とある策士の外史旅(仮)   作:カツヲ武士

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今北産業後編?

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嫌いな人は読み飛ばしで


これがゾクゾク様式美!

いや、なんてゆーか・・・

 

「あぁ、あんまりにもあっさり出てきて」

 

「その上で鎧袖一触じゃからのぉ」

 

「やっぱり勘違いでしたよ!

見ました?あの醜た・・・ぶべっ!」

 

「あ、ごめんなさい呂蒙さん。つい。

ツギハテカゲンシナイゾ?」

 

「「「「・・・・・・」」」」

 

 

まぁ、シュウタイはともかく、

あの華雄が一兵卒に呼ばれて

予定通り出て来るなんて

誰も思わないわよねぇ。

 

「袁紹ですら疑ってたみたいだからな」

 

「儂らが動く前に終わったわい」

 

「イタタ・・・この場合ってあいつらが

悪くなるんですかね?」

 

「たぶんその話をするために 

軍議の使者が来ると思いますけど」

 

何だかんだ言っても誘い出したのは事実

だから、反応出来なかった私たちが

悪い・・・のかしら?

 

「まぁ、そうなるのか?」

 

「なんか釈然とせんが・・・

一応役割は果たしてるからのぉ」

 

「笑われて吹っ飛んで、その醜、無様な

姿を晒すまでがヤツの仕事デシタネ!」

 

「・・・呂蒙サン」

 

・・・ソレを考えたら、華雄の

作戦勝ちよね。

 

「相手は大軍。さらに罠を張っているのを

理解した上で挑戦を受け、正々堂々

正面から出てきて罠ごと粉砕。だからな」

 

「まさしく武人の誉れよな」

 

「勘違いは無様の極みでしたけど!」

 

「そもそも我々は一兵卒が華雄を

止めれると思ってませんでしたから、

誘い出した功はあっても負けた責は

ないと思いますよ?」

 

そうよね、負けて誘い出すのが

そもそもの策だったものね。

 

「ではやはり、茫然自失としていた

私たちの責か」

 

「まぁ、儂ら後方組はそもそもが見学

じゃったから」

 

「曹操や袁紹の責ですか・・・では

今回は責無しになりますね。

ちっ。命拾いしたな関の字!」

 

「・・・呂蒙さん」

 

そうね。損害は袁紹が食糧援助していた

民兵と、袁紹の兵ですもの。

なら袁紹が責無しと言えばそうなるわ。

 

「わざわざ認めるとは思わんしな」

 

「曹操辺りなら何か言いそうではあるが」

 

「頭の中で反省するくらいじゃ

ないですか?態々軍議で自分の

立場弱くしても、何の得にもなりませんし」

 

「そうでしょうね。では孫策様。

軍議の前に一度あちらに行ってきた

方が良いでしょうか?」

 

あ~ちょっと考えさせて?

 

「・・・周瑜よ」

「・・・はい、黄蓋様」

 

「「あの孫策が考えるって!」」

 

・・・いや、もぅ、ホント。

ごめんなさい。

 

「・・・?」

 

「あぁ、呂蒙さんは知らなくて

大丈夫ですよ」

 

「あ、はぁ。そうですか?」

 

う~ん、危険ではあるけど、

やっぱり一度情報が欲しいわ。

周泰、お願いね。

 

「はっ!」

 

さて、軍議の使者が来る前に

張勲と話さないとね。

 

「あぁ、純然たる謀略なら、

やはりヤツには勝てんからな」

 

「年季が違うと言われたらのぉ」

 

「そうですね。澱みの濃さが違いすぎます」

 

「いやーソレほどでもありますよー」

 

「「「「うわっ!」」」」

 

張勲っ!アナタいつの間に?!

 

「えーついさっきですよ?」

 

・・・具体的には?

 

「『いや、なんてゆーか・・・』辺りから?」

 

最初からじゃない!!

 

「ありゃりゃ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、孫策さーん?自陣だからって

油断はいけませんよー?謀略家にとって

盗み聞きと讒言は、必須能力なんですからー」

 

・・・それはそうだろうけど、

そもそもどーやってるのよ?

周泰も気付いてなかったわよね?

 

「いやー周泰さんは、素直な人ですからねー

警戒も分かりやすいんですよー」

 

「わかりやすいとな?」

 

「そーなんです。だから、雑な人とー

普通の人とー優秀な人をーバラバラに配置して

盗み聞きをさせるとですねー雑な人に対する

警戒が微妙に薄れちゃうんですよー」

 

「成程、もしも意識してない所を見つけたとしても、

そこは誘いの罠の可能性もある。

だから、警戒しながらも、その意識の

薄いところに紛れる訳か・・・」

 

「周瑜さんの言う通りですねー。

これぞ謀略超人108奥義の一つ

孤塁抜きですよー!!」

 

「ふ、深いっ!」

 

「いやいや呂蒙さん。

浅い謀略家は、謀略家とは言わないんじゃ

ないですかねー」

 

ごもっとも。

やっぱりいくら個人が優秀でも

組織には勝てないのよね~

 

「無能が組織をもっても

無駄なんですけどねー」

 

「それはそうじゃの。」

 

「組織を使いこなす才と経験が

なければ何ともならんか。

本来なら私か陸遜がやるべき

なのだろうが・・・」

 

「あー無理ですねー」

 

「え?そうなんですか?!」

 

私たちは澱みが足りないのよ・・・ね?

 

「そうですね。私たちが持つ

この澱みは、年季がないと薄い。

覚悟がないと薄まる。

経験がないと飲まれるし

そもそも適性が無いと溺れる。

地獄で正気を保ちながら笑って踊れる

狂気を両立できる、特殊な才が必要です。」

 

正気の狂気ね。

清濁どころじゃないわ。

 

「清濁併せ持つで満足してたらー、

為政者か軍師止まりですねー。

それじゃあ洛陽のお二人には届きませんよー?」

 

やっぱり?

 

「洛陽のお二人はー

海水とかー泥水とかー腐った水とかー

飲むの躊躇します?」

 

「「「絶対しない」」」

「あ、はははは」

 

「でしょーねー」

 

 

まぁ、今は届いてなくても良いのよ。

いずれみんなで届かせるんだから。

 

「へー」

 

他人事じゃないわよ?

その中にはアナタも居るんだから。

 

「ありゃりゃ、じゃあ美羽様の為にも

頑張らないといけませんねー」

 

そうね、是非お願いするわ。

それで、その謀略家さんが態々

美羽の傍を離れて来たってことは・・・?

 

「えぇ、そろそろでしょう?

その打ち合わせですよ」

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

「まぁ、今回は劉備さんに責はありませんわ!」

 

・・・そうね誘い出す事には

成功したんですもの。

強いて言うなら反応が遅れた

私たちだけど。

 

「あの早さで負けたら、流石の私でも

間に合いませんわ!」

 

「あ、はははは。すみません・・・」

 

いえ、劉備。華雄が良将で、兵も強いのは

わかってた事よ。

言っては悪いけど、アナタ達で止められる

とは思って居なかった。

だから、今回は誰も悪くない。

麗羽、そうでしょ?

 

「えぇ、その通りですわ!

私の兵もいて、アレでしたから。

仕方がないと言うことにしてあげますわ!」

 

「まぁ、攻城担当のお二方が言うなら

私にも異論はない。そうよね美羽?」

 

「ん?そうじゃな!妾も別に良いと思うぞよ!」

 

「あーん!流石美羽様!よっ底抜けの大器!!」

 

「にょほほほほ!そうであろうそうであろう!

もっと褒めてたもっ!!」

 

―――なんと言うか・・・さすがは姉妹よね―――

 

「ゴホンっ!とりあえず!華雄は誘えば乗ると

言う事がわかりましたわ!」

 

まぁ、そんなに単純ではないとは思うけど

まったく乗らない訳ではないのは事実ね。

 

「ですから!今後は奴らを挑発して

出てきたところを叩くのを基本とします!

・・・ですわよね。真直さん?」

 

「はっ!まず今日と明日は今回の損害の確認と

部隊の再編に当て、明後日から作戦を

開始する形となります。」

 

では先陣は?

 

「誘い出しても持たないと意味がありませんし、

どれくらいの兵ならば出てくるのかを

確かめる為にも、それなりの兵が必要となります」

 

そうね。

 

「故に次は我々袁紹軍より、文醜と

兵一万にて先陣を担当しようかと」

 

へぇ?二枚看板の一枚を切るのね?

 

「えぇ!いい加減あの田舎者どもには

分際と言うものを教えて差し上げますわ!」

 

「おうさ!アタシが姫の代わりに

奴らにしっかり教えてやるよ!」

 

「期待してますわよ猪々子さん!」

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

さて、これで二日は稼いだ。

お疲れさま華雄。

 

「まぁ、見ての通りまったく疲れてないがな」

 

「アレなぁ。敵を前にして油断しとったらあかんやろ」

 

まったくだね。

しかも自分が挑発しに来た側なのに

散々挑発されて、我を見失って

飛んできた斧を避けれないって。

 

「ま、義勇軍上がりの兵士なんざあんなもんやろ」

 

「賊相手に無双して、勘違いした阿呆の見本だ。

私たちもあぁならないよう、

自覚と自制を忘れんようにしないとな」

 

油断慢心ダメ絶対。矯正の対象だよね。

 

「ま、今回ので学んだんちゃうか?」

 

「そうだな、死んではいないし元々が一兵卒。

無くす体面も無かろう。

そこの周泰もそう思わんか?」

 

あぁ来てたんだ?

 

「はい、今着きました。お邪魔します」

 

「邪魔すんなら帰り~な」

 

「はーいお邪魔しましたー」

 

さて、邪魔が帰ったところで

 

「さすがに帰れませんよ!」

 

「お、失敬失敬、張遼失敬」

 

「・・・この流れ、いるか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでですね、あの関羽さん。

たぶんまったく成長しませんよ?」

 

いや、さすがにあんな目に逢って

成長しないとかは無くない?

 

「何か根拠とかあるん?」

 

「前にですね・・・」

 

 

 

 

 

そんな事があっても、僕達の前で油断してたの?

 

「油断さえしなければ!とか言うヤツの典型やな」

 

「自分が納得出来ないのを卑怯と、

切って捨てて忘れる種類の阿呆だったか」

 

「敵の前で油断して負けてたら、

卑怯も何もありませんよね」

 

所詮県令の一の家来。

何も背負ってない空っぽの存在か。

僕たちには理解できないね。

 

「理解でけへんでええやろ」

 

「そうだな、そういうのは精々足元を

掬われんように注意するだけで良い」

 

「周りに甘やかされて一切成長しない人達だから、

無視したいところなんですが」

 

視界の隅をにょろにょろと這いずり回るんだよね。

 

「さっさと潰したいとこやけど」

 

「何故か殺さんように指示が出てるからな」

 

「あ、やっぱり。わざと殺して無いんですよね?」

 

もちろん。指示がなければ、あんな民兵崩れが

ここまで来れるわけ無いよ。

 

「もしかしたら、何で自分らが

各個撃破の対象になっとらんのか、

考えもしとらんちゃう?」

 

「ありそうだ。もしくは自分が居たからとか

勘違いした可能性もある」

 

「あの自信はどこから来るんでしょうね?」

 

ぬるま湯で生かされてるのを

激戦を潜り抜けたと勘違いしてるんじゃないかな?

 

「あぁ、公孫賛のところの趙雲が、

現実見とらん破綻者言ってたな」

 

「まさしくそうだったな。

精々自爆に紛れんようにせんとな」

 

「孫策様も嫌ってましたから

まぁ、こっちから近付きはしませんね」

 

そうだね、自爆にだけは注意しよう。

それで周泰。情報が欲しくて来たんだよね?

 

「あ、はい。そうなんですよ。

洛陽の情報がまったくないから

時期が読めなくて・・・」

 

「なるほどなー。けど、たぶんアレやで」

 

「そうだな。今日か明日には南から使者が

到着すると思うぞ」

 

「南からですか?じゃあ孫堅様は

洛陽には居ないと言うことでしょうか?」

 

そうなるね。僕たちから出せる情報とすれば、

そろそろ準備が終わるから

そっちも動けるようにしておきなよ。

ってところかな?

 

「なるほど、わかりました。」

 

それじゃ、あんまし遅くならないうちに帰りなよ?

 

「孫策はんによろしゅうな」

 

「袁術と張勲にもよろしくな」

 

寄り道しないで帰るんだよー

 

「はーいお疲れさまでしたー」

 

 

 

 

 

――――――――――――――――

 

 

 

 

「姫~大変だぁ!」

 

「猪々子さん!何がありましたの!!」

 

「華雄どころか、誰もいねーよ!!」

 

 

 

 

 

 

「「「「「「ナ、ナンダッテー!!!」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

デデデデデデ~




華雄、居ない!

やっぱり一行で終わる

茶番は茶番で必要だよねってお話。

ちなみに真黒巣はセブンが大好きです

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