とある策士の外史旅(仮)   作:カツヲ武士

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前半狐っ子

ややエロ?

後半弟子視点


この狐どこの狐、狐の女子狐の子

ーーー狐っ子視点ーーー

 

・・・凄く無礼な扱いを受けた気がするのですけど。まぁ良いでしょう。

 

少なくとも現状、目の前に現れた青年と少女から受けている扱いに比べれば、どんな扱いだってマシと言えるでしょうからね! 

 

何ですか!醜態醜態って!

 

小用を足そうとして、護衛から離れて少し山に入ったのは確かに失態でしょう。

 

山を舐めるな。

 

と言われたらそうなのでしょう。

 

けど大きな熊にあったら逃げるでしょう?

声を上げるでしょう?

 

 鍛え方が足りない?

 

あんな2間(3メートル60センチくらい)にも届こうかという大熊に、どうやって立ち向かえって言うのですか!

 

目を見ながら下がるのが常識?

知りませんよ!そんな常識

 

知らないことを誇るな?

山の常識を知らないなら山に入るな?

 

・・・返す言葉もございません。

 

小用を足すにしても護衛から離れるな?

私が死ぬのは自業自得でも、

そのせいで罰を受ける護衛が哀れ?

 

 ・・・返す言葉もございません。

 

 乙女としての自尊心とか

 淑女としての気位だとか

 名家の誇りだとか

 

賊なら、人ならば、まだ体や家の財を目当てに

命を永らえたりすることはあっても、

野生動物を前にしたらそんなの無意味なのですね。

弱い小娘なんてタダの餌だと。

 

荀攸1つ賢くなった。

 

本来なら賢くなったと同時に死んでいたのでしょうが今回は助かったのです。ならば今後に活かしましょう。

 

荀攸もう一人で山に入らない。

 

乙女としては死にましたが、無駄死にでないことを祈ります。

 

いえ、祈るだけでは駄目ですね。

 

何せ今、ココには少女に熊と戦わせる

腐れ目の外道が居るのですから。

 

気を抜いたらナニをされることやら・・・

 

本家の年下の叔母ほど男嫌いと言うわけでもありませんが伴侶以外に素肌を見せているこの現状。

 

叔母も周囲も、男は万年発情しているオオカミだと、そう言ってはばかりません。

 

そんなオオカミの前に下半身丸出しの美少女。

 

・・・オワタ。

 

せめて初めてはもう少しいい雰囲気でしたかった。

 

 

 

 

 

 

そう、月の綺麗な夜に、月あかりを背景にして見つめあう二人。

 

徐々に距離を近づけ、優しく抱きしめてくれる美丈夫。

 

私より背が高くて、着き過ぎではないけれど、しっかりとその存在を主張する筋肉。

 

抱きしめられた時にほのかに香るのは、柔らかい草原の匂いの中に、少しだけ感じる男の匂い。

 

優しさに抱きしめられ、目を閉じる私に

彼は私が壊れないように、優しく、優しく接吻をしてくれるの。

 

最初はお互いの唇が触れ合うだけの、

私の緊張をほぐすための優しい接吻。

少しずつ緊張が解けてきたのを感じた彼は

私の口の中に舌を入れて、絡ませてくるの。

 

背が高い彼と舌を重ね合わせるために

背伸びしているんだけど、

その足が疲れてきたのかな?

それとも接吻で私の体中の力が抜けたから?

 

自分の力では立てなくなった私を、

彼の力強い腕が抱き留めてくれるの。

 

片手は腰に回され、離さないように、

逃げられないように、がっちりと固められちゃって。

 

大丈夫、逃げないよ。って目で言ってあげたら空いたもう片方の手が、私のむ、胸に・・・

 

叔母よりは大きいけど、少し自信のない私の胸。

 

彼は愛してくれるかな?なんて不安になったけど

そんな不安は杞憂だった。

 

恐る恐る、私に嫌がられないかって

不安を感じさせるような、そんな手つきで触れられる手。

 

思わず、んって声が出てしまう。

その声が悪かったのかな? 

 

鼻息を強くして少し痛いくらいに揉まれるの。

彼の手によって形を変える私の胸。

求められてる。

 

女としての私が、秀才と呼ばれた私を上書きするのがわかる。

 

我慢してても、私が女として甘い吐息を吐いてしまってることは彼にはお見通し。

 

恥ずかしいけど、彼になら知られても良い。

ううん、むしろ知ってほしい!

 

私の気持ちいいところも恥ずかしいところも・・・全部アナタに知って欲しいの!」

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

・・・いきなり何を言っているんだコノ狐は。

 

私が子熊を処理していたこの短時間に何があったのやら。

 

 師がナニカしたのか?

 

いや、師は基本的にこういう女子と関係を持つことはない。

 

むしろ距離を置く。

 

ほら、実際距離を取った。

 

心なしか少し嫌そうにしてる。

 

師がこんな形で感情を表に出すとは・・・

やるな狐。決して真似はしたくないが。

 

そう言えば、過去に男は万年発情期のオオカミと聞いていたのに、そんなの素振りを見せない師を意外に思っていたら。実に簡単に答えてくれた。

 

曰く、面倒 だそうだ。

 

下手な相手と関係を持てば、自分も、自分もと女が寄ってくるとか

 

 

・・・自惚れるな腐れ外道!と言うのは簡単だが、

実際問題師はその能力を実績で持って証明してしまっている。

 

家もそこそこではあるが名家と言って良い。

 

中身さえ気にしなければ、見た目もそんなに悪くない。

(私からすれば、腐った中身が外見にまで影響を与えているようにしか見えんが)

 

ならば、どこの馬の骨かもわからぬ男や、

家柄だけが取り柄の小僧よりも、よっぽど種馬としてふさわしいと言える。

 

事実名家連中は、何家かの共有財産として囲い込もうとしていたしな。

  

それから逃げるために、いま洛陽から離れての実地訓練をしているわけだし。

 

うむ、つまりこの狐の痴態は師のせいではなく

この狐の性癖だということだな。

 

ん?あぁ強いて言うなら

 

小熊に襲われ死に掛けた。

経験したこともない侮蔑を受けた。

そこから助かったので緊張の糸が切れた。

 

普段経験したことも無い経験を

立て続けに味わったことで、タガが外れ

生存本能が迸り、妄想の世界に旅立った。

 

 その結果が今だと・・・

 

いや、それ庇ってるんですか?

痴態をじっくり解説って止め刺してますよね?

 

 もし私がこうなったら・・・

 

死んでしまうな。

無様と笑うことすらできん。

 

肉体的な死も恐ろしいが、尊厳的な死がここまで恐ろしいモノだとは・・・

 

 

 

師よ、これからも死なない程度のそう、くれぐれも「死なない程度の」経験をお願いします。

 

 

 

 

 

え? ツギハアナタダ?

 

なんの話でしょう?

 

強敵を前に高ぶったのかもしれませんね。

 

ハハハ、まぁいいじゃないですか

とりあえずこの狐を処しましょう。

そうしましょう。

 

 




自分を殺しかけた大熊(狐視点)を
目の前で少女(弟子)が熊を瞬殺。
無表情で黙々と捌いているのを見て現実逃避?

血まみれの熊を背景にして
下半身裸でトリップする狐っ子と
ドン引きする師弟の図。

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