とある策士の外史旅(仮)   作:カツヲ武士

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前話の続きです

李儒くんに身体を捧げる覚悟を決めた母娘。

君に「おいバカやめろ」の声が聞こえるか?! 

オリ展開
オリ設定

原作は既に無い!
アンチヘイトは今更だ!

嫌いな人は読み飛ばしっ!



秘孔は正しい用法を守って使いましょう

『教頭先生ー何かお客さん来たみたいですよー』

 

ん?今日って予定あったか?

 

『んー無いですね(´ε`)

追い返します?』

 

ま、ずっと書類仕事と鍛錬ってのも

アレだし、たまには良いんだがなぁ。

名前と口上は?

 

『えー豫州沛国の相で、

陳珪とその娘の陳登、

口上は・・・( ΦωΦ )』

 

なんだ?その顔芸から口上を

読み取らなきゃ行かんのか?

なかなか難易度が高いな。

 

『・・・策姉様に降伏しようとしたけど

断られて、軍師の陸遜と魯粛に

「軍勢を止めたければお母様か

安東将軍様にお願いして止めてもらえ」

って言われたんだって』

 

ほほう。まぁ正確には弟子か俺に頼んで

ってところだろうな

 

『まぁ一応同格ですもんねー』

 

そうだな。安北将軍の弟子か

安東将軍である俺に止められたら、

野生児が止まっても違和感はない。

で、止まった軍勢がそのまま荊州か。

うん、悪くないんじゃないか?

 

『え?矯正とかしないんですか?』

 

いやいや、軍師ってのは使えるものは

何でも使うのが正解だ。

それに、今回の場合は

陳親子を俺に降らせることで、

俺の動きを援助する形になると

考えたんじゃないか?

 

『そうなんですかねー?』

 

なんだ?連帯責任で矯正されたいか?

 

『(ΦдΦ)』

 

だろ?だからここは問題なしで良いじゃないか

 

『是非そうして下さい(>д<)』

 

 

 

で、降伏についてはどう思う?

 

『うーん。別にどっちでもいいですよね?』

 

ま、その通りだ。

 

降伏はしたかったらすればいい。

沛国については知らん。

お前らでなんとかしろ

って感じで良い。

 

『それってミミズみたいに

民を見捨てることになるんじゃないですか?』

 

いや、ミミズの場合は人と資財を

根こそぎ持っていったからな。

 

『あ、そっか。じゃあこの二人は

個人として降伏しに来たってことですか?』

 

可能性は高い。

曹操が裏切り者ーって

叫んでも・・・なぁ?

 

『逆賊の裏切り者だから、正義の味方ですね?』

 

そうなる。

報復で攻めるにしても

裏切ったのは国主じゃなくて相だろ?

 

『ただの憂さ晴らしで終わります』

 

だな。曹操に悪名が付くが

親子には付かん。

 

『それかんがえたら、ちょっと

機を逸してはいますけど、

悪くはない判断してるんですか』

 

ある意味では一番の機ではあるがな

 

『と言うと?』

 

劉琮の即位はもはや秒読み段階。

 

『あぁ、その時にあっちの陣営にいたら

逆賊ですもんね』

 

中心人物の一人だったからな。

それが今抜けたら?

 

『相手が混乱する功績を

立てたことになりますか?』

 

そうだな。客を二階に上げて

梯子を外した感じになる。

 

『おぉ、そうですね』

 

実はここまでが俺たちの

謀だったんだー!

 

『ナ、ナンダッテー(゜д゜)!』

 

とか言える。

 

『そうですねー』

 

ま、俺たちにしたらその程度の話だよ。

 

『あっちはスゴク・覚悟

決めてるみたいですよー?』

 

 

 

 

当たり前だ。

 

 

 

 

『?!』

 

 

 

孫尚香、降伏を軽く考えるな。

 

『はい』

 

勝てなければ降伏する。

当たり前のことだが

戦の前にその決断をするのは

とても難しい。

 

『はい』

 

無駄な犠牲を出すことなく

終わらせるという先見と、

自分の名を汚してでも

生き抜くという覚悟が必要になるんだ。

 

『はい』

 

さらに娘を連れてきている。

前にも教えたな?

 

『はい、子を守る母親は最強です』

 

そうだ。

現状、彼女らの降伏が生む効果は

どうでも良いんだ。

ならば今回見るのは

人の覚悟と意思だ。

ソレを軽んじてどうする?

 

『ハイッ!すみませんでした!』

 

いや、その前までの態度が軽かったからな。

 

『・・・』

 

ただな、母親が娘連れてきてて、

スゴク・覚悟を決めてるってわかってたなら。

きちんと向き合うくらいはしてやれ。

 

『はい』

 

ま、話の内容と人間としての格が

余りにもアレなら別に構わんがな。

 

『たまにいますからねー

好き放題生きてきたくせに、

とにかく助けてってヤツ』

 

ミミズみたいにな。

 

あーゆー奴らは構わん

覚悟ごと踏みつぶせ

 

『はーい』

 

さて、じゃ圧迫面接してやろうじゃないか?

 

『圧迫はするんですね?』

 

そりゃそうだ。

約束も何もなく来て

命乞いだぞ?

それなりの覚悟を見せてもらわんと、

お前たちだって納得しないだろ?

 

『それはそーですよ!』

 

そんなわけで、征けネコモドキ!

獲物を連行してくるのだ!

 

『ε=ε=┌(┌*ΦωΦ)゚ゞ』

 

 

いや、読み取れんから。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

(・・・お、お母様!コレはっ?!)

 

(な、何よこの圧力?!

曹操なんて比べ物にならないじゃない!!)

 

さて、はじめまして。

と言いたいところだが、

挨拶の前に聞きたい事がある。

答えてもらえるかな?

 

「「は、はいっ!」」

 

貴様らは沛国の人間として来たのか?

それとも陳珪親子と言う立場で来たのか?

それがわからん事には

話を進められんのでな。

 

「は、はいっ。私は沛国の相ですが、

この度は個人として参りました!」

 

大義や名分よりも命を求めると?

 

「はいっ泥にまみれても

家を残すのが、家長の務めと考えます!」

 

家を残す為に曹操に近付き、

劉表の子を即位させようと

したのか?

 

「・・・そうしなければ、

我らは滅ぼされておりました」

 

連合立ち上げの

狼煙がわりにされていたと?

 

「はい」

 

それならば最初から親子で孫堅なり

司馬懿なりに下ればよかろう?

わざわざ帝を擁立させて

漢に混乱をもらした意味は?

 

「名が穢れるのを恐れました。

また。あわよくば新帝の元での

栄達を、と考えておりました」

 

正直な事だ。

 

「そうでなければ、今、この場で閣下に

殺されます」

 

その通り。

貴様らが未だに生きているのは、

ただの気紛れだ。

 

故に発言には気を付けろよ?

親子共にな

 

「「はいっ!」」

 

先程名が穢れるのを恐れたと言ったが?

 

「我らは劉備により荒れ果てた

平原を見ております」

 

あぁ、アレと一緒にはされたくはないな

 

「はい」

 

だが少し思い違いをしていないか?

 

「思い違い、ですか?」

 

貴様らが沛国を捨てようとも、

名は穢れんだろう?

 

「それは、どう言う事でしょうか?」

 

豫州牧袁術は既に孫堅に降っている。

 

「「あっ」」

 

沛国を捨て、孫堅の元にいる

袁術に降ると言うのは何か問題は

あったか?

 

「あ、いや、しかし袁術は!」

 

袁術に為政者としての能力は無かろうが、

先帝陛下に認められた州牧だ。

それに実質的には暫くの間、

孫堅が豫州を統治する事になるのは

わかるだろう?その場合

曹操や陶謙が豫州を攻めるか?

 

「・・・攻めません」

 

ならば貴様らが先に袁術に降る事で、

豫州は孫堅の庇護の下にあると

示すべきではなかったか?

その時、貴様らの名は穢れたか?

 

「いえ、むしろ栄断を讃えられたでしょう。」

 

つまりは貴様らの視野の狭さが

今の漢の混乱を産んだ。

わかるな?

 

「・・・はい」

 

その上で、この場に娘も連れてきている。

口上通り降伏を望むなら

親子揃って断罪される為に

来たわけではないな?

 

「は、はいっ!私は既に大罪を犯した身、

この上、自分が助かろうなどとは

考えておりません!」

 

「お、お母様?!」

 

「私はどうなっても構いません!

娘を!娘だけでもお救い頂けませんか?!」

 

『・・・あっ(゜д゜)』

 

「「えっ?」」

 

・・・娘の態度を見れば

その体を使って俺を籠絡して、

親子共々生き残る

つもりだったように見えるが?

 

「・・・閣下にお会いするまでは、

それも一つの策と考えておりました」

 

だろうな。使えるモノは何でも使う。

その考え方は決して間違ってはいないぞ?

 

「それを口にしていたら、閣下の失望を買い、

娘と共に首を飛ばされていたでしょう」

 

「えっ?!」

 

その通りだな。

貴様らの体で俺一人の性欲を

満たしたところで、その罪が

消えるわけでもない。

 

俺がその程度で信賞必罰を違える

人間だと見たなら、

その目をくり貫いてから

首を飛ばしていたさ。

 

「・・・はい」

 

故に問おうか。

 

自分はどうなっても良い。

コレは死を前提とした策でも

受け入れると言うことか?

 

「はい」

 

「お母様っ!」

 

 

 

 

陳登、黙れ。

 

 

 

 

「あぐっっっ」

「・・・ぐっ」

 

 

子を守る母の覚悟。

一先ずは見事と讃えよう。

 

「あ、ありがとうございます」

 

この国は貴様らのせいで

更に混乱することになる。

 

「・・・」

 

そんな中、子を持つ親は

貴様だけではないのはわかるな?

 

「・・・はい」

 

貴様の娘を保護するだけなら簡単だ。

だが汚名返上の機会を与えるとなれば、

話は別。当然周囲は納得しない。

 

「・・・はい」

 

ならば貴様が自らの死でもって

汚名を濯げば良い。

 

「えっ?そ、そんなことが?!」

 

少なくとも、

司馬懿、

公孫賛、

董卓、

孫堅、

李厳、

張任、

馬騰、

そして俺は、貴様の罪は貴様が清算した

と認めるだろう。

 

「そ、それなら!」

 

娘に罪はない。

功を立てればそのまま

娘の功績になる。

 

「お、お願いします!

私の命で娘の明日が守れるなら!」

 

当然尋常の策ではない。

貴様も生き地獄を味わうだろう。

それでも望むか?

 

「はいっ!」

 

・・・そうか、では次は娘に問う。

陳珪は黙っていろ?

 

「「はいっ!」」

 

では陳登。貴様の母は死を覚悟した。

貴様に母の死を認める覚悟はあるか?

 

「・・・はい」

 

陳珪がその身命を持って罪を清算

した後、貴様はどう生きる?

 

「願わくば、閣下の部下として」

 

貴様の母親を殺す男だぞ?

 

「・・・その死に意味を持たせてくれる

方でもあります」

 

なるほど。

では次の問いだ。

貴様の母親が歩む生き地獄についてだ。

 

「・・・」

 

そうだな、口で言ってもわかり

辛いだろうから体験させてやる。

 

 

 

受けろ。

 

 

 

「あっ!!ぐっああぁぁぁ!!!」

 

 

 

「喜雨?!きゃぁぁぁ?!」

 

 

陳珪。俺は黙れと言ったぞ?

 

 

 

「あ、も、申し訳、ございませんっ!」

 

 

 

さて陳登。今の痛みは一瞬だったが、

貴様の母親はこの痛みを三日三晩

受け続けることになる

 

「?!」

 

生き地獄と言ったろう。

世に混乱をもたらした

罪を濯ぐ罰が軽いと思ったか?

 

「そ、そんな。こんなのって!」

 

痛みは常に来るものではない。

朝、起きたときは大丈夫でも

朝食の時に痛みが来る時もある。

昼に書類仕事をしている時に

来る時もある。

夜、寝ている時に来る時もある。

 

たかが三日と思うな?

 

 

 

 

地獄だぞ?

 

 

 

 

「あ、あぁぁぁ」

 

 

あぁ、陳珪。

嫌なら辞めても構わんぞ?

 

「・・・いぇ!私は既に覚悟を

決めております!

世に混乱を創り、数多の子を持つ親を

泣かせるのです!

その痛み、甘んじて受けましょう!」

 

ふむ、無粋であったな。

 

では続きだ陳登。

貴様の母が受ける痛み。

その半分を受ける覚悟はあるか?

 

「「?!」」

 

「閣下!娘はっ!!」

 

聞け陳珪。

貴様が罪を清算したと言っても、

やはりその娘がのうのうと生きている

ことに、我慢できない人間は必ずいるだろう。

 

「「・・・」」

 

特に娘自身がソレに

耐えられまい?

 

「あっ!」

「・・・」

 

故に痛みを分かち合え。

母を一人で苦しめて殺したと、

娘が自責の念で壊れぬ為にも、だ。

 

「「・・・」」

 

無論、嫌だと言うならソレでも良い。

わざわざ痛い思いをしたい人間など居ないし。

 

「・・・」

 

娘に痛みを与えたい母親なぞ、

この場には居ないだろうからな。

 

「・・・」

 

あぁ、ちなみに陳珪が

痛みを受けるのは今日じゃない。

 

「えっ?」

 

三日三晩と言ったろう?

今それを受けて誰が納得するんだ?

 

「ど、どう言う・・・」

 

一番良いのは新帝が擁立する

戴冠式の最中なんだが、

さすがにそこまではな。

 

「あ、ま、まさかその策は・・・」

 

気付いたか陳珪?

そう、新帝擁立したなら

7日は祝うだろう?

 

新帝擁立の罪を償うなら、

その期間に定められた場所で

懺悔を行い、死んでもらう。

 

「「・・・」」

 

安らかに死ねると思うな?

その苦しみに彩られた死に様が、

貴様の罪を清算させるのだからな。

 

「・・・わ、わたしはっ!」

「喜雨!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さあ選べ。俺は貴様らの選択を尊重しよう。

 




世紀末風正しい新血愁の使い方。

実際は李儒くんの気分で
痛みの波をコントロール出来るから
娘は受ける必要が全く無いぞ?!
何だかんだで娘にも
責任を分かち合わせてあげる
優しい李儒くんである。

さぁ、娘の決断は如何に?!


李儒くんは外道だよ?
弟子も散々言ってるじゃないか。

不殺三原則の仕方ないを産み出すのは
大変なんだよってお話。

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