第11話
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周りの雑音が全く聞こえず、その場にいるのは自分だけではないのかと錯覚するほどに今私、高町なのはは混乱していた。
うそ!? 今何が起こったのかな!
というよりアレだね、死にそうになった訳じゃないのに走馬燈って見えるモノなんだね!
今までの私の軌跡が見事に掛け巡って行ったよ。
いや、今も別の意味で掛け巡っているんだけどね。
何って言うかね、あれだよ今後の人生的なね?
こんな感じになってます♪
時空管理局エースオブエースと呼ばれる高町なのはさん(19)が本日殺人容疑で逮捕された模様です。
記者会見ではどうやらとっさの行動と言う事のようですが、なぜこのような行動を取ったのかは追ってご連絡します。
管理局拘置所にて刑期は10年、初めのうちはちょくちょく顔を見に来てくれていたが、年を追う事に会う回数は減っていった。
みんな忙しいのだから当然か。
拘置所に入って10年たった。本日が出所日だ。
出所早々記者がたくさんいた。10年たった今でも忘れていないとはご苦労なことだ。
あれから3ヶ月たった、しかし就職先は見つからない。
地球に帰ることにする。
翠屋喫茶で働いているが最近はミッドチルダのパパラッチがよく彷徨いている。
こんな所を撮ってどうすると言うのだろうか。
どうやらあの連中が良いように解釈してゴシップ記事を書いたようだ。
前にもましてカメラを持ったパパラッチが増えてきたので、軽くお話をした。
余計に大変な事になってしまった。
別に撃ったりなんてしていないのになんでかな?
このまま居るとみんなに迷惑がかかってしまうと思い、別れを告げずにこの場所を後にする。
故郷に別れを告げて数十年、昔任務で見つけた管理外世界に住んでいます。
誰もいない何も無いこの世界で自給自足の生活をしています。
でも、もうそれも終わりです。
享年60歳 実に早い幕引きだった。
でも人生50年って言ってた人もいるんだし生きた方かな?
以上が私の未来です!♪ って嫌すぎるよ!!
何この具体的な未来予想図!!
私考えたの最初の逮捕された所だけだよ!
{マスター、付け加えたのは私です}
{何のためにかな!!? すごい嫌な感じなんだけど!}
{ですがこのままだと確実にこの未来かと思いますが}
{うっそれは否定できない……。}
確かにこのままだとかなりまずい事にはかわりない。
{それ以前にマスター}
{何かな}
{このまま現実逃避するのは構いませんが、早くしないと本当に取り返しにならない事にないますよ}
そうレイジングハートの言うとおり、そろそろ現実をみないとだめだろう。
だがしかし、ただ確かめるという行為だけでも案外勇気が必要だったりする。
それも自分が殴り倒したというのだから尚更だろう。
{取り合えず深呼吸しては如何ですか}
「うっうんそうだね」
深呼吸、深呼吸っと
「す~は~、す~は~」
手を大きく振り上げ、大げさに深呼吸する。
するとどうだろう、目の前に鮮やかな緑色が現れたではないか。
わ~人間の血液って緑色もあるものなんだね。
などと考えていたら、見透かされたように言われた。
[アコース査察官ですね、普通に]
……
そしてなのはは棒立ちになり目の前に倒れている人物を見下ろし一言。
「どんまい☆!」
[マスターしっかりして下さい! いつものあなたならそんな事いいませんよ!]
球体なため表情などは読みとれないが、声音からしてかなり驚いているという事はよく分かる。
いつものなのはであったのなら間違いなく助けを呼ぶ、もしくはすべてを無かった事にするため砲撃により抹消するはずである。
(一部レイジングハート、その他大勢の妄想が入っています。現実に砲撃による抹消などは行いません。記憶の混濁などが起こる程度です)
「だってだって!」
[何がだってなんですか!]
目に涙を溜、地団太を踏む子供のようななのはを疑問に思いつつも理由を問いただしてみる。
「いつもいつもはやてちゃんに頭を叩かれてるから、この位きっと平気だよ!!」
[マスターのは叩いてるのではなく殴打です! 第一得物がまったく違うではないですか!]
「同じだよ!!」
まったくレイジングハートは一体どうしたんだろうか。
いつもならむしろ率先して止めを刺して下さいって言うのにな。
あ、いやどっちかって言うと最大魔力砲撃をもって撃ち落としましょうかな?
まぁ何にせよ、はやてちゃんと得物は大差ないと思うんだよね。
みんな知ってるかな、はやてちゃんの使ってるハリセンはああ見えてすごい硬いんだよ?
所詮紙だなんて甘くみてると取り返しのつかない事になるから注意しないといけないんだよ!
どの位硬いかって聞かれたら岩をも粉砕すると私は答えるね。
でもね、一番すごいのははやてちゃんなんだよ。
時には岩をも粉砕し、時には人の頭蓋骨にひびを入れ、さらに時にはいい音が出てるにも関わらず全く痛くないとゆうこの絶妙な力加減!! 実に絶妙だよね。うんうん。
と、いうわけで私とはやてちゃんの武器もとい得物は全く大差ないと思います!
[マスターの考えていることは長年仕えてきた私には手に取るように分かりますが、例え岩でも粉砕するといっても人には手加減してると思うのですが?]
「何言ってるのかな?私だって手加減してるよ」
何を当たり前だと言い張らんばかりのなのはに対しレイジングハートは言った。
[振り返り際に全力で殴打した挙げ句、屍と化したこの方を見てその台詞を言うとは流石ですね]
「そっそれは……」
などと会話していると、後ろに不穏な陰達が近づいてくる。
「いや~流石に全員にハリセンの刑はきつかったわ~」
「やりすぎですよ、はやてちゃん」
「とか言いながらシャマルさん止めなかったですよね」
「も~みなさん真剣にはやてちゃん止めてくれないんですから!」
その距離約50mである。だがしかしそれ所ではないなのはは4人が近づいている事には気づいていなかった。
「でもアコース査察官本当にどうしよう」
([病院に連れて行くという発想はないんですね])
[仕方ありませんね、マスターに知恵を授けましょう]
「えっ本当! 教えて教えて!!」
目を輝かして見つめるなのはに対し、見た目からは分からないがきっと度や顔をしているに違いないレイジングハートが言い放つ。
[このままでは殴り殺したのは明白です]
「殺してないし、まだ生きてるよ!」
[どうせ時間の問題です、そう言うわけで跡形も残らないように消し去りましょう]
「どうゆう訳かな!!? さっきまですごいまともだったのにこの数秒で何があったの!」
おかしい所の話じゃないよ! 性格がコロコロ変わりすぎだよね!?
はっ! さっきコアの部分で殴ったのが原因かな。
あ、でもその前から大分おかしかったから私の所為じゃないよね!
「仕方がない、早く病院に連れていかないと」
[なるほど、魔王から大魔王に昇格してもいいと言うんですね]
大魔王に昇格……
それはイヤだ! でもどちらかって言うと昇格じゃなくて降格なような?
などと考えている間にも4人との距離が縮まっていく。その距離約25m、あと少しである。
「人殺しになるよりましだから病院!」
[ですから肉体は塵も残りませんから問題ありません]
「塵にしてる時点で問題ありまくりだよ! もういいから病院に……」
”ポン”
右肩を見ると手が置かれている。
あれ? デジャブ?
「なのはちゃんお待たせ~♪」
「うん! お疲れさま」
にこやかな笑顔ではやてに言う。
それを見てはやてはというと。
「ほんまごめん!! ハリセンで叩きまくるなんて真似もうしいへんから! だからだからお願いや、その握りしめた愛機をお納めてください!!」
土下座してまで謝るはやてを見てなのはは誤解を解こうとしたが、その前に顔を上げたはやてにアコース査察官を見られた。
といっても後ろの3人にははやてが土下座した時点で丸見えだったわけでまぁ、言わなくても分かると思うが固まって脅えている。
「なっなのはちゃ~ん!!!?」
「ナンデショウカ?」
「何でしょうかやないやろっ! 何があったんや!」
「何って驚いて、振り返って、ゴス~ンってなってバタッっていう感じかな?」
…………
「なんでや~!!」
「はやてちゃん声大きすぎるよ」
しかしどうしよう、ばれてしまった。
取り合えずレイジングハートには相談出来ないことは確かだよね。
絶対先ほど言ったように消してしまえば良かったのにとか言いそうだもんね。
「まったく仕方あらへん、こうなったらこの死体を隠すで!!」
「なんでそんな結論になっちゃたのかな!?」
まるでどこぞの球体ではないか。
「第一ちゃんと確認しようよ! ちゃんと息してるよね!? …………かろうじて」
「最後にぼそっと言ったのはなんや」
「まぁ死体隠すゆうんは冗談や。シャマル診てくれるか~」
「はっはい」
”ゴクッ”
これは本当に生きているのかしら。
頭から出血しすぎよね、ピクリとも動かないのだけど。
いけないいけない、早く治さないと。……治るかしらこの傷。
~10分後~
「ふ~こんな処かしら」
見た目の外傷は何もなかったかのように綺麗に治っている。
周りに散らばっていた血痕はどうやらシャーリーとリインが泣きながら拭いていたようでホコリ一つ残っていない。
証拠隠滅は完璧である。
後はアコース査察官の記憶飛んでいる事を祈るのみだ。
「よし、じゃぁ起こしますか」
「えっまだ心の準備が……」
「なのはちゃん…… そんなことじゃ解決せんのや!!」
「……わかった、いっちゃって下さい!」
「まかしとけ!」
”むぎゅ”
「あのはやてちゃん……、なんでアコース査察官の顔踏んでるの」
「起こすためや」
なんで! どんな起こし方かな!?
もはや傷口に塩を揉み込むような行為だよそれ!
いくらアコース査察官と旧知の中だとしてもその扱いはないよね!! いくら何でもひどいよね?
私のやったこともどうかと思うんだけどね?
「何も踏むことはないんじゃないのかい? はやて」
「お~やっと起きましたか、アコース査察官殿」
「あははは、なんだか言葉に刺がある気が?」
「気のせい気のせい、処でこんなとこで寝そべってどないしたんですか?」
流石だね、はやてちゃん。 普段から嘘をついてるだけの事あるよ!
問題は記憶があるかどうかだよ。
「いや~それが全く覚えてなくてさ、むしろこっちが聞きたい位でね」
「覚えてないんか~、そらたいへんやな~あははは!」
{おっしゃ!完璧や。これで堂々と歩けるで}
{ありがとはやてちゃん!}
これで逮捕という危険性はなくなった。
しかし何かを忘れている気がする、そもそもなんで来たんだっけ?
するとおずおずとリインが挙手しながら言った。
「あの~二人とも忘れてるかもですけど、助けに行かなくていいんですか~」
その時二人に衝撃が走った。
あかん完璧に忘れとった……
しまった…… 緊急要請が入って急いでたんだ。
「本当に忘れてたですか?」
リインの一言で固まるなのはとはやてであったが、いち早く持ち直したはやてが言い訳をする。
「そんな訳ないやろ、これはな~愛の鞭や!!」
…………
「はやてちゃん、それは無理があるよ」
「ですよね~、あはは……」
こんな事をしている間に刻一刻と時間は迫っているので、なのはは話を切りだした。
「ふ~急いで入ろっか、3人は後から来てね! 私とはやてちゃんは先に行って止めてくるから!」
「はいです」
「3人ともちゃんと来るんやで~」
「分かってますって」
と手を振りながら二人を見送る。
「私入りたくないんですけどお二人はどうしますか?」
「奇遇ねシャーリー、私もあの中には入りたくないわ」
「二人ともそんなこと言ってないで入りますよ!!」
嫌々ながら認証機に近づいて行った。