ですよね」

 

わざわざ私たちを助命して禍根を

残す必要なんてないってわけね

 

「全部綺麗にしてから、次の豫州牧に

引き渡すんですか?」

 

そうでしょう。引き継ぎやら何やらを

行うよりも、そのほうが早いって

思ってるかもね。

 

「いったい誰がそんなことを・・・」

 

長安では無い。

孫堅様でもない

董卓様でもない

公孫賛様でもない。

なら残るのは?

 

「司馬懿様か李儒様ですね」

 

あのお二人はソレを教えてくれたのよ。

 

「なるほど!・・・ではどちらに行きましょう?」

 

・・・李儒様は司馬懿様の師。

彼を説得することが出来たら、

司馬懿様も説得できる可能性はあるわ。

 

「じゃあ李儒様?」

 

いざとなったら私の体を差し出すわ。

けど、アナタの体を使うことも視野に

入れないとダメよ?

 

「・・・はい」

 

李儒様を選んだ場合、

最悪なのは司馬懿様が李儒様の

意見を聞かなかった場合ね

 

「あぁ、師匠だからって

何でもかんでも聞くわけじゃ

ないですからね」

 

むしろ反発する可能性だってあるの

『いつまでも師匠ヅラするな』って。

 

「その場合沛国は・・・」

 

蹂躙されるわ。

私たちは体を売って命を

拾った売女扱いかしら?

 

「・・・それでも、いつかは!」

 

そうね。それも司馬懿様と李儒様が

同じ方向を向いていれば・・・

 

「あぁ!逆賊を討伐した後の

帝位について意見が割れたら・・・」

 

遺勅を果たしたあと、各勢力が

どう動くか予想もつかないのよ。

 

「ソレによっては

私たちは汚名返上どころか

さらに汚名を被ることになります!」

 

だから司馬懿様と李儒様を比べた場合

幽・并・冀州を束ねる司馬懿様と

兗・徐・青州を束ねる李儒様になるわ

 

「兵力的には司馬懿様ですけど・・・」

 

司馬懿様の場合、

北方の騎馬民族がいるからね。

全力では戦えないだろうけど

戦力を一点に集中できるのが強みよ。

 

李儒様は周り次第よね

 

「長安と南の交・揚州を束ねる孫堅様ですか」

 

そうね。豫州がどうなるかは

まだわからないけど

益州の劉璋と荊州の劉表は

除外してもいいでしょう。

 

「涼州の馬騰様と長安は

同じと見ていいでしょうから。

孫堅様と長安が李儒様の味方になれば

李儒様が有利で、敵になれば不利と」

 

ま、当たり前の話だけどね。

あとは孫堅様が李儒様について

長安が司馬懿様についたり

する場合だけど・・・

 

「そこまで行けば長安が

擁立する帝次第ですよね」

 

そうね。誰もが納得できる

帝が立ってくれれば争いには

ならないだろうからね。

 

「では今は李儒様に?」

 

司馬懿様とは伝手もなければ

攻略の糸口もないから・・・

 

「せめて体が使える李儒様ですか・・・」

 

それも可能性でしかないけど

 

「いまは一分の可能性でもあるなら、

それに賭けるしかないんですよね」

 

どう考えても完全に

詰んでるんですもの。

誰かに降伏するなら、

少しでも生き残る可能性が

あるところにしないと・・・

 

「そ、そうです!もしかしたら

司馬懿様と同じ方向を向いてる

可能性もあるんだし!」

 

それもあるわね。最初は宛が一番危険だと思ってたけど

 

「孫堅様と公孫賛様が

劉琮に従わないのなら、

逆に一番の安全地帯になります」

 

立場的にも距離的にも

長安に近いから、その後でも

いくらでも動けるわ

 

「あとは曹操がどう出るか・・・」

 

この状況じゃ沛国に兵を出す余裕なんて

あるとは思えないけど。

 

「そうですね。それに、捕らえられて

尋問を受けてたとか言っておけば、

彼女らは誤魔化せそうな気もしますよ?」

 

あぁ、体を好きに弄られたとか言って

被害者ぶってれば、荀彧は騙せるわね。

 

「安東将軍様に降ったと言えば、

孫堅様も手を出すことはないでしょうし」

 

陶謙もそうよね。公孫賛様がどこを

向いてるかわからない以上、沛国は

避けるでしょう。

 

「・・・そうなるといいですね」

 

・・・そうね。

 

そんな都合のいい最良の形になんて

そう簡単にはならないだろうけど

 

「せめて最悪にならないようにしないと!」

 

もし李儒様にも降伏を認められなかった

場合は、せめて貴女を人質として

置いてもらうよう交渉するわ

 

「お母様!」

 

名家ならよくあることよ。

李儒様もそれはわかってくれるはず。

 

「・・・」

 

その場合は全部貴女に押し付けちゃう

形になっちゃうけど・・・

 

「はい!絶対に生き抜いて汚名返上してみせます!!」

 

えぇ、頼むわね。

 

「まだ決まったわけじゃありませんよ!」

 

そうね、これからよね。

 

「はいっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暗黒将軍・・・そんなに甘い相手じゃないわよね。




ご機嫌な李儒くんがどう出るかっ!

もう気分(サイコロ)次第ってお話


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