とある策士の外史旅(仮)   作:カツヲ武士

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なんといういたわりと友愛じゃ!

オリ設定!
オリ展開!

原作は既にない!!
嫌いな人は読み飛ばし!!



その者蒼き衣を纏いて金色の頭を折り畳むべし

急ぐのは良いんですがね。

もう少しねぇ?

あるでしょう?

まだ公孫賛来てませんよ?

 

『あぁ、すみません。まさか無血開城とは

思ってなくて』

 

まぁ確かに、あの螺旋頭の一門が

ここまで潔い決断をするとは私も

想定してませんでしたが

 

『そうですよね?てっきり全滅覚悟の

消耗戦かと思ってたんですけど』

 

ふむ。曹洪でしたか。

 

『はい』

 

独断でしょうが、その行動が私の想定を

上回ったのは事実。

ここは素直に見事と言っておきましょう

 

『はい・・・』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それで、どうだった?

 

『スゴク・怒ってたよ・・・』

 

「まぁ、陳留を落としたら合流って

話やったしなぁ」

 

「李儒様。あぁいや、教頭様との

最期の時間を邪魔された形と

なったからな、お怒りなのはわかる」

 

とりあえず公孫賛殿には

司馬様がお待ちだから大至急

来てもらえるように使者を

出さないと。

 

『そうだね。曹操との戦もあるし

最悪騎兵だけでも来てもらおうよ!』

 

「せやな。ウチらが持たんわ」

 

 

 

 

 

『そう言えば西征だけど・・・』

 

「呂布はついていきます」

 

「陳宮もですぞ!」

 

呂布が良いんだったらソレで良いけど

張遼や華雄は行かなくていいの?

 

「楽しそうではあるんやけどなぁ」

 

「うむ、董卓様やお前を残していく

訳にも行くまい」

 

『って言ってるけど、やっぱり

男の人が・・・ね?』

 

あぁ、なるほど

 

「「言わないで?!」」

 

「ふふん」

 

「「?!」」

 

「り、呂布殿が勝ち誇った顔をしてますぞ!」

 

あぁ、孫策から習ったのね・・・

 

『そうみたい。戦いで勝つのはともかく

女として勝ったんだから、しっかり

煽れって言われたんだって』

 

うわぁ

 

「賈詡だって生娘やんか?!」

 

「そうだぞ!お前だって他人事じゃ

ないだろう?!」

 

いや、僕はちゃんと一覧もらってるし

司隷に移ったらお見合いの予定だし

 

「なんだと?!」

「なんやて?!」

 

『そうだよねー。武官の人たちと違って

間違って殺しちゃうってことも

ないだろうからって、優先的に資料を

回してもらえたんだよね?』

 

ふふん

 

「「?!」」

 

「賈詡が勝ち誇ってる」

 

「まぁ仕方ないですぞ!」

 

『あ、あはは』

 

「陳宮に慰められとるで・・・」

 

「コレはきついな」

 

まぁ、二人が残ってくれるなら

僕たちも助かるよ。

 

それでこれからなんだけど・・・

 

「なんや?見合いの場所か?」

 

「相手の愚痴なら聞かんぞ。

報告は失敗したときだけにしてくれ」

 

『女の本音だねぇ』

 

「生娘だからしかたない」

 

「「?!」」

 

「孫策殿直伝の煽りはすごいですな!」

 

いや、ソレはもういいから。

軍勢が合流したあとだよ。

 

「・・・あぁ、そっちな」

 

「うむ、確かに重要だな」

 

『一万は李厳様と一緒に徐州だけど

誰が行くかってこと?』

 

そう言うこと。僕たちは陳留を

落としたことで功績は十分だからさ。

 

曹操にとっての本拠地である陳留と

ただでさえ不足してるのに

更に二万の兵を失った連中が

どう出るかにもよるけど・・・

こっちよりは無傷の徐州の方が

戦はあるかもよ?

 

「いや、無いやろ」

 

言い切ったねぇ。

 

「・・・ふむ、張遼に行く気がないなら

私が行こう」

 

『ん?華雄さん、妙に殺る気があるけど

何かあったっけ?』

 

「自爆された」

 

「そうでしたな!使者が自爆してましたな!」

 

あぁ、そう言えばそうだね。

女中みたいなのが来たと思ったら

開口一番で自爆したんだっけ?

 

「そうだ。何が何だかわからなかったぞ」

 

「そんでも周りからは華雄が殺ったと

思われて。部屋を掃除に来た女中に

冷たい目で見られたとか言うとったな」

 

『流石に華雄さんを冷たい目で見れる

女中さんはいないと思うけど』

 

そうだね。流石に考えすぎだとは

思うけど、まぁ気持ちはわかるよ

 

「わかる」

 

「ですな!」

 

「そうか、お前たちも血まみれになって

くれるか」

 

「「「「誰がなるか!」」」」

 

「・・・」

 

まぁそう言うことなら華雄で

良いかな。

あとは曹操がどんな手を

取ってくるかだけど・・・

 

『どんな手って言ってもねぇ』

 

「合流前に叩きに来るとかやない?」

 

いくらなんでも野戦で僕たちに

勝てるとは思ってないでしょ?

 

「逃げる?」

 

「それが一番賢いですぞ!」

 

逃げるか・・・確かにそれもあるかも

 

「この期に及んで・・・

あり得るのか?」

 

「せやけど可能性は考えんとな。

逃げるとしたら・・・汝南か徐州?」

 

『そこからどうするかだよね』

 

「海を越える」

 

「あぁ!蓬莱ですな?李儒様・・・

教頭様があるって言ってましたぞ!」

 

『「「「あるの?!」」」』

 

「ですぞ!なんでも呉郡から船で三日も

あれば行けるとか」

 

「普通の島だって」

 

はぁ・・・さすが教頭様。

ならそこに行く前に殺さなきゃ

ダメなんだね?

 

『汝南から寿春に行けば、

そのまま海に向かうかな』

 

「そうだな。ならば早めに司馬様に

その旨を伝えて、逃走経路を押さえる

ようにした方がいいだろう」

 

速さが求められるから

ソレは張遼の仕事になるね

 

「ん、かまへんよ。ウチも仕事せな

教頭先生に合せる顔ないしな」

 

『恩返ししないとね』

 

そうだね。じゃあ誰が伝えに行く?

 

『「「「献策は賈詡の仕事」」」』

 

 

 

ですよねー

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

汝南へ退く?

 

「はい、張邈の降伏が認められず

濮陽が落ちた今、この許昌では

奴らを支えるだけの力がありません」

 

・・・まぁそうね。まさかあの白蓮が

使者を殺すなんて。

 

「以前は顔見知りの春蘭だった

からこそ話ができたのでしょうが、

張邈には伝手がありませんでした」

 

そうね。それに有無を言わさず使者を

殺したことで、司馬懿との不仲を利用

することも難しくなったわ。

 

「はい、今は・・・ですが」

 

今は?なにかあるのかしら?

 

「栄華が担当していた財務を

引き継いでわかったのですが、

許昌には大軍を維持できるだけの

糧食がありません」

 

・・・なんですって?

 

「我々はもともと連合体で、きちんと

税を取り立てる制度ができていません

でした。現状は各諸侯が取り立てた

税の内の二割を納める形で運営して

おりましたが・・・」

 

それでは物資が足りていないと?

 

「おそらくは諸侯が税を誤魔化してるのと

先の蔡瑁の暴挙が原因でしょう。

兵だけでなく必要以上の物資も

持ち出していたようで、敗れたことで

その全てが奪われました」

 

なるほど。大司馬である私の権限だけ

では、さすがの栄華も税の徴収は

強制できない。

それに腐っても帝の外戚。

奴らには強く出れなかったか・・・

 

「そのようです」

 

では、蔵が空になった許昌を

明け渡して奴らに物資の補充が

来るまでの時間稼ぎを行うと?

 

「それもありますが、そもそも

華琳様は司馬懿が造る晋という国が

うまくいくと思いますか?」

 

・・・今は私や劉氏と言う敵が

居るから纏まってはいるけど、

私たちが居なくなれば

・・・なるほど荒れるわね。

 

「はい。公孫賛は青州を

馬騰は益州を、

孫堅は荊州を、

それぞれ間違いなく没収されます」

 

なるほど。ここで私たちが一度

姿を消すことで、連中の矛先を

外から内側に向けるということね

 

「そうです。特に董卓は先帝の遺勅が

あればこそ司馬懿と歩調を併せて

いますが、ソレが無くなれば?」

 

董卓にとってみればかつての部下であり、

さらに存在を嫌っている名家の司馬懿が

王となる国が目の前にあるわね。

 

「司馬懿も当然そのことは知っている

でしょう。当然一度に全部はやらない

でしょうが、いつかはその力を削ぐ

為に動きます」

 

それはそうね。司馬懿にしてみれば

その力は冀州とこれから手に入れる

兗州と徐州にしか及ばないわ

 

「もしかしたら司隷も入るかもしれま

せん。ですがソレは所領の拡大

というよりも、馬騰や孫堅と所領を

接するということを意味します」

 

ふむ・・・確かに。

狡兎死して走狗烹らる。か

 

「そうです。最初の一人目が誰に

なるかはわかりませんが、ソレが

起これば、後は各々が自衛の為に

動きます」

 

そうね。全員がそれなりの力を持つ

諸侯。おとなしく殺されてやる

理由などないわね。

 

「さらに、連中はまさかこの許昌の蔵が

空になってるとは思わないでしょう」

 

それはそうよ。連中はここで得た資財を

褒美として宛にしているでしょうね

 

「補給の宛にもしているはずですから、

敢えて空にはせず少量を残しておけば

ソレを巡って争うことになるでしょう」

 

なるほど・・・見事な策よ!

 

「はいっ」

 

あとは汝南に退くまでの遅滞戦と

その後。

劉琮は連れて行かないのね?

 

「そうですね。アレを連れて行けば

華琳様も追われてしまいます」

 

いまさら劉氏に価値などないか。

せいぜい役に立ってもらいましょう

 

「そうですね!最後に華琳様のお役に

立てるんですから、あのクズも本望で

しょう!」

 

騒ぐだけの愚物ですものね・・・

それで、汝南の後はどうするのかしら?

 

「寿春に入り、蓬莱を目指すべきかと」

 

蓬莱?陶謙から実在するとは

聞いていたけど・・・海を超えると?

 

「はい、司馬懿は明らかに華琳様を

恐れています。その死体を見るまで

追撃の手を緩めることはないでしょう」

 

そうね。逆の立場なら私だって

そうでしょう。

何が何でも司馬懿を殺すし、その

死体を確認するわ

 

「ですが海を越えてしまえば、流石に

追えません」

 

そうか、私の死体を探すよりも

目の前にやらなければいけないことが

たくさんあるものね

 

「はい、建国を宣言した以上は

国の法や税の在り方。

軍の在り方に諸侯に対する

締めつけなど、やるべきことは

多岐に渡ります。

さらに奴は州牧でしかありませんから」

 

どうしても人員が足りないわね。

 

「所詮は州牧で将軍でしかありません

調子に乗って建国したことを後悔

するでしょう!」

 

そうして荒れた漢に私たちが帰ってくる。

そのとき白蓮は確実に私を重用するわね!

 

「そうなれば、野心のない公孫賛の兵を

華琳様がそのまま使うことも出来ます」

 

あら桂花。

以前に言ったことを覚えていたのね?

 

「はいっ!華琳様が幽州兵を率いたなら

天下など思いのままです!!」

 

そうね、ゴタゴタした晋を滅ぼして

魏国でも造ろうかしら

 

「魏国!素晴らしい国になりますよ!」

 

ふふ、ソレを考えたら私のために

劉氏がのさばる漢を滅ぼしてくれた

司馬懿には、感謝してやっても

良いかも知れないわね。

 

「建国した国を失った司馬懿を捕らえ、

感謝とともに鞭を打ってやります!」

 

あぁ、それはいいわね!

屈辱の底に叩き落としてあげるわ!

 

「はいっ!」

 

そのためにも蓬莱へ抜ける

支度が必要か・・・

 

「そうですね。まずは物資ですが

大軍で海を越えることはできません

ので、まずは数百人分あれば

よろしいかと」

 

それくらいなら問題ないわ。

それから連れて行く兵も削る

必要があるわね。

 

「それでは、春蘭に兵を率いらせて

遅滞戦を行わせるのがよろしいかと」

 

春蘭に?

 

「自然な形で兵を減らし、さらに物資の

移動の時間を稼がなくてはいけません。

そのためにはどうしても敵の目を

許昌に集める必要があります」

 

それはそうだけど・・・

 

「難しい戦になりますが、

春蘭ならうまく兵を減らし、

自身も生還できるでしょう」

 

まぁ、そうね。

軍勢を指揮して、さらに生きて帰って

来るだけの実力があるのは春蘭しか

居ないわね。

 

「そうですね。季衣では生還は

できるでしょうが遅滞戦は

難しいでしょう」

 

そうね。ふふっ。

 

「華琳様?なにかおかしいことでも?」

 

いえ、普段は春蘭と仲が悪くても、

きちんと評価をしてるんだな。

と思ったらね

 

「・・・いくら私でも、軍事的な

才覚では及ばないと理解してます」

 

えぇ、それでいいのよ。

自分に出来ることと出来ないことを

理解して、正しい選択を行うのが

軍師と言うもの。

貴女は軍師として確かに成長しているわ

 

「ありがとうございます!」

 

では春蘭を呼んでちょうだい。

時間稼ぎが目的なんだって

きちんと伝えておかないとね

 

「そうですね!私が言っても角が

立つでしょうから・・・

よろしくお願いします」

 

春蘭が帰ってきたらその辺も

ちゃんとしないといけないわね

 

「・・・はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これでようやくアイツが居なくなるわね!」

 




姫様は清浄なる地へ人を導けるのか・・・

逃げると退くのは違うんです!!ってお話

曹操陣営から出て来る商人を殺して
物資の遮断を行っている犯人は一体誰なのか?





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