俺のグランチャーの扱い方、YESだね!
裏切り者である伊佐美 勇の確保または殺害のため、深海7000mのオルファン格納庫でカナンはグランチャーに乗り込み、出撃準備を整えていた。
「カナンの出撃は中止だ!」
「なんて言ったの?」
グランチャーのコクピットから顔を出し、カナンは疑問の声を上げる。それに答えるよう、リクレイマーの男が叫ぶ。
「ジョナサンとオレノが出る。カナン機は待機だ。」
「シラーとオレノの馬鹿も連れて行くの?」
カナンはジョナサン機の方を見て呟く。
「オレノ!シラー!ノヴィス・ノアのブレンパワードが動いている。覚悟が要るぞ!」
ジョナサンは出撃準備を整えるために、グランチャーのコンソールを調整しながら、オレノとシラーに忠告する。
「わかってるジョナサン・グレーン!俺のグランチャーは最強だ!」
忠告を受けた男。オレノ・オレオ・トッティは自信満々に答える。
オレノの身長は高く、茶色の髪に明るい緑の瞳、胡散臭さを絵に書いたような顔をしている。
オレノのその顔にはいやらしい笑みが浮んでいる。
アンチボディであるグランチャーのコクピットに座りながら、ユラユラとその身を揺らし、手首足首をグリグリ動かしている。
その様子は、楽しみで楽しみでしょうがないという気持ちがにじみ出ているようだ。
「馬鹿オレノのグランチャー自慢はなぁ。もういい加減聞き飽きましたよ。」
ジョナサンは肩を竦め、呆れたようにため息をつく。
ジョナサンはかれこれオレノと3年ほどの付き合いだ。
いつの間にかオルファンにいたオレノとなんだかんだ友人となり今に至る。
たまに友人となったことを後悔することもあるが、概ね良好な友人関係である。
「うるさいよ!最高なんだ、俺のグランチャー。わかっているだろうジョナサン。俺はわかっているさ。」
「出ましたよ、いつもの押し付け。グランチャーグランチャーばかり言って、オルファンのことなーんも考えてない。リクレイマーの風上にも置けないやつ。」
大声で己のグランチャー自慢をするオレノに、ジョナサンは笑いながら返事をする。
「はいはい、馬鹿やってないで行きますよジョナサン。オレノ。」
何時ものやりとりであるため、シラーは呆れながら出撃の催促をする。
「わかっているさシラー。よし、注水してくれ。」
ジョナサンの命令により、注水が開始される。
注水された海水に晒されるグランチャーの数は5機、その内1機は黒を基本色に一部白いラインが入った機体色をしている。
その機体がオレノの機体。オレノ・グランチャーである。
「グランチャー。帰ってきたらピカピカに磨いてやるからな。一緒にご飯も食べて、一緒に映画鑑賞して、一緒に寝て・・・それにキスもする。」
「相変わらずキモイなオレノ。ある意味尊敬だな。」
グランチャー愛と頭のおかしさが突き抜けてしまっているオレノは、
己のグランチャーにキモいことを語りかける。
それを聞いてしまったジョナサンは身震いし、ウエッと吐くふりをする。
「注水は終わったな。よし、これ以上オレノの怪奇発言を聞いてられないね。ジョナサン・グレーン出るぞ!」
「グランチャー!俺頑張るから。君のオーガニック的なパワー、最大限に引き出すから。俺のオレノ・グランチャー行こう。」
「気持ちわるいよオレノ!シラー・グラス出る!」
次々と5機のグランチャーはオルファンから出撃し、海中を浮上していく。
リクレイマーグランチャー部隊はオルファンのために今日も行く。
第一話 俺とグランチャー
「アンチボディの反応は四つだと言うのか!?
そんな機能不全のブレンパワードごときでぇ!」
勇を追い、たどり着いた場所にはブレンパワードが4機。
ジョナサンは目を見開き、叫びながらグランチャーで突貫する。
「粗っぽいぞジョナサン!グランチャーは丁寧に優しく愛でるように扱え!」
突貫するジョナサン・グランチャーを追いながら、オレノは叫ぶ。
オレノの実力はジョナサンに負けてはいない。
いざ戦闘技術となればジョナサンが上回るが、純粋な操縦技術ならばオレノが上回る。
一挙動ごと丁寧に、グランチャーを労わるような操縦はあのクインシィ・イッサーも一目置いている。
もっともオルファンよりグランチャーであるオレノの行動や言動により、クインシィのオレノに対する総合的な評価は低い。
「ジョナサンにシラーか!それに黒と白のグランチャー・・・オレノ・オレオ・トッティか!?」
「勇?オレオ取ってほしいの?今手元にはないわ。」
相手のグランチャーから、やって来たリクレイマーが誰であるかが分かる勇は、ブレンパワードに持たせたマイクロウェーブ発生器を構え、起動させる。
その後ろで宇都宮 比瑪はポカンとした表情で、見当違いの事を伝える。だいたいオレノの名前が悪い。
「敵は殲滅してぇえ!」
「裏切り者を倒すのに、ジョナサンが出る事はない!」
ジョナサン・グランチャー、シラー・グランチャーはソードエクステンションを構えながら突貫する。しかし、ユウ・ブレンの持ったマイクロウェーブ発生器が起動し、グランチャーに搭乗しているパイロットにダメージを与える。
「ぐっ!?頭痛かぁ!?」
マイクロウェーブのダメージを耐えながらジョナサン・グランチャーはソードエクステンションからチャクラ光を弾丸とし、射撃を行う。
他のグランチャーはシラーを含め、パイロットのダメージで操縦がおぼつかない。
「今叩くんでしょ!ブレンバーを使って!」
勇が振り向きながら、比瑪、ラッセ、ナンガに命令する。
「そっ・・・そっか!」
「確かに・・・黒いのがいないぞ!」
攻撃を加えようとしたラッセはオレノ・グランチャーが見当たらないことに気づく。
「一機いない?どこなの?」
比瑪は急ぎ周りを見渡すが、黒いグランチャーは見当たらない。
すると、ヒメ・ブレンに影が指す。
「そこの可愛いアンチボディちゃん!俺とグランチャーの相手をしてもらうよぉ!!」
ヒメ・ブレンの真上から、黒いグランチャーがソードエクステンションで斬りかかる。
「上からくる?防いでブレン!」
間一髪ブレンバーによる防御が間に合い、ソードエクステンションとぶつかり合う。
「君のアンチボディは愛されているのが良くわかる!アンチボディの肌が他のとは違う。俺から見ても美しく見える!おっと嫉妬かいグランチャー?大丈夫!君が一番美しい。俺は君を愛している!」
「気味の悪い感覚・・・ぞわりとくる。ブレンが・・・キモがっている?」
鳥肌の立つような気味が悪い感覚に襲われ、比瑪は冷や汗を流す。
ヒメ・ブレンが力ずくでソードエクステンションを弾き飛ばすと、オレノ・グランチャーはすぐさま距離をとる。
「そう・・・俺の名前はオレノ・オレオ・トッティ!そして最強最高至高であるオレノ・グランチャー!名乗りを上げさせてもらおう。」
「すごくおかしな人ね・・・私は宇都宮 比瑪。この子はヒメ・ブレン。優しい子よ。」
お互いに空中で斬り合いながら言葉を交わす。ヒメ・ブレンはまだ実戦経験に乏しく、オレノ・グランチャーに押されている。まともな戦いになっている理由は、アンチボディ同士の空中戦に慣れていないからだろう。
「・・・これがブレンパワードの反発力。伊佐美ファミリーが木偶呼ばわりして破壊しようとする理由がよくわかるな。」
オレノはブレンパワードが予想以上の体力を持っていることを知り、このことを秘匿していた伊佐美博士に対して不信感を抱く。しかし、究極的には自分とグランチャーさえ一緒ならば、オルファンであろうと人類であろうと眼中にないため、不信感をだこうとも、リクレイマーとしてぶれることはない。
「将来的にはオレノ・グランチャーに匹敵するやもしれん。誇るんだよちゃん比瑪!ヒメ・ブレン!良くなるぞ。だが、オレノ・グランチャーはもっと激しく良くなる。」
「誰がちゃん比瑪かー!おバカ!」
チャクラパワーだけならばグランチャーの方が上であるが、オレノはその直感でブレンの可能性を感じ取る。宇都宮 比瑪とヒメ・ブレンは伸びる。
しかし、己のグランチャーが最強であることに絶対的な自身を持つオレノにとってはちゃんと褒めているかわからない言い方しかできない。
「比瑪ちゃん!そいつの言うことに耳を貸すな!おかしくなる。」
ユウ・ブレンがヒメ・ブレンとオレノ・グランチャーの間にバイタルジャンプで出現する。
そしてヒメ・ブレンを庇うようにソードエクステンションをオレノ・グランチャーに向ける。
「勇・・・グランチャーを捨てたお前が俺の前にぃ!」
勇に対して怒りを露にするオレノはソードエクステンションによる射撃で、ユウ・ブレンに攻撃を仕掛ける。
「・・・人類を滅ぼさないためだ。グランチャーには悪いと思っている。でもリクレイマーは間違っている。オルファンで人類を滅ぼしてしまえば取り返しのつかないことになる。わからないのかオレノ!」
「わかっていないのはお前だぞ勇!俺はオルファンとか人類とかどうでもいい!グランチャーを愛すことができればなぁ!それだけで満たされるんだよぉ!」
オレノの怒りに呼応するように、オレノ・グランチャーからチャクラエネルギーが噴出する。そのプレッシャーに勇と比瑪は圧倒される。
「オレノ!ジョナサンがやられたみたいだ。勇のブレンパワードは体力が高くなっている。二人がかりでかかるぞ。」
「ええんやで。」
シラーがオレノに合流し、ユウ・ブレンとヒメ・ブレンの周りを囲い攻めかかる。勇と比瑪は次第に追い込まれていく。
「比瑪ちゃん!くっつけよ!」
「狙えないよ。」
ユウ・ブレンとヒメ・ブレンが密着し、ソードエクステンションとブレンバーをカンカンとぶつけ合う。
「1・・2・・3!チャクラエクステンション!」
「シュート!」
その瞬間、2機から膨大なオーガニックエネルギーが放出され、周囲のグランチャーを吹き飛ばす。しかし、オレノ・グランチャーばチャクラシールドを全開にし、踏みとどまる。
「これが、ブレンパワードというのか。・・・良いね!」
オレノは笑う。ブレンパワードの・・・アンチボディの可能性を感じたからだ。己がグランチャーのパワーを最大限引き出せていない。
まだまだ俺とグランチャーは高みに登ることができる。
エネルギーの放出が収まると、オレノは吹き飛ばされたシラーを回収し、撤退する。
「勇!ちゃん比瑪!良いものを見せてもらった!リクレイマーは今回は引かせてもらおう!ではまたよろしく頼みます。」
高笑いをあげながら、バイタルジャンプを駆使して離脱するオレノ。
勇はため息をつき、変わっていないなと呟く。
その横で、「あっ!?オレノ・オレオ・トッティって名前かぁ。」と比瑪は納得した様子で手を叩いていた。
以下に注意
ごく普通のグランチャー乗りが主人公
オーガニック的な会話
エセ富野節
困った時はオーガニック的なゴリ押し