とある策士の外史旅(仮)   作:カツヲ武士

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年末をなめるなっっっ

無表情で迫る黒服。
目は真っ黒。
時間が経過すると
スピードアップ&増加するぞっ!


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オリ展開!

原作はすでにないっ!
嫌いな人は読み飛ばしっ!


集まれ!最強の逃走者達っ!

そうかい。あの子がそんなことを・・・

 

「は、はい。口を挟めば我らとて討つと」

 

ふむ、あんたを送って正解だったねぇ

 

「えっ?」

 

他のヤツなら殺されてるって話さ

 

「まさかっ?!」

 

いや、本当さ。

アンタが生きてるのはアタシの使者

だからじゃない。

黄敍を李儒殿のところで預かって

貰ってるからさ。

 

「璃々ですか?」

 

李儒殿は子供に甘い。

他人の子だろうが、よほどの理由がない

限りは、その母親を殺して子供を泣かす

ような事はしないのさ。

 

「そ、そうなのですか?

正直に言って、司馬様はそのような

ことを気にする方には見えません

でしたが・・・」

 

あの子は気にしないだろうさ。

シロッコや李厳殿たちもアンタを

殺すことに抵抗は無いだろうね。

 

「え、そ、そんなに危なかったん

ですか?!」

 

危ないで済むのがアンタしか

居なかったんだよ。

さっきも言ったけど、他のヤツなら

誰が行っても殺されて、戦の狼煙に

されてたんだ。

アンタは黄敍の母親だから

殺されなかった。

 

「で、では南陽に行った厳顔は・・・」

 

あっちは別に詰問とかしに行った

わけじゃ無いからね。

よほど舐めたことをしなければ

普通に帰ってこれるさ。

 

「そ、それにしては涼州の方々は誰も

行きたがらなかったみたいですが・・・」

 

単純に怖いからだね。

 

「り、李儒様がでしょうか?」

 

そう、李儒殿が。

少なくとも司馬懿がアタシ達と戦うと

言うことは、それは李儒殿が指示を

出したから。

 

「李儒様が指示を?!」

 

もしくは許可だね。

どっちかがなけりゃあの子が董卓を

洛陽に入れるはずが無いからね

 

「な、なら李儒様を説得できれば

司馬様は止まると?」

 

それはそうさ。

あの子にとって、血統だけの

皇族なんかよりも李儒殿の言葉

の方が重いんだ。

いや、あの子だけじゃないね。

李儒殿を知る人間なら誰だって

そうだろうよ。

 

「では馬騰様も?」

 

もちろんさ。厳顔が戻り次第

長安から離れるよ!

 

「えぇぇぇ?!」

 

いくらなんでも、あの師弟に鍛えられ続けた

公孫賛が率いる幽州騎兵に勝てるわけ

ないからね!

 

「や、やはり勝てませんか?」

 

無理に決まってる。

兵の質が互角ならあとは将次第。

長安で茶を飲んでたアタシが、

師弟の元で血を飲んでた公孫賛に

勝てる道理がない。

罷り間違って勝ってみな?

『ふっふっふっ、よくも我が部下を

殺ってくれたな』って言いながら

李儒殿が出てくるんだよ?!

 

「えっと」

 

その時点で涼州兵はアタシを捕まえて

彼の元に引き渡すだろうさ。

 

「そんなバカな?!」

 

いや、むしろアタシが娘にやらせる。

それが唯一馬家が生き残る方法だからね。

 

「戦いにもならないんですね?」

 

戦ったら滅ぼされるからね。

で、アタシには間違いなく無限書類地獄さ

 

「あ、あぁ、言ってましたね」

 

説得ってのは敵対してるヤツがやるもんだ。

アタシは敵対する気なんてない。

 

「では益州の政はいかがなさいますか?」

 

政は今まで通り。

兵は漢中と武都において、

要請があれば出れるようにするさ。

まぁ今さら劉璋が兵を動かすとは

思えんし、ミミズも死んだんだろ?

 

「えぇ、最期は部下に裏切られて永安に

連れていかれ、孫堅様配下の呂蒙殿によって

処刑されたそうです」

 

処刑ね。まぁ好き勝手やって

生きてきた連中には相応しい

末路さ。

 

「えぇ、巴郡はそのまま孫堅様預かり

との事だったので、ミミズに侵された

ところは、じきに浄化されるでしょう」

 

後は誰が益州を治めるかって話だった

んだけどねぇ

 

「司馬様が動いたために、ソレどころ

では無くなってしまいました」

 

誰が治めても、あの子の理屈じゃ

皇族が勝手に任命した太守だ。

 

「劉弁殿下が立たねば認めませんか」

 

形式上でもそうしないとダメだね。

 

「長安から兵を出すと言う可能性は

ありますか?」

 

誰が出すんだい?アタシは羌族が

動き出したから涼州に戻るけど?

 

「えっ、羌族が?!」

 

長く空けてたからねぇ。

漢の混乱を突こうと動いてるのさ。

対処しないと、騎馬民族が大挙して

長安付近を荒らすことになる。

 

「一大事ではありませんか?!」

 

そうだよ?だから戻らないと

いけないねぇって話さ

 

「・・・もしかして」

 

ん?なんだい?

 

「そう言う口実なんでしょうか?」

 

まぁそう言うのは思っても

口に出さないようにするんだね

 

「は、はい」

 

実際に羌族に動きはある。

だから戻らないといけないのは確かさ。

ソレが長安攻めかどうかは別にしてね

 

「かしこまりました。では準備を急ぎます」

 

あぁ、頼むよ。

それで、アンタは漢中で兵を

率いてもらう。副将は呉壱と厳顔だ

 

「はっ!」

 

武都には韓遂と程銀を置くから、

何かあったら連携を取るように

 

「はっ!」

 

李儒殿から指示や、要請が出た場合は

最優先で答えること。

こちらから質問や要望は一切出しちゃ

いけないよ!

 

「む、娘は・・・」

 

南陽に居た方が安全さ。

ソレでも不安ならアンタが迎えに行きな。

 

「わ、わたしが行っても良いんですか?!」

 

前に誘拐未遂があったんだろ?

それに、母親が娘を迎えに行くのに

何か問題でもあるのかい?

 

「い、いえ、漢中の主将として

私事で職務をに穴を空けても良いのかと

思いまして」

 

アタシが許可してるんだから

大丈夫だね。

南陽の人達だって文句は言わないよ

まぁ、さっきも言ったけど、

南陽に居た方が安全ではあるけどね

 

「わ、わかりました。

それに関しては状況を見据えて

動く事とします」

 

そうしな。

行く前に使者を立てることも

忘れないように

 

「はっ!」

 

さて、涼州に戻るとするか。

 

・・・そろそろウチのバカ娘どもに

良い男を見つけてやらないとね。

 

 

―――――――――――――――――

 

 

 

で、最終的に長安は私に何をしろと?

 

「あ、いや、そのっ!」

(なんじゃこの圧力はっ?!

震えが止まらんぞっ)

 

『厳顔。返事はハイからだな?』

 

「ハイッ!洛陽に入った董卓殿の

真意を確かめたく!お力をお借り

したいと言う次第であります!」

 

いやだから、董卓は并州牧。

その兵権は安北将軍である

冀州牧司馬仲達殿にある。

真意を聞きたいなら、どちらかに

直接聞きに行けば良い話だろう?

 

「ハイッ!董卓殿は以前大将軍の

印授を返却されてからと言うもの、

政には口を出すな、兵の動きに関しては

安北将軍様に聞けと、取りつく島が

ありません!」

 

・・・ほう、それで?

ならば安北将軍殿の元に行けば

良いだけでは無いかね?

 

「ハイッ!安北将軍殿の思惑によっては、

洛陽の軍勢が長安へと向けられるの

ではないか?と言う話が出ております!

それで、安東将軍様には真意を

確認するまでの間、董卓殿が下手な

動きをしないよう牽制してほしいとの

要望です!」

 

曹操や劉表がしかけた典型的な

離間計だろう?

歴戦の馬騰殿や皇甫嵩将軍、朱儁将軍が

居てその程度を理解できんとは思えんが?

 

「ハイッ!確かに軍部の方々は

理解しております!ですが劉曄様が

親政を布告してから日が浅く、

軍事を理解しきれて無い者達が、

先の恨みから并州勢の穂先が長安に

向かないかと恐怖に怯えている状況です!」

 

先の恨み。

あぁ、大将軍を辞めたのは長安が

しつこく付きまとったからだったな。

 

「ハイッ!馬騰様は、権力争いに

嫌気が差した為に投げ捨てたと

判断されておりますが、他の者達の

中には、長安との手切れではないかと

言う話もあります!」

 

ソレも離間計だろうに。

張松、曹操の手は予想以上に長安に

入り込んでいるようだな?

 

『この場合は劉表でしょう。

曹操には長安の権力中枢に入り込める

ような伝手はありません』

 

それもそうだな。

 

しかし、下手に牽制をすればそれこそ

董卓と長安が反目することになるが?

 

「ハイッ!その調整の為に、一度

安東将軍様には長安へ入り、昇殿

して頂きたいとの事です!」

 

断る

 

「ハイッ!・・・えっ?」

 

この状況で私がココを離れたなら

劉表と曹操が共同で南陽に攻めて

くるだろう。

そのための離間計だ。

 

『そうですな。董卓とて、自分を牽制する

為の調整に出た閣下の後を守るような

真似はしないでしょう』

 

ここ、南陽が敵の手に落ちれば

長安の喉元に刃を突きつけられた

形となる。

ソレを認めるのか?

 

「あ、それは・・・」

 

『厳顔。今の段階で貴様が手に負える

内容の話では無いとわかるだろう?

一度長安へ戻り、調整してこい』

 

「いや、しかし、それでは」

 

『お前には理解し難いかも

知れんがな、一度の使者で全部の

話が片付く事など早々無い』

 

「そ、そうなのか?」

 

『だからこそ劉表と孫堅の停戦を

一度で纏めた黄忠の評価が高いのだ』

 

「な、なるほど」

 

『故に、一度持ち帰ると良い

そうすれば後は連中が話をまとめて、

別の使者が来ることになるだろうさ』

 

「別の使者?儂では無いのか?」

 

『交渉を纏めるというのは

その内容が何であれ、誰もが

認める功績。

名前しかない長安の文官どもが

ソレを得る機会を、ぽっと出の

お前に与えると思うか?』

 

「・・・なるほどの。最初から

儂は奴等の為に道筋を作るのが

仕事じゃったわけか」

 

『そう言う事だ。故に、下手に

交渉を纏めて帰れば、貴様と貴様の

主である馬騰殿が逆恨みされるぞ』

 

「面倒な・・・」

 

『仕事と言うのは多かれ少なかれ

面倒なモノだ。

好きに酒を飲んで、気分で武器を

振り回してれば良いと言う立場では

無くなったのだと自覚するのだな』

 

「・・・そうじゃな」

 

話は終わったかな?

 

『「ハイッ!終わりましたっ!」』

 

ま、馬騰殿の使者にとやかく

言うつもりは無いが、知り合いと

話すのは私の前ですることではないな?

 

「ハイッ!申し訳ありませんでしたっ!」

 

張松も、知り合いが余りにも未熟で

俺の不興を買わないようにとの助言

だろうが、場を選ぶ事だ。

 

『ハイッ!申し訳ありませんでしたっ!』

 

では厳顔殿。一度長安へ持ち帰ることの

必要性は理解したな?

 

「ハイッ!一度持ち帰らせて頂きます!」

 

うん。それで良い。

張松はコレから逝くところがあるので、

孟逹に見送らせることにしよう

 

『・・・』

 

「はっ!お気遣い有難うございます!

それでは失礼させて頂きます!

(張松、すまんっ)」

 

うむ。では孟逹、後は任せる。

 

『はっ!』

 

これにて謁見を終える。

 

各員は業務へ戻るように。

 

『『『はっ!』』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『先生?牽制も何も、董卓殿って

手紙書いたら止まりますよね?』

 

だな。ソレを知らない連中が

俺に一体何をさせる気だったのやら。

 

『軍勢を率いたら敵対行動ですし、

軍勢を率いない示威行為?』

 

わからんなぁ。俺には想像も出来ない

手があるのかも知れん。

 

『想像も出来ないほどアホな手だと

思いますけどね』

 

一度聞きに行くのもアリだったか?

 

『疲れるだけだから、ここで

お茶の研究してた方が良いと

思いますよ?』

 

ふむ、それもそうだな。

 

あぁ、後で黄敍に母親のところに

行きたいかどうか聞いてくれ。

 

『あ、そうですね。あんなんでも

お母さんですから、戻りたいと

思うかもしれませんね!』

 

うむ、好きに選ばせてやろうじゃないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの子も馬騰も今更選択を

間違えるとは思わんがな。

 




拠点フェイズ。

馬騰逃げる
ハンターに捕まったら地獄を見ます

殺されるよりも怖い、
無限書類地獄をねってお話

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