とある策士の外史旅(仮)   作:カツヲ武士

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前半は弟子と白っ子
後半は地味様と山の子ですね

前の話の最後のセリフは
陳珪さんのお言葉でした
分かり辛くてすみません

オリ設定 オリ展開
嫌いな人は読み飛ばし!



知り合いが無職だとちょっと気まずくなる

さて、伯師妹。董卓や公孫賛の周りに

木人形、いえ、患者、じゃなくて間者が

増えてきましたね?

 

(ささっ!)

 

まぁ医術の発展には役に立ったのかはどうかは

知りませんが・・・

解唖門天聴は非常に素晴らしいですね。

 

(グッ!)

 

未だにどういう原理かわかりませんが

どんな痛みにでも耐える訓練を受けたはずの

間者の口を、いとも簡単に割るとは・・・

 

(醜態)

 

あれもあっさりしてましたね。

まぁ初めから諦めてる感はありましたが・・・

 

けどあの技があるなら方向だけを示す

頭顳っていりませんよね?

 

(時間短縮!)

 

あ、あぁそうですね。そうでした。

他にも隠れてる敵が居るかもしれませんしね。

どの方向に居るかって分かるだけでも

違いますからね

 

(コクコク!キョロキョロ・・・ふぅ)

 

いや、大丈夫ですよ?

いくら師でも宛から幽州に

いきなり現れたりしませんって

 

(油断大敵!)

 

まぁ大敵ではありますが・・・

 

これって油断になりますかね?

 

(パンダ!)

 

あぁ、拳から4間(7.2メートル)

を超えるパンダが出てきて

殴りかかっていくとは思いませんでした。

 

さすが我が師。

 

李厳殿の絶望した顔は久しぶりに見ましたね。

 

(跳んでた!)

 

本当に、大きさはまぁ気ですから

なんとでもなるとして、

なんで気で出来たパンダが

跳んだり避けたりするんでしょう?

 

(2頭!)

 

右腕と左腕からそれぞれ一頭って、

そもそも気なら腕関係ないですよね?

 

(しっ!!キョロキョロ!!)

 

あぁ、そんなに怯えて、やはりアレですか?

 

(恐怖!がさがさ!真っ黒!!)

 

ほんとにねぇ、アレは恐怖の塊でした。

一体だけなら潰して終わりですが

あれだけの数になると、もうアレでしたね。

 

(軍曹!がさがさ!ちゅーちゅー!!)

 

えぇ、恐怖公を捕まえて吸ってましたね。

彼らのおかげで洛陽は暗黒将軍の魔の手から

救われました。

 

(祠!)

 

えぇ、祀るとしましょう。

とりあえずここにもありますしね。

 

しかしアレを見れば

地味姉妹の時に恐怖公の部屋について聞かなくて

よかったと心から思いますよ。

 

(コクコク!)

 

また作ろうとしてましたけど

 

(ダメ!)

 

えぇ、南陽はともかく

幽州は無理らしいですね。

軍曹が寒さに弱いから

恐怖公の増殖と進軍を止めることができなくなるとか

 

(そうじゃない!)

 

ん?いけませんよ伯師妹。

 

(?)

 

師がアレを準備したと言うことは、アレが必要だと

判断したからです。

 

(??)

 

まぁ何に必要だったのかはわかりませんが

わざわざ洛陽の地下に作って繁殖してたんですから

遊びではないでしょう。

たぶん。きっと。

 

(・・・修行?)

 

いや、アレを修行で受けた人はいないでしょう?

私も李厳殿も受けてないし、密偵の修行を受けた

張燕だって、アレは無理です。

 

(拷問?)

 

そもそも師って拷問する必要ないでしょう?

尋問だって解唖門天聴でいいですし

見せしめなら命奪崩壊拳あるし。

 

(つまり?)

 

恐怖公でないと勝てない敵が居たと

考えるのが妥当ですね。

 

(・・・)

 

えぇ、想像できません。

 

ただ雑食なら蝗の方が

良いでしょうし・・・あぁ

餌がないと死にますか。

うん、恐怖公は同族でも食べましたね

 

(ぞわわわわ)

 

軍曹は恐怖公が部屋から溢れたら

出動してたみたいですね。

 

(よくやった)

 

見た目はアレですが、師曰く

対恐怖公用最終兵器だとか。

 

(納得)

 

数は力です。

一つ一つが弱くても、

群れれば危険だと言うことを

彼らは教えてくれました。

 

(こくこく)

 

その上で袁紹ですが

 

(初陣!)

 

えぇ、貴女の初陣ですね。

 

(グッ)

 

まだまだ子供だと思ってましたが、

子供の成長は早いものです

 

(李厳さんにも)

 

あぁ、貴女も言われました?

我々はいつまでたっても

子供みたいですね。

 

(しゅくじょ!)

 

そうですね。

師や李厳殿にしっかり見せつけて

やりましょう。

 

(こくこくっ!)

 

率いる兵は、

幽州から20万、

并州から五万、

我々が五万で合計30万

 

袁紹は七万~八万が予定されてます

 

韓馥は二万といったところでしょうか?

 

訓練はしているでしょうが

将兵の質も数も我々が上。

 

注意すべき点は相手に地の利があること。

 

基本は董卓に韓馥を、

公孫賛に袁紹を狙わせます。

 

伯師妹は董卓に

私は公孫賛に回る予定です。

 

(こく)

 

私の補佐は幽州勢に八達と呼ばれる一門。

ついでに郭淮。

 

伯師妹は狐の補佐ですよ。

面子は并州勢に楊任と楊奉。

場合によっては楊修殿らが付きます。

 

(むぅ~)

 

まぁ、初陣ですからね。

さすがに指揮は取れませんよ。

 

狐の指揮を見て、

私以外の指揮を学んでください。

それに楊修殿なら誰と

でも連携が取れますから

いざと言うときも安心です。

 

(こくっ)

 

とりあえず、公孫賛と董卓に

師から地下室の建設依頼が来ても

許可をしないよう、根回ししましょうね。

 

(こくこくっ!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

いやぁ、そんなこと言われてもなぁ

 

「おや?どうしました?」

 

なぁ。筆頭様と教頭先生の指示が

相反した場合って、どっちを

優先すればいいのかな?

 

「全ては公孫賛様の御心のままに」

 

おい!お前聞かなかったことに

する気だろ!!

 

「嫌でござる!全身痛みで動けなくされて、

森に放置されて虫にたかられるのも、

幻魔拳とか言ってこの世の地獄を体験学習するのも

嫌でござるぅぅぅぅぅ!!」

 

アタシだって嫌だ!

なんだよアレ!幻なのに痛いし!

喰らってる奴の顔みたか?

恐怖に歪んで、楽になったかと思ったら

また歪んで・・・あの世界で何度も死んでるんだぞ!

 

「張遼が受けたのを見て、

あの華雄ですら逃げましたからな」

 

触れて無いのに喰らってたがな・・・

 

「絶望の顔を見せながら倒れる華雄に

『知らなかったか?俺からは逃げられない』

でしたからな。」

 

知ってたよ!って全員が突っ込んだな。

 

「えぇ、あの場の全員が突っ込みましたな」

 

で、新しい地獄を創造する教頭先生と

 

「古き良き地獄を再現する筆頭殿ですか」

 

くそ、すでに意味が分からねぇ!

 

「いや、公孫伯珪なら何とかなるのでは?」

 

なるかっ!洛陽の話聞いただろ?!

 

「恐怖公ですか・・・戦の詳細を聞いて

後悔したのはアレが初めてです」

 

あの戦場で教頭先生が何もしてないから

何してるんだ?って思ってたら、しっかり

仕込みしてやがった!

 

「留守を守るとか言って、

洛陽に居たらしいですが」

 

ナニ守ってんだよって話だ。

 

「大量の黒い悪魔と大量の軍曹の戦いがあったとか」

 

軍曹による捕食の様子もな・・・

守護者のはずが、恐怖を煽る結果になったよ

 

「あまりの光景に将軍府の人間が

教頭殿に挑んだとか?」

 

何てモノ飼育してやがるっ!て感じだったらしい。

筆頭殿は途方に暮れてたから、挑む前に

戦いが終わってたとか?

 

「気持ちは良く分かります。

私もその場にいたら、きっと槍投げてました」

 

アタシだったら黄昏てたかなぁ

 

「一体でも本能的な恐怖を煽る存在ですからな」

 

アレが大地を埋め尽くしたって・・・まぁ少しは

誇張されてるんだろうけど

 

「地下室から解放された時なんかは、

まさしくそんな感じだったんでしょうなぁ」

 

で、筆頭殿からは、教頭先生から

地下室建造の依頼があっても

絶対受けるなって来てるんだよ。

 

「あぁ、なるほど。

それで教頭殿から作れと

指示がきたらどうするか?

と言う話ですか」

 

そう、今のところは来てないけどさー。

もし来たら・・・筆頭様に言われてるから

無理って言って通じるかな?

 

「使者次第でしょうな。確か李厳殿も

教頭殿に挑んだ方ですから、納得は

してくれそうです」

 

本人が来たら?

 

「諦めましょう」

 

だよなー。その気になったら

幻魔拳で恐怖公の部屋を

体験させられるってことだからな

 

「うわっ!鳥肌が!!」

 

将軍府の皆さんも

本人に来られたら

仕方ないねって

許してくれると思わないか?

 

「まさしく。これ以上ないくらいの

仕方ない状況ですな」

 

ま、とりあえず後のことは

後で考えるとしてだ

 

「あぁ、他に本題があったんですな?」

 

まぁな。最近色々仕官とか

来るじゃんか?

 

「ま、現状少しでも目があれば、

公孫伯珪を選ぶでしょうな」

 

そうなんだよな。

とりあえずの安全地帯みたいな扱いでさ

 

「袁紹は終わってますし

曹操も今は難しい。

董卓と馬騰は次の皇帝次第。」

 

劉表は状況によっては

真っ先に攻められるし、劉璋はアレだろ?

 

「普通なら孫堅か殿しかいませんな」

 

筆頭様と教頭先生を知らなければな

 

一見すれば、あの人らも次の皇帝次第だからさ。

 

誰が皇帝になっても影響のない

アタシか孫堅なんだよ。

 

「ですが孫堅は江南の人間で、中原や河北の

人間にしてみれば近寄りがたいところがありますな」

 

舐められてるってわけじゃないんだろうけどさ

 

「そうですな。ご不満で?」

 

まぁ不満が無いわけじゃないさ

州牧になる前とか、散々仕官を

断っておいて、今はコレだもんな。

 

「ま、そうですな。その点

私は運がいい」

 

そうだな。

一歩間違えたら恐怖公の部屋送りだったからな

 

「・・・本当に。礼儀とアイサツは大事ですな」

 

あぁ。アタシも最初洛陽の往来で

教頭先生呼び捨てにして、

筆頭様に連行された時は本当にヤバかったって思ってる。

 

「不敬の一言がどれだけ恐ろしいかを学びました」

 

浪人と地方軍閥の娘だからなぁ。

不敬と断じられて処罰されても仕方ないっちゃ仕方がない。

 

「ミミズは何故殺さなかったのか、いまだに分かってませんが」

 

益州でなんかさせるんだろ?

 

「あぁ、あの辺は荊州に劉表、益州に劉璋

そこに劉備ですか」

 

そういう事だ。漢に拘るなら

あそこに行けばいい。

問題は今更アタシのところに来る奴らが

そいつらに同心して、内部崩壊を起こさないかってのがあってな。

 

「確かに、その性根は確かめねばなりませんな」

 

そうだ、将軍府からの推薦とかなら

しっかり矯正された後だから問題ないんだが・・・

 

「沮授と張郃は随分使えるようで?」

 

流石は冀州牧の元で運営に携わってただけのことはある。

 

「それに広宗を知ってますからな」

 

そうだな、裏切ることは考え辛い。

 

「ここで裏切れたら大したものですな」

 

その場合はそこまでの忠誠をささげられる韓馥に

感服するしかないよ

 

「・・・州牧冗談ですかな?」

 

ち、違うぞ!そんなつもりじゃない!!

 

「教頭殿が嫌いな言葉でしたな」

 

言葉に責任を持てって、コレは違うだろ!!

 

「いや、むしろ堂々と『州牧冗談だ、笑え』くらい

言えたら、教頭先生も喜ぶのでは?」

 

あぁ、それはありそうだ。

くっ!割り切らねばならんか!!

 

「意図せずやっちゃうと恥ずかしいのは

分かりますがね」

 

あぁ、まぁそれは良いんだ。

 

「仕官の話でしたな?」

 

そうだ、慢性的な文官不足だから

文官が来てくれる分にはありがたいんだが

 

「性根を調べたい?」

 

そういうことだ。

武官と違って地獄見せりゃ良いって

わけでも無いだろ?

 

「武官も別にソレで良いわけでは

無いでしょうが・・・」

 

まぁ、立ち上がれるかどうかで

根性と覚悟は見れる。

だが文官は・・・

 

「実力を見るには書類仕事を

させるしかありませんものな」

 

 

そうなんだよ。

かと言って簡単な書類仕事をさせると

不満に思って他に行くだろ?

 

「中途半端に能力がある人間なら

そうですな」

 

そんな堪え性の無い奴はいらん!って言えるほど

文官が足りてるわけでも無いさ

 

「まぁ堪え性なんざ後付けできますし」

 

そうなんだよ。

で簡単じゃない書類は、

兵や民の生活が懸かってるから

 

「賄賂だの中抜きだのされても

困りますな」

 

そうそう。矯正できるとしても、

それまでの間その中抜きやら怠慢で

苦しむ民が居ることを考えるとなぁ

 

「情報の秘匿もです」

 

そうだ。それなりに目端が利くやつは

思わぬところから情報を得るから

 

「下手な書類は任せられない。

なるほど、やはり難しい」

 

やっぱり教頭先生や筆頭様の

技で見極めてもらうとかが

確実なんだが・・・

 

「紹介してもらうならともかく、

わざわざ幽州に来た人間の見極めを

お願いはできませんな」

 

筆頭様なら間違いなく『その目は節穴ですか?』

ってなるよな?

 

「教頭殿だと『修業が足りんな?』ですな」

 

自分の眼で見極めろってことだから、

言ってることは間違ってない。

ないんだが何故か理不尽を感じるから不思議だ。

 

「そうですなぁ。正論なのに

理不尽って不思議ですよね」

 

ま、そんなわけで文官の

見極めもせにゃならんって話でな

 

「あぁ、もしかして私にソレをしろと?」

 

武官の筆頭だからな。

そろそろそういう仕事もさせんと

 

「文官と武官の間の垣根が出来ますし。

あくまで見るのは人間性ですか?」

 

そうだ。文官としての能力は鍛えればいい。

だが、人間性はな

 

「矯正もできそうですが?」

 

根っこの部分はどうしようもない

さっきも言ったが、

内部崩壊の火種になっても困るし

そもそもこの時期の仕官は・・・

 

「埋伏計ですか?」

 

そうだ。曹操も袁家も生き残りに必死だ。

最悪情報だけでも欲しいだろうしな。

 

「なるほど・・・」

 

だから見極めは必要だ。

特に名が知られてないヤツは

何処のヒモ付きかわからん。

 

「そうですな。

浪人でも誰かの意を受けている場合はありますから」

 

そういう事だ。

お前の判断なら信用出来る。

 

「正面から言われるとなんともアレですが。

分かりました。微力を尽くしましょう」

 

んじゃぁ頼む。

ま、とりあえずは一次試験を終えたヤツだけだから

 

「あぁ、最低限、中級以上の能力はあると?」

 

そう言うことだ。

初めから見る価値のない奴を

見てもらってもしょうがないからな。

 

「わかりました。では対象の情報は?」

 

あぁ、これだ。確認してくれ

 

「ほう、とりあえず二人ですか・・・・・・・・・あぁ」

 

ん、どうした?

上等のメンマに恐怖公が入ってたような顔して

 

「いや、そんな状況考えたくもありませんが」

 

まぁな、恐怖公単品ですら想像したくねぇけどさ。

 

「いえ、この二人、知り合いでして・・・」

 

へぇ~世の中狭いもんだな

 

「まったくです・・・」

 

知り合いだからって採点甘くすんなよ?

 

「しませんよ。部下を持つ身ですからな」

 

わかってりゃいいさ。

じゃ、よろしく頼んだ

 

「はい、任されました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「程昱、郭嘉。・・・お前らまだ働いてなかったのか。」

 




一緒に就職を誘ったときに見識を広めるための旅をする!
と言ってた知り合いが自分の職場の面接に来た。
さらに面接官は自分である。

うわぁって感じのお話です


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