とある策士の外史旅(仮)   作:カツヲ武士

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強敵と書いて【とも】と読みます

前回の続き!
どうなる無職組?!

オリ展開。オリ設定
原作はすでにない!

嫌いな人は読み飛ばし!








二度と戻れない。おぉ、強敵!

いやーこれは、アレですねー

 

『なんだ?久々に会ったのだ

遠慮せんでいいぞ?』

 

「いや、ソレはありがたいんだけど

ココ、支払いとか大丈夫なの?」

 

「そうだぜ?ここってアレだろ?

州牧でも公衆の面前で土下座させる店だろ?」

 

大将軍の董卓さんも洛陽で土下座してたとかー?

 

『うん?あぁ、どこかの阿呆みたいに

食いすぎたり皿を割ったりしなければ大丈夫だな』

 

「いや、ソレにしてもこれは・・・」

 

「茶の一杯でこの値段・・・ありえんだろ」

 

点心どころかー机や椅子ですら触るの怖いですよー?

 

『その気持ちは大切にしろ。

ちなみにあのとき公孫賛様が土下座したのは、

ミミ・・・同門の仲だった

ヤツが無銭飲食したからでな』

 

「この店で?!」

 

「馬鹿じゃねぇ?!」

 

それはーちょっと想像できませんねー

 

『さらに食器もいくつか破損させててなぁ』

 

「コレを?!」

 

「馬鹿じゃねぇ?!」

 

明らかに高級品なのですよー

 

『で、金を払う段になって、

自分は州牧の同門だから

ツケにしろとか言い出してな』

 

「はぁ」

 

「まぁ、たまに居るよな?」

 

洛陽とかの役人がやりそうですよねー

 

『で、公孫賛様に連絡が来て、土下座だ』

 

「なんで?!」

 

「何もしてねぇじゃん?!」

 

州牧様なら、そんなの知らねぇ!とか言えなかったんですかー?

 

『知り合いなのは事実だし、この店は公孫賛様にとって

非情、いや、非常に恩のある方の店でな』

 

「え、いや、それだって」

 

「州牧が頭を下げるほどってどんだけだよ」

 

公衆の面前で土下座するより

巻き添えで怒られるのが怖かったんですかねー?

 

『まさしくその通りだ』

 

「はぁ、今や漢でも有数の将軍として

名高い公孫賛様が、そこまでお世話になった方ね」

 

「おっかねぇが、一度見てみたいってのはあるな」

 

そうですねー、一体どこのお弟子さんなんでしょー?

 

『お、それくらいは調べてきたか?』

 

「まぁ、このお店は有名だからね」

 

「当然誰の店か?なんてのはな」

 

うーん。では公孫賛様はお弟子さんと

同じ方向を向いてるんでしょーか?

 

『まぁな。本来なら面接の段階で言うことではないんだが』

 

「あぁ、情報の漏洩になるのね?」

 

「随分しっかりした組織作ってるよな?」

 

そうですねー。

黄巾や北方の異民族の方々も

ちらほら居る組織なんですから

もう少し緩いかと思ってましたー。

 

『ま、上がきっちりしてるからな』

 

「下と中間まできっちりさせる

統率力は凄いわね」

 

「袁紹のところは、中に入らなくても

混乱が見えてたけどなー」

 

正直ここに来る前は

幽州はただの片田舎って思ってたんですよー?

 

『知らなければ、そうだろうな』

 

「考えてみれば、ここ数年は

大きな戦も経験してなくて、

政が安定しているところに

大勢の流民を受け入れてるんですもの。

その分は栄えるわよね」

 

「治安の悪化が無ければそうなるよな」

 

兵隊さんが緩んでないから

悪さをする人もいませんしー

 

『仕事はいくらでもあるからな。

悪さしてる暇があったら働けって話さ』

 

「はぁ、それで人が増えた分だけ

労働力が増えるから」

 

「作業も進んで、さらに栄えるのか」

 

将軍としてだけじゃなく、

為政者として、ここまで優秀だったとは

 

『あぁ、その浪人冗談は幽州だと鉄板だからあまり評価はされんぞ?』

 

「同意するのそこなの?!」

 

「お前、なんか予想してたのと

別方向に進んだなー」

 

なんか余裕感じますよねー。

このお店にも慣れてるみたいですしー

 

『働いてるからな』

 

「ぐっ、確かに見聞を広めると言っても

我々は・・・」

 

「路銀に事欠くこともあったなー」

 

なんだかんだで無職ですよねー

 

『私も司馬殿に諭されていなければ

そうなっていたのだろうがな。

はっきり言おう。

浪人の視点では見聞などと言っても

見れる世界などたかが知れている。

お前たちは客将でも良かったから

どこかで仕官すべきだったよ』

 

「・・・そうなのでしょうね」

 

「今のお前を見たらなー」

 

そうですねー。情報を得るにも

きちんとした組織じゃないと

見れないですし、分かることも

ほんの一部ですー。

 

『そうだな、諸侯を見定めるといえば

聞こえがいいが、

行ってしまえば決断が出来ぬ優柔不断の輩だ』

 

「・・・勝馬に乗りに来たようにしか見えないと?」

 

「まぁ、実際そーゆーところはあるけどな」

 

否定はできないんですよねー

違うと言うなら、当初の予定通り

曹操さんのところに行って、

曹操さんを勝たせるように

動いてないと行けないですからー。

 

『今からでも遅くはないぞ?

むしろつまらん戦になりそうでな。

自信があるなら是非やって見せてくれ』

 

「あら?手強い敵を作ることになるけど?」

 

「そうだな。公孫賛だって強い敵よりは

弱い敵の方が良いんじゃないか?」

 

曹操さんにも勝ちの目は無いわけじゃ

無いですよー?

 

『そんなものは無い』

 

「・・・断言したわね」

 

「あぁ、即答しやがった」

 

流石に油断じゃないですかー?

 

『先ほども言ったがな、浪人では

見えない世界がある』

 

「すでに終わってると?」

 

「すげー自信だな」

 

曹操さんの狙いや取れる手段の

全てを理解してるんですねー?

 

『当たり前だ。優秀だろうが何だろうが

所詮一郡の太守。

時間も予算も人材も限界がある以上

取れる手段などたかが知れている。

対して我々が何年前から準備を

していると思っている?

いまさら慌てて準備したところで

我々の手から逃れられるわけがあるまい』

 

「すでに収穫を待つ段階だと?」

 

「その理屈なら確かにそうだ。けどな」

 

そう、私たちがアナタ方の考えていない

方法で対抗するかもしれませんよー?

 

『その場合は浪人に考え付く策を

考え付かなかったと、皆が反省し

更なる練磨を誓うだろうさ』

 

「なるほど。勝者の余裕ね」

 

「あぁ、それなら油断じゃねぇ」

 

不測の事態を予測して、

一時負けることを考えても

最終的には勝てると判断してるんですねー?

 

『今のところはそうだ。

だからまぁ1つ教えておこう。

もしも我々の想定を覆したいなら、

お前たちが行くべきは曹操陣営ではなく袁紹陣営だ』

 

「袁紹?確実に詰むのが決まってるじゃない!」

 

「そうだぜ?そんなところに行ってどうしろってんだ?」

 

あぁ、確実に詰んでいるからこそ、

ソレをひっくり返せたら前提を覆せるんですねー?

 

『そういう事だ』

 

「そうしないと曹操様には勝ち目が出来ないのね?」

 

「おいおい、そんなの教えて良かったのかよ?」

 

そうですねー面接の段階で言うことでは

ないですよー?

 

『・・・今回は出来るだけ相手を

強化させるよう指示が出てるんでな。

結果的にお前たちが曹操や袁紹を

強化してくれるなら

正直ありがたいくらいだ』

 

「指示?」

 

「大将軍の董卓からか?」

 

袁紹さんの周りに逆賊を集めるだけ集めて

処理するつもりでしょーかー?

 

『それもある。

だがそれだけじゃないさ』

 

「・・・わからないわね」

 

「あぁ、コレが俺たちの視点の限界か?」

 

・・・うーん。もう少し情報と時間があれば

わかるかも知れないんですがー

流石に今の今だと分からないですねー。

 

『それはそうだ。私たちだって、

説明を受けていなければわからんからな』

 

「別に分からなくたって

良いんじゃないの?

武人なら弱い相手より

強い相手を望むものでしょ?」

 

「そーだよな。お前ってそーゆーとこあったろ?」

 

星ちゃんに限らず、大体の武人さんは

そーゆーところありますよね?

 

『私は武人でもあるが武将でもあるのでな。

部下の命も預かっている身だ。敵は弱い方が良いさ』

 

「なるほどね。その上で敵を強くしなきゃいけないんだ?」

 

「そりゃ大変だなー」

 

その上でも勝てると言う余裕の

源が知りたいですねー

 

『ん?別に隠してないぞ?』

 

「え?そうなの?」

 

「あぁ、そういうことか」

 

并州勢並みに戦い続けてきた

幽州の将兵と、それを支える土台。

さらに青州黄巾を得たことで

できた労働力と兵力の補強。

何年も前から準備してきた策。

うーん。確かに隠してませんね。

 

『だろう?今は牙を研いでいるだけだ。

時間が経てば経つほどその牙は

鋭く、大きくなる。

それは曹操の比ではない』

 

「元の大きさが違うからってことね。けど」

 

「そうだぜ?曹操が連合組んだら、大きさで負けるぞ?」

 

并州と幽州。それから冀州

・・・まぁ冀州は獲ってもすぐに

使えるわけじゃないですから

実質二州ですよー?

 

『対して曹操は四、いや荊州を含めれば五州。

皇族によってはさらに二州か?

そいつらに対して皇族を擁立できなければ

我々が討伐の対象にされてしまうな』

 

「そうでしょうね。

現在の逆賊認定された諸侯たちや

彼らに擁立された皇帝にしたら

アナタ方、少なくとも董卓は敵ですもの。」

 

「董卓と公孫賛に離間をかけて、

互いが精鋭をつぶし合えば

連合にだって勝ち目ができるぜ?」

 

そうですねー。

皇族の擁立がカギでしょうけど

それが曹操さんが考える

勝ち筋でしょー

それに対して、公孫賛様が

取れる対策って無いのでは?

 

『そうかもな』

 

「・・・さすがに情報はくれないわね」

 

「そりゃそれが普通なんだが・・・」

 

そうですねー。けど星ちゃん?

なんだか私たちを面接してると言うよりは

袁紹さんや曹操さんの陣営に行くように

誘導しているように思えるんですがー?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あぁ流石にわかるか?』




後編に続きます

面接というよりは
タダの駄弁り?!ってお話です

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