とある策士の外史旅(仮)   作:カツヲ武士
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久し振りの李儒くん視点

主人公は李儒くんです

オリジナル設定ありです



さぁ、お前の(家の)罪を数えろ!

 うーむ何て言うか、醜態狐だな

最初は弟子のネーミングセンスに

びっくりしたが、今だと凄くしっくりくる。

 

 しばらくは醜態と呼んでやろう。

 

 呉の褌シノビも、羞恥心の在り方によっては

 あの恰好は立派な醜態だしな。

 

 さてこの醜態はともかく、問題は 

こっちを囲むように見ている8人、

プラス少し離れたところにいる1人をどうするか・・・だ。

 

 んん~?あぁ、離れたところの1人に

気付かなかったことが悔しいのか?

 

 プークスクス。

 

 真顔で

「気付いてますよ、8人ですよね?」

って。ねぇどんな気持ち?

したり顔で外したお弟子さん。

今どんな気持ち?

 

 

 ふはははは、冷静さを失った攻撃など当たらんよ。

無表情なのは良いが心が揺らいでいるぞ!

 

 こういう場合は一色に染めるのだ。

明鏡止水の境地は、心の揺らぎを消すことにある。

人間である以上、感情は存在する。

その感情の揺らぎが隙となる。

 

 感情を消して、凪の湖のように

心を平面に保つのが分かりやすいが、

 常に怒ることで揺らぎを消すのも

1つの境地なのだよ。

 

 怒りは冷静さを失い隙を生む?

いやいや、それは中途半端な段階だからだ。

身体能力を条件反射の域まで高めたなら

怒りは気を活性化させ揺らぎを消す要因となる。

 

 わからないか?

うむ、とあるからくりの腕を持つ拳法家が

たどり着いた境地でな。

 

 例えるなら、どんなに怒り狂っていても

家から出るとき、扉を殴って開けんだろう?

勢いは付くかもしれんが、普通に掴んで扉をあけるだろう?

 

 冷静に怒る。

言葉で言えば簡単だが、実際かなり難しい。

 

 まぁ覚えておけ

目に見える赤い火だけではない

体の内で燃える青い炎もあるのだ。

 

 そういった相手を見誤ると死ぬぞ?

 

 

 

 ・・・・・・さて

そろそろ話を進めたいんだが

弟子よ、現状をどう見る?

 

 あぁ情報の整理は大切だな。

 

 では現在分かっていることを挙げていこう。

 

 

 ①この醜態があれだけ叫んでも護衛が来ない。

 

 ②そのことから見ている連中は護衛ではない。

 

 ③離れたところにいるのは、周囲の連中の一味であると思われる。

 

 

 ・・・この三つの確定情報と、ソレ以外の未確定情報から

導き出せる答えは、大きく二つ。

 

 ん、二つだろう?あぁ本当に大きく分ければ一つだな。

 

 そう、荀家の家督争いだ。

 

 細かく言えば

 

①荀家によるモノ

 

②荀家に家督争いをさせようとしている連中の手のモノ。

 

そのどちらかになる。

 

 荀家内部の問題なら、本家の猫耳を

当主としたくない一派と

当主にしたい一派がいる。

 したくない一派には、代わりの当主として

この醜態を考えているのと

他の、荀堪?だったかを掲げようとしてるのと

その他の神輿にふさわしいのを当主にしたい

一派が居るわけだ。

 

 さすがは家格が上の上にもなれば

家督争いもめんどくさい。

 

 二つ目の荀家に家督争いをさせたい連中だが

・・・心当たりが多すぎる。

 

 名家は隙あらば他の名家を引きずり降ろそうとしているし

 12人いるのに十常侍って線もある。

宦官勢力にとっても名家ってのは邪魔な存在だ。

ごたごたさせて、その結束を緩ませることができるならヤるだろう。

 

 それを考えれば何進だって容疑者だ。

公の場ですら何進を肉屋の下郎呼ばわりする名家の連中に対して

手を出せる機会があれば、ためらうことはないだろう。

 

 もっと言えば帝の意志ってのも決して荒唐無稽な意見じゃない。

名家って連中は、自分たちを忠義の塊と思っているが

不作だの洪水などがある度、ことあるごとに帝を批判している連中だ。

不忠ではなく、儒教的考えだと分かっていても

自分たちで何もしないくせに、したり顔で批判されて面白いはずがない。

 

 こうしてみると、洛陽の全勢力が今回の件に多かれ少なかれ

関わっていると見た方が良いだろう。

 

 下手に過小評価して足元を掬われるのは御免だ。

 

 となれば、どこぞの小説に居る主人公くんみたいに

「かわいそうだから助けよう」

等とは軽々しく言えない。

 

 関わったら最後、知らないうちに絞首台までの道のりが

舗装されている可能性もあるのだから。

 

 ・・・そういや恋姫に荀攸いなかったな。

 

 絵師とかシナリオライターの都合を考えなかったとしたら・・・コレか?

 

 

 

 あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”~めんどくせぇ。

 

 こういう知能労働は弟子に任せたい。

 

 とりあえず、この醜態起こしてくれ。

 

あぁ、俺が起こすと面倒ごとが起きそうだ。

 

 なんたって荀家と言えば男嫌いの家で有名だからな。

下手に触っていちゃもん付けられても困るし、

同じ名家の弟子なら、落ち着いて話もできるだろう?

元服した淑女らしいし?

 

 ははははは、そんな早いだけの攻撃なんざ当たらんよ。

何せ、今貴様の居るところは師が10年前に進んだ道だッッ!

 

 

 さて、弟子との触れ合いも良いが

とりあえずヤることは殺らないとな。

さっきはどうするかちょっと悩んだが

考えてみたら抹殺一択なんだよなぁ。

 

 

 このどじっこ李儒くん!

 

 

 

 なんか冷たい視線を感じるからさっさとヤろう。

気を広めて9人全部の位置情報を捉えて・・・

 

 一気に・・・こうっ!

 

 よし、終わり。

 う~ん、マンダム。

 

 ん?何をしたかって?

 相手に殺意を感じ取れる程度の実力があれば

簡単に殺れるお手軽奥義だ。

 

 簡単に言えば、自分が殺されたと錯覚させる技だな。

弟子にわかりやすく言えば、

前に赤カブ・・・片目が潰れた熊が居ただろう?

アレより二回り程大きくて強いのが、いきなり目の前に現れたと思えばいい

 

 死ぬだろ?

今回は明らかに裏の人間だったからな。

殺意を感じれなければ裏稼業などできんよ。

 

 この技はお手軽ではあるが、殺意を操るだけじゃ足りん。

実際に相手を瞬殺できる実力差が無ければできん技だ。

 

 さらに言えば、覚えようとして覚えるような技でもなく、

ある一定以上の実力と経験があれば、いつの間にか

出来るようになっているって感じだな。

 

 あぁ、コレが出来ても、何千何万の敵を

殺すことはできんぞ。

 

 基本的に数や範囲が広まれば、殺意も薄れるから。

万の相手を殺しきる殺意なんて、普通の人間には無理無理。

 世界そのものを恨んでるような存在なら出来るかもしれんが、

師はそこまで人間辞めてないからな。

 

 せいぜい一時的に動きを抑える程度だよ。

 

 わかったら醜態狐を起こしてくれ。

 

 これからのことを話そうじゃないか。

 

 




この時代の洛陽は澱みに澱んだ伏魔殿なので
1つの策謀に1つの勢力しか関わっていない
なんてことはありません。

相手を追い落とす策謀については
考えすぎても足りないのが後漢クオリティ

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