「あ⁉︎お兄さん!起きてたの⁉︎」
俺は今、目の前のリリアに
「あのね!お兄さんね!公園で倒れてたの!」
やはり、よく似ているだけでリリアでは無いようだ、だが、よかった、
俺は、少女に名前を聞いてみる。
「ありがとう。君の名前は?」
そういえば、さっきの看護婦さんも含め、会話をしたのはいつぶりだろう、それよりも彼女の名前だ。
「私の名前は高町なのはなの!」
「なのはなのちゃん、かな?」
「ちーがーうーのー!高町な・の・は!なの!」
なのはちゃんと言うのか、やはりリリアと魂が似ているおかげか、口調以外はリリアと同じような性格だ。
「おや、起きたのかい?」
すると病室の扉が開き、男性が入ってくる。
「貴方は…」
「私は高町士郎、この子、なのはの父親だよ。」
子も子なら親も親なんだな、リリアの父親のおじさんにそっくりだ。
「士郎さん、と呼んでも?」
「ああ、いいよ、この子の事もなのはと呼んで欲しい。」
「ああ、よろしく、なのは。」
「よろしくなの!」
なんだろう、とても懐かしく、暖かい。
「大丈夫かい⁉︎どこか痛むのかい⁉︎」
「ふぇ?大丈夫なの?」
……どうやら、俺は泣いて居たらしい。
「すいません、貴方たちが俺の幼馴染と、そのお父さんにそっくりで、思い出したら涙が。」
ああ、思い出した。
俺は何故かどうしてもリリアとリリアの家族には嘘はつけなかったな。
「幼馴染…似ていたのか、妙な縁があったものだ、その人達はどこにいるんだい?」
「………。」
俺は目を伏せ、沈黙する。
「…そうか、君、行く宛はあるのかい?」
「…ありません。」
そう、俺の見た目は、転生とリリアの心臓の影響でかなり変質している。
前に地球にいた頃は至って平凡やな見た目だった。だが、
髪の毛はピンク色になり、顔は童顔の整った顔、体も引き締まっており、体には不死になる前の傷痕が沢山刻まれている。
よって、行く宛が無いし、こんな怪しい人物を雇ってくれる場所も恐らくない。
これからどうしようか。
「それなら、ウチに住み込みで働くといい。」
その言葉に俺は驚いて数秒固まってしまう。
「どうして、こんな怪しい人間を…」
「ハハッ!君が嘘を言っていないのは経験上わかったからね、いい人そうだし、それに、用心棒を探していたからね。」
「そうですか、確かに腕に自信はありますが、こんな怪しい人間を本当に信用はさていいんですか?」
「まだ完全に信用しきった訳じゃあないけど、少なくとも悪い人間じゃあないからね、その代わり、しっかりバイトはして貰うよ?勿論、衣住食を給料として雇うからお金は出ないがね?」
俺にとってこの内容はとても魅力的だろう、衣住食が確保されるだけではなく、リリアに似た彼女のそばにいる事ができる。
だが、俺が愛すると決めた相手はリリアだけで、決してなのはでは無い、リリアが自分を犠牲にしてまで救った命を、簡単に投げ捨てたりはしない、それに、リリアに似た彼女を支えると言う目的ができた以上はそれを達成するまで自分を殺す手段を探すのはやめにしよう。
「わかりました、ありがとうございます、こんな自分を雇ってもらって。」
「うん、それに、君がなんで公園に倒れていたのかも気になるからね。」
「すいませんが、どうしてもまだ言えないことはあるので、言える範囲だけならお答えするつもりです。」
そう、ここで全てを打ち明けるなんて愚か者のする事だ、例え全て信じて貰えても、どこから情報が漏れるかわからない、記憶を盗み見る力を持つ者だっているかもしれないし、少なくともなのはが大人になるまでは打ち明ける訳にはいかない、どこに敵が潜んでるかわからない以上、情報と言う武器を渡してはいけない。
「なのは、下にいるお兄ちゃんのところに先に行っていなさい、僕はこの人ともう少し話さないといけない事がある。」
「わかったの!」
そう言ってなのはは病室を出て行った。
「さて、先ず最初に、君の名前は?」
「ジン・
「どこから来たんだい?」
「言えません。」
「君は何をしていたんだい?」
「言えません。」
「君は親はいるかい?」
「…
「君は人を殺した事があるかい?」
「はい。」
「君に親しい人はいるかい?」
「……
「君の願いは何だい?」
「今は、生きる事、先程までは死ぬ事。」
士郎さんはその言葉に若干目を見開くが、すぐに表情を戻す。
「君は私達に秘密を打ち明ける気はあるかい?」
「いつかは打ち明けます、少なくとも今は言えません。」
「そうか、ありがとう、大体察することはできたよ。」
どうやらこの人はその手の事には慣れているらしい。
「君はどうやら私達には抱えられない、とても重い秘密を抱えているらしい、それも、特に一般人には教えてはならないような、下手にバレたら誰かが殺されるレベルの…ね。」
「流石ですね、概ね当たっています。敢えて言うなら、バレたらなのはが人質にとられ、例え日本でも俺が人体実験の材料にされかねません。」
「そうか、どうやら僕は大層大きな拾い物をしたらしいね。」
「ええ、ですから俺の事は本当に信用できる人間にしか喋らない方がいいです、最悪、俺が貴方を殺さなければならないかも知れません。」
「…ハァ、また秘密事が増えてしまった。」
「また?」
「君は気にしなくていいんだ、取り敢えず退院手続きはしておくから、明日までここで過ごしてくれ。」
どうやら俺には深く言えないものらしい、まあ、知ったばかりの俺なんかに秘密を打ち明けるなんてバカのする事だが。
「はい、わかりました。」
……だが、久しぶりにぐっすり眠れそうだ。
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