Fallout THE ORIGIN   作:ダルマ

65 / 72
第六十四話 幼女とおっさんとウスイホン

 店を出た俺達は、とりあえずベディー(M54 5tトラック)のもとへ向かおうと足を踏み出した。

 だが、その矢先。

 

「あの、すいません」

 

 不意に声をかけられ、足を止めて声のした方へと振り返ると。

 そこには、ロングコートにハットを被り、バックパックを背負って、白銀のロングヘアーを靡かせ、鼻筋に絆創膏を張り付けた、十歳前後と思しき女の子が佇んでいた。

 

 しかし、俺が目を引かれたのは、その女の子の方ではなく。

 女の子の両脇を固めるように佇む、二体のロボットであった。

 

 一方は、佇んでいるというよりもふわふわと空中を浮遊している球体型のロボット、そうアイボットだ。

 通常のアイボットに改良を加えたものか、各部に通常型には見られないパーツが取り付けられており、その姿はNew Vegasの仲間の一人であるED-Eを連想させる。

 

 もう一方は、ロブコ社が開発した軍用ロボット、高い近接戦闘能力を有し、頭部に強力なレーザー発射口を有する、女性的なフォルムも特徴的な、そうアサルトロンだ。

 こちらも、改良が加えられ通常型とはその外見が異なっており、カウガールを彷彿とさせる衣服を身に纏い、頭にはテンガロンハットを被っている。

 そして、左のマニュピレーターが、レーザーマスケットと呼ばれるエネルギー兵器に換装されていた。

 

「ヴァナディースさん、ですよね」

 

 そんな改良型ロボット二体を引き連れた女の子は、先程試合でマーサが使用していたリングネームを口にした。

 

「え? あたし?」

 

「私、ユリア・オールベルグ。先程の試合を見て感動しました」

 

「えへへ、ありがとう」

 

 自らの名前を名乗った女の子、ユリアもまた、マーサの試合を目にしてマーサのファンになった一人のようだ。

 しかし、マーサ本人を目の前にしていると言うのに、それにしてはユリアは淡々としていて、あまり表情の変化が乏しく、まるで彼女自身もロボットであるかのように錯覚させる。

 感情豊かなマーサとは正反対だ。

 

「それで、お願いがあるんですけど」

 

「ん? なになに?」

 

「私もヴァナディースさんみたいな、強くてカッコイイ女性になりたいので、その強さの秘密、教えてください」

 

「え? 強さの秘密? うーん……」

 

 そんなユリアからの質問に、マーサは腕を組み、頭を悩ませ始めた。

 唸りながら、おそらくあれでもないこれでもないと、質問の答えに頭を悩ませ続けていると、不意に、ナットさんが見かねたのか、助け舟を出した。

 

「マー、えっと、ヴァナディースの強さの秘密はね。こちらにいるユウの"優しさのミルク"を毎晩飲んでいるからなのよ!」

 

 と思ったら。ナットさん、子供に何て事を吹き込むんですか。

 

「ナットさん!! 子供に変な事吹き込まないでくださいよ!!」

 

 案の定、マーサが即座に反応し、顔を真っ赤にしながらナットさんに反論を始める。

 するとナットさんも、マーサの様子を見て満足したのか、満足した様子で謝るのであった。

 

「ねぇ、ユウさん。今、優しさのミルクって出せますか?」

 

「……あの、えっと、ナットさんがさっき言ったのは冗談なんだ」

 

 と、そんな二人のやり取りを他所に、不意に冗談を真に受けたユリアからとんでもない発言が飛び出す。

 あぁ、子供は純粋だな。

 もしここで、はいどうぞ、なんてしようものなら、セキュリティの皆様のご厄介になる事間違いなしだよ。

 

 俺は若干顔を引きつらせながら、先ほどのナットさんの発言は冗談であるとユリアに説明するのであった。

 

「結局、強さの秘密は分かりませんでした」

 

 その後、誤解も解け、再び強さの秘密を尋ねるユリアであったが、結局マーサは具体的に答えられず。

 強さの秘密を聞き出せずに、肩を落とすユリア。

 

「ごめんね、力になれなくて……」

 

 そしてマーサも、申し訳なさそうに謝るのであった。

 

「ビー! ビー!」

 

「ん? うん、うん。……そうだね」

 

 すると、不意に改良型アイボットがビープ音を発し、ユリアに何かを訴え始めた。

 そしてユリアも、まるで改良型アイボットが何を言いたいのか、その意味を理解しているかのように相槌と打つのであった。

 

「あの、ヴァナディースさん」

 

「何?」

 

「私も、一緒について行ってもいいですか? 一緒に行動していれば、強さの秘密、分かる気がして」

 

「え? でも、両親が心配するんじゃ」

 

「私の両親は幼い頃に亡くなりました。だから問題ありません」

 

 涼しい顔で、さらりと衝撃的な事実を告げるユリア。

 

「いや、でも……」

 

「あの、ユリアちゃん。俺達はこの街の中のように安全な場所で生活している訳じゃないんだ。街の外の世界を駆け巡って、常に危険と隣り合わせな旅をしているんだ、だから……」

 

「ご心配なく。私も、外の世界を旅していますから、危険と遭遇した際の対処法はある程度心掛けています。それに、"ビーちゃん"と"ハニー"もいます。それに、機械に関する知識や腕前には自信があるから、足手まといにはならないと思います」

 

 困った様子のマーサに助け舟を出した俺だが、ユリアは頑として俺達と同行したいと言って譲らない。

 

「でも、ユリアちゃんはまだその……」

 

「それと、私は子供ではありません。これでももう二十歳です」

 

「……え?」

 

「嘘、あたしより年上……」

 

 そしてユリアは、さらに衝撃的な事実をカミングアウトする。

 どう見ても十歳前後にしか見えない体型、にもかかわらず実年齢はまさかの俺と同年だったとは。

 あぁ、だからボーディング・バーにも入店できたんだな。

 

 驚きのあまり目を点にしていると、不意にノアさんがぼそりと呟いた。

 

「成程、これが合法ロリというものか」

 

 ノアさん。だからそんな単語、一体何処で覚えてきたんですか。

 

 

 その後、ユリアの実年齢が二十歳であると知った事で不安が払拭されたのか。

 相談の結果、彼女の同行を許可する事となった。

 ユリアがマーサに憧れている気持ちは本物であるし、何より彼女の機械に関する造詣の深さは、今後の旅に役に立つであろうと考えたからだ。

 

 こうして新たな旅の仲間を加えた所で、改めて、互いに自己紹介を行う。

 

 ユリアは、中西部ではなく西部の生まれらしく、西部と聞いてウェイストランド最大の国家であろう新カリフォルニア共和国、通称NCRの出身かと思ったが、どうやら違うようだ。

 因みに、機械に造詣が深いのは、ご両親の影響によるものなのだとか。

 そんなご両親が亡くなってからは、相棒の二体と共に、放浪の旅に出て、このメトロポリタン・シティまで流れ着いたとの事。

 

「この子は"ビーちゃん"。ビープ音でお喋りするから、ビーちゃん」

 

 そして、ユリアの大事な旅の相棒である二体のロボットの内、アイボットの方はビーちゃんと言う名前で呼ばれていた。

 

「この子は"ハニー"。昔の映画の登場人物になぞらえて名付けたの」

 

「ハーイ、私はハニー、よろしくね」

 

 そして、もう一方のロボット、ハニーと言う名のアサルトロンは。

 通常型とは異なる女性らしい声色と共に、右のマニュピレーターを使い器用にテンガロンハットを脱いで胸元に添えると、綺麗なお辞儀をしてみせた。

 どうやら外見だけでなく、中身の方も相当改良されている様だ。

 

 因みに、マーサはユリアの事を呼び捨てで呼ぶことにした。

 本人も了承しての事だし、ユリアも、マーサの事をリングネームではなくマーサと呼び捨てで呼ぶことになった。

 序に、ユリアは俺の事も呼び捨てで呼ぶことになった。

 その際、マーサが少しむすっとしていたような気がした。

 

 

 こうしてお互いに自己紹介を終えた所で、俺はユリアに、俺達の旅の目的と、ヴェツさんを救出すべく今からレーズン・フォールズに向かう旨を伝えた。

 

「なら、行動するのは朝になってからの方がいい。夜に外を動き回るのは危険。それに、トラックのライトで相手に気付かれるかもしれない」

 

 すると、ユリアから朝になってから行動するべきとの提言が飛び出す。

 それを聞いて、俺は気付かされた。確かに、ユリアの言う通りだ。

 焦って今すぐ行動すべきと思っていたが、確かに夜は視界が悪く、昼間に行動するのとは訳が違う。

 それに、奴隷商人側にヴェツさんを救助しに来たとバレてしまえば、それこそヴェツさんの身を更に危険に晒してしまう。それでは本末転倒だ。

 

「……そうだね、確かにユリアの言う通りだ。よし、なら明日の朝、行動を開始する」

 

 ユリアの言葉に冷静さを取り戻した俺は、明日の朝にレーズン・フォールズに向かう事を決めた。

 となれば、今夜は明日に備えて英気を養うとしよう。

 

 と、その前に。

 ユリアたちの事をベディー(M54 5tトラック)の見張り番をしているディジーに紹介しておこう。

 明日の朝では悠長に紹介している時間もないだろうし。

 

「ハハハッ! あんたみたいなベッピンさんが仲間になるなら、大歓迎ってもんだ!」

 

「あら、ありがとう。これからもよろしくね」

 

「おう、よろしくな!」

 

「ビーッ! ビーッ!!」

 

「ん? 分かってるって、お前さんも大歓迎だ! ハハハッ!!」

 

 ロボット同士、仲良くなるのにそう時間はかからなかった。

 ま、ディジーは人見知り、と言うよりもロボ見知り? な性格ではない為、すんなりとハニーとビーちゃんとは打ち解けていた。

 

 その後、ディジーがユリアともすっかり打ち解けた所で、最後に、ユリアにノアさんの素顔について、他言無用を徹底する様に注意すると、明かした。

 本人曰く、驚いたらしいが、その割に表情はあまり変わっていなかった。

 

 こうしてディジーの紹介やノアさんの正体についても明かし終えた所で、明日に備えて宿屋で英気を養うべく、宿屋に向かうのであった。

 

 

 

 

 そして、翌朝。

 地平線から太陽が姿を現してから然程時間の経過していない頃。

 支度を整えた俺達は、ベディー(M54 5tトラック)に乗り込むと、レーズン・フォールズを目指すべくメトロポリタン・シティを出発する。

 

 マーハーさんに教えていただいた場所を印しておいた、ピップボーイの地図を頼りに、ベディー(M54 5tトラック)は南下を続ける。

 

 南下を続ける事数十分。

 レーズン・フォールズのある、ゴーストタウンと化した都市の近郊に差し掛かった時の事。

 

「ビビッ! ビビッ!」

 

「ユウ、ビーちゃんが人の反応を感知した。モンスターの反応も感知したから、多分、襲われているんだと思う」

 

 不意に、無線機から荷台のユリアの淡々とした声が流れる。

 今は時間が惜しいが、見て見ぬ振りと言うのも、後味が悪い。

 

 俺はディジーに、ビーちゃんが感知したという反応の方へとベディー(M54 5tトラック)を進めるように指示すると、運転席上部に身を乗り出し、銃架に据え付けたミニガンのグリップに手をかけた。

 

 ベディー(M54 5tトラック)が進路を変更して暫くすると、前方に、ひび割れた道路を何かから必死になって逃げるように走っている、恰幅の良い男性の姿を見つける。

 そんな男性の後方には、まるで巨大化したロブスターの様な見た目をした、マイアラークハンターと言う名の野生生物が一匹、男性を捕食しようと追いかけていた。

 

 俺はマイアラークハンターがミニガンの射程に入った事を確認すると、迷わずトリガーを引いた。

 マイアラーク系統特有の固さも、5mm弾の暴風を一身に受けては、たちまち無残な姿となったその身を道端に横たわらせるのであった。

 

 こうしてマイアラークハンターを排除し安全を確保すると、ベディー(M54 5tトラック)を路肩に停車させ、男性に駆け寄る。

 

「大丈夫ですか?」

 

「誰だか知らないが助かっ──、げぇ!?」

 

「あ……」

 

 走って疲れたのか、肩で息をしている男性がお礼を言おうと顔を上げた瞬間、俺は、その顔に見覚えがあった。

 それは、シカゴ・ウェイストランドで出会ったレイダーグループ、ア・カーンズのリーダー、カウルであった。

 

 向こうも当然、俺の顔を覚えていたらしく。

 俺の顔を確認するや、直ぐにニ・三歩後退りする。

 

「どど! どうして貴方がここにぃ!?」

 

「えっと、それはこっちも同じなんですけど」

 

 一体、シカゴ・ウェイストランドのアジトから遥々、何の用があってここまでやって来たのか。

 そもそも、護衛も引き連れずたった一人で。

 

 色々と尋ねたい事はあるが、兎に角今は落ち着くように、カウルに話しかける。

 

「な! あ、あの時の!? 何だか装備が変わって……。って、しかも増えてる!?」

 

 すると、異変を察したのか、他の皆がぞろぞろとやって来る。

 その姿を目にしたカウルは、更に目を丸くしてニ・三歩後退りした。

 

 ノアさんとニコラスさんは以前に出会った際に見知っているが、その他の面々は今回が初めてだったな。

 思えば、あの頃に比べて旅の仲間も増えて、随分と賑やかになったな……。

 

 と、喜びに浸っている場合ではない。

 

「ま、まさか!? 私を助けたのは、皆で私に乱暴する気だったからですか!? そうなんですね! ウスイホンみたいに! ウスイホンみたいに!!」

 

 兎に角今は、何だか混乱して変な事を口走っているカウルに、落ち着きを取り戻してもらおう。

 そもそも、おじさんのわがままボディに興味はない。

 

 

 それから暫くして、何とか落ち着きを取り戻したカウルに、事情を説明する。

 助けたのは乱暴する気でも何でもなく、純粋に助けたいという気持ちからで、下心など一切ない事や、偶々通りがかった序である事など。

 事情を説明すると、カウルも誤解が解けて、納得したように数度頷いた。

 

 因みに、因縁の相手と思いがけず再会を果たしたニコラスさんだが。

 ここで素顔がバレてはまたルシンダさんに危害が及ばないとも限らないと考えたのか、T-51パワーアーマーを装備して素顔がバレていない事を確認すると、カウルに対して沈黙を貫いていた。

 

「所で、カウルさんはどうしてアジトから遥々こんな所へ? それに何故、マイアラークハンターに追いかけられていたんです?」

 

「貴方方には関係ない、と言いたい所だが、助けてくれた恩人だし、お話ししましょう。私が奴隷商売を生業としている事は貴方は既にご存知と思いますが、今回遥々ここまで足を運んだのは、その奴隷商売に関してレーズン・フォールズに向かう途中だったからなのです」

 

 カウルの口からレーズン・フォールズの名が飛び出し、俺はもしかすると、この状況を利用できるのではないかと感じ始める。

 

「だが運悪く、移動の途中でマイアラーク達の襲撃を受け、案内役の奴隷商人と護衛の部下達を失い、私一人、辛くも逃げていたのです」

 

「そうだったんですね。……では、ここで再会できたのも、何かの縁です。実は、俺達もレーズン・フォールズに用があるので、一緒に行きませんか?」

 

「貴方方がレーズン・フォールズに? あそこは奴隷商人の街ですよ、一体何の用で? 確か、傭兵業を営んでいた筈では? まさか、奴隷商人に転職したとでも?」

 

「いえ、その。とある奴隷を探しているんです、その奴隷が、レーズン・フォールズにいる可能性があると聞いたものですから」

 

 幾ら話が通じるとはいえ、やはりレイダー。信頼して全てを正直に話すことは出来ない。

 なので用心の為、具体的には語らず抽象的に説明を行う。

 

「……、成程、そうですか」

 

 するとカウルは、少々考えるような仕草を見せた後、ゆっくりと、再び口を開いた。

 

「分かりました。道徳的規範を重視するレイダーグループ、ア・カーンズのリーダーを務めるこのカウル、助けていただいた恩義に報いて、貴方方のお力になりましょう!」

 

「本当ですか! ありがとうございます!」

 

「所で、まさかレーズン・フォールズにはその恰好のまま行くつもりで?」

 

「駄目ですか?」

 

あそこ(レーズン・フォールズ)の連中は警戒心が強い。そんな恰好で正面から行っても、入れてはくれないでしょうな。見ず知らずの者は門前払いが連中の基本ですから」

 

 うーむ、となるとどうやってヴェツさんを探すべくレーズン・フォールズに潜入するか。

 唸って頭を悩ませていると、不意に、カウルがとある提案を口にする。

 

「では、レイダーに変装して中に入るというのはどうでしょう? 変装して、私の部下という事にすれば、あそこ(レーズン・フォールズ)の連中も騙されて中に入れてくれる筈です」

 

「成程。それは確かにいい案ですね」

 

 確か、アレックスさんの自宅を占領してたレイダー達を排除した際に、身に着けていた装備品を回収していたので変装に使えるな。

 となると後は、変装してレーズン・フォールズに潜入する人選だが。

 俺は当然として、ノアさんは論外だし、ニコラスさんも、カウルに素顔を知られるので駄目だな。ユリアも、あの外見では不自然だし、ロボットたちも無理だ。

 となると、残るはマーサとナットさんの二人だけになる。

 

「なら、あたしも一緒に行く!」

 

 すると、マーサが自ら名乗りを上げた。

 

「万が一バレたら、ユウの背中はあたしが守ってあげるわ!」

 

「マーサ……」

 

 マーサの気持ちに感動していると、カウルがわざとらしく咳払いを行う。

 

「あの、決まったのなら、早速変装してもらえますか?」

 

「あぁ、そうですね」

 

 ピップボーイから変装用の装備品を取り出し、一式をマーサに手渡すと、近くにあった枯れ木の影で着替え始める。

 廃材再利用のアーマーの下にBDUは不自然なので、極力不自然ではない、擦り切れや破損の目立つシャツとズボンに着替え、その上からアーマーを装着していく。

 

 うん、初めて着てみると、新鮮さと同時に何とも言えない開放感を感じる。

 これは確かに腹の底からヒャッハー! と叫びたくなる。

 

 さて、着替えを終えた所で皆の元へと戻ると、丁度同じタイミングでマーサも着替えを終えて戻ってくる。

 マーサも廃材再利用のアーマーを身に付けているが、動きやすさを重視して最低限のアーマーのみ身に着けている。

 その為目に付くのは、改造Vaultジャンプスーツに代わりインナーとして着用しているハーネス。

 改造Vaultジャンプスーツとは異なり、たわわに実ったメロンを締め付けるように着込んだそれは、マーサの魅力を更に強調させる。

 

 うん、これはいいものだ。

 

「その恰好なら、あそこ(レーズン・フォールズ)の連中もお二人が私の部下だと思い込むでしょう。……ただ、出来れば武装の方も違和感のないものの方がよいのですが」

 

 格好は合格点をいただけたが、肩にかけたM4カスタムは不釣り合いだったようだ。

 なので、ピップボーイに収納すると、代わりにR91アサルトライフルを取り出す。

 

「まぁ、それなら大丈夫でしょう」

 

 こうしてカウルから変装の合格点を貰うと、レーズン・フォールズへと向かうべく、ベディー(M54 5tトラック)に乗り込むのであった。




ご愛読いただき、そしてご意見・ご感想、皆様の温かな応援、本当にありがとうございます。大変励みになります。
そして、次回もご愛読のほどよろしくお願いいたします。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。