とある策士の外史旅(仮)   作:カツヲ武士

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原作でもこの辺になってから出てくる二人ですね

オリ展開、オリ設定!
嫌いな人は読み飛ばし!


眠らせないのは立派な拷問なんだぜ?

うーん。うーん。

 

「風?また?」

 

『また?とは言うけどな?ここ間違えたら大変だぜ?』

 

稟ちゃん。宝譿の言うとおりなのですよー?

 

「まぁ、まさか連合があんなにあっさり転がされて、

いまや曹操様が逆賊扱いですものね」

 

『何進暗殺から始まり、袁紹の宮中侵犯。

董卓の上洛に、反董卓連合の結成。

連合が合流する前の各個撃破と勅の発令。

并州勢の撤退。無人の虎牢関。

長安遷都、洛陽での撤退戦』

 

この上、帝の討死ですよー?

誰が、どこまで考えてこの画を書いたか

わからないと、身動きできないのですよー

 

「普通に考えたら、董卓と賈詡よね?」

 

『普通に考えればな』

 

ですけど、長安に戻った董承将軍は、

帝が戦場に出ることを董卓さんが

必死で止めていたと証言してるのです。

 

「それを帝が断った。で、董卓は

せめて確実に逃げれるようにって

手配してたのよね?」

 

『そうだぜ、聞いた話を纏めると、

文醜が異常な速さで追ってきたから

追いつかれたんであって、普通なら

無事に長安に入ってたはずだ。』

 

そうなんです。万の軍であの速さは

明らかに想定外だったはずですねー。

 

「董卓の本陣からも足止めの兵を

出してたのに、半数を置いて

残りはそのまま進軍ですものね」

 

『それが并州の騎兵ならいくら

一万の軍勢でも蹴散らせたんだろうが』

 

歩兵でしたからねー。

 

それで、じゃあ并州の騎兵はどこに

消えたのか?になるのですよー。

 

「汜水関から消えた兵と

もともと外で袁術や孫策とぶつかってた兵ね」

 

『てっきり洛陽を攻めてる連中の

後ろや拠点を突くかと思ったんだが』

 

どこにも現れてないのです。

あとは并州に戻った可能性ですがー

 

「董卓を洛陽に置いて?」

 

『だからわからねーんだよ』

 

それにーまだありますー。

曹操様が出した二千の軍勢も

行方知れずになりました。

おそらく全滅したのでしょうが、

誰が全滅させたんですかねー?

 

「それこそ汜水関で消えた并州勢か、

虎牢関で消えた官軍よね?」

 

『となると、虎牢関の官軍は

帝を見捨てたことになるだろ?』

 

そもそも帝を守る官軍が?

董卓さんだって助けようとしていた

帝を見捨てる?

 

大将軍以外で兵を動かせる

誰かが見捨てさせなければ

ありえないのですよー。

 

「なるほどねー。じゃあ

風はそれが誰だと思ってるの?」

 

『確証はねぇんだがな?』

 

・・・李儒さんか司馬懿さんでしょうねー

 

「あぁ、先任の安北将軍だった李儒なら、

董卓とも官軍とも繋がりはあるわね」

 

『ここで問題になるのが司馬懿だ』

 

李儒さんは安北将軍を解かれるまで、

長城の北に居たのですよー

 

「けど師弟でしょ?李儒の意を受けて

司馬懿が動くってこともあるわよね?」

 

『それならそれで、話は終わりだ。

李儒は長城の先から洛陽と漢を見据えて

行動を起こせるってことになる』

 

それほどの人なら、この盤面はすでに

終盤ですー。

詰を誤ることはないでしょう。

ですので、選ぶのは李儒さん一択ですよー。

連合に参加した

諸侯は潰されて終わりですしねー。

 

「・・・曹操様もね」

 

『そうだな、副盟主を生かす理由がねぇ』

 

けど、司馬懿さんならまだ可能性が

あるかもしれませんよ?

 

「あぁ、それで悩んでるのね?」

 

『喪に服す期間で、どれだけ準備したかにも

よるが、李儒ほど別次元ってことはないからな。

もしかしたら対抗できなくはない』

 

そうですねー、広宗での殲滅を終えて

洛陽に戻り。そのまま将軍府付きだった

司馬懿さんは、利権配分の件で宦官にも接触できますし

名家なので、袁紹さんの周りにも接触できます。

 

「宦官と袁紹の両方を唆せるのよね」

 

『で、いまや安北将軍で冀州牧。袁紹討伐の遺勅を得てる』

 

もともと董卓さんや公孫賛さんと付き合いがありますしー

最終的にどう向き合うかは知りませんが、

間違いなく列強の一角になりますよー。

 

「ここでも彼女が安北将軍付きだったが大きいのね。」

 

『北方三州の兵権だからな。州牧とは付き合いがあるに決まってるさ』

 

そうなると、司馬懿さんの部下というのも

悪い選択ではありませんねー。

 

「それはっ!」

 

『稟はともかく、俺たちには会ったこともない

逆賊の曹操に入れ込む理由はねーからなぁ』

 

そうなんですよねー。県令だった頃から

妙に入れ込んでますけど

何かあったんですかー?

 

「・・・いえ、言われてみれば特には

ないのですが」

 

『黄巾の時にいろいろやってたみたいだけどな。

最終的には、県令の分際で己をわきまえず

独善で国家の財を焼いた阿呆って評価だよな?』

 

まぁ、頴川での奇襲は見事でしたけどー

その後兵糧を焼く理由はありませんでしたねー

 

「・・・」

 

『同じ戦術家として惹かれたのかもな?』

 

あぁ、なるほど。

李儒さんや司馬懿さんは戦術より

戦略を。そして戦略より政略を

重視するようですから、

どちらかといえば戦略や戦術に

特化した稟ちゃんはどうしても

評価できないんでしょうねー

 

「わからないのは評価できないってことかしら?」

 

『必要とされる視点が違うからな』

 

それに、私たちには経験がまったくありませんー

 

「あぁ、そうよね。実際に兵を率いたこともなければ」

 

『策を持って何かを成し遂げてもいない』

 

立場も浪人ですしー必要なモノが何もかも

足りていません。

 

「星に付いて行ってれば今頃幽州で

大仕事ができてたでしょうね・・・」

 

『なんせ百万の大移動だからな。

それにあのときの星は、

かなりスッキリした顔してたぜ』

 

司馬懿さんから教えを受けたそうですねー

・・・私たちも、お話だけでも聞けたら

良かったのかもしれませんねー。

 

「そうね、星も『他人から借りた言葉では

意味がない』って言って教えてくれなかったし」

 

『教えてもらえたのは、見聞を広めるっていっても、

所詮は無職。とりあえず働けって言われたことくらいだな』

 

この『働け』が経験を積めってことだったんでしょーねー。

変に反発しちゃったのが痛いですー。

 

「えぇ、そうしないと見れないモノが多すぎる」

 

『で、俺たちは選択を間違えた結果、今があるわけだ』

 

だーかーらーこれからの選択は間違えられないのですよー

 

「えぇそうね。ここで間違えたら無駄死に

が待ってるわ」

 

『そういうことだ、だから稟。

お前も曹操への憧れは切り捨てて

現状を考えなきゃいけねぇ』

 

そうですねー。この乱世。せめて何かを為したい。

そう思って自己を磨いてきたんですからー

 

「わかってるわ。私も軍師の端くれ。

感情よりも現実を見ることはできる」

 

『それが出来てりゃ、妄想で鼻血吹いて

倒れるようなことにはならねーよ』

 

稟ちゃん・・・

 

「い、今は良いでしょ!

それより現状よ!」

 

『誤魔化しやがった。

ま、今は真面目に行こうか』

 

そうですねー

勢力としては

公孫賛さん・・・さんさんですから様にしますかー

 

董卓さん

袁紹さん

曹操さん

馬騰さん

劉表さん

孫堅さん

劉璋さん

 

がありますねー

 

「え?司馬懿と李儒は?」

 

『あの二人は官軍で、まだ勢力を持ってねぇからな』

 

そうですねー。

ただ、司馬懿さんは幽州に作られた

将軍府の支所にいますし、

李儒さんは南陽の宛に入りましたから、

どちらにも仕官はできると

思いますよー。

 

「なるほど。で、風の考えでは

公孫賛と董卓と司馬懿は繋がってる。

袁紹は単独で、もしかしたら

曹操様・・・曹操と結ぶ。

孫堅と劉表は戦うだろうし

馬騰は喪に服す。

李儒と劉璋は・・・情報不足よね。」

 

『いくらなんでも漢全体の情報なんて

もってねーからなー。かなりの部分が

予測に頼ってるのを忘れんなよ』

 

そうですねー。この中で

風たちに伝手があるのが

星ちゃんのいる公孫賛様と

香風ちゃんのいる司馬懿さんですねー

 

「人材を必要としているのは

各勢力共通・・・いえ袁紹と劉璋は違うわね。

それに必要としている

人材の種類が違うか。」

 

『そうだな、馬騰は文官を欲してるだろうが

それは軍師じゃねぇ、政務官的な文官だ』

 

劉表さんもそうですねー

 

「袁紹は今でも十分層が厚いから、

今更新しいのを入れて組織を歪めるよりは

今の状態を保とうとするわよね?」

 

『曹操は深刻だな。

これから兗州を纏めなきゃならねえが、

つい先日陳留の太守になったばかり、

州をまとめるには人材が必要だが、

逆賊認定されたせいで文官は

集まらんだろうさ』

 

それを考えれば風たちはかなり優遇されるでしょうねー

後は追討軍に勝てるかどうかです。

ある意味軍師冥利にはつきますけどー

 

「分が悪すぎる・・・これから行っても新参の

私たちがどこまで出来るか・・・

思うまま出来たとしても

一年じゃどうしても足りない・・・」

 

『そうだな、州の平定で精一杯だ。

兵の訓練どころか、集めるのだって

難しいだろうよ。』

 

そんな寄せ集めが、現在南陽で喪に服しながら、

牙を研いでいる官軍に勝てるのかと言われるとー

 

「・・・無理ね。才とか策とか以前の問題」

 

『そうだな。交互に打ち合う

机上の戦なら勝てるかもしれんが、

実際に戦う将兵に差がありすぎる』

 

政にかけることができる人員と

予算も違いますよー

結果、こちらが一手打つ間に相手は三手、いえ

四手は打てますからー。

 

「軍師がどうとか言ってる段階じゃないわね」

 

『あとは公孫賛、董卓、孫堅、

司馬懿、李儒』

 

北に行く場合の問題は

袁紹さんを倒したあとの

董卓さんと司馬懿さんですよー

 

「公孫賛は大丈夫なの?」

 

『公孫賛は幽州の州牧以上を求めてねぇからな』

 

そうなんですーそもそもが己を漢の藩屏と

割り切ってますので。幽州を認めれば

戦うことはないでしょー。

 

「あぁ、それで。あとは司馬懿が董卓と戦うかどうかなのね?」

 

『曹操はそれで時間を稼ごうとするんじゃねぇか?』

 

そうですねー南陽の官軍も怖いですが

一番怖いのは北との挟み撃ち。

第一、司馬懿さんと董卓さんが争えば

官軍も止まるかもしれませんしー

 

「まさしく起死回生の一手ね」

 

『まぁ二人が争わなきゃ意味ねぇけどな』

 

ですからー、確実な安全を求めるなら星ちゃんのいる

公孫賛様ですよー。

 

「まぁ、無下にはされないでしょう。

人材はいくらいても足りないものね」

 

『軍師も政務官も足りてねーしな』

 

軍師として華々しく戦いたいなら司馬懿さんでしょうか?

 

「まぁ新任の将軍で州牧だから、

 人材は不足してるわね。

 その中で董卓や曹操と戦うなら・・・」

 

董卓さんには、すでに賈詡さんと陳宮さんが

いますから、それほど重宝はされないかもしれませんがー

 

「やっぱり并州も文官は不足してるものね。

大将軍として扱う兵も増えるでしょうし、

軍師としての仕事がないわけでもない。か」

 

南は孫堅さんと李儒さんですねー

 

「孫堅は、喪に服すことなく呉郡や

交州へ侵攻しているわね。」

 

『「遺勅を果たすのが臣としての義務」

なんて言われたら、不満はあっても

否定できる奴はいねーよ』

 

一気に所領が広くなりますから

統治にも人材が必要になりますよー。

 

「足場を固めてから侵攻ではなく

 領地を広めてから足場を固める予定なのね」

 

『何か焦ってるようにも見えなくはないが、

当主の孫堅は動いてない。

組織としてはしっかり余裕がある状態だな』

 

李儒さんは・・・わからないんですよねー

 

「そうね、情報がまるでない。」

 

『かつては韓遂の乱で涼州に行ってるから

馬騰とも付き合いがある』

 

その上で官軍ですからー長安からの支援は

しっかり受けれてますねー。

 

「張任と李厳を加えた軍勢は

組織としては問題がないけど、

どこを向いているのかがわからない・・・」

 

『底が見えねぇと思えば心強いこと

この上ねーんだけどな』

 

司馬懿さんとーどこまで繋がってるのかも

わかりませんしー

 

「そうか、師弟といっても絶対に

師に従うわけじゃないものね?」

 

『そーゆーこった。

やっぱり冀州を得た

司馬懿の動きなんだよなー』

 

考えなくてはなりませんが

考えすぎて時間が経過しても

ダメなんですよー

 

「それはそうね。

動く直前に雇ってくれ

なんて言っても、誰も信用してくれないわ」

 

『そーゆーこった』

 

とりあえず風が推すのは、

公孫賛さんか司馬懿さんですねー

 

「星と香風ね?」

 

『そうだ、やっぱり伝手があるのが大きい』

 

風は曹操さんはダメだと判断しましたー

稟ちゃんには厳しいかもしれませんけどー

 

「いえ、その通りよ。ここで

こだわる気はないわ。

ただ、孫堅と李儒がね・・・」

 

『まぁな。気になるのはわかる』

 

どっちかが北に行って

どっちかが南に行くのもありですけどー

 

「いえ、それはやめたほうが良いわね」

 

『そうだなこの状況で賭けるなら

全賭けが基本だぜ?』

 

・・・もう賭銭を小出しにできる

状況じゃありませんからねー

 

「えぇ、今この時が選択の時それは間違いない」

 

『時は今。ならあとは何に賭けるのか。だ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「せめて後悔をしない選択をしましょう」」

 

 

 




離れたところに居ましたので現実はしっかり見えてますが、
やっぱり視点が低くい。
浪人だから仕方ないよネ!ってお話。

二人に情報があるのは
意図的に広められたのもありますし
自分たちで手に入れたのもあります。

まぁ、見聞広めに行ったならそのくらいはね。

真面目な話してますし
二人(プラス1)しかいないので寝ませんね。

風?もちろん好きですよ?それが何か??

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