とある策士の外史旅(仮)   作:カツヲ武士

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同じ阿呆なら見てた方が疲れないよね

オリ設定!
オリ展開!

原作は既に無いっ
嫌いな人は読み飛ばし!


踊る阿呆に見る阿呆

ふむ、ソレで?

 

「ソレで?では無い!なぜ劉曄様の

許可なく洛陽に兵を入れたのかを

聞いておる!」

 

さぁ?

 

「さ、さぁとはなんだ?!」

 

安北将軍様の指示に従ったまで。

不明な点は安北将軍様に聞けと

前回の使者にも言ったけど?

 

「その安北将軍からは邪魔するな

としか言われておらん!

一体何をするつもりだ!」

 

さぁ?

 

「くぅっ~!貴様では話にならん!

董卓を出せっ!」

 

いや、無理。

 

「な、なんだとっ!」

 

そもそもアンタ誰よ?

 

「あ、アンタぁ?!并州の田舎者がっ!

最初に名乗っただろう!私は」

 

あぁ、そう言う意味じゃなく、

アンタの立場の話。

私は先帝から尚書僕射を拝命して

たけど、アンタは誰から何を任じられた

のかしら?

 

「わ、私は先帝様から小黄門を拝命し、

劉曄様から侍中を任じられておる!」

 

へぇ~侍中程度がその態度?

頭の高さが違うんじゃない?

 

「な、な、なっ!」

 

劉曄が誰かは知らないけど、

帰って伝えろ。

私たちは先帝の遺勅を果たすために

動いている。邪魔をするな。

以上だ。消えろ俗物。

 

「こ、この儂にそのような口を叩いて、

ただで済むと思うなよっ!」

 

アンタに何か出来るなら

やってみればいい。

 

「覚えていろ!」

 

五月蝿い。吠えるだけならさっさと消えろ。

いや、待てよ。・・・徐栄っ!

 

「はっ!」

 

このクズを痛めつけてから叩き出せ。

ただし殺すな。

自分の用意してきた牛車で

帰れる程度に痛めつけろ

 

罪状は不敬だ。

 

「な、なんだと?!」

 

「はっ!」

 

「いや、待て、待って・・・!」

 

黙らせろ。

あぁ、それから李確。

 

「はっ!」

 

こやつが連れてきた連中も

同様に痛めつけろ。

存在が不敬だ。

 

「・・・?!」

 

「はっ!」

 

あぁ、御者は無傷ですませろ。

傷の療養だの言われて

長居されても邪魔だからな。

ついでにさっさと叩き出せるように

ゴミを牛車に載せてやれ。

入りきらない分は殺してもかまわん。

 

「はっ!」

 

長安の阿呆どもは我らが洛陽で

何をしたか忘れたらしい。

并州兵の気の荒さを思い出させてやれ

 

「「はっ!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いやーずっと前から殺りたかったん

だよねー!ようやく出来たよ。

 

「ま、気持ちはわかる」

 

「いまだに賄賂貰おうとか、ゴミやろ?

あんなのがなんでまだ生きてたん?」

 

『真っ先に長安に避難してて、

洛陽に居なかったんだって』

 

あぁ言うのに限って中々

死なないんだよね!

 

「ちなみに何故殺さなかったんだ?」

 

「せやな。殺しても今の長安には

何も出来へんやん?」

 

『あ、ソレはね、馬騰様に逃げる

時間を用意してあげたんだよ』

 

「「「あぁ~」」」

 

そう言うこと。殺して首を届けたら

最速で着いちゃうからね。

ボロボロに痛めつけたら

その分到着が遅くなるでしょ?

 

「なるほど。ゴミにはゴミの利用法

があるのだな」

 

「しっかし。そもそもアイツって

何しに来たんかね?

あんなん送り込んできたらウチらと

敵対することになるって思わんのか?」

 

曹操や劉表の策だよ。離間計でしょ。

 

『皇族とか名家とか洛陽に居た人って、

ほんと離間計好きだよね。』

 

まぁ、手紙だけとか使者だけで

相手の戦力を分断できるし、

失敗しても直接何かを損する

わけでもないからね。

 

「洛陽で足を引っ張りあってた連中に

してみたら、お得意の策と言うわけだ」

 

「讒言と離間しか出来ること無いけどな」

 

『曹操さんの策としても、劉曄さんは

気付かないのかなぁ?』

 

回りが都合の良い事しか

教えて無いんじゃない?

どんなに優秀でも、情報が無いと

何にも出来ないからね。

 

「有り得る。特に軍事に関しては

俗物どもは自分達が関われんから

出来るだけ情報を排除しようと

するようだからな。」

 

「洛陽では驚いたわ。最優先で知らせな

あかんことを、誰ソレを通せーとか

情報が本当かどうかわかるまではー

とか、散々邪魔されたもんな!」

 

『軍部に対して、自分達が必要だって

思わせたかったのと賄賂が欲しかった

んでしょ?面倒な連中だったねぇ』

 

そうだね。結局はそんな連中からでも

しっかり物資を提出させてくれた

李儒様が凄いって話になるんだよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『けどさ、曹操さんが離間計を使うのは

わかったけど、私たちと長安の仲が

悪くなったら、私たちを止める人が

居なくなるよね?』

 

「せやねぇ。たぶん馬騰はん頼り

なんやない?」

 

「あぁ、長安に馬騰殿が居れば

我らにも対抗出来ると踏んだか?」

 

だろうね。ついでに南陽の官軍と

睨み合ってくれたら最高とか

考えてるんじゃないかな?

 

「誰がするか」

 

「そうですぞ!演技でもごめんですぞ!」

 

よりにもよって『最近暇してる』なんて

公言している李儒様の前に立つ阿呆

なんて居ないわよ。

 

「『新しい地獄を思い付いた』とか

言われて真っ先に味わうことに

なるからな」

 

「鍛練で『どれ、たまには俺が相手

してやろう』なんて言われた日ですら、

李厳殿や筆頭様、あとは

シロはんくらいしか行かへんよ」

 

「呂布は、強くないです・・・よ?」

 

「呂布殿は強制参加でしたぞ・・・」

 

『李儒様が鍛練場に近付いてきたのを

察知して、逃げようとしたけど

捕まったんだよねー』

 

そんな李儒様と戦場で向き合うなんて

絶対にごめんだわ!

・・・だけどさ?

 

「だけど、何だ?話の内容によっては

お前を捕らえて南陽に送ることに

なるんだが」

 

「せやね。今さらなんかあるん?」

 

『詠ちゃん・・・残念だよ』

 

「大丈夫。痛くないようにするから」

 

「お世話になりましたぞ・・・」

 

いやいやいや!満場一致で地獄に

送り出さないでよ!

 

「いや、今の流れで『だけどさ?』なんて

言われたら誰だってそうするぞ」

 

「華雄の言う通りやね。かなり不穏な

空気を醸し出そうとしとったで」

 

『そうだよねー。呂布ちゃんなら

勝てるのか?とかそんな感じ』

 

「次は終点、南陽。忘れ物は無い」

 

「さっさと連れていきますぞ!」

 

終点って何?!

忘れ物も断言されてるし!

 

「良いからさっさと行く。

并州の白黒とか言われてる

みたいだから、訂正もお願い」

 

ナンデ?!白黒って何?!

最近自己主張するようになったのは

良いんだけど、色々混ざってない?!

 

『まぁまぁ。それは良いとして、

詠ちゃんは何を言いたかったの?』

 

良くは無いけど・・・

いや、実際南陽の軍勢って

どのくらい強いのかな~って。

 

「ふむ。将ではなく兵か」

 

「少なくとも洛陽では倍の連合軍

相手に、普通に勝っとったよな」

 

『そのときは李次席が兵を監督して、

楊奉さん、楊任さん、徐庶さん、

張任さんだったよね』

 

まぁ、将が居ないとまともに機能

しないのはわかるんだけどさ?

もしも曹操の離間の計が成功して、

今の洛陽に居る軍勢で南陽の軍勢と

ぶつかったら・・・

負けるのはわかるとして

どれくらい兵に損害が出て、どれくらい

損害を与える事が出来るかなって。

 

「うーむ?李儒様が出てこないなら、

まぁ、それなりにはヤれるのか?」

 

「いや、李厳殿と張任殿もあかんて」

 

『徐庶さんと孟達さんはシロさん

よりは弱いんだっけ?』

 

「同じくらい」

 

「ただ、シロ殿の方が若いので将来的には

シロ殿が勝つみたいですな」

 

・・・指揮は張松殿と法正殿でしょ?

張松殿は涼州で騎兵の戦を知ってるから、

苦戦はするよねぇ。

 

「まぁ、三万の官軍だけなら同数の

損害で勝てる・・・かもな」

 

「せやなぁ。相手の将が誰も出てこん

なら、不可能ではない・・・かな?」

.

『まぁ、そのあとで蹂躙されることに

目を瞑れば、いける・・・のかなぁ?』

 

「つまりは無理」

 

「ですな。そもそもの仮定があまりにも

有り得ませんぞ」

 

ですよねー。

それで、これからだけど・・

 

―――――――――――――――

 

「華琳様っ!董卓が長安からの使者を

叩き出したそうです!」

 

よくやったわ桂花!

これで奴らは完全に動きが止まる!

 

「はいっ!やはり、あのモノを送って

正解でしたね!」

 

えぇ、長安に居る先帝の遺臣なんて

愚物の代名詞ですもの。

さらにヤツには讒言の実績もある

から、董卓に好まれる筈がない!

 

「あとは南陽と長安からヤツらを

挟もうとしたところを、私たちと

劉表で逆に挟めば・・・」

 

こうなれば南陽の官軍よりも

厄介な董卓を囲んで潰しても

良いかもしれないわね。

 

「なるほど!南陽の軍勢は所詮官軍。

洛陽の際は連合軍であったために

不覚を取りましたが、今なら

いつでも囲んで潰せますからね!」

 

そうね。并州の騎兵のような連中も

いないから、いつでも片付けること

ができるもの。

ならば長安に使者を出して、

出頭するのに邪魔だから先に董卓を

討とうと提案すれば乗ってくる

可能性は高い!

 

「馬騰率いる涼州の騎兵なら董卓が

率いる并州の騎兵とも互角に

戦えますね!」

 

互角と言う事は双方が疲弊すると

言うこと。

そうなれば・・・

 

「洛陽で董卓と馬騰を潰せます。

後は孤立した南陽を落として

長安に圧力をかければ、劉曄とやら

も華琳様に頭を垂れるでしょう!」

 

そのまま劉弁を討てば、あとは

劉璋と我々が擁立した帝のみ。

 

「益州すら満足に統治出来ない

劉璋に従うモノは居ません。

ソレに長安が消えれば孫堅が動く

大義も名分もありません。」

 

ソコよね。長安がなくなれば

孫堅は劉表に従わなければ

ならなくなる。

ソレを嫌って北上してきたら

厄介だわ。

今なら豫州に手を出す

大義名分はあるのですからね。

 

「その動きに併せて司馬懿に南下

されては、いくら連携が取れて

ない軍勢でも・・・いえ、違いますね。

連携が取れていないからこそ、

南北の波状攻撃になってしまいます」

 

そうね。白蓮を撃退しても孫堅。

孫堅を撃退したら司馬懿。

こんな事をされたら長安攻めどころ

では無くなってしまうわ。

 

「では、孫堅の動きを封じますか?

長安との調整中を理由に時間を

稼ぎつつ、新帝からの厚遇を匂わせ

れば考えるくらいはするかと」

 

そうね。その間に長安の醜態を見れば

私たちに与する可能性もあるかしら。

 

「ソレもあるかと。まず揚州と交州、

荊州南郡の領有を認める形が

よろしいかと」

 

現状の追認では信憑性が乏しいかしら?

 

「はい、劉表は必ず江夏と江陵の

返却を求めるはずですから。」

 

そうよね。隠しても不興を買うだけなら

いっそさらけ出すのも策よね。

流石は我が軍師。見事だわ。

 

「ありがとうございます!」

 

領地のかわりに、何かしらの役職が

必要ね。

・・・まぁその辺は使者を出して

孫堅の様子を見なくてはダメね。

どこまで望んでいるのかを確認

しないと懐柔なんか出来ないで

しょうし。

 

「その通りかと。使者は誰を?」

 

本来なら貴女なんだろうけど、

流石に出せないわ。

 

そうね、柳琳にしましょう。

曹一門だし、あれで相手の気分や

空気を読む能力に長けてるわ。

 

「確かに、では準備を!」

 

えぇ。頼んだわよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

劉表の件さえなければ孫堅が

積極的に敵に回ることは

ないでしょうからね。

 

所詮新帝は御輿だと上手く伝えれば、

交渉は決して難しくは無いはず。

 

迷え迷え。

その間に事は全て終わっている!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タイヘンデス!。

キョウゾクガリョウシュウデ

ウゴキダシタタメ、

チョウアンデコンランガオキ

バトウガヘイヲヒキマシタッ!

 

タイヘンデス!

ソウジュンサマガソンケンニ

クビヲハネラレマシタッ!!

 

 

 

な、なんですって?!

 

 




いや、今さら使者が来てもねぇってお話

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