とある策士の外史旅(仮)   作:カツヲ武士

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キンクリ!

描写をあきらめたとも言う。

オリ展開オリ設定

新章になります

こっからは古代中国的価値観の世界に
恋姫キャラが出てくるだけの
オリジナルストーリーさ!(今更)

嫌いな人は読み飛ばし!


戦い済んで日が暮れて

陛下の討死、連合の解散。

馬騰は長安で陵墓の建造。

董卓は并州で軍備。

袁紹他は各所に帰還。

孫堅は江南の制圧ね。

 

さて、洛陽での戦は終わったわけだが

 

「こちらはこちらで大忙しです」

 

まったくだ、はじめからコレを狙っていた

なんて思わんよ。

 

「確かに、まさか洛陽の混乱に紛れて

青州黄巾100万を幽州に遷すとは

思いませんな。」

 

普通は思わん。

やっぱり連合が負けて

教頭先生に、青州を落とせって

勅が出たのが大きい

 

「『一度戦えば降伏は許さん』これだけで

大人しくなりましたな」

 

黒山賊と広宗を知ってればな。

 

「広宗はまさに一人残らずでしたから」

 

まーな。それに筆頭様も言ってたけど、

そもそもアイツらは

張角とは関係がない連中だ。

 

命が助かって、住む場所と

仕事と食い物があるなら喜んで来るさ。

 

「そのための物資は洛陽から

まわされて来ましたな」

 

中抜きする連中が消えたおかげで

すんなりきたし、袁紹に備えるって

勅命もあったからなぁ

 

財源は洛陽にいた名家が溜め込んでた財だ、

王允も気分良く回してくれただろうよ。

 

さらに洛陽から長安に遷都する際に

邪魔になる財を一時并州に保管ときた。

 

そりゃ并州からも莫大な財が来るさ

 

「歴代の陵墓のモノだとか?」

 

そうらしい、あれでも一部だと。

死んだやつに使うくらいなら

アタシ達で使うさ。

 

「不義不忠ですな」

 

袁紹を殺すために戦力を

整えてるんだ。忠臣だろう?

 

「『袁紹と連合を許すな』ですか」

 

陛下を看取った趙忠が、帝から

伝えられた遺命だそうだ。

 

「てっきり董卓が毒殺か、

暗殺をすると思ったのですが」

 

アタシもさ。けど董承の部下が

洛陽で戦闘中の董卓や、長安にいた馬騰の元に

たどり着いて伝えられた遺命だ。

 

間違いなく董卓は殺してはいない。

 

「そうですな。さらに死因が」

 

そう、文醜が投げた槍だそうだ。

 

元々単純なヤツだったが

顔良が殺されて頭に血が昇っていたのは

間違いない。

 

「お二人はどこまで関わってますかな?」

 

さて、言ってしまえば最初から

だろうけど、聞きたいのは

そう言うことじゃないだろう?

 

「えぇ、あくまでその戦場でのことです」

 

無関係ではない。

だが直接手を下してもいない。

こんなところじゃないか?

 

「何か根拠でも?」

 

文醜の部隊がほぼ

壊滅状態だったらしいが

全滅はしていない。

 

「あぁ、だから単純に董承の軍が

命を棄てた結果かもしれないと?」

 

そうだな。あの人達が直接

手を出していたなら、やはり

文醜が生きてるのがおかしい。

 

「生きては居ますが、武人としては終わりましたよ。

右腕を失い、左肩には矢が刺さっていたとか」

 

そうだな。だが中途半端だ。

わざと生かした可能性は

もちろんあるが、理由がわからん。

 

「あえて実行犯を残して

不和の種を蒔いたとかはありませんかな」

 

必要か?今のアイツらに?

 

「万全を期すと言うなら、まぁ有りかなと」

 

なら、そう見せかけたナニかだな。

 

「やはりそうですか」

 

あぁ、最もらしい理由を微妙に隠して

用意するのが策謀で、その策謀を

蓋にして、さらに深い場所に

モノを隠すから隠謀ってんだ。

 

「深いですな」

 

そりゃ深いさ。

使った罠を見せびらかすのは

水鏡の教え子くらいだ。

 

「教頭殿は徹底的に隠しますからな」

 

それが当たり前だ。

ま、水鏡自身が州牧だったり

相だったりしたわけじゃないから

どうしても策に深みが無いんだよ。

 

騎馬民族を相手にするときの

方策を聞いた事があったがな、

誘い込む。だとか火計とか

しまいにゃ空城計とか言ってやがった。

 

「城を空にした後の民はどうするのでしょう?」

 

まったく考えてなかったな。

 

劉備の勝利の為に

城から追い出された民が

笑ってるとでも思ってるのかね?

 

「この場合は騎馬民族を徹底的に悪者にして、

劉備は民の為にやった!これしかなかった!

と強弁して民を誤魔化すのでしょうよ」

 

結果が今の平原だ。

 

「・・・ボロボロですな」

 

当たり前だ。董卓を悪者にして、

自分達の主が正しい世を作ると

思っていたら、事実はその逆だった。

 

「さらにその劉備は平原に戻らず、

荊州に逃げた」

 

働き手も物資も限界まで持ち出してな

 

いや、軍師としては正しいさ。

このまま平原に戻っても

政はガタガタで、立て直すには

数年じゃ足りん。

 

「減った民は戻りませんからな。」

 

そうだ、袁紹のように金で回りから

集めた訳じゃない。

 

周辺から根刮ぎ引っ張ったんだ。

今の平原を見たら、玄徳は間違いなく

壊れる。

『こんなつもりじゃなかった』ってな。

 

「自分達がしたことを受け止められんとは・・・」

 

 

言ったろ?奴等は現実を見てないから

生きていられるんだ。

で、そんなところに戻るくらいなら

今回の戦に参加していない

劉表のところに行くさ。

 

「水鏡女学院の同門ですか」

 

だな、机と字だけを見るなら優秀な奴らだ。

戦に関わってない自称清流派の劉表は、

女学院の筆頭と次席を喜んで迎えるさ

 

「その主は逆賊ですが・・・」

 

隠せば良いだけだ。

馬鹿正直に

『平原の県令の部下をしてました』

なんて言う必要がない。

 

「まぁ、そうですな」

 

どーせ逃げ込んだ地で、

民を洗脳するかなんかして

こそこそ物資を集めて、

荒れてる益州にでも

行くつもりなんだろうさ。

 

「あぁ、あそこならこれからさらに

荒れますから、どさくさに紛れて

県や、郡くらいなら盗れますか」

 

迷惑な奴等が離れてくれた。

アタシはそれだけでうれしいよ。

 

「たった一年の同門が、祟りましたな」

 

教頭先生がいなかったらさ、

幽州はやつらの引き抜きで終わってたよ。

なんか帰参したいとか連絡あった

みたいだけど。

 

「痴呆軍閥とは良く言ったモノで」

 

いやー華雄は良いこと言った。

ま、そんなやつらでも、居なかったら

回らなかったのが以前の幽州だよ。

 

今はあの人たちに鍛えられた文官と、

楊修様と司馬八達の力で百万の黄巾を

幽州の民にするために忙しいんだ。

 

痴呆連中に関わる気はないって、

突っぱねてやったさ。

 

「それはそれは、連中

さぞ阿呆面を晒したことでしょうな?」

 

もちろんだ。いまだに自分達が抜けた

穴があるって思ってやがった。

 

「義勇軍で貧困にあえぎ、

平原で下働きして、

戦場で棄てられましたからな。

現実を受け止めたく無いのでしょう」

 

諸葛亮だって、中途半端に誇りだなんだと

五月蝿いあんな連中なんざ、荊州に行く前に

棄てたいだろうに。

 

「だからと言って戻されても困る。

拾ったなら最後まで面倒見ろと?」

 

そう言うことだ。今ごろ平原で

好き勝手やってるんじゃないか?

 

「韓馥も袁紹もそれどころではありませんからな」

 

連合参加者は皆が逆賊認定された。

喩え集合場所に集まれなくても、

袁紹に味方するために軍を出した

のは事実だからな。

 

「騎兵による各個撃破ですか」

 

アタシや馬騰がいないなら、確かに

最適解だよ。

あんな黄巾ごときに苦戦する連中なら、

二千いれば万は潰せる。

 

「騎兵に備えるにはそれなりの

準備が必要ですが連中、何も

手配をしていなかったとか?」

 

攻城戦と思ってたみたいだな。

それも一方的な。

 

「相手だって勝つために

策を練るでしょうに」

 

大軍を用意して、勝った気になったのが敗因か。

集まってないならただの群れだった。

 

「油断慢心ですな」

 

ほんと、ダメだよなー。

例えばこんな手紙を

送ってくる韓馥とか。

 

「ダメですなぁ」

 

一緒に逆賊袁紹を倒しましょう?

その後はアタシの指揮下に入るから、

好きに使ってくれ?

 

こんな子供騙しに乗ると思われてたのに

ビックリしたよ。

 

「使者の沮授と張郃は将軍府からの

助命嘆願書を持参したので、

そのままこちらに仕えるとか?」

 

無かったら逆賊からの使者なんざ

殺して終わりだったよ。

人材不足が予定されてるから

使ってくれって言われたらなぁ。

まぁとりあえず使って見るさ。

 

「で、韓馥の狙いは?」

 

袁紹が勝ちそうなら、

アタシ達を罠にはめる

アタシ達が勝ちそうなら、

アタシに従うことを条件に

助命してもらったとか言うんだろ?

 

「罠に嵌めると言われましても・・・」

 

兵糧はこちらで用意しますとか

言って、呼び出すつもりじゃね?

 

「あぁ、兵糧が無ければ勝てませんな」

 

袁紹が壊れた今、優秀で層が厚い

袁家の家臣団が相手だ。

 

今は緊急時で派閥争いも無いからな。

何だってなりふり構わずやってくる。

 

ある意味一番怖い状態だ。

 

「二枚看板は堕ちてもまだ人は居ますか」

 

アイツらはあくまで袁紹のお気に入りだ。

アタシにしてみたら麹義の方がよっぽど怖い。

 

「ほう?」

 

母上と共に鮮卑と戦った将でな

騎兵との戦いに精通している。

 

今ごろ南皮の近くは、騎兵が走れんように

小さな穴を開けてたり、杭打ってたり

してるんじゃないか?

 

「・・・効果的ですな」

 

後は後方の曹操とかに物資の援助をして

南北からの挟み撃ちを防ぐとか。

 

「我々は一年は動けませんから、その間に

準備をしている訳ですな」

 

あぁ、奴等は逆賊だから関係ないが

我らは陛下の喪に服さねばならんから、

どうしても一年は軍事行動を起こせない。

 

まぁ、孫堅みたいに、遺勅だからと

強行することも出来なくはないけど、

あっちと違ってこっちは時間が

あればあるほど有利になるから。

 

「あちらから来れば別ですが」

 

わざわざ死ににはこないだろ。

さすがに三年は待たんが、その間に

青州黄巾の処理を終わらせれば・・・

 

「三十万は動員できますな。」

 

あぁ、それをアタシらと筆頭殿を

はじめとした皆さんが率いるんだ。

南皮で袁家が何をしようと無駄無駄無駄。

まだなんとかなると勘違いした

連中に絶望を叩きつけてやるさ!

 

「では兵の訓練と

将としての指揮の慣熟訓練を

行わねばなりませんな!」

 

その前に書類仕事だがな。

 

「・・・やっぱり?」

 

軍務関係は知っておけ。

知りませんでしたじゃ話にならん

 

「・・・そうですなー」

 

アタシらにとって最強の敵は書類。

お前も最強を目指すなら頂の高さを、

知っておくんだな。

 

「積み重なった書類は無敵無敗」

 

いや、いかな書類も

教頭先生と筆頭様には勝てん。

 

「もぅ、どうしたら勝てるんですかね?」

 

 

あの人達より地獄見て、

あの人達より策を用意して、

あの人達より人を集めて、

あの人達より効果的に鍛えれば、

まぁ、なんとか戦えるんじゃないかな?

 

「つまりは生まれ変わってやり直せと?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もしくは戦うなってことだな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ま、それが嫌なら二次SSなんか
見るな創るなってお話

地味様遊んでませんよ?

并州にメガネ達が戻ったんで
司馬八達が空きました。
そのまま幽州でデスマーチです

全部終わったら幕間的なので
もんもん視点あるかも

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