とある策士の外史旅(仮)   作:カツヲ武士

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時系列的には董卓と同じくらい

ただでさえ強い地味様の強化フラグ

アンチヘイト?アンチヘイトとは一体・・・

オリ設定・オリ展開






知らなかったか?書類からは逃げられない

なぁ越、聞いてくれよ

 

「ん?どーしたの賛姉?」

 

アタシさ、この戦争が終わったら

州牧になるんだ

 

「なんか死にそうだからヤメテ!」

 

あぁ、死ぬだろうな・・・書類で

 

「うわぁ、生き残った後に約束された地獄が見えるよ」

 

李厳様曰く隙の生じぬ二段構え。だそうだ

 

「隙って」

 

生き残ったと思った瞬間が一番油断するから注意しろってことだな。

 

「言ってることは凄く良い事なんだけどさ・・・」

 

まぁこの場合の注意ってのは、覚悟であり準備さ

 

「あ、そういうことなんだ」

 

教頭先生と筆頭様に学んで一年と少し経ったけどさ

 

「うん」

 

前に洛陽で学んだ3年と、盧植先生のところで学んだ1年より明らかに成長してるんだよ

 

「筆頭様曰く、師からの1年の教えは凡百の教えの5年を凌駕するらしいからね」

 

うん、あの人たちから見たら、盧植先生も凡人なんだなって

 

「あの人を凡人扱いするの、筆頭様だけじゃない?」

 

教頭先生はなんだかんだで、自分の足で立ってる人なら認めるからな。

 

「私たちはマダマダだけどねー」

 

弟子なんだから当たり前だろ。

背伸びして一人前って面したら

シロさんに粛清されちまう

 

「見えなかったねぇ。なんか足かな?蹴ったと思うんだけどさ」

 

上から衝撃が来たよな。

良く矢でも槍でも降って来い!

とかいうヤツ居たけど 

 

「まさしく槍が降ってきた感じだったね。ナニカに貫かれたもん」

 

あぁ、迎えが見えた。

んで筆頭様の声がな

 

「うん、あの、死は等しく訪れるってやつね」

 

アレ、受け入れてたら死んでたよな?

 

「筆頭様か教頭先生に無理やり起こされてたんじゃない?」

 

何故か所持金半分になってたりしてな。

 

「「ハハハハハ」」

 

 

 

 

「で、州牧ってほんとなの?」

 

あぁ、さすがにあと一年は教育して

今の地味から脱却してもらうってさ。

 

「地味から脱却したらなんになるの?派手??」

 

・・・地獄味だって

 

「うわぁ、一言足すだけでスゴイ世紀末感」

 

だよなぁ。とりあえず、賊相手に

退かぬ!媚びぬっ!!省みぬっっ!!

くらいは言えるようにするんだと

 

「するんだ・・・」

 

今までは基礎の基礎、これからは徹底的に鍛えて成長してもらう、と

 

「今までで基礎の基礎かぁ・・・」

 

最終試練は、師匠か恐怖公の手によって

殻を破ってもらうんだと。

 

育成計画書に書かれてた題名は

 

世紀末幽州牧公孫賛~地獄味~

 

「・・・・・・」

 

もちろん副官はオマエだ

 

「・・・・・・」

 

アレ?嫌だぁぁとか言って逃げないのか?

 

「言ったら逃げれるの?」

 

すまんな。アタシの為にも、家の為にも、領民の為にも絶対に逃がさん。

 

「だよねぇ。そんなこと言われたら逃げれないじゃん」

 

間違いなく成長はしてるんだ、

これから漢は荒れる。

弱いまま幽州にいても良い事なんかない

 

「そうだね、弱いままだと、どっかの勢力に良いように使われて、謀殺されちゃうもんね」

 

そういうことだ。だからアタシたちは強くならなきゃ行けない。

 

「それが覚悟だね。じゃぁ準備は・・・人?」

 

そうだ、人材が足りん

人の手は二つしかない

同時にできることは限られてる

 

「筆頭様と教頭先生は同時に12個くらいしてるけどね」

 

いや、アレは正確には違ってな

同時に3個~4個の仕事を高速でこなしてるんだと

 

「いや、それはそれでどーなの?」

 

実際あたしたちも、話を聞きながら速記できるだろ?

 

「あぁ頭の悪い地方の軍閥や賊から、言質を取るために便利な技能だからって教えられたよね」

 

そうだ、ソレに思考と確認で3つだ

 

「あぁ、アノ人達って話を聞いて、書くのは一つの動作なんだね?」

 

実際書きながら聞いてると覚えるからな。

もう一つの動作になるんだと。

で、書いたのを読むための速読。

 

「洛陽の人たちって無駄に文章長いから読むのも大変なんだよね」

 

けど、あの文章は決まった礼法に則って書かれてるからその法則さえ分かれば、見るのは一部で良くなる。

 

時間の短縮だな。

 

「師曰く、一流は時間を買う・・・至言です。って言ってたよね」

 

・・・えぇ言いましたね

 

「「うわぁぁぁぁぁっっ!!!!!!」」

 

 

 

 

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まったく未熟ですよ。洛陽ではどこで誰が

聞き耳をたてているかわからないんですから、

常日頃から注意は怠らないようにと教えているでしょう?

 

「「は、ハイすみませんっ!!」」

 

 で地妹

 

「地妹・・・」

 

ナニカ?

 

「いえっ凄くよく表現できてると思いまずずずずずずずずずずっ!!」

 

なぜ貴女に上から目線で採点されなくてはならないのですか。

 

まったく。不敬ですよ?

 

「スミマセンデシタっ!!!」

 

まぁ今回はいいでしょう。

師より貴女に命令が下されました

謹んで拝命なさい

 

「「はっ!!」」

 

あぁ、地姉の方は結構

 

「え?」

 

先ほど話をしていましたが、今後地姉は州牧として。地妹は副官としての仕事があります。

 

 「「はい」」

 

今回の仕事は師からの命令を公孫家と

幽州軍閥に伝える使者です。

 

「「なるほど」」

 

使者は州牧がする仕事ではありません。

信用できるものに州牧が与える仕事です

わかりましたか?

 

 「「はいっ」」

 

内容に関しては将軍府で次席の狐から直接聞くように

 

「李恢様ですね。かしこまりました!」

 

では行きなさい。

 

あぁ地姉は残りなさい。

あなたには別の仕事がありますからね

 

「「はっ」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふむ、地味姉妹もようやく師の教えが理解できてきましたか

 

この様子なら一年後には、なんとか使える程度にはなるでしょう。

 

少なくとも本人も、基礎も何もなく州牧になった董卓よりは格段に上。

 

周りも、洛陽で嫌われている何進と繋がって

いるが為に、文官に距離を置かれている

馬騰よりもよほどマシな人材を揃えることも

できるでしょう。

こちらが融通しても良いですしね。

 

しかしこの時期に遠征の催促とは・・・

何進め。誘われた事に気付いてないのか?

 

それとも名家か宦官連中が、師の隙を

見つけたと暴走したか? 

 

師がなんの為に、何を洛陽で下準備していたかまったく理解できていない。

 

まぁ我らの中でも理解できているのは

涼州を知る私と、それなりの権限を与えられている次席の狐

 

文武において弛まぬ努力を惜しまぬ武官筆頭の李厳殿。

 

伯師妹を超えるやもしれぬ驚異の

(おや、うまいこと言いましたね)

洞察力を持つ、師の幼馴染で文官筆頭の

楊修殿くらいでしょう。

 

楊修殿もな。最初は私も聞いたことが

なかったけど・・・あの人には、武力は

ないけど説明できない洞察力があるのですよね。

 

朝に門って師が竹束に書いたら、幽州の門閥貴族一覧出してくるし

 

昼に門って師が竹束に書いたら、長城を超えたところにいる民族の一覧表もってきたし

 

夕方に門って師が紙に書いたら、雁門の地域一帯の地図もってきたし

 

夜に門って師が紙に書いたら、翌日役人に出す長城の修繕費用の見積もりもってきたし

 

どれも説明は授けていただけた、だが

真似できるとは思わなかった。

 

いやはや、流石我が師の幼馴染

最初は文官筆頭という立場に軽い嫉妬も

覚えましたが、今ならそのような浅ましい

感情はないと言い切れます。

 

私のように文武を鍛えていては届かぬ

まさしく文の極地 

 

アレが本物の文官なのですよね。

 

 

まぁそれはそれとして

 

本来安北将軍は、その名の通り北方を

安んじることが職責。

 

つまりは賊が攻めてこなければ、もしくは

地方の軍閥や豪族が動かなければその職務は

并州と幽州、場合によっては冀州の兵権の

統治者でしかない。

 

現在冀州は冀州牧韓馥と南皮の袁家が統治して

いるため実質師が関わるのは并州と幽州。

 

さらに州刺史ならともかく州牧は、自分たちが

兵権を持っているので、中央の将軍に

軍部を握られるのを由としない。

そこが奴らの狙い目だったのだろう。

 

で、職を与えたのに仕事をしていないと

いう讒言でもしようとしたのだろうさ。

 

 

何進が任じた将軍が失態を犯せば奴の失点

ついでに我が師に対する憂さ晴らしにもなる。

 

何進にしてみれば確かに失点だが

それでナニか損をしたわけでもない

 

むしろ師が泣きつけばヤツとしても

派閥の強化に使うのだろうさ。

 

自分から取り込むならまだしも

相手から頼まれて・・・だからな。

 

万事に未熟な董卓や政治的な力のない

馬騰ならそれで十分だったのだろうがな。

 

ふっ。まさしく愚行

 

 

上等な食事にハチミツをぶちまけるが如き愚行よ

 

 

 

己の未熟さと甘さを知れ・・・

いや、ヤツらでは知ることもできんな。

 

 

群雄で理解できるのは・・・師を知る馬騰

と孫堅か?いや両名とも視野が狭い。無理だな。

 

 

去年、公孫賛が洛陽に来た時点で仕込みは全て終わっている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あぁ、流石我が師

 

 




洛陽は政治の伏魔殿

そんな伏魔殿で後ろ盾なし(知識的な意味で)
で名家と宦官を相手にしている何進は
軍政家としてはかなり優秀。

やっぱりいくら地味様でも、あの若さで下積みなし、人脈・人材なしで
北方騎馬民族と戦いながら幽州牧って無理だよねっていう原作アンチなお話

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