とある策士の外史旅(仮)   作:カツヲ武士

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サブタイあとで替えるかもしれません

コレが軍議か!!

原作アンチになるんでしょうか?

解説回ですね

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踊らない会議は普通の会議

 定刻となりました。では軍議をはじめます。

とは言え意見は

求めてませんので、決定事項の通達ですね。

 

分かりやすく言えば、邪魔するな。です

無論、通達の邪魔もしないで下さい。

言いたいことがあれば、最後に時間を

取りますのでその際に願います。

 

無駄話はもっての他。即退場です。

異議は聞きません。

 

「「「・・・」」」

 

 参加者の自己紹介も要りません

そもそもアナタ方に武官1人兵10人と

言ったのは、安北将軍の戦に

幽州と并州と冀州の人間が居るという

体裁を求めたが故です。

 

 曹操が参加しているのは

朱儁将軍の横槍ですね

 

「「「・・・」」」

 

 では通達を始めます。

 

 今回の勅令は賊の殲滅と張角の首。

 

 張角の身柄はこちらで抑えているので

 解決済み。故に、あとは賊のみ。

 賊には一度降伏勧告を行います。

 

「「「はぁ?!」」」

 

 降伏勧告の後、賊が降ればそのまま

 捕虜として幽州へ。降らなければ殲滅です。

 

「「「は?いやっ!!」」」

 

 各州の代表はその結果を見届け

 それぞれ洛陽に報告していただきます。

 

 コレが今回のアナタ方の仕事になりますね。

 

 以上が通達です。

 

 

 

 

 

 では、こちらから指名しますので

 質問がある場合は聞いてください

 報告は必要でしょうからね。

 

 上座から行きましょう。

 

 幽州牧、公孫賛。質問はありますか?

 

 「ハイ、捕虜は幽州とのことでしたが?」

 

 えぇ、長城の修繕をさせます。

 

 「なるほど、確かに滞ってますね」

 

 彼らを食わせる食料も、

 長城の修繕は国の予算で決まってますので

 その中から使う形となります。

 故に、財政的に心配する必要はありません。

 

 「財政的に・・・ですか?」

 

 治安維持の観点からは注意が必要でしょう。

 どれだけ降るかはわかりませんが

 数万の民ですからね。

 

 「州牧の腕の見せどころですね。

 他は見物でよろしいのでしょう?」

 

 えぇ、その通り。

 まぁ一万も連れてきてくれましたので

 他の雑用は頼むかもしれませんね。

 その際はよろしくお願いします。

 

 「かしこまりました。」

 

 

 ・・・本来なら次は冀州牧韓馥の

 代理である沮授なのですが、

 率いた兵の数から今回は并州牧代理を

 優先させていただきます。

 

 沮授、アナタに異論はありますか?

 

 「いえっございません!」

 

 よろしい。

  

 では并州牧代理、賈詡。質問はありますか?

 

 「はっ!お聞きしたいことがございます。」

 

 答えられることには答えましょう。

 軍機に関わることは、答えられないことも

 あります。

 理解してますね?

 

 「はっ!では最初の・・・

 張角の身柄というのは?」

 

 ふむ、その質問に答える前に

 張三姉妹の存在は知ってますか?

 

 「はっ!無論です!」

 「は?姉妹ですと?」

 「なんですって!」

 「なんだって!」

 「えぇっ姉妹?」

 

 黙りなさい。今は并州牧代理の質問の時間です

 

 「「「・・・」」」

 

 端的に言えば、砦に潜入させていた

配下を使い、張三姉妹に勧告の使者を

出しました。その結果です。

 

 「なるほど、その内容が・・・」

 

自身の降伏と、砦の賊に対する

降伏勧告の実行ですね。

張角の首を抑えたことで、あとは潰すだけ。

賊として殺すか。罪人として生かすかですね。

 

 「降伏しようがしまいが、すでに事は

  終わっているということですね。」

 

 そういうことです。他はありますか?

 

 「いえ、ありがとうございました」

 

 では、幽州の軍勢と同じように待機を命じます。

 兵糧はこちらで用意してますから、

 あなた方が持ち込んだ兵糧は

 持ち帰っても結構ですし

 我々が買い取っても構いません。

 それについては後ほど法正を遣わせますので

 そちらで相談して下さい。

 あぁ、公孫賛も同様です。

 

 「「はっ!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 では、冀州牧代理、沮授。質問はありますか?

 

 「はっ失礼ながら、情報が不足して

 おりましたので基本的なことから

 よろしいでしょうか!」

 

 えぇ構いません。まぁあまりにあまりな

 質問なら考えますが、

 まぁ聞いてからですね。

 

 「・・・では【三姉妹】というのは?」

 

 ・・・本当に基本的なことですね。

 韓馥の情報統制の結果なのでしょうか。

 

 まぁいいでしょう。拝聴なさい

 

 「はっ!」

 

 そもそもの興りは、旅芸人である

 張三姉妹が歌劇を行い

 人を集めたことに端を発します。

 

 「・・・」

 

 最初は10人が。その10人が仲間を呼んで

 次は100人。その100人が仲間を呼んで

 次は500人、次は1000人・・・

 そうやって観客を増やして行きました。

 

 「・・・」

 

 で、人が増えれば当然運営にも

 手間がかかります。

 

 公演を行う村や町とて、急に人間が

 訪れても対処ができません。

 売るだけの食料が無い村がほとんどでしょう。

 

 では公演を見に来た者たちの食料は

 どうする?持参するのか?

 

 このあたりで、コレが儲けにつながると

 考えた商人が商売に結びつけます。

 食料や三姉妹の絵が書かれた扇の販売。

 そして彼女たちが好んで付けていた

 黄色い布。

 

 「それが・・・」

 

 そう、黄巾の最初。始まりの始まりです。

 

 で、規模を拡大していく彼女らの集団に

 最初に軍事的に目を着けたのが、馬元義。

 

 中から漢を滅ぼそうとし

 洛陽で殺されたアレですね。

 

 それから馬元義の同士として外で動いた

 波才や張曼成ですね。

 彼らは公演場所で売られていた食料を

 購入し、自分たちの蜂起の蓄えとしつつ

 集まった人間に漢への不満や不信を

 刷り込んで行きました。

 

 百人のうち一人が右を向いても誰も

 見向きもしませんが、

 百万人のうち一万人が右を向けば

 他の者も右を向きます。

  

 彼らはすでに万を超える集団でした。

 あとは張角の意志に関係なく、

 漢への不満をもって立ち上がります。

 

 ただでさえ南陽や頴川では、

苛政によって民は追い詰められていました。

そこに食料が来たらあとは黄巾を巻いた

賊の出来上がりです。

 

 「なんと・・」

 

 官軍にしてみたら、北も南も黄巾。

 ですが、内容はまったく違います。

 

南陽・頴川の黄巾は追い詰められた民を、

知恵ある者が、目的あって扇動し、蜂起した民。

 

青州や徐州は、州牧の無能によって生まれた

民を自分たちから注意を遠ざけるために、

先ほどの者たちが物資を流し、蜂起させた民。

 

で、今ここにいる黄巾は基本的に

張三姉妹に近い者たちです。

 その大半は、生活のためではなく、

張三姉妹を守る為にいます。

他は便乗した者や南で負けた敗残者でしょうか。

 

「なるほど、ではその張三姉妹が

投降を呼びかければ」

 

 大半はそのまま投降するものと思われます。

 投降した者については・・・

 幽州牧と話しましたね。

 

 「納得いたしました。では張角の首は?」

 

 無論、生かしたまま洛陽へ送ります。

 我々は約束通り殺してません。

 

 洛陽がどう判断するか・・・ですが。

 

 「「「・・・」」」」

 

 あぁ、冗談ですよ冗談。

 

 「冗談・・・?」

 

 えぇ、旅芸人を洛陽に送っても、

 彼らも信じないでしょう?

 信じられないのを送ってもねぇ。

 

 逆に嘘を付くなと言われてしまいます。

 

 ですから、彼らを扇動しているもの。

 

すなわち投降を呼びかけても戦いを止めずに、

我らに剣を向けようとするものこそが

洛陽が求める【張角】です。

 

 旅芸人の裏で糸を引いていた黒幕、

すなわち本物の張角として

洛陽にその死体を送ります。

当然、旅芸人の報告も送りますよ?

利用されたとは言え興りはそいつらですからね。

 

その後は幽州で長城の修繕を行っている、

黄巾の連中の慰問役として働いて貰います。

 

 名と実。両方を満たすことでしょう。

 

 彼らも喜ぶ、洛陽も喜ぶ。無駄な戦を

 しないので

 我らも喜ぶ。ほら、無駄がない。

 納得できましたか?

 

 「はっ!教授ありがとうございます!」

 

 他には何か?

 

 「いえ!ございません!」

 

 では、すでに戦は終わっているのは

 分かりましたね?

 アナタ方も戦を見学なさい。

 

 「はっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 では、観戦武官長沙郡太守代理、張昭。

 

 「ハイッ?!」

 

 ・・・南郡の発音は独特ですね。

 

 「あ、ハイ。いえっ!申し訳ございません!」

 

 構いません。漢の国の広さを責める

 わけには行きませんからね。

 

 「ご配慮、ありがとうございます!」

 

 ・・・何か質問はありますか?

 

 「では、失礼して。その張三姉妹は、

 降伏勧告を認めているので?」

 

 良い着眼点です。策の可能性ですね?

 

 「ハイ、それと本人のやる気によって

結果が大きく左右される策と見えましたので」

 

 その通り、孫堅は良い家臣を持ちました。

 

 「ありがとうございます!」

 

 ですが心配無用です。最初に言いましたが

 別に断るなら断ってもらっても

 殲滅するだけです。

 

 「では、半数が断り半数が降ったら?」

 ((あっ!))

  

 素晴らしいです。よくぞ気付きました。

 いえ、この場合はよくぞ口に出しましたね

 ・・・ですか。

 少なくとも幽州勢と張遼は気付いてました。

 賈詡も今、気付きましたね?

 

 そう、結果は簡単。地獄です。

 書状にソレを見せると書いたでしょう?

 

 三姉妹と共に生き延びるため、

 降ることを選んだ賊と、降伏せずに

 戦う事を選んだ賊の殺し合いです。

 降伏を待つ期間は明日一日として、

 時間経過と共に三万の官軍が混乱している

 賊を蹂躙します。

 

 降った賊?降伏は武装放棄が基本ですよね?

 武器を持ったなら全て賊でしょう?

 

 どちらを向いていてもね?

 理解できましたか?

 

 「・・・ハイありがとうございました」

 

 いえ、良い意見でした。

 ではアナタ方も戦場を見学なさい

 

 「はっ!」

 

 それではこれにて質疑を終わります。

 

 「「「えっ?!」」」

 

 

 各部隊は割り当てられた場所で待機。

 

 一応、起死回生を狙って賊が

 襲って来るかもしれないので 

 用心は怠らないように。 

 

 では解散とします。

 

 お疲れ様でした。

 

 

 「「「「お疲れさまでした」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「お待ちください!!」

 「いや、ちょっと!!待ってくれ!!!」

  

 

 




後半へ続く。

対等な関係ではないので
決まってることをそのまま伝えてます。

公孫賛と賈詡は邪魔する気ナッシング

沮授、最大で100人でしょ?連携いる?
張昭?とりあえず邪魔すんな。そんなお話 

 

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