とある策士の外史旅(仮)   作:カツヲ武士
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同時刻のはおー様

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連続投稿二話目

原作は既に無いっ!
嫌いな人は読み飛ばしっ!


夢中になれた日々が夢の破片

さて、さっさと汝南を落とさな

あかんのやけど・・・

 

「?」

 

「なんですぞ?」

 

いや、なんでアンタらがおるん?

 

「こっちに居る気がする」

 

「ですな!」

 

呂布の勘なら確かなんやろうけど・・・

本音はあっこに居たくないだけやろ?

 

「・・・ソレもある」

 

「月様は周りから「空気読め」って

言われてましたぞ!」

 

せやなぁ。よくよく考えたら

あの状況で『陳留を落としました』

なんて并州の早馬で伝えたらあかんよなぁ

 

「予定を確認してからじゃないと」

 

「そうですな。我々が待つのは

構いませんが、あの状況で司馬様を

待たせるのは人の所業では無いですぞ」

 

あの司馬様が落ち込んでるのを

見たら、ほんまあかんかったわ。

 

「五日で来てくれた皆には感謝しかない」

 

「ですな。月様も詠もずっと下向いて

ましたものな」

 

まぁ、とりあえずアッチは公孫賛殿に

任せてウチらはウチらの仕事をせんと

 

「うん。アッチが怪しい」

 

「怪しげな軍勢が南下してると

斥候から報告がありましたぞ!」

 

なるほど。コレは・・・あからさまに

怪しすぎて逆に見落とすかもしれんなぁ

 

「うん。中途半端すぎ」

 

「ですな。逃げるなら騎兵だけで

全力で逃げれば良いものを、歩兵が

多い上に兵糧や財産まで必要以上に

持ち歩いてるみたいですぞ!」

 

ふむ。これは自分一人では逃げられん、

護衛や財が無ければ不安でたまらん。

そのうえ本人は満足に馬に乗れん。

 

洛陽で見た典型的な名家の逃げ方やな

 

「・・・居る」

 

「ですな。気付かれる前に囲みましょう!

霞は逃げられないように、遮蔽物が

無いこの場所に先回りして下され!

陳宮と呂布殿が追い込みますぞ!」

 

了解や。ヤツらは逆賊。一人も逃がさへん!

 

「当然っ!」

 

「ですなっ!」

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

「華琳様っ敵です!しかもコレは・・・」

 

くそっ追手が早すぎる!

しかも、よりにもよって并州勢かっ!

 

「そんな、有り得ない!何で奴らが

ココにいるのよっ!」

 

「実際居るんだから仕方ありませんよ!」

 

そうね。季衣の言う通りよ。

偶然なのか策を読まれたのかは

知らないけど、司馬懿は汝南を

落とす為の兵を出していた。

コレは何を言っても変わらない事実。

 

「偶然に決まってます!私たちの策が

司馬懿ごときに読まれるはずが

ありませんっ!」

 

「どうしますか?ココだと遮蔽物がない

ので、騎兵から逃れるには厳しいかと

思われますが」

 

そうね・・・

 

「そうよ、春蘭が裏切ったのよ!

そうじゃなかったらこんなに早く

奴らに見つかるなんて有り得ないもの!」

 

「桂花様、春蘭様が華琳様を裏切る

ことはありませんっ!」

 

「ならなんでよ!?」

 

「偉い人が、自分の身が危なくなったら

逃げるのは当然です。

ソレを警戒するのも当然です」

 

・・・?!

 

「知ったような事をっ!華琳様はこんな

ところで死んで良い方じゃないのよっ!」

 

偉い人が逃げる・・・あぁ、そうか。

そう言うことかっ!

 

「華琳様?」

 

・・・季衣。正直に答えて。

私はいつからおかしかった?

 

「・・・広宗で戦場から離されて、劉備が

荒らした町を守ってた時くらいからです」

 

「華琳様がおかしい?そんなこと

あるわけ無いじゃない!」

 

なるほど。そこからか・・・

 

「華琳様?!」

 

「春蘭様は、自分達が増長していたって

言ってました。

あのとき司馬懿さんが言ったことは

何一つ間違ってない。

しっかり現実を見据えて華琳様を

支えていれば、こんなことにはなって

居なかったと」

 

そう、春蘭がそんなことを

 

「や、やっぱりアイツがっ!」

 

他には何か言ってたかしら?

 

「栄華様のお命を持って曹真様を、

春蘭様のお命を持って華琳様の

名誉を御守りすると」

 

・・・そう、じゃあ栄華は一騎討ちではなく

降伏をしたのね?

 

「はい、戦えばみんな

殺されちゃいますから」

 

「な、どういうこと?!」

 

まったく、あの子だって怖かった

でしょうに。

 

「いえ、笑ってましたよ?」

 

そう。私はそんな栄華の顔すら

見てあげて無かったわ。

 

「あの、華琳様?」

 

自分で擁立した帝を捨て、

自分で集めた兵を捨て、

自分を信じてくれた民を捨てた。

 

・・・無様ね

 

「・・・」

 

「華琳様にはソレ以上の価値があります!」

 

そう思ってたのは私と桂花だけだった。

今の私は醜い名家と同じ、ただ戦から

逃げ出した愚物よね。

 

「・・・」

 

「そんなことっ?!」

 

春蘭には悪いことをしたわ。

貴女が合流しないのか?って聞いた

ときが最後の機会だったのに、

私は何も見えていなかった。

 

「・・・はいっ、でも春蘭様はっ、

寂しそうに、笑って・・・ましたっ」

 

「季衣っ!」

 

そう。なら怒りや失望ではなく、

私と死ねなかった事を残念に

思ってくれてたのかもしれないわね

 

「た、たぶん、そうです。」

 

「華琳様は死んではいけませんっ!」

 

あぁ、もしかして董卓がすぐに

攻めてこなかったのは、白蓮が

お願いしてたのかしら?

 

「みたい、です。助命はできないから

せめて、武人として

討ち取ってやるって・・・」

 

相変わらずのお人好しね。

あぁ、だから華雄は栄華と一騎討ち

してくれたのね?

 

「春蘭様はたぶんそうだって言ってました」

 

「・・・何よそれ」

 

じゃあ春蘭も?

 

「はい、華琳様には命を懸けて戦う

忠臣が居るんだ。ソレに相応しい

御方なんだって示すと」

 

「・・・そんなの勝手な自己満足じゃないっ!」

 

つまり私は、友と命を懸けた家臣の

想いを踏みにじったのね。

 

「違います!ヤツらが華琳様を

裏切ったんです!」

 

「華琳様・・・」

 

何かしら?

 

「栄華様は、華琳様には気高いお姿で

あって欲しいって。

ソレは贅沢なのかなって言ってました。」

 

・・・そう。

 

「華琳様の何に不満があるって

言うのよ!」

 

「・・・春蘭様は、華琳様に格好良い

お姿を望むのは家臣として当然だって」

 

・・・そう。

 

「春蘭っ!アイツはいつもいつもっ!」

 

季衣。今の私は貴女にはどう見えるかしら?

 

「・・・はじめてお会いしたときと

おんなじです」

 

それは?

 

「綺麗で、強くて、格好良くて、聡明で、

気高くて、それでもどこか可愛くて。

お話の中に出てくるような、とっても

とっても綺麗な華みたいな人ですっ!」

 

ふふっ、綺麗って二回言ってるわよ?

 

「本当の事だから良いんですっ!」

 

そっか。なら今の私のままで居ないとね?

 

「はいっお供しますっ」

 

「華琳様っ?!」

 

桂花。今まで苦労をかけたわね

 

「え?えっ?」

 

私を選んでくれてありがとう。

そして貴女の主君に値しなかった

私を許して・・・とは言えないわね。

 

「えっ?あの、何を?!」

 

私を恨んだままで構わないわ。

だからちゃんとついてきなさい?

 

「華琳様・・・だけど、女の人は

捕まったら大変な目にあっちゃいます」

 

あぁ、ソレがあったか。

私や季衣みたいな武官ならまだしも、

文官の桂花までそんな目に

あわせるのは流石に忍びないわね。

 

「か、華琳様っ?!」

 

さよなら、せめて私が殺してあげる

 

「・・・あ、あぁ~。華琳様ぁ~。

お力が足りず申し訳ございませんでしたぁ」

 

良いのよ、力が足りなかったのは

私も一緒だから

 

「・・・先にお待ちしてますね」

 

えぇ、皆で待ってなさい

 

「はいっ!お待ちしてますっ!」

 

 

 

 

 

さぁ、季衣。私たちも逝きましょうか?

 

「はいっ、華琳様はどっちに逝きますか?」

 

倒れるなら後ろじゃなくて

前じゃないと・・・ね。

 

「わっかりましたっ!なら私がお背中を

御守りします!」

 

えぇ、任せるわ。

神速の張遼か。相手にとって不足なし。

 

春蘭、せめて貴女が誇れる私のままで

会いに行くわ!

 

・・・曹孟徳、出るっ!

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

 

 

なるほどなぁ。なるほど

 

「・・・あら、今頃来るなんて随分

礼儀がなって無いわね?」

 

ふむ、思っとったほど阿呆では

無いようやな

 

「・・・いえ、阿呆だったわよ」

 

あぁ、家臣に諭されたんか。

えぇ家臣を持ったな。

 

「そうね。私にはもったいないくらい

良い家臣よ」

 

ふむ。まぁ、今のアンタならええやろ

 

「何がかしら?」

 

味方を見捨てて海を越えようと

するヤツなんざ、雑兵として斬って

捨てろ言われとるんやがな

 

「あぁ、なるほど。今まで出てこなかった

のはそのためね」

 

せやな。だが今のアンタなら敵として

殺したるわ

 

「それは光栄ね。けどそんなことして

良いのかしら?」

 

連合組んでウチらを潰そうとした

ヤツが、ただの雑兵ってのもな。

 

「あぁ、ソレもあったわね」

 

この場所ならまぁ、別動隊を率いて

本陣を狙った言うてもギリギリ

通るやろしな。

 

「なるほどね。私の名が高まれば

董卓や司馬懿の名は更に高まる」

 

ま、司馬様はこんなもん意味無いけどな

 

「意味がない?新たに国を造った

王に武名は必要でしょう?」

 

あの方の名は漢に収まらんねや。

 

「そう、なのね?」

 

あぁ、既に羅馬まで名が広まることは

決まっとるな

 

「羅馬?既に決まってる?」

 

教頭様が動いとるからな。

あの人に手抜かりはない

 

「教頭様?司馬懿ではなく?」

 

段取り組むんが教頭様で、

実行するのが司馬様なんやて

 

「あの司馬懿に己の敷いた道を

進ませる?そんな人間が・・・

あっ!まさか教頭様とは?!」

 

わかったか?

ま、アンタが誰を相手にしたんか

知らんのもアレやしな、最期の餞別や。

 

「そう、司馬懿は私を見向きも

していなかったのね」

 

せやな。司馬様は必死で教頭様の

背中を追ってるだけ。

アンタの敵はアンタが見下してた

教頭様や。

 

「・・・謀は密を以て成すとは言うけど

まさかここまでとはね。

重ね重ね洛陽で会えなかった

ことが残念でならないわ」

 

そういえば教頭様が、アンタの資質は

司馬様に並ぶ言うとったな。

 

「あら。そんなに高い評価だったの?」

 

まぁな、もし生まれ変わったら教頭様の

家の扉を叩くとええ。

きっと楽しい人生送れるハズや。

 

「それは心踊る提案だけど、辞退させて

もらおうかしら」

 

ほう?

 

「私は生まれ変わっても、こんな

私を今まで支えてくれた

家臣たちに格好良い姿を魅せるって

決めてるの」

 

あぁ、それは良い心掛けやけど

視野が狭いで。

 

「・・・なんですって?」

 

アンタの願いは、教頭様の教えを

受けて成長した姿を魅せるってのと

背反せんやろ。

 

「・・・あぁ、それはそうか。

その通りだわ。未熟な私より成長した

私の方が格好良いに決まってるか」

 

せや。当たり前の話やけどな。

 

「そうね、そうだわ。ありがとう。

やっぱり私は慢心していたのね」

 

教頭様に弟子入りしたら最初に

学ぶのが『油断慢心ダメ絶対』や。

アンタはそれだけでも随分違うと

思うで

 

「当たり前の事だからこそ

大切なことよね。覚えておくわ

さて、待ってくれてありがとう。

私はもう良いわよ?」

 

そっか?ほんなら無駄話は

終いや。・・・行くで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

張文遠や。主董卓に代わって

逆賊曹操を討つ。

 

 

大司馬曹孟徳よ。今上の帝に弓引く

逆賊を討つわ。

 

 

 

 

『「いざ、参るっ!!!」』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・あら、秋蘭に流琉。

もしかしてずっと待っててくれたの?

 

ありがとう。私は幸せね。

 

あ、けど道案内は

少し待って貰えるかしら?

 

多分もう少しで・・・あぁやっぱり。

まったくもう。貴女には生きて戻れと

言ったでしょう?

 

まぁ、肝心の私がコレじゃ

説得力無いけど。

 

はいはい、急がないの。

まだ季衣がって・・・いつの間に?!

 

あぁ、一緒に送って貰えたのね。

大丈夫?痛くなかった?

 

そう。白蓮と董卓の将たちには

感謝しないとね。

 

 

ん?何を今さら。

私はね気高くて格好良い理想の家臣

である貴女たちが支えてくれた

理想の君主なの。

ならみんなには格好良く胸を張って

会いに行かなきゃシツレイじゃない。

 

 

 

 

・・・春蘭。随分待たせたわ。

今の私は貴女の主君に相応しいかしら?

 

そう・・・ありがとう。

 

 

えぇ、そうね。

生まれ変わったら次こそ天下を

目指しましょう。

 

 

 

さぁ逝くわよ!ついてきなさいっ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・次は貴方に会えると良いわね、教頭殿」

 

 

 




はおー様討死
許楮も一緒に殺ってます

後ろの呂布に向かっていたら
雑兵としてころされてました。

この辺は張遼と曹操だから
シカタナイネってお話

ちなみに曹操が最期「李儒殿」ではなく
「教頭殿」と言うのは張遼が冥土の土産と
言っておきながら教頭の名を決して言わな
かったことから、「ソコまで隠すか」
と言った感じで、彼らの徹底した隠蔽に
対して敬意を払った結果です。

ソレに気付いて苦笑いしている華琳様を
想像して貰えれば良いかと思われます。

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