とある策士の外史旅(仮)   作:カツヲ武士

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久々登場はおー様

そこそこ成長したもよう

で、成長すれば種馬とミミズの異常がわかる常識システム

アンチ・ヘイト表現有り

オリ設定、オリ展開




気が付いたか?コレがイザナミだ

 「それで、この状況は一体どういうことなんだ?」

 

 ・・・(私にも雛里ちゃんにも聞かないで曹操様に聞くんですか?)

 

「貴様!華琳様に向かって!」

 

「春蘭、止めなさい」

 

「ですがっ」

 

「止めなさい。と言ったわよ?それとも

貴女は私の命令が聞けないのかしら?」

 

「あ、も、申し訳ございません!!」

 

「あの、曹操さん・・・」

 

「さん。ね。まぁ良いわ、久しいわね劉備?」

 

「はい!お久しぶりです!」

 

「それで?今回使者を出してきたのは評価

するけど、我が陣に一体何の用かしら?」

 

「はい、今ご主人さまが聞いたことが

知りたくて・・・」

 

 ・・・(分かってなかったんですね)

 

「・・・諸葛亮は知ってるみたいだけど?」

 

「いや、各個撃破されたとは

聞いたんですけど・・・」

 

「わかってるじゃない。それが全てよ。

他に何が聞きたいのかしら?」

 

「いや、20万の兵が各個撃破って

おかしいんじゃないか?」

 

「あぁ。これが不敬、か。今ならあのときの

司馬仲達の気持ちも少しはわかるわ」

 

「え?」

 

「北郷、先に言っておくわ。 

劉備は県令で、漢の被官よ。

陳留郡の太守である私よりは下

とはいえ、同じ漢に仕える同僚ではある」

 

 「あ、あぁ」

 

「けどアナタは無位無官の平民。

ならば取るべき礼があるでしょう?」

 

「でも私のご主人さまで!」

 

「それはアナタ方内部の問題ね。

周りからすれば太守に平民が対等な口を

聞いてるの。だから春蘭も怒ったの」

 

 「「・・・」」

 

「勘違いしているようだから自覚なさい。

私たちが許可をしない限り、北郷。

あなたに発言権は無いと言うことを」

 

「そんな!どうしてそんな!!

官位がそんなに大切なんですか!!」

 

「大切よ。そしてこれは矜持の問題ではなく

立場の問題ね。部下にも示しがつかない。

礼儀を知らない連中の相手をして、

私がその無礼を我慢をしなければならない

理由はあるのかしら?」 

 

「「・・・」」

 

「それに、北郷の居た国にも為政者は

いたでしょう?

学問所には教育者もいたでしょう?

それらの目上の人間に対して、

常に対等な立場で話せるほど

アナタは偉かったのかしら?」

 

「・・・その通りだ。すまなかった」

 

「最低でも、その通りです。

すみませんでした。よ。

広宗で何も学ばなかったみたいね」

 

「・・・すみませんでした」

 

「分かったようで何より。今後は

許可なく口を聞かないで。 

どうしても話したいことがあるなら

きちんと礼儀をわきまえてからにしなさい」

 

「はい……」

 

「・・・ご主人様!」

 

・・・(元はと言えば桃香様が悪いんじゃないですか)

 

「そして、劉備。私はあなたとも話す気はないわ」

 

「え!ど、どうしてですか?!」

 

「だって、アナタ何も理解してないんですもの

そんなのと話しても時間の無駄よね」

 

「え、どういうこと・・・ですか?」

 

「・・・話す価値もないわ。で、諸葛亮?」

 

 はい。

 

「貴女は少しは現実を知ったようで結構」

 

ありがとうございます。

 

「で、この状況をどう見る?」

 

連合軍の負けかと。

 

「「朱里(ちゃん)」」

 

「黙れと言ったでしょうに。

けど、やっぱりそうよね。

しかも撤退すらできない・・・」

 

 はい、今の我々は俎上の鯉です

 

「貴様ぁ!!」

 

「春蘭、黙りなさい」

 

「っっ!!はっ!!」

 

「良いかしら春蘭?軍師はね、それで良いのよ」

 

 ・・・(あぁ、曹操さんも・・・)

 

「それ・・・ですか?」

 

「えぇ。主君に敢えて耳に痛い言葉を入れて

現実を突きつけるのも、軍師の仕事なのよ。

この場合の主君は私ではなく

そこの二人だけど。

どうせ聞かなかったんでしょう?」

 

 「「・・・」」

 

「図星か・・・まぁ聞いていたら

わざわざ私のところに来て、自分たちの

情報不足を宣伝したりはしないわよね」

 

 「・・・くっ」

 

「で、そんな愚かな連中が、阿呆面を

晒して情報を持ってません。

なんてわざわざ言いに来た理由は何かしらね?桂花?」

 

「はっ、おそらく袁紹から兵糧の都合を

つけたものの、このままでは盾として

使い潰されてしまうと危惧し、

それを回避するために根回しを

しに来たのではないかと思われます」

 

 「「!!」」

 ・・・(何を驚いてるんですか?)

 

「何を驚いてるのよ?少し考えれば

分かることじゃない。

あんな大量の民兵崩れを連れてきたって、

一県令ごときに兵糧が用意

できるはずが無いでしょう?

 

まぁ兵糧を得るアテとして

袁紹を考えたのは成長だろうけど、

盾として使われるのは当然でしょう?」

 

「まったくです。兵糧は欲しい。

武功も欲しい。

だけど盾にはなりたくない。

そんな我侭が通るほど

袁家の家臣団は甘くはありません」

 

 「「武功なんて!!」」

 

「は?・・・アナタ達何しに

ここに来たのかしら?」

 

「「洛陽で苦しんでる人達を

助けるため(だ)です!!」」

 

 ・・・(そんな人いませんよ)

 

「まさか、袁紹の檄文を真に受けて

平原の政を投げ捨ててここに来た・・・と?」

 

「孫策も言っていた・・・言ってました!

洛陽では大勢の人たちの首が晒されたって!」

 

「えぇ、確かにそうね」

 

「なら!」

 

「首を晒されたのは、宮中を侵犯した逆賊と

職務怠慢で漢の政を妨害した罪人だけどね」

 

 「「え?」」

 

・・・(あぁやっぱり。孫策様は罪の無い人が、なんて言ってなかった)

 

「そもそも董卓が洛陽で帝と共にあるのはね?

帝のおわす宮中に、袁紹をはじめとした名家

の連中が武装して乗り込んだからよ」

 

 「「・・・」」

 

「その武装した名家から逃げ出した帝が、

偶然董卓に保護されたから、今がある」

 

 「え?ええ?」

 

「帝にとっては、袁紹は宮中に踏み込んできた

罪人よ。その罪は一族郎党がその立場を失い

斬首されるのが当然と言えるわ」

 

「なら董卓が殺して晒したのは・・・」

 

「そう。その名家の連中よ。故に今回は

罪を犯したのが袁紹で、裁いたのが董卓」

 

 「「・・・」」

 

「賄賂を貰わないと、ろくに仕事も

しなかった名家の連中は職務怠慢の罪ね。

コレは意外といえば意外だったけど、

まぁ言われてみればその通り」

 

「じゃぁ苦しんでる人は・・・」

 

「今、洛陽で苦しんでるのは

清流派と自称していた、

負け犬だった名家の連中かしら。

連中は董卓に取り入って位や財を

得ようとしたけど、

歯牙にもかけてもらえずにいるし。

その上、今まで他の名家連中が

お目こぼししてきた細かい賄賂も

貰えなくなって、貧困に喘いでいるわよ」

 

「じゃあ洛陽の民は・・・」  

  

「宦官や名家がいなくなって

風通しが良くなった洛陽で、

のびのび暮らしてるわね。

そもそも彼ら名家の連中が、民を

「人」なんて言うはずが無いでしょう?」

 

「じゃあ私たちは・・・」

 

「袁紹の為にわざわざ

所領から七千もの兵を持ってきた、

帝に槍を向ける逆賊かしら」

 

「「そんな!!!」」

 

「袁紹から食料援助を受けたのでしょう?

誰がどう見ても袁紹の部下じゃない。

それとも返す?返して袁紹から裏切り者

扱いして殺されるか、餓死を待つのかしら?」

 

 「・・・なんで」

 

 「ん?」

 

「なんで曹操さんはそんなに

落ち着いていられるんですか!!」

 

「何を今更。アナタと違って、

最初から覚悟を決めてるからよ」

 

「覚悟って」

 

「もともとが袁紹と董卓の権力争い。

勝った方が歴史を創るわ。

そして私は袁紹が勝つと、いえ、袁紹を

勝たせると決めて参戦したの。

だから多少不利になったからと右往左往

している余裕なんてないのよ」

 

「そんな、じゃあ私たちはいったい何のために・・・」

 

 ・・・(袁紹様のためですかね?)

 

「現実を知ったところで、諸葛亮。

あなたの用件を聞こうかしら?」

 

 「「え?」」

 

「少なくともアナタは今までの話は知ってたでしょう?」

 

理解できたのは孫策様にお会いして、

ここに辿り着いたとき・・・ですが

 

「ならば私に他に何か聞きたいことが

あったということでしょう?

けどその前に『孫策様にお会いした』か。

私はまだ会ったことは無いけど、着陣

したなら挨拶は必要よね・・・桂花!」

 

「はっ、すぐに孫策様に使者を立てます。

使者は・・・秋蘭と私でよろしいでしょうか?」

 

「えぇ、筆頭軍師で荀家のアナタと、

夏侯家で私の股肱の臣である

秋蘭なら無礼にはならないわ。

すぐに用意をして頂戴」

 

「畏まりました!」

 

「「・・・」」

 

「あら?何を不思議そうな顔をしてるのかしら?」

 

「え?いや・・・」

 

「・・・今は不敬を許すから言ってごらんなさい」

 

「じゃあその。孫策って曹操・・・様より

偉いの・・・偉いんですか?」

 

「「「・・・」」」

 

「・・・諸葛亮」

 

・・・純粋な立場で言えば、この陣で一番上かと

 

 「「えぇ!!」」

 

「そうね、正式な南郡都督中郎将孫堅の

代理で本人も騎都尉。漢の序列だと

州牧の韓馥や劉繇には一段劣るけど、

袁術との繋がりとその兵力を見れば、

純粋な格は今の袁紹よりも上よ。

袁術も援軍を請う形で参陣を要請しているわ」

 

「えぇ?!あの人ってそんなに偉い人だったの?」

 

「その様子だと、また無礼を振りまいたのね。

・・・使者を送る前に知って良かったのか悪かったのか」

 

「知らないよりは良かったと思いましょう・・・」

 

「そうね桂花。知らずに指摘を受けるより良いわね。」

 

「はい。では」

 

「えぇ、ココで話をしてるより

孫策殿を優先して頂戴」

 

 「はっ」

 

「話を戻しましょうか。それで、諸葛亮の聞きたいこととは?」

 

はい、曹操様は広宗で賄賂を拒否して

更迭された盧植将軍をご存知でしょうか?

 

「盧植?実際に会ったことはないけど

名前だけなら知ってるわ」

 

・・・では、曹操様は

盧植殿の行いをどう思いますか?

 

「どう思うか?質問の意図が読めないのだけど?」

 

公孫賛様と孫策様は、盧植殿の行いを

阿呆と断じました。

  

「孫策殿はともかく白蓮が?確か白蓮は一時期・・・」

 

はい、盧植殿の元で、我が主と共に学んでおりました。

 

「その白蓮が盧植を阿呆と断じた?」

 

「そうなんです!!

先生を助けてってお願いしたのに!!」

 

「すこし黙りなさい、いえ春蘭、黙らせて」

 

「はっ!」 

 

「あうぅ!」

「桃香っ!」

 

「諸葛亮、そのとき白蓮は何と?」

 

救う価値が無い阿呆・・・と

私たちに対しては無礼で

ものを教える価値は無いと。

 

「あぁ。真名をあれだけ冒涜して、

さらに北郷の態度は州牧に対する

ものでもないから、分からないでもない。

だけど、ソレとこれとは別。

賄賂を断った自らの師を阿呆呼ばわり

することとは関係がない・・・」

 

 ・・・

 

「孫策殿は何と?」

 

我らとは話す価値も無い。

知識も教えも無条件で得られるものではない。

故に私に教えを授ける理由も無い・・・と

 

「ふむ。ただただ更迭された結果を非難

しているわけでは無いわね。

もっと深い、あるいは高い視点から何かを

見ているのかしら?」

 

 ・・・(曹操様にもわからない?)

 

「状況も詳しく分かって無いし、今の私には

アナタが満足する答えは出せそうにないわね。

一度孫策殿に会ってその話を聞いてみましょう」

 

あ、ありがとうございます!

 

「別にアナタの為じゃないわ。

きっとその視点は私の為にもなる。

そう思えばこそよ」

 

 は、はい!(少なくとも見ようともしない人たちより!)

 

 「「・・・」」

 

「さて、成長のきっかけをもらった以上、

何か返礼は必要かしら・・・」

 

 いえ!そんなつもりでは!

 

「貴女がどんなつもりであれ、一方的に

何かをもらうのは、この私、曹孟徳の流儀に反するわ」

 

 「華琳様・・・」

 

「けど今回は兵糧は用意できてるみたいだから、

とりあえずは保留ね。

ふふ、もしも兵糧のことを考えて無くて

私に頼むようだったならこの場で殺してたけど」

 

 「「・・・!!」」

 

「その顔は・・・あぁ、諸葛亮ね?良い判断よ」

 

はい。ありがとうございます。

 

「そうね。今のあなたなら、我が陣営に

加えても良いわ。どうかしら?」

 

「「そんな!!」」

 

浅学菲才の我が身に、大変光栄な

お言葉を頂きありがとうございます。

 

「・・・そう」

 

はい、申し訳ございませんが、

お断りさせて頂きます。

 

「貴様っ!華琳様のお誘いを!!」

 

「春蘭、いい加減になさい。アナタはこの場で

いきなり劉備を裏切って私に従うと言うような

人間を信用出来るのかしら?」

 

「・・・出来ません」

 

「なら、この場で勧誘を断った

諸葛亮を叱責するのは筋が通らない。

春蘭は私の名を落とすつもり?」

 

「いえ、申し訳ございません」

 

「劉備、関羽に続き、いい家臣を持ったわね。

彼女に恥じない主君になりなさいな。

・・・今のあなたでは明らかに不足してるわよ?」

 

「・・・はい」

 

「各個撃破については後ほど自分たちの

陣で諸葛亮に聞きなさいな。

では会談はココまでとしましょう」

 

 

 

 

~~~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・朱里、あとでこの戦のこと、

教えてくれないか?」

「・・・そうだね、あとで教えてね」

 

はい、もちろんです。(もう手遅れですけどね)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

公孫賛様は、あの時点で今の曹操様より

も高い視点をお持ちだった。

そんな方がお二人を否定した意味を、

私は考えなきゃいけなかったんだ。

・・・ご主人様と桃香様が間違っていた可能性を。




なんだかんだで語るの好きだから
しっかり会話をしてあげるのが
はおー様クオリティ

デ候惇は会議の場にはいらない子ですね。

お前らもう話すなって言われるのが
拙作のミミズと種馬である。そんなお話

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