とある策士の外史旅(仮)   作:カツヲ武士

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前話の続き

三話投稿の三話目

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原作は既にない!
嫌いな人は読み飛ばし!



ウゾダドンドコドーン!

さて、軍議ではなく招集と言ったので

察している者もいるだろうが、今回は

会議じゃない。各自に指示を出すので

従ってもらう。

無理なら言え、理由があるなら

特には罰することはない。

無駄口は強制退場だ。いいな?

 

『「「ハイッ!!」」』

 

 

 

では孫堅。

 

「はいっ!」

 

前に待機を命じておいてスマンが

襄陽に侵攻してくれ。

兵が集まらんなら5千で構わん。

徐庶と合流し、襄陽を攻略。

荊州を攻め落としてくれ

 

「はっ?」

 

無理か?

 

「い、いえ!わかりましたっ!」

 

では尚香はその旨を徐庶に伝えろ。

あぁ、ついでに・・・家臣はともかく

劉表と劉琦の降伏は認めん。

必ず首を刎ねて殺すようにとな。

 

「はいっ!」

 

 

 

次、張松

 

「はいっ!」

 

長安に行き益州攻めの手伝いだ。

だが指示があるまで成都は攻めるな

劉璋の降伏は認めてもいいが、

指示があるまでは許さん。

家臣は生かしておく価値がない。殺せ

 

「はいっ!」

 

 

次、公孫越

 

「はいっ!」

 

青州から出陣し濮陽を攻めろ。

徐州の陶謙が何かしてくるとは

思えんが、ちょっかい出してきたら

野戦で潰せ。公孫賛からの要望には

構わんと伝えろ

 

「はいっ!」

 

 

次、李厳

 

「はいっ!」

 

弟子に変わって冀州へ入り、そのまま

濮陽へ攻めろ。

公孫賛の軍と歩調を合わせて黄河を

渡河し、落としたらそのまま陳留だ

 

「はいっ」

 

 

次、董卓

 

「はいっ!」

 

陳留を攻略しろ。

すでに長安は落としているから

後ろを気にする必要はない

全軍で攻めろ。

許昌の連中が出てきたら

公孫賛同様、野戦で叩け。

李厳が来る前に陳留を落としたら

そのまま待機だ。

 

「はいっ!」

 

 

 

弟子は陳留攻めが終わるまで

南陽で待機。

陳留の制圧が終わったら

李厳の部隊と合流し許昌攻めの指揮を取れ

曹操及び劉琮の降伏は認めん。

周囲の家臣も同様だ。

 

『はいっ!』

 

 

李厳は指揮権を弟子に渡したら四万の兵で

徐州を攻めろ。

その際の兵は冀州勢2万。幽州勢1万

并州勢一万だ。将の割り振りは任せる

 

「はいっ!」

 

 

白っ子は冀州へ行き、楊修と共に蒙州

での準備に入れ。指示書は出すので

そのまま渡してくれればいい

 

「はいっ!」

 

 

曹操が南陽に攻めてきた場合は俺が潰すが、

それ以外の場合は公孫賛が殺りたいそうだ。

議長家の我儘を聞いてやれ。

 

「「「「はいっ!」」」」

 

今回の戦をもって漢を滅ぼし、晋の存在を

絶対のものとする。各員励め。

 

『「「「「はっ!」」」」』

 

 

通達は以上だ。

質問や意見があれば挙手をするように。

 

『はい』

 

ふむ、弟子

 

『はい、劉璋の降伏を認めるとの

ことですが・・・』

 

形式上ではあるがな。

帝がお前に禅譲したと言う形を取る為だ。

それが終わったら生活に不自由しない

程度の捨扶持を与えておく。

 

『生かしておくのですか?』

 

そうだ。そうすれば漢に縋った阿呆が

劉璋やその子孫を掲げて晋を滅ぼそう

とするだろう?

殺すのはその時でいい。

 

『なるほど、最後に残った害虫を集めるために

利用するのですね。かしこまりました』

 

他はあるか?

 

「はいっ」

 

ん?孫堅に何かあったか?

 

「ウチの策が懐妊したので、

後継者を次女の孫権にしたいんですが

よろしいでしょうか?」

 

普通、世継ぎができたら孫策が後継者

だと思うが・・・その辺は構わんよ。

晋の制度に移行する前に孫家内部で

しっかり話を纏めておくように

 

「はっ!」

 

あとは何かあるか?

 

「はいっ」

 

ふむ、董卓にも何かあったか?

 

「呂布さんが蒙州での戦に参加したいと・・・」

 

あぁ、全軍で攻めろと言ったからか?

蒙州における本格的な侵攻にはもう少し

準備が必要だ。許昌を落とした後でも

構わんだろう。

その際に主であるお前が許可を出す

なら、呂布の参陣も許可する。

それで大丈夫か?

 

「はいっ!ありがとうございます!」

 

では行動に・・・

 

「ちょっと待ったぁぁぁ!」

 

・・・どうした、孫堅?

 

「それはアタシも参加して良いのかい?」

 

口調が戻ってるぞ

 

「あ、いや、その!!」

 

・・・まぁいいや。

それよりお前は引継ぎとかあるだろうが

 

「終わったら!引継ぎが終わったら!」

 

別にかまわんが・・・

たぶん二、三年くらいしかないぞ?

 

「は?三年で終わらせる気なのかい?!」

 

そうだな。終わらせるというか終わる。

 

『「「「???」」」』

 

わかりやすく言えば俺の寿命だ

 

『「「「はぁ?!」」」』

 

『し、師よ!寿命とは?!』

 

「そうですよ!先生はまだ三十にもなってませんよね?!」

 

「なにか病でもあるのかい?!」

 

落ち着けって

 

『「「「落ち着けるか!!」」」』

 

……ここに居る全員は晋という国が、

俺が居なくても成り立つような国に

していたのわかってるだろう?

 

『それはそうです。てっきり西征のために

煩わしい役職を嫌ったものかと・・・』

 

それもあるがな。最大の理由は寿命だよ

 

『ですからソレがおかしいでしょう?!』

 

「病気なら華佗に診てもらいましょうよ!」

 

病ではない。コレは言うなればただの自業自得だ

 

『「「「自業自得?」」」』

 

いや、普通に考えろ。

物心着いた時から鍛えて鍛えて鍛えて

自分で秘孔を試して経絡を試してだ。

それで壁を越え続けて今の強さがある。

そんな阿呆の体は壊れてて当然だろ?

 

『いや、それは我々だって同じでしょう?!』

 

お前らには俺が自分で試したり、木人間で

試してダメだった事はヤってない。

だから安心していいぞ

 

『そーゆー問題じゃないだろ?!』

 

「「「「・・・」」」」

 

弟子よ。落ち着けと言った

 

『落ち着けないと答えましたっ!』

 

いいから聞け。

別に今すぐってわけじゃないんだ。

さっきも言ったが二年か三年は持つ。

 

『・・・それ以上は持たないと?』

 

あぁ、安静にしていようが戦いに

出ようが、最大で三年がいいところだ。

本当はもう少し持つと思ってたんだが

見込み違いだった。

 

『・・・そうですか』

 

「師姉様?!」

 

『伯師妹。師がそう言うならきっとそうなんでしょう』

 

「そんな?!」

 

『だから最近は技や様々な教えを

授けて頂いていたんですね?』

 

その通りだ。

蒙州に行く前に出来るだけお前との

時間を取る。その間に伝えられることは

伝えよう。

 

『・・・はい、よろしくお願いします』

 

孫堅、孫策や陸遜を残して逝く事になるがお前に託すぞ。

 

「・・・子育ては正直自信が無いんだけどねぇ」

 

南陽の連中は皆がそれなりに出来る。

あとはネコモドキにも聞けばいい。

 

「私だって、まだ色んな事教わってませんよ!!」

 

家の為に必要な知識や技術は教えたよ。

李豊を支えながらで良い。

姉とその子供の面倒も見てやってくれ

 

「う~う~!!」

 

人はいずれ死ぬもんだ。

こうして言い残せるだけ

俺はマシだろ?

 

「そうですけど~!!」

 

白っ子。そんなわけだ。俺と蒙州に来てもつまらんぞ?

 

「いえ!尚更ついて行きます!!」

 

そうか・・・それがお前の選択なら

これ以上は止めんよ。

あぁ董卓、呂布にもこのことを伝えてくれ

 

「は、はい」

 

別に隠すことでもないから、各々の陣営で

俺の死についての情報を共有してくれ。

そして皆の資料の中から俺の名を消すように。

 

「「「「はぁ?」」」」

 

『・・・まったく、アナタらしいですね』

 

だろ?

 

「いや、なんだってアンタの名を

消さなきゃダメなのさ?!」

 

必要が無いからだ。

 

「「「ひ、必要が無いって」」」

 

むしろあったら困る。

晋を建国した英雄司馬仲達は、師の

傀儡でしたとでも言わせる気か?

建国させたのは李儒で、その後数年で

死にましたと史に残ればどうなる?

 

『・・・私が師を暗殺したと言われるでしょうね』

 

そうだ。その結果国家の正当性は

失われ、更なる戦乱が巻き起こる。

 

「「「「・・・」」」」

 

わかったな。俺の名は消せ。残すなら

教頭だの師だの博士だのにしておけ。

ちなみに曹操の陣営では俺のことを

偶然幼少の頃の司馬仲達に会い、

わずかな教えを授けただけの凡夫と

されているらしい。

 

「「「「はぁ?」」」」

 

「いや、ソレ本当に?」

 

『えぇ、本当ですよ。師がそのように噂を流させていましたので』

 

その上で司馬仲達の功績を掠め取り、高禄を得る愚物だそうだ。

 

「・・・馬鹿かい?」

 

実際俺が手柄を立てた戦には

常に弟子が居たからな。

涼州の韓遂や華雄は孫堅がヤった

ことになってるぞ

 

「はぁ?!何でだよ?!」

 

韓遂と一緒に洛陽に来て褒美を

受け取っただろ?

一郡を貰うほどの大功と言えば

そんなもんじゃないか?

 

「いや、それはそうだけど!」

 

そういうわけで、曹操陣営の評価は

非常にありがたい。

コレを俺の公式な評価とする。

 

「・・・アンタはそれで良いのかい?」

 

むしろソレがいい。

謀は密を持って成す。

故に謀も、それを考える策士も、

その存在を知られないのが最上だ。

 

『それに師は生粋の狩人です。

獲物から姿が丸見えの狩人なんて

居ませんからね』

 

お、うまいこと言ったな。

弟子のいう通りだ。

名の知れない敵を恐れろ。

そう各家で語り告げば尚良しだな。

 

「はぁ、本人と司馬様が納得してるなら

それでいいさ、教頭のような人間は

敵に回してはいけないって感じで良いかい?」

 

そうだな、教育者を大事にするのと

無能な教育者の駆逐になるような

文章で頼む。

 

「あいよ」

 

孫策や陸遜には後でこちらから伝えよう。

お前は孫権と共に柴桑へ戻り、進軍を

開始してくれ

 

「もう江夏で進軍の準備は終わってるよ!」

 

・・・気が早いやつだ。

ま、今回は抜けがけしなかったから

許してやるよ

 

「アタシは許す気ないけどね!」

 

孫を抱けると喜んでいたのは誰だったか・・・

 

「ソレはソレさ!」

 

便利な言葉だな。とりあえず愚痴は後で

聞いてやろう。

あぁ、公孫賛や董卓へ紹介する予定の

人員はきちんと纏めてあるから、

細かくは弟子に聞いてくれ。

 

「「はいっ」」

 

何度も言うがすぐに死ぬわけじゃないから

蒙州に行く前に聞きたいことがあったら

聞いてこい。

 

「アンタは向こうで死ぬ気なのかい?」

 

そうだな。あっちで国を造って、

その国をぶん投げる後継者を

育てながら・・・になるかな?

 

「「「「ぶん投げるって」」」」

 

俺が死んだら死体は焼いて、

骨は・・・そうだな。

白っ子が弟子に渡してくれんか?

 

「は、はいっ!」

 

それで弟子の家の墓地に、

小さいのでいいから俺の

墓を造ってくれると助かる

 

『・・・えぇ、師にお似合いの

小さなお墓を造りますよ』

 

子供たちには蒙州で死んだって

ことだけを伝えてくれればいい。

戦だ。死ぬこともあるってな。

 

『・・・はい』

 

「自分の死を子供の教材にするとはね」

 

俺は教育者だからな。

どうせ助からん命。無駄にはせんよ。

 

『・・・残り三年だと、蒙州に行った

師とはもう会えませんかね?』

 

お前の任期が四年だったからなぁ。

正直自分の見積が甘かったと後悔してるよ。

ただ、視察って名目なら会えるかもしれんぞ

 

『そうですか。では視察に行きますね』

 

あぁ、楽しみにしている。と言いたい

ところだが、まだ気が早いんじゃないか?

まずは目の前の虫どもを滅ぼしてからだ。

 

『あぁそうでした。一刻も早く虫を

潰して、師の憂いを無くさないと

いけませんね』

 

相手が虫でも油断はするな。

万が一すらないように蹂躙しろ

 

『「「「「はっ!」」」」』

 

 

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「「「「「はぁ?寿命?!」」」」」




時代的に死が近いので、みんな遺言とかは
しっかり聞けます

そもそも恋姫時空における
身内の死に対する弱さが異常なんです

まぁシナリオさんの・・・ってお話

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