長らくおまたせしました!
第5話です!
今宵、
はずだった。
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「館川、正気か?奴はかなりの強敵だ。一人で挑むのは無謀だ。」
「でも、槍水先輩が行くのは逆に危険とも言える。あの感じなら、確実に勝つ為に手下を使って闇討ちすら仕掛けて来るだろうし。」
俺と氷結の魔女である槍水先輩と佐藤と白粉は狼の西区の狼の集会に参加するべくとある公園に向かっていた。
「闇討ちを受けたとしたら、負傷した状態で奴に挑むことになる。それも無謀。これはどちらが行っても無謀な戦いです。とやかく言ってられませんし、それに…」
「それに…?」
「やられっぱなしは性に合わないんでね。必ず…奴を倒す…」
「海人、勝算はあるのか?」
「大丈夫だ。洋と白粉は西区を守ってくれればいいさ。あそこにも奴の手下は来るはずだし。」
そうこうしていると例の公園に着いた。
「西区の狼達。集まっているな…?」
「氷結の魔女さんに呼ばれたらそりゃ来るでしょうよ。」
「で、
木や草が生い茂っているところの辺りから声が聞こえる。そんなに大勢というわけでもなく、数えるくらいしか居ない。それも隠れてる。
「私は…奴の挑戦は受けない。」
「なっ!?トチ狂ったか!?西区を捨てるつもりか!?」
木の陰から怒鳴り声が聞こえる。
「私は受けないだけだ。彼が受ける。彼は奴に借りがあるそうだからな。」
そう言って俺の肩を叩く。
「良いんですか?」
「お前の覚悟は本物だ。それに、言い分も分かる。」
「本気か!?氷結の魔女が行くよりもそんな下っ端狼に行かせるのか!?」
「ああ本気だ。それにコイツは下っ端じゃない。下手をすれば私の次くらいには強いだろう。」
「…アンタがそこまで言うのなら…俺は何も言わねえ。だが、氷結の魔女よ。西区が占拠でもされた日には恨むぜ。」
「構わない。さて、そろそろ時間だ。館川、頼んだぞ。私達は西区を全力で守るぞ。佐藤、白粉、行くぞ。」
「あ、はい!海人、頼んだぜ!お前に掛かってるからな!」
「館川さん!が、頑張ってください!」
「おう!」
そこで集会は終わった。
俺は奴に借りを返す為にラルフストアに向かう。
「奪いに来たなら逆に奪ってやるさ…海賊らしくな…!」
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半額シールが貼られるまであと5分。
俺はなんとかラルフストア到着した。
来る途中、案の定闇討ちを仕掛けてきた。相手が氷結の魔女じゃないと知った時に一瞬の戸惑いがあったが、すぐに切り替えたのだろう、襲ってきた。
少し負傷してしまい、無謀な戦いが更に無謀になった。だがこんな程度で負ける訳にはいかない。
俺は重い足を動かし、ラルフストアに入る。
「なっ…!?海賊…?」
「アンタは…二階堂だっけか…?」
「氷結の魔女はどうした!?」
「あの人は来ねえよ。それと、アンタ達の手下。回収しとけよ。」
「二階堂君…ここまでするなんて…!」
「松葉さん…コレは…!」
「まっちゃん、ソイツは知らないぜ。言うならボス猿だ。」
「……そんな…遠藤君が…」
「………クソっ…!」
「あ、待て!」
二階堂は
「遠藤さん、もうやめましょうよ!闇討ちまで仕掛けて、いくらなんでも…!」
「黙ってろ二階堂。お前は大人しく犬でいればいい。」
「アンタは変わった…上に立つ事だけがアンタの目標じゃなかったはずだ!純粋に狼としての戦いを…!」
「黙ってろと言ったはずだッ!!」
「うっ!?」
二階堂は
「何しに来た、海賊。お前は読んでないはずだが…?」
「代わりに来てやったよ。アンタには借りがあるんだ。あの時やられた借りがな。いくら待っても氷結の魔女は来ない。やり合いたきゃ、ホーキーマートかスーパーときわにでも行くんだな。ま、行かせはしねえけどな。」
「ふん、面白い。さぁ、半額神、ラベリングタイムだ。」
「………」
まっちゃんは黙って半額シールを弁当に貼って行く。目に涙を浮かべながら。
そして、半額シールを貼り終え、戻っていく。
「徹底的に潰してやる。行くぞッ!!!」
「待てっ!」
「なっ!?洋に著莪に槍水先輩!?なんで!?」
「私もアンタと同じでソイツに借りがあるから。」
「えーと、俺はついて来ただけ…かな?」
「西区は優秀な狼達が居るから大丈夫だと思って来たまでだ。やはり、私が来ておくべきだったか…すまない。」
「気にしないでください。これくらいかすり傷ですよ。」
「あ、海人、茶髪の先輩から伝言。」
「なんだよ。」
「「勝って帰ってきたらいい事してあげる。」だってさ。」
「……っ…」
「館川〜何想像したんだ〜?」
「う、うるせぇ!」
「……ふん、いくら集まったところでお前達では相手にならん。」
「はっ!調子乗ってられるのも今の内だ!!3人は手下を頼む!」
俺は
「俺はこの日の為に断食してきた…腹の虫の加護を存分に発揮した俺には勝てないぞッ!!」
鋭い拳が飛んでくる。しかし、当たる事はない。
「"戦い"の為に断食か?そんなのじゃ腹の虫の加護は受けれてないぜ。」
「なんだと?」
「アンタは戦う事しか見えてない。そんな奴に俺は負けないね…いや、負けるはずないな!!!」
「ぐうっ!?」
俺の蹴りが奴の腹部にクリーンヒットする。
「クソ…オラァ!!」
「そんな緩いパンチ、当たりゃしねぇよ。パンチってのはこうやるんだよッ!!!」
「な、何故だ…何故…!!お前如きに!!」
「今のアンタは狼じゃないからだ。」
「何…!?俺は…!」
「アンタは"戦い"の為に断食をしたんだろう?"半額弁当"の為にした訳じゃねえ。アンタは"勝利"のためだけに断食してたんだ。俺は違うね。アンタを倒して"半額弁当"を手に入れる。そこまで見据えていないアンタは、ただのチンピラと変わらねえな。」
「ふざけたことを…!!」
力任せな拳が飛んでくる。それを偶々近くにあったカゴでいなし、肘で
「うっぐ…」
「これで、終いだ。」
俺は怯んでがら空きの顎にアッパーを決める。
「っぐ……」
「アンタが最後まで狼だったら、誰だって倒せただろうよ。」
倒れた
今宵、狼の頂上決戦は終わった。
誰が頂上になる訳でもなく、半額弁当争奪戦として、終幕となった。
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「ずるいぞ館川!!」
「な、何がだよ!?」
「弁当勝手に取ったじゃん!!!」
「いや、だってそういう戦いだろ!?それに著莪はまだ戦ってたし…」
「一口食わせろー!!!」
「やなこった!!!!」
戦いの後、著莪に弁当を取って先に会計をしたのを怒られた。
黙らせる為に仕方なく、一口やった。
「ん〜!!!美味しい〜!!」
「ちくしょう…俺のザンギが…」
「お、ワンコ勝ってきたんだ!!」
「あ、茶髪先輩。ちゃんと勝ってきましたよ。あ、先輩もザンギ食べます?」
「んな!?アタシには仕方なくだったくせに!!」
「お前と先輩は違うんだよ!!」
「んじゃお言葉に甘えて〜」
茶髪先輩に箸を渡そうとする。が受け取らず。
「食べさせてよ〜。」
「うえっ!?いや、そんなえーっとそれは…」
「はやくしろ〜」
「ぐぬぬ…あ、あーん…」
「あーん…ん〜!!!めっちゃくちゃ美味しい!!」
「不公平だ〜!!私にも食わせろ〜!!」
「お前さっき食ったろ!!!」
「あ、ワンコの約束忘れてた。」
「約束?あっ…」
「ワンコ、じっとしてなよ。」
「??」
何をされるのか考えていると、いきなり茶髪先輩に抱きしめられる。
「!!!?」
「ワンコよく頑張ったね。最初の時とは大違い。今じゃ立派な狼ね。」
「あ、ありがとうございます…」
茶髪先輩に頭を撫でられながら褒められる。
「海人羨ましい…」
「おおん?佐藤も抱きしめられたいのか〜?」
「な!?そんな訳じゃ!だ、第一、著莪に抱きしめられてもなんとも思わないし!」
「本当か〜?んじゃ遠慮なく〜」
「うわぁぁ!?やめろぉ!!」
「騒がしいのも悪くは無いな。」
「槍水先輩、呑気なこと言ってないで助けて下さいよ〜!!」
狼達は戦い続ける。己の誇りと、弁当を賭けて。