とある策士の外史旅(仮)   作:カツヲ武士

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前半地味様
中盤冀州勢
後半はおー様

はおー様陣営が主役かな

オリ設定!
オリ展開!!
原作は既にない!
嫌いな人は読み飛ばし!



ふるえているのは寒さのせいだろ

あぁ?張邈から降伏の使者ぁ?

 

『えぇ、司馬様には従わないが、

殿になら従うそうで』

 

何様だよ

 

「だよねー。司馬様に従わないなら

晋の敵じゃない」

 

『そうですな。今更そのような

申し出を受け入れるとでも

思っているのでしょうか?』

 

まぁ、曹操がトチ狂ってるからな。

濮陽を巡ってアタシと冀州勢が

睨み合い、戦線を膠着させるって

感じの離間計のつもりなんだろうさ。

 

『「あぁ・・・」』

 

「そういえば、曹操の中だと司馬様と

賛姉が仲悪いんだっけ?」

 

『この期に及んで不仲だとか

言ってる場合でもないでしょうに』

 

まったくだ。さらに教頭先生の寿命が

無いってんなら、そんな世迷い事を

聞いてる場合じゃねぇ

 

「たくさんお世話になったからね。

せめてちゃんと西に行けるように

後ろは固めなきゃ」

 

『そうですな。

しかしあの教頭殿が寿命とは・・・』

 

アタシも意外ではあるが、無意味な

嘘なんかつかない人だし。

子供の頃から無理してきた結果って

言われたらなぁ。

 

「うん。ありえなくはないよね」

 

『冀州の軍勢の士気は衰えるどころか

燃え上がりました。つまりは

皆さんも納得したと言うことでしょうか』

 

そうだな。その上で

「自分たちは大丈夫だから、さっさと西に行け」

って教頭先生の背中を押してるんだよ。

 

「私たちだって弟子だからね!

負けてられないよ!」

 

『では使者は?』

 

殺せ。どーせ逆賊だ。

生きて帰す必要すらねぇ。

 

「だね。さっさと殲滅して董卓殿と

合流しなきゃ」

 

『すでに陳留を落としたとか?』

 

主将の曹洪が将兵の助命を条件に

降伏してきたとさ。

 

「将兵って言っても兵はともかく、

許すのは曹真だけだったけど

それでも良いって話だったよね」

 

『使者として来た夏侯惇を使って、

曹操陣営の内部に不和の種を蒔いた

結果の無血開城。

公孫賛殿の深謀遠慮だそうですよ?』

 

・・・まぁ傍から見たら

そうなるんだろうけどな。

 

「董卓殿にしてみても犠牲なく

城攻めが終わったし、

一騎討ちしたことで武名も立った。

この功績で司隷に栄転って

感じになるのかな?」

 

『そうでしょうな。殿に至っては

功績が大きすぎて議長家です』

 

なんにもしてないんだけどなー

 

「人徳だよ人徳」

 

『それだけではありませんぞ。

殿は精強な幽州勢を率いながらも、

無欲にして義に篤い。才色兼備

にして最強の将軍ですからな』

 

お前・・・まさかそんな感じの

創作物書いてんじゃねーだろうな?

 

「まぁ、嘘では無いんじゃない?

最強って言うのも「騎兵を率いたら」

って付け足せば誰もが認めるだろうし」

 

『その通りです!

ちなみに私も越殿も、その最強に仕える

両翼として大活躍する予定です!』

 

「いいぞ!もっとやれ!!」

 

最終的にお前らが目立ちたいだけ

だろうが。それに最強ったって

教頭先生が居るじゃねーかよ。

あの人の指揮に騎兵とか関係ないぞ?

 

「いや、あの人はさ。なんかもう違うじゃん」

 

『そうですな。それにあの方を

知ってるからこそ、殿も我らも

慢心せずにここまで来れたのです。

ならば今後は

「教頭殿のおかげで我々は最強になれました」

と胸を張って報告できるようにならなければ』

 

・・・それもそうだな。

届く気はしないが、せめてその背中を

目指さないと、教えを受けた弟子として

情けねぇし司馬様に殺されちまうな。

 

「よくぞ言った!その通りだよ賛姉。

・・・そういうわけで許可は出た。

思う存分やりたまえ!」

 

『はっ!』

 

・・・もういいから、

とりあえず濮陽落として

武名稼いでこいよ

 

『「はっ!!」』

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

『いやいや、まさか教頭先生が

寿命ですか・・・』

 

信じられませんか?

 

『いえ、言われて見ればあの方が

老衰で死ぬのも戦場で死ぬのも

想像できません。

若いうちに駆けるだけ駆けて、笑顔で

死ぬのがお似合いなのでしょうね』

 

そうですね・・・

教頭殿はそう言う方です。

 

『そのための準備は終わらせてましたし』

 

筆頭以外は引き継ぐことなんか

ほとんどありませんからね

 

『さらに私に家督と荊州を継がせて

弘農の荘園まで・・・』

 

嫁入り道具みたいだなって

笑ってましたよ

 

『まったく・・・規模が大き過ぎますよ。

まぁそれも教頭先生らしいと

言えばらしいですけどね』

 

あの方に会えたおかげで私たち親子は

救われ、李豊にもお相手が出来ました

さらに議長国ですよ?

 

『私も命を救われて議院七家に列席し、

さらには婚姻まで・・・

こんな未来を夢見ることができるなんて

思っても見ませんでした』

 

なら恩返しが必要ですね

 

『えぇ、西についていけない私たちは

せめてココで恩返しをしなくては

返せるところがなくなってしまいます』

 

公孫賛も董卓も、そのあたりは

重々承知でしょう。

 

『すでに陳留が落ちましたしね』

 

その通り。皆が功を競っています。

幸い私にはまだ武功を立てる場が

ありますからね。

さっさと兗州を落として徐州に向かいます

 

『あぁ、私も徐州行きでお願いしますよ?』

 

良いのですか?許昌には・・・

 

『構いませんよ。むしろ眼中にありません』

 

そうですか。では私から言うことは

ありません。

あなたの智謀、存分に発揮してもらいます

 

『お任せ下さい。この狐が伊達に次席では

ないと教頭先生に教えてやりますよ!』

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

なんですって?!栄華が降伏?!

 

「正確に言えば、栄華は敵将華雄と

一騎討ちの末、討死。

残った者が栄華の遺命に従い

降伏した形となります」

 

「一騎討ちなんて勝手な真似を!

そんなの誰が許可したのよ?!」

 

そうね。栄華には消耗戦を指示

したはずだけど、何故一騎討ち

をしたのかしら?

 

「・・・おそらく陳留の兵士が

消耗戦に耐えることができないと

判断したのでしょう」

 

「そんなの栄華が判断することじゃ

ないでしょう?!」

 

「現場の将帥が判断しなければ

誰が判断するんだ?

許昌にいる軍師殿か?」

 

「春蘭っ!アンタ・・・!」

 

桂花、やめなさい

 

「しかしっ!」

 

今は仲間内で争ってる場合ではないわ。

春蘭も、桂花を煽るのはやめなさい

 

「はっ!」

 

「くそっ」

 

桂花。いまの問題はこれから

どうするかよ。

 

「そうでした。すみません」

 

「では私はコレで」

 

えぇ、練兵といつでも出陣できるよう

準備をお願いね

 

「はっ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

さて、筍はどうするか・・・

 

「大丈夫ですか春蘭様。最近お疲れでは?」

 

あぁ季衣か。心配をかけてすまんな

 

「いえ!今はみんなが大変なときですから!」

 

そうだな。まぁそれもソロソロ終わるよ

 

「・・・やっぱり負けちゃいますか?」

 

あぁ、この状況ではな

逆転なんかできんよ。

 

「栄華様も討死したってお話でしたね」

 

あぁ、討死させてもらえたようだ

 

「させてもらえた?ですか?」

 

そうだ。お前には難しいかもしれんが

ただの賊として討たれるのと、敵将と

して討たれるのでは大きな違いがある

 

「名誉ですよね?」

 

その通り。本来なら命惜しさに降伏し

認められずに首を刎ねられたって

ところを、勝てないと知りつつも

陳留を代表して敵将と一騎討ちしたんだ。

しかも相手は名将華雄。

 

「お名前が残るんですね?」

 

そうだ。華琳様に従う敵将としてな。

さらに己の命をもって陳留の民を

救ったと言った話にしてくれるだろうさ

 

「そうなんですか?」

 

公孫賛殿の優しさもあるが、

それだけじゃない。

そうした方が統治が楽になるからな。

 

「あぁ、変なことをしようとしたら、

折角栄華様が命を懸けたのにって

なるんですね?」

 

おぉ、よくわかったな。

ちゃんと勉強してるようで何よりだ

 

「はいっ!春蘭様を支えれるように

頑張りました!!」

 

そうか・・・すまんな。

 

「え?」

 

本来はただの村人だったお前たちを

巻き込んでしまった。

 

「いえ!そんなことはありません!

僕たちの村は守ってもらえました!」

 

あぁ、そうだったな

 

「それに楽しかったですし!」

 

そうだな。流琉とお前と私と秋蘭。

 

「沙和様も凪様も真桜様もです!」

 

華侖も柳琳も栄華もみんなで騒いで

・・・あぁ、楽しかったな。

 

「はいっ!ただの村人では絶対に

経験できないことができましたよ!」

 

そう言ってもらえれば少しは

救われるよ。それでな?

 

「はい?」

 

おそらく次は私だ。

 

「え?ご一緒できないんですか?!」

 

あの筍がお前を手放すとは思えん。

なにせお前が居なくなったら周りに

殺されるからな。

 

「・・・そうかもしれませんね」

 

アレでも華琳様に対する忠義は本物だ。

だがな、忠義に篤ければ何をしても

良いというわけではない。

 

「そうですね。今のあの人は、

明らかに害悪になってしまってます」

 

公孫賛殿にも言われたよ。

男嫌いで、普段から感情を隠せない

他人を見下す名家の人間なんざ

軍師にしてはダメだろってな。

 

「僕たちが華琳様に着いていけたら

よかったんですけどね」

 

そうだな。その通りだ。

まぁ今となってはどうしようもない。

華琳様には命を懸けて戦う忠臣が

居たんだってことを残すだけだ

 

「なるほど!それなら華琳様は

それだけの価値が有るご主君だった

ということになるんですね?!」

 

そうだ。それが私に出来る最期の

ご奉公となる。

 

「・・・春蘭様ぁ」

 

泣くな。私も覚悟は決めてるし、

何より武人として死ねるんだ。

悔いは・・・無いとは言わんが

この状況ならこれ以上はないよ

 

「・・・はいっ」

 

 

 

カコウトンサマ!

ソウソウサマガオヨビデス!!

 

 

・・・来たか。あぁそう言えば

栄華と約束したことがあってな

 

「栄華様と?」

 

うむ、これから筍が晒す阿呆面を

しっかり見て報告するって約束

だったんだが・・・

 

「わかりました!春蘭様の代わりに

僕がしっかり見ます!」

 

そうか。じゃあ頼む。

 

「はいっ!」

 

あぁ、栄華より先に私に報告してくれよ?

じゃないと栄華に約束を破ったことが

バレて怒られるからな。

 

「もちろんですよ!」

 

華琳様も頼む。もし筍と一緒に

無様を晒すようなら・・・

 

「・・・はい。わかりました」

 

お前には辛い役目を残すが・・・

ソレを抜きにしても

できるだけ華琳様の傍に居て欲しい

 

「はいっ!!お任せ下さい!!」

 

うん。お前の元気には今まで何度も

救われた。ありがとう。

 

「僕こそ!お世話になりました!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お世話になりました・・・か

最期まで気を使わせてしまったな。

 

秋蘭。最期まで華琳様のお傍にいることが

出来なくてすまん。

 

 

 

 

夏侯元譲!出るぞっ!!

 




許褚は将軍としてはアレですからねぇ

この期に及んで夏侯惇出陣。
きっと合肥の張遼に宛てたような
鬼謀を託したに違いない・・・

弟子は曹操の策を打ち破ることが
できるのか?!ってお話

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