ドラゴンボールZ 真武道会2アナザー   作:アンドロイドQ14

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2話 過去の世界

界王神界(未来)

 界王神はトランクスの時間移動を許してほしいためにビルスにこの事を伝えていた。

 

ビルス「なるほど、ブウ復活を目論むバビディ達を止められないからトランクスとかいう奴は時間移動したんだね?」

 

シン「はい。ビルス様、どうか時間移動という重罪を犯したトランクス君をお許しください!このままでは大変な事になるのです!罰は何でも私が代わりに受けますから!」

 

ビルス「うむ、いいよ」

 

 本来であれば重罪である時間移動をしたトランクスをビルスがあっさり許した事に界王神とキビトは拍子抜けした。

 

キビト「ほ、本当なのですか?」

 

ビルス「ほんとだよ。本来だったらブウの破壊は僕の仕事だけど、生憎僕は結構厄介な邪悪龍が東の銀河に現れたんで、今からそいつを破壊しに行かなきゃいけないから君達がやる事になったけど、君に万一の事があったら僕も死んでしまうからね」

 

ウィス「時の界王神様にも今から伝えておきましょう」

 

シン「ありがとうございます!!」

 

ビルス「ただしっ!やった事はやった事だ。トランクスには後で僕と時の界王神がきつ~~い説教をすると伝えておいてくれ。それじゃあウィス、この事を時の界王神に伝えてから邪悪龍を破壊しに行くか」

 

ウィス「かしこまりました、ビルス様」

 

 ビルスはウィスと一緒に時の界王神に報告しに行った。

 

キビト「とりあえずは許してもらえましたね…」

 

シン「では、行きましょうか」

 

 

 

ブルマの家(現在)

 ここは、トランクスによって人造人間による地獄にならなかった時代、ベジータはいつものように己を鍛え続けていた。

 

先代の全王『魔人ブウとの戦いから1年後、その間にもジャネンバやヒルデガーンが現れた事もあったが、地球は平和な日々が続いていた』

 

ブルマ『ベジータ、そろそろ朝ご飯よ!』

 

ベジータ「わかった」

 

 朝食の時間のため、ベジータは朝の重力トレーニングを終えて朝食をとった。そして、ちびトランクスが外出した後にブルマと一緒に外を眺めていた。

 

ブルマ「未来から来たトランクスが帰ってもう8年も経つわね」

 

ベジータ「7年だ。セルゲームが終わった1年後にも来たぞ」

 

ブルマ「そうだったわね。あの子が初めて来てからベジータって変わったわね」

 

ベジータ「確かにな。ブルマ、なぜこの話を?」

 

ブルマ「いいでしょ?語るぐらい。未来のトランクスは未来で元気にしてるかしら…?」

 

 未来から来たトランクスが未来で元気にしているのかが気になるブルマだったが、そんな事を語っていると未来のトランクスが使っていたタイムマシンよりも大型のタイムマシンが突如として庭に出現した。

 

ベジータ「何だ!?あれは!」

 

ブルマ「未来のトランクスが使ってたタイムマシンに似てるけど…、随分大きいわね」

 

 ベジータ夫婦は外へ出るのと同じくしてタイムマシンからトランクスが出てきた。

 

トランクス「パン、勝手に出て行っちゃダメだぞ」

 

パン「わかったわよ…」

 

ブルマ「トランクスじゃない!遊びに来たの?」

 

トランクス「母さん、今はそんな場合じゃないんだ!今すぐに」

 

ベジータ「落ち着け、トランクス!」

 

 その後、トランクスはベジータ夫婦に事情を話す事にした。

 

トランクス「父さん、母さん、俺がこの時代に来たのは」

 

ベジータ「お前では手に負えない敵が来たから俺やカカロット達の助けを借りに来た。違うか?」

 

トランクス「流石だ。俺の言いたい事を先読みしたなんて…」

 

ベジータ「お前は俺の息子だからな。おまけにバカ正直だから表情とかを見ればお前が過去に来た理由ぐらい簡単に推測できる。(来た敵は順番が正しければ…バビディ達だな?)」

 

トランクス「(父さん、何だか初めて会った時より優しくなっているみたいだ…)」

 

 話をしてると、ちびトランクスが入ってきた。

 

ちびトランクス「パパ、ママ、その人…誰?」

 

ブルマ「この人は未来から来たトランクスなのよ」

 

ちびトランクス「ええ~~っ!!この人が未来の俺!?」

 

ブルマ「厳密には、この時代とは枝分かれした未来から来たトランクスよ」

 

トランクス「君とは既に会った事があるよ。と言っても、君がまだ赤ちゃんの頃だったけどね」

 

ちびトランクス「そうだったんだ…」

 

トランクス「そうだった、早くみんなを探さないと!」

 

ブルマ「トランクス、未来ではあなたしか戦士がいないからかも知れないけど、少し気張り過ぎよ。今日はゆっくり休んで、孫君達と一緒に未来に出発するのは明日にしなさい」

 

トランクス「しかし!」

 

ベジータ「お前は真面目過ぎるから熱くなりやすいんだよ。ブルマの言う通り、今日はゆっくり休め」

 

トランクス「…すみません、父さん、母さん…」

 

ベジータ「ところで、タイムマシンが出現した時にお前のほかに1人誰かいたみたいだが、そいつはどこだ?」

 

トランクス「パンの事ですね。それでしたら、俺が呼んできます」

 

 しかし、パンは父親に会いたいがためにトランクスの待っておくようにという言いつけを破って出て行ってしまっていた。

 

トランクス「パン…、軽率な行動はするなと言ったのに…!」

 

 

サタンシティ

 父親のいない寂しさを溜め込み続けていたパンはもうトランクスの言いつけを我慢できなくなっていた。過去の時代の父親を捜しに母親の実家がある現在のサタンシティに来ていた。

 

パン「パパはどこにいるんだろう…。この時代のママの実家がある所を探ってみよっと」

 

 サタンシティを探っていると、オレンジスターハイスクールで休み時間中の悟飯とビーデルを発見した。

 

パン「あの2人、写真より若くて髪型も違うけど…パパとママだ!」

 

 念願の父親と学生時代の母親を見つけたパンはオレンジスターハイスクールへ向かった。その頃、悟飯はビーデルに自身が経験した事を色々話していた。

 

ビーデル「へえ~、悟飯君は未来から来た人と会った事があるんだ」

 

悟飯「その人が来てくれたおかげでこの世界は地獄のような世界にならずに済んだんですよ」

 

ビーデル「未来か。未来の私ってどうしてるのかしら?」

 

悟飯「それは知らない方がいいと思いますよ。知っちゃったら、それに縛られちゃいますから」

 

ビーデル「未来の事は知りたいけど、知っちゃったら縛られる。本当に悩んじゃうわね」

 

???「パパ、ママ!」

 

 突然、パンがやってきて悟飯に抱き付いた。悟飯とビーデルとパパとママと言った事に当人達はもちろんの事、クラスメイトでさえ衝撃を受けた。

 

イレーザ「ビ、ビーデル…、あの子…さっき悟飯君とビーデルをパパとママっていったわよね…」

 

シャプナー「まさか…、隠し子か…?」

 

悟飯「え、ええっと……」

 

 嫌というほど視線が悟飯とビーデルに集まり、悟飯が狼狽えたためにビーデルは慌てて悟飯とパンを連れて教室から出た。

 

ビーデル「ちょっと、悟飯君と私をパパとママって言ったわよね。あなた、何者なの?」

 

パン「私はパン、未来から来たの」

 

悟飯「って事は…、君は未来の僕とビーデルさんの子供!?」

 

 驚いていたのと同じタイミングで慌ててトランクスが駆け付けた。

 

トランクス「パン、勝手に出て行っちゃダメだ!」

 

パン「別にいいじゃない!」

 

トランクス「悟飯さん、パンがご迷惑をおかけして申し訳ありません。詳しい話は今から悟空さんにしますので、悟飯さんは学校が終わって帰ってきてから悟空さんに聞いてください」

 

 せっかく過去の時代の父親に会えたのにトランクスに邪魔された事で不機嫌なパンを連れてトランクスは悟空の家に向かった。

 

トランクス「パン、安易に正体を明かしたりしてはダメだ!君の行動でこの時代の君が生まれなくなる可能性だってあるんだぞ」

 

パン「私達の未来とこの時代は直接つながってるわけじゃないからそれぐらいいいでしょ?」

 

トランクス「とにかく、この時代の悟空さんに会わせるから、安易な行動は慎むんだ。(やはり、女の子と男の子は考え方も違うのか…)」

 

 トランクスは師であり、父親みたいであり、兄みたいである悟飯がいてくれたからベジータがいなくても愚痴は言わなかったが、パンの姿を見て、男と女は違うものである事を痛感させられた。

 

 

 

悟空の家

 その頃、悟空はチチと悟天と一緒に畑を耕していた。そこへ、パンとトランクスが来た。

 

トランクス「(悟空さん、俺が未来にいる間に生き返っていたんですね)」

 

パン「悟空おじいちゃん、おばあちゃん、会いたかったよ!」

 

悟空「お、おじいちゃん?」

 

チチ「オラをおばあちゃんと言うんじゃねえ!まだ30代だぞ!」

 

トランクス「悟空さん、チチさん、パンが急にこんな事を言って困惑してるようですけど、パンは未来の悟飯さんとビーデルさんの娘であなた達の孫にあたるんです!」

 

 急におじいちゃん、おばあちゃんと言われて困惑した悟空とチチもパンの正体が未来から来た悟飯とビーデルの娘で自分達の孫だと知ってからは喜んだ。

 

チチ「おめえ、未来の悟飯ちゃんとビーデルさんの娘なのか!?こんなかわいい孫が未来から会いに来るなんてオラは嬉しいけろ!さっきはすまなかっただ」

 

悟空「(パンは結構鍛えてあるみてぇだな)」

 

パン「おばあちゃん、あの悟空おじいちゃんに似た子供は?」

 

チチ「この子は悟天ちゃんで、悟飯ちゃんの弟だからパンにとっては叔父さんだぞ」

 

悟天「お母さん、僕はまだおじさんじゃないよ」

 

トランクス「(過去の悟飯さんに弟が?これも、歴史が変わってしまったから起こったのか…)さっき、チチさんが言ったおじさんはお父さんの兄弟の人っていう意味なんだ」

 

悟天「ふーん、そうなんだ。お兄ちゃん、トランクス君と似た姿なんて不思議だね」

 

パン「実はね、この人もトランクスって名前で、未来から来たのよ」

 

悟天「こ、この人が未来のトランクス君!?じゃあ、未来の僕もいるの?」

 

トランクス「悟天君、俺のいた未来では君は生まれていないんだ」

 

悟天「何で未来では僕が生まれていないの!?」

 

 未来では自分もトランクスみたいにかっこいい大人になってると思っていた悟天はトランクスの言葉に不満だった。

 

悟空「割り込む形ですまねえがトランクス、過去に来たのは未来で何かあったのか?」

 

トランクス「はい、実は…」

 

 トランクスは自分の住む未来にバビディ一味が現れ、しかも人造人間13号達やボージャック一味まで配下にしているために自分とパンだけでは太刀打ちできす、悟空達を連れて来る事にしたと伝えた。

 

悟空「そっか。未来に出た人造人間がこの時代でも出たから、バビディ達が未来にいても不思議じゃねえな」

 

トランクス「悟空さん達の時代にもバビディ達が出たのですか?」

 

悟空「1年ぐれえ前にな。けど、そん時はサタンの助けもあってブウをやっつけたからな」

 

トランクス「この時代のミスター・サタンが…」

 

 トランクスは自分のいた未来にいる悟飯の義理の父親となったサタンはともかく、詐欺師も同然である現代のサタンにあまりいい感情を持っていなかったため、サタンの助けもあって未来のバビディ一味が目覚めさせようとしているブウを倒せた事に驚いていた。

 

トランクス「とりあえず、俺は未来にバビディ達が現れた事をみんなに伝えます。未来へ出発するのは明日にしますので!」

 

 仲間達に知らせるため、トランクスは飛び立った。

 

悟空「パンは行かねえのか?」

 

パン「せっかくパパや悟空おじいちゃんに会えたんだから、パパとママが帰ってくるまで組手とかをしたい!」

 

チチ「パン、悟空さと組手するなら、畑を耕すのを手伝ってくれねえか?終わらせたら組手をしていいだ」

 

 パンも畑仕事を手伝って終わらせた後、悟空と組手をする事にした。

 

パン「悟空おじいちゃんも超サイヤ人になれるでしょ?私もなれるから、変身してよ。はああああっ!!」

 

 早速、パンは超サイヤ人に変身した。

 

悟空「パン、いつぐれえから超サイヤ人になれたんだ?」

 

パン「そうね、5歳の時にはもうなれたわよ」

 

悟空「(パンの潜在能力は悟天とこっちのトランクスと同じぐれえか…、それ以上かもな…)」

 

チチ「そ、そんな……」

 

 その後、チチは言葉にならないすさまじい悲鳴を上げた。

 

チチ「うわああああ~~~ん!!!パンまで不良になっちまってたなんて!!オラの家系はずっと不良になっちまうのか~~!!!」

 

悟天「お母さん、泣かないで」

 

悟空「パン、組手を始めっぞ!」

 

 悟空も超サイヤ人に変身し、パンとの組手を行った。悟天とちびトランクスと違い、パンの動きはトランクスが厳しく鍛えてただろうと悟空には推測できた。

 

悟空「(思ったよりもやるな。セルやダーブラぐれえはあるぞ!)」

 

 しばらくしてから組手を終え、互いに変身を解いた。

 

パン「悟空おじいちゃんもなかなか強いじゃない!」

 

悟空「まぁな。パンもかなり強ええが、オラはあと2回変身できっぞ」

 

パン「私、まだパパと組手をやってないけど、パパはどれぐらい強いの?」

 

悟空「ああ、悟飯はオラよりも強ええぞ。パワーもスピードもスタミナもオラより上だ。あれから1年経ってっけど、まだ悟飯を超えちゃいねえ。オラもまだまだ修行が足んねえな」

 

 そう言ってると、チチは何やら出かける準備をしていた。

 

悟空「チチ、何してんだ?」

 

チチ「せっかく孫のパンが未来から来たんでな、今日はサタンの家でパーティーでもしようと思って電話しただ。そうしたら、サタンも喜んでくれたべ」

 

悟空「よし、パン。今日はサタンの家でパーティーだ!」

 

パン「うん!」

 

 

カメハウス

 一方、トランクスはカメハウスを訪れていたが、クリリンが18号と結婚していた事に驚いていた。

 

トランクス「クリリンさん、本当に18号と結婚したのですか!?」

 

クリリン「本当だってば。それに、マーロンっていう子供もいるんだ」

 

トランクス「子供まで!?人造人間が子供を出産できるなんて……!?てっきり、ドクター・ゲロは人間を素体に生体ロボットに改造したのかと…」

 

 未来ではクリリンは18号に殺されていたのでただでさえクリリンが18号と結婚していたのが衝撃だったのに、18号が子供を出産していた事にも更に驚いていた。

 

クリリン「ロボットじゃねえって、人間をほんのちょっと改造しただけだって」

 

18号「で、用件は何だい?」

 

 トランクスは事情を伝えた。

 

クリリン「バビディ達が現れたのか…」

 

トランクス「はい。なので、クリリンさん達にも来てもらいたいんです」

 

クリリン「放っておけばブウが出てくるからな…。武天老師様、マーロンをお願いします」

 

亀仙人「うむ、気を付けるのじゃぞ」

 

クリリン「よし、みんなに」

 

???「後はヤムチャとかぐらいだ」

 

 声がした方を向くと、ピッコロと17号がいた。

 

トランクス「17号、それにピッコロさん!」

 

ピッコロ「話はベジータから聞いている。説明する必要はない」

 

トランクス「(父さん、まだ説明もしてないのに俺のいた未来にバビディ達が来たとわかったなんて…)」

 

18号「17号、あんたも未来へ行くのかい?」

 

17号「ああ。だが、未来には強い奴がいるから精神と時の部屋でピッコロや18号と一緒に修行して実力をつけてから行く」

 

ピッコロ「お前達姉弟は服装を気にしているが、服が破けても俺が直してやるから安心しろ」

 

18号「助かるよ。服に使うお金を節約できて大助かりだ」

 

トランクス「17号と18号に忠告がある。未来の世界は未来の17号と18号のせいで人々は人造人間への恐怖が深く沁みついています。だから、未来で人前を歩く時は出来る限り帽子やサングラスなどで顔が知られないようにする事をお願いします」

 

17号「やれやれ、未来の俺達のせいで俺達が自由に未来で行動できなくなっちまうとはな」

 

18号「とんだ風評被害って奴だよ」

 

17号「言っとくけどトランクス、俺達は身だしなみが大切だから、帽子とかサングラスは俺達好みにさせてもらうぞ。いいな?」

 

 それにトランクスは了承した。

 

ピッコロ「よし、神殿に行ってすぐに精神と時の部屋で修行開始だ!」

 

 ピッコロと17号と18号は神様の神殿に向かった。

 

 

 

ブルマの家

 既に仲間達にはベジータが伝えてくれていたため、トランクスは現代の自分の家に帰ってきた。

 

トランクス「ただいま!」

 

ベジータ「トランクス、仲間への伝達は俺が済ませておいた」

 

トランクス「まだ話してもいないのにバビディ達が来たとわかったなんて、父さんは勘が鋭いなぁ」

 

ベジータ「ふっ。トランクス、お前の今の実力が気になる。今から組手をするぞ。全力で来い!」

 

 被害が出ないように上空に上がった後、互いに超サイヤ人2に変身した。

 

ベジータ「超サイヤ人2になれるとは、鍛錬を怠っていないようだ」

 

トランクス「未来では俺とパンしか戦士が残っていないんです。父さん、行きますよ!」

 

 2人はぶつかり合ったが、更に鍛錬を重ねて超サイヤ人3への境地に近づきつつあるベジータの方が優勢だった。そして、しばらく格闘戦に入った後に変身を解いて降りた。

 

ベジータ「ここまでトランクスが自分を鍛えていたとはな、俺の息子として誇りに思うぞ」

 

トランクス「ありがとうございます」

 

ベジータ「よし、ブルマとこの時代のお前も連れて寿司とかでも食べに行くか?」

 

トランクス「(父さんが一緒に食べに行こうとかいうなんて…)はい!」

 

 初めてベジータに会った時はあまりいい感情を持っていなかったトランクスだが、今となっては誇れる父親と思っていたのであった。

 

 

 

レストラン

 ベジータ一家はレストランで夕食をとった。

 

ちびトランクス「ママ、パパとでっかい俺は話をしてるようだけど…」

 

ブルマ「でかい方のあんたはこの時代に来るまでベジータに会った事がないのよ。男の親子同士で話させてあげましょう」

 

 ベジータは気になった事をトランクスに話していた。

 

ベジータ「あのパンとかいう奴、あいつは遠くからでわかりにくかったが、顔がビーデルにどことなく似てたな。何者なんだ?」

 

トランクス「パンは俺の師匠の孫悟飯さんとビーデルさんの娘、つまり悟空さんの孫にあたる女の子で、俺の弟子です」

 

ベジータ「(なるほど、高い戦闘力とビーデルの面影があったのはこのためか…)あいつも超サイヤ人になれるのか?」

 

トランクス「はい。俺が武術を教える前の5歳の時にはもうなれました。そして、俺が厳しく鍛えた結果、パンは超サイヤ人の状態で完全体のセルやダーブラ並の強さを得ました」

 

ベジータ「まだ超サイヤ人2になれないが、潜在能力の方は小さい方のお前と悟天と同じぐらいか…」

 

トランクス「あの時の悟飯さんの変身を超サイヤ人2と名付けたのですか…。後、父さんに聞きたかった事があるんです」

 

ベジータ「聞きたい事?」

 

トランクス「実は…パンは俺が鍛えている時に1度だけ、超サイヤ人を遥かに超えたとんでもない変身をしたんです。父さんが超サイヤ人2と呼んでいる状態の俺でも一撃でやられて…」

 

ベジータ「とんでもない変身?パワーを上げただけじゃないのか?」

 

トランクス「違います!俺はきちんとあの時に失敗を踏まえてパワーを上げただけの変身はダメだと実際に変身してみて教えました。あの時の変身はパン自身もどうやって変身できたのかよくわからないと言っていたので、何なのかわからずに父さんに聞いてみようと思って…」

 

ベジータ「(超サイヤ人3か?だが、まだ断定はできん。そもそも、潜在能力を解放する前の悟飯は怒りが限界を超えるとすさまじいパワーを発揮したからな。未来の悟飯は効果的な修行をしてないから弱いままだったとはいえ、遺伝でパンもそういう所を受け継いでてもおかしくないようだ…)今の所は俺もわからん。だが、変身のやり方を本人が知らん以上、その変身の力はあてにせん方がいい」

 

トランクス「はい…」

 

 

サタンの家

 その頃、悟空一家は孫のパンが未来から来た記念にパーティーをやるため、サタンの家に来ていた。

 

チチ「おめえ達、今日はとびっきりのお客さんが来てるから味に妥協すんじゃねえぞ!」

 

 サタンの家のコック達の指揮をとってとびっきりうまい料理を作るチチであった。悟飯とビーデルも学校が終わって帰って来て、悟飯は悟空から大体の事情を聞いた。

 

サタン「いやぁ、孫娘が未来から来るなんて驚きで」

 

パン「もう、おじいちゃんったら、この時代でも調子に乗りやすいのは変わらないわね。私のいた時代でなんか、その性格のせいで人造人間17号と18号に殺されかけたのよ。パパが助けに来なかったら死んでたって言ってたし」

 

サタン「(未来のわしは本気で殺されかけたのか…。まぁ、あの悪いブウを生み出す原因を作ったゴミの人間にやられた時もブウさんがいなかったら死んでたし…)」

 

悟飯「パン、この写真に写っている僕が未来の僕なんだね?」

 

パン「そうだってママが言ってたわ」

 

悟飯「(本当の歴史では僕はこんな風に育っていたのか…)」

 

ビーデル「未来の私は悟飯君がいなくなってから女手一つでパンを育てたでしょうね…」

 

パン「私とママがパパの実家で暮らすまではママの友達も手伝ってくれたわ。イレーザさんはママが買い出しから帰ってくるまで話し相手になってくれたし、シャプナーなんか遊び相手にもなってくれたのよ」

 

ビーデル「(あっちの2人も無事に生き残れたのね…)」

 

パン「言い忘れてた!パパ、私とトランクスがいる時代に」

 

悟飯「バビディ達が現れたんだろう?大体はお父さんから聞いてるよ。僕も一緒に行くよ」

 

パパ「やった~!パパと一緒に行けるんだ!」

 

 そんな時、通報が入った。

 

悟飯「ビーデルさん!」

 

ビーデル「わかったわ」

 

パン「待ってよ、パパ、ママ!」

 

 犯人を取り押さえるため、悟飯とビーデルはグレートサイヤマンの恰好にチェンジして向かった。

 

 

 

サタンシティ

 銀行強盗は車で逃げていたが、あっという間にグレートサイヤマン1号と2号に追いつかれてしまった。

 

強盗「き、貴様らは…!?」

 

Gサイヤマン「私は、悪を絶対許さない、正義の味方、グレートサイヤマン!」

 

Gサイヤマン2号「同じく、2号!」

 

パン「ええ~~っ、過去のパパとママってこんな恥ずかしいコスプレの趣味があったなんて~~!!」

 

トランクス「悟飯さん……」

 

 2人のダサい恰好とポーズをパンは直視できず、様子を見に来ていたトランクスも開いた口が塞がらなかった。そして、強盗はあえなく御用となった。

 

Gサイヤマン「パン、パパのこの恰好はかっこいいだろう?」

 

パン「パパもママもこんなコスプレは恥ずかしいから帰るわよ!!」

 

 

サタンの家

 帰ってきた時にはパーティーの準備は整っていた。パンは未来から来たばかりなため、ビーデルが小さい頃に着ていたパーティー用の服を着た。

 

チチ「パン、小さい頃にビーデルさんが着てた服は似合ってるだ!」

 

パン「そうかな…?」

 

チチ「オラの目に狂いなんかねえ!さ、美味しい料理をたくさん作ったからたくさん食べてほしいけろ」

 

悟空「サタン、オラ、腹減っちまってもう待てねえぞ。さっさと挨拶してくれ」

 

サタン「そうでしたね。では、未来からパンちゃんが来てくれたのを記念して、乾杯!」

 

 早速、食事の時間になったが、悟空達の食欲は半端ではない上、ブウも半端じゃない速度でお菓子の山を平らげていった。

 

悟空「相変わらずうめえなぁ!」

 

チチ「悟空さ、今回はパンが未来から来た記念のパーティーだからパンが食べる分もちゃんと残すだぞ!」

 

悟飯「パン、早くしないと食べたい物がなくなっちゃうよ!」

 

パン「それだったら私だって!」

 

 サイヤ人の血が4分の1になっているためか祖父の悟空や父親の悟飯、叔父の悟天には及ばないものの、パンの食欲はそれなりにあった。

 

パン「パパ、悟空おじいちゃん、未来へ出発するのは明日よ」

 

悟飯「トランクスさんのいた未来へ行くのは明日か…」

 

悟空「ま、今日はいっぱい食ってよく寝て明日に備えるしかねえだろ?」

 

悟飯「はい!」

 

悟天「お兄ちゃんもお父さんも僕を忘れないでよ!」

 

悟空「わかったわかった!ブウ、オラ達がいねえ間に敵が来た時はおめえが地球を守ってくれよな」

 

ブウ「わかった。俺、悟空達がいない間、しっかり地球を守る」

 

 その晩、悟空一家はサタンの家で寝る事となった。

 

ビーデル「パンったら、もう寝ちゃったわよ」

 

悟飯「はしゃぎすぎて疲れちゃったんだろう。それに、寝顔は気持ちよく寝てる顔だ」

 

ビーデル「学校に突然やってきたり、寝る前に私と悟飯君と一緒に寝たいとか言ってたし、よっぽど悟飯君に会いたかったみたいね」

 

悟飯「パンのためにも、未来のバビディ達をやっつけなければいけないな」

 

ビーデル「悟飯君、明日は気を付けてね。それと、未来の私にもよろしくと伝えて」

 

 次の日から始まる戦いが厳しいものになると感じた悟飯は明日に備えて寝たのであった。

 

 

 

神様の神殿

 翌日の早朝、ピッコロ達は修行を終えて精神と時の部屋から出てきた。

 

デンデ「ピッコロさん、ちょうどいい時間に出てきましたね。出発の日になりましたよ」

 

ピッコロ「そうだな」

 

17号「その前に変装用の帽子とかを買ってくるぜ」

 

ピッコロ「おっと、そうだったな。この時代の17号と18号が未来に来たら未来の世界を恐怖のどん底に叩き落とした未来の17号と18号に間違われてパニックになりかねないからな」

 

18号「それじゃあピッコロ、クリリンや17号と一緒に買い物をしてくるからな」

 

 変装用の帽子などを買いに行くため。17号と18号はお店に向かい、ピッコロも先に西の都へ向かった。

 

 

 

西の都

 出発の当日、z戦士達は集まっていた。

 

悟空「ヤムチャと天津飯も来たのか」

 

ヤムチャ「まぁな」

 

天津飯「正直言って俺とヤムチャは戦いについてこれるかどうかわからないが…、やれるだけの事はやってみる」

 

ヤムチャ「クリリン、最強の地球人としての意地を見せてやれよ」

 

クリリン「ヤムチャさん、俺が地球人最強だなんて…。俺なんかより天津飯の方がいいんじゃないか?」

 

天津飯「俺はそういうのは似合わんからな。地球人最強はクリリンでいい。新技も開発したと聞いてるから、活躍を期待しているぞ」

 

 そうしている間にピッコロが来て、しばらくしてクリリン、17号、18号も来た。

 

17号「待たせたな」

 

ヤムチャ「やけに遅かったな」

 

18号「変装用の帽子とかを買いに行ってたんだよ。似合うのを見つけるのに時間がかかっちまったよ」

 

天津飯「なぜ未来に行く前にそれがいるんだ?」

 

クリリン「仕方ないだろ。17号と18号を未来に連れて行けば未来の人々はパニックになるから、トランクスから街中で行動する時は変装しとけって言われたんだ」

 

ヤムチャ「もうあれから8年経ったから、未来の17号と18号は根っからのワルだといのをすっかり忘れてたな」

 

天津飯「実力の方は大丈夫なのか?」

 

ピッコロ「その辺に関しては精神と時の部屋で鍛えたから俺と17号は超サイヤ人2ぐらいの実力がついたし、18号もダーブラぐらいの実力はある」

 

17号「頼りにしてるぜ、ピッコロ」

 

ピッコロ「スタミナ切れがないお前達姉弟もな」

 

 以前、互いに全力で戦ったからこその信頼感があったのであった。

 

ベジータ「これで全員だな。早速、タイムマシンに乗り込むぞ」

 

 一同はタイムマシンに乗った。

 

チチ「悟空さ、悟飯ちゃん、悟天ちゃん、気を付けるだぞ!」

 

ビーデル「絶対に生きて帰ってくるのよ!」

 

パン「パパ、絶対に未来を救いましょう!」

 

悟飯「ああ」

 

トランクス「それでは皆さん、未来へ向かいましょう!」

 

 タイムマシンが起動し、未来へ出発した。

 

先代の全王『遂に悟空達が未来へ出発した。果たして、悟空達はバビディ達を倒し、未来に平和を取り戻す事ができるのであろうか?』




これで2話は終わりです。
真武道会2では未来トランクスが再び過去に来て悟空達との再会が端折られたので、今小説ではじっくり1話かけてやってから未来へ行く事にしました。
ドラゴンボール超では人間ベースの人造人間は鍛える事で実力を上げられるのが判明したため、それを取り入れました。今回の話には伏線と思えるような箇所もありますが、どうなるのかは秘密なので、色々予想してみてください。
今小説のz戦士のパワーバランスについてですが、一応単体では悟飯>悟空=ベジータ>トランクス=ピッコロ=17号≧18号=パン>ちびトランクス≧悟天>天津飯≧クリリン≧ヤムチャとしています。ピッコロと17号と18号の戦闘力を引き上げたのは、人造人間編までで劇場版も含めてピッコロさんが色々活躍していたのと、サイヤ人の戦士以外も活躍させたいためです。ベジータが悟空と同じぐらいにしているのは次の話辺りで超サイヤ人3覚醒をやろうと予定しているためです。
次の話で悟空達は未来に到着し、バビディ達と戦います。

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