とある策士の外史旅(仮)   作:カツヲ武士

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はおー様陣営


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原作は既にない!!
嫌いな人は読み飛ばし!



まだだ!まだ終わらんよ!

馬鹿な!白蓮と董卓と司馬懿が

示し会わせたとでも言うの?!

 

「偶然ではないでしょう。

しかしいつの間に司馬懿が

冀州に戻っていたのか・・・」

 

確かに、方法としては軍勢を

率いるでもなく少数で移動したと

考えればありえなくはないでしょう。

 

「王となったものが、そのような軽率な

真似をするでしょうか?」

 

そう思っていた結果、私たちは見事に裏を

かかれたわ。

ならばこれも立派な策。

司馬懿ならやるでしょうね

 

「・・・そうですね」

 

さらに董卓が陳留で司馬懿と白蓮が濮陽

と言うのが痛い。

 

「濮陽の張邈より援軍要請も

来ております・・・」

 

それはそうでしょう。濮陽には十万もの

兵を支えられるだけの力は無い。

さらに二箇所から攻められるのであれば、

白馬の防衛陣地も役には立たない。

 

「各個撃破は・・・」

 

冀州勢はともかく、白蓮が率いる

幽州勢5万を張邈が撃破できると?

 

「・・・」

 

その上、私たちが援軍に向かうには

陳留へ向かった董卓を撃破する必要

があるわ。

これだけでも難しいのに、さらに

疲弊した軍勢で白蓮?無理よね。

 

「では・・・」

 

陳留は規模が大きすぎて空城計も

できない。

さらに言えば董卓の狙いは我々を

おびき寄せての野戦でしょう。

 

「ただでさえ強敵なのに、訓練が

終わっていない新兵では勝ち目が

ありませんか」

 

そうなるわね。さらに言えば

許昌を開けたところを南陽から

攻めてくるかしら?

 

「では援軍は・・・」

 

無理ね。陶謙も豫州勢も城に籠って

震えているでしょう。

いえ、すでに降伏の使者を出してるかも

しれないわ。

 

「今更降伏なんて受け入れるとは

思えません!

せめて許昌に集まって華琳様の指揮の下

で戦うのが唯一の活路だと、

なぜわからないんでしょうか?!」

 

ソレがわからないから奴らは愚物なのよ。

そんなことより陳留をどうするかよ。

 

「そうですね、許昌の喉元に刃を

突き立てられることになります!」

 

そうよ、簡単に落とさせるわけには

いかないわ。

 

「并州勢は城攻めは得意なのでしょうか?」

 

すくなくとも司馬懿の手伝い戦の際、鄴を

三日もかからずに落としてるわね。

 

「では並大抵の将では耐えられませんか」

 

そうね。それに陳留では、援軍の宛がない

籠城戦を行うことになるわ。

 

「消耗戦ですね・・・」

 

降伏を選ばない人間でさらに并州勢と

戦えるとなれば、春蘭か栄華。

 

「では春蘭を?」

 

いえ、春蘭は損耗した并州勢と戦う為に

必要よ。ここは栄華しか居ないわ。

 

「栄華ですか・・・」

 

戦に長けたとは言わないけど、一門が

守るということで、陳留を見捨てて

居ないという体裁にもなるのよ

 

「確かに。では栄華に指示を」

 

えぇ、お願い。そうなると問題は張邈か

 

「濮陽にて消耗戦を行わせますか?」

 

そこまではできないでしょう。

そんな指示を出したら降伏するわ

 

「そんな?!」

 

戦ってから降伏したら許されないかも

しれないけど、戦う前なら許される

可能性もあるもの。

 

「くっ!これだから大義もなにも

理解できない愚物は!!」

 

それも仕方ないことよ。

そう言った連中をどれだけ

うまく使えるかが策と言うモノ

・・・そうね

 

「華琳様?」

 

張邈に使者を出して、白蓮に降伏

するよう指示を出しましょう。

 

「そんな?!」

 

落ち着きなさい。

条件として司馬懿には従わない。

あくまで白蓮に降伏するとさせるわ

 

「・・・あぁ、なるほど。

では、公孫賛は華琳様からの書を

受け取り、親交もあるから信用

出来るとでも言わせましょうか?」

 

そうね!それでヤツらの不信感を

煽り、内部から対立させるのよ!

 

「わかりました!では栄華と張邈への

指示を出します!」

 

・・・司馬懿と白蓮が濮陽を巡って

争ったら、陳留の董卓は孤立するわ。

そこを全軍で叩いて白蓮を味方に

つければ、ここで司馬懿を討てる!

 

囲んで勝った気になってるようだけど、

白蓮との不信を改善しないまま私たちを

攻めたのがお前の最大の失敗!

その時になってから後悔しても遅いわよ!

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「春蘭お姉様」

 

栄華か・・・次はお前が?

 

「えぇ、陳留で死ねと」

 

・・・華琳様がそういったのか?

 

「いえ、筍の軍師殿にそう言われましたわ」

 

ふっ。なんだかんだで筍が

浸透してしまったな

 

「文官にも武官にも好かれてませんからね」

 

本人はアレで智謀の士と思ってるらしいが、

実際はただの佞臣よな。

 

「そんな佞臣に、華琳お姉様が誑かされる

なんて思ってもみませんでした」

 

そうだな。もはや死地に向かうお前にすら

お声をかけてくださらないとは・・・

 

「私達の力不足が原因なのでしょうか?」

 

いや、それもあるだろうが敵が強すぎた。

董卓、孫堅、公孫賛。どれをとっても

勝てんのだからな。

 

「・・・そうですね。我々が一郡の太守に

なる頃には皆が州牧や都督でした。

司馬懿に至ってはソレを統べる将軍。

勝てるはずがありませんでしたね」

 

劉表の子を掲げて大司馬となっても

所詮は寄り合い所帯。

兵も将も足りん上に大義すら無い。

 

「身内で殺し合う劉家など不要と

言われてしまえば、劉家を擁立した

私たちも不要。まぁ当然ですわね」

 

そういうことだ。それでな栄華。

陳留に行くなら頼みがある

 

「わかってますよ。

曹真のことは聞きました」

 

・・・そうか。お前に相談に行ったか。

なら私を裏切り者として殺すか?

 

「まさか。私はお礼を言いに来たのです」

 

礼?てっきり敗北主義に取り憑かれ、

敵と通じた裏切り者として断罪しに

きたのかと思ったが

 

「そんなことしませんよ。だって

曹家を遺してくれたのでしょう?」

 

あぁ、そのつもりだ。

 

「この状況なら我々は逆賊の主犯

として一族郎党打ち首が妥当です。

ですが春蘭お姉様のおかげで曹家を

遺せる可能性が出来ました」

 

あぁ、そうだな。

 

「我らは逆賊として死にますが

あの子を公孫賛殿に預けることが

出来るなら、いずれ陳登のように

武功を立てて曹家の名を広める

ことだって出来るかもしれません」

 

あぁ、そうだな。

 

「私の命で曹家の未来を守れるなら

安いものです」

 

・・・すまん。お前を武人として

死なせてやることが出来なかった。

 

「いえ、もともと財政関係の仕事

ばかりでしたし。

それに私が居なくなったら財務は

筍が継ぐでしょう?」

 

おそらくはそうだろう。

お前が居なくなった後の権限の

独占を狙うだろうな。

 

「その結果、現状を知って悲鳴を

上げるだろうと思えば・・・ね」

 

そんなに酷いのか?

 

「えぇ、完全に物流を遮断されてます。

今はまだなんとかなってますが、

あとひと月もしないウチに軍の維持も

難しい状態になってましたよ」

 

ならばなぜ今になって攻めてきた?

ソレを待てば良かっただろうに。

 

「力のある敵を倒さないと周囲に

認められないと判断したのでは?」

 

あぁ、そう言うことか。

ここで敗れてしまえば所領を失くし。

さらに物資が無くなれば抵抗もできん。

我々の無様な敗北を後世に残して

反面教師の教訓とするかもな。

 

「そうでしょうね。司馬懿は無駄な

ことが嫌いなようですし。

あとは・・・春蘭お姉様を武人として

殺してあげたいという公孫賛殿の

情けではありませんか?」

 

・・・そうか。それもあったか。

借りが溜まる一方だな。

 

「公孫賛殿には私の分も感謝を

告げてもらえますか?」

 

あぁ、機会があれば必ず。

 

「あと、筍の無様な姿も」

 

無論だ。その無様は余すことなく

見届けてお前に伝えよう

 

「ありがとうございます。

華琳お姉様をお願いしますね?」

 

任されよう、今となっては

どこまで出来るかわからんがな。

 

「それでも良いんです。

私たちは華琳様に惹かれて

ここまできたんですから。

最後に忠臣が誰もいないなんて

悲しいじゃないですか」

 

そうだな。私もそう思う。

 

「せめて最後くらいは昔の気高い

お姿で居てほしいと願うのは

私の我儘でしょうか?」

 

いや、家臣なら誰だって主君に

格好を付けて欲しいと願うもんさ

 

「そうですか。

・・・私は裏切り者と罵倒される

でしょうね」

 

そうなるだろう。だが・・・

 

「わかってます。曹家を残すには

コレしかありません」

 

・・・すまん

 

「いえいえ、こんな私でも生きる意味を

残せたなら十分です。

これ以上謝罪を受けても困りますから

そろそろ逝きますね?」

 

あぁ、あとは任せろ

 

「はい、よろしくお願いします」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

『なるほど、公孫賛殿からの助命嘆願は

確かに受けています』

 

「はっ!」

 

『だが貴様らは逆賊。許されるのは

曹真のみですが、覚悟は出来てますか?』

 

「はっ!」

 

『そうですか、では陳留の無血開城と

公孫賛殿の嘆願でもって、降伏を

許可します』

 

「ありがとうございます!」

 

『・・・』

 

「あの、なにか?」

 

『このまま打ち首と言うのもね。

せめて将として討ち取ってあげたい

と思うけど、どうします?』

 

「・・・よろしいので?」

 

『えぇ、我々も何もせず城を

落としたと言うよりは、

一騎討ちで勝った結果とした

方が良いですし。

貴女程の人材が裏切り者として

名を残すのもね』

 

「・・・ありがとうございます」

 

『相手は華雄で良いかしら?』

 

「はいっ!名将と名高い華雄殿で

あれば、私の最期を飾るに不足など

ありません!!」

 

『よろしい。では華雄』

 

「はっ!」

 

『曹洪との一騎討ちを許可します』

 

「はっ!!」

 

『逆賊の一門とはいえ、確かに忠臣。

礼を欠かさぬよう全力で勝ちなさい』

 

「無論です!」

 

『そちらに準備は必要ですか?』

 

「いえ、お預けした武器さえお返し

頂ければ、他には何も」

 

『そうですか。では始めましょう』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春蘭お姉様。私はちゃんと武人として

逝けましたよ?

 

だからもう謝らないでくださいな。

 

 

 

・・・お先に失礼します

 

 

 

 

 

「大司馬曹孟徳配下曹子廉!参ります!!」

 




全滅覚悟の籠城戦?
大本営発表で兵士を騙すことはできても
将は無理ってお話。




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