魔法少女リリカルなのは 永遠に   作:dejitaru

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第18話

前略、地球にいるお父さん、お母さん、如何お過ごしでしょうか? 私は只今睡眠中です。夢の中はとても心地よく、安らぎを与えてくれます。

何も考えることもなく、自由気ままに漂うことが出来る空間です。特に今日の夢見は最高で、暖かいものに包まれている様なそんな安心感があります。

恐らく、昨日の出来事で精神が疲弊したため、夢の中でくらいは幸せな時を見せてあげようという心意気なのでしょう。

でも幸せな夢を見たという事は恐らく、まだまだ何か試練が待ち受けていることは間違いないと思います。目覚めの時間まで後少し、このままのんびり寝たいと思います。

 

と思ったのですが、いつもと何かが違う気がします。特に枕です。なんていうかその、硬さが違うというか柔らかく無いといいますか……、そう例えるのなら腕枕!!

ん? 腕枕? …………、いやいやそんなわけないか。でもいちお確かめて見ようかな♪

取り合えず目を開けてっと

…………

おやぁおかしいぞ♪ 目を開けたはずなのに真っ暗だ! あれかな、まだ夜だったのかな? ってそんなわけないっか!

……、じゃぁ何で真っ暗かって? はい、ごめんなさい。理由は分かっていました。ですがそれを認めると負けな気がするので取り合えず確認してみようと思います。

手始めに手を置いてみますね。

 

ポフン

 

はい、結果を言います。壁がありました。

でもあれです、まだ希望を捨てません。ベッドから落ちたという可能性だってあります! えっそんなわけがない? 私に希望を捨てさせないでください。

しかし覚悟は決まりました。勇気を振り絞って光が見える方向を見たいと思います!

では、不屈のエース高町なのは、見ます!!!

 

バッ

 

知らない男の人がいました。

 

誰!? いや落ち着け私、よく思い出すんだ! 昨日隣には確かにレンさんがいた。これは間違いない。服装だって昨日着てたやつだもん。よし、もう一回よく見よう。

 

ゆっくりと顔を上げていく。するとやはりそこには知らない男性がいた。

 

みなさん分かりましたか? 仮面を外しているレンさんでした。たぶん……。

そんなの分かってた? でも昨日寝る瞬間は仮面を付けてたんです。間違いありません。

だって仮面付けたまま寝るんだって思った事を覚えています。

それにしてもあれです。レンさんが仮面を外しているのは始めてみるので実に新鮮です。

などと暢気に言ってみましたが、非常事態です。

何がまずいかって言うとまず体勢です。レンさんが私を抱き込むように寝ているからです。

まず身動きがとれません。仮にとれたとしても安らかな寝息を立てているレンさんを起こすことは必須です。

さらにもう一つ問題があります。

今私は平然と考えているとお思いでしょう、ですが実際は違います。顔というより体全体が熱いです。きっと茹で蛸のように染まってると思います。

 

「アラームがなる前には抜け出さないと……」

 

格闘すること5分、無駄な時間が過ぎていった。

 

起床時間までに良い案を考えるんだ私!!

 

その1 魔法を使って脱出 × 理由 魔法を使った時点でバレること間違いなし。

その2 寝た振りをする  × 理由 顔が真っ赤な時点で即バレである。

その3 正直に謝る    ○ 理由 左半分という陣地を越えてレンさんの方に(おそらく寝返りの打ちすぎで)いったのが原因と考えられるため。

 

よし! その3決行で!!

まずは平常心を取り戻して、あとは如何に今後の生活に影響しない方法でこの状況を伝えるかを考えればきっといける!!!

 

ピピピピピp

 

ばっ馬鹿な! いくら何でも早すぎるんじゃないかな!?

しかもこの体勢じゃ止められない! それどころかレンさんが起きてしまう! まだ色々と準備が!!!

 

しかし無情にも鳴り響くアラームを止めるため、レンが目を覚まし止めてしまった。

暫くの間ボーとしたのち、腕に違和感を感じてか顔を近づける。

その距離およそ10cm、なのはは更に赤面する顔を押さえることは出来なかったが、長い沈黙ののちやっとの思いで一言発する事が出来た。

 

「おっおはようございます……」

「………………」

 

言ったまではよかったが無反応なレンを目の前にして、その3計画を実行することができなかったなのはであったが、レンはおもむろになのはの額に手を当てる。

 

「えっ、あの、レンさん?」

「熱いんだけど、風邪か?」

「……うっ、いやこれはそうゆうのじゃないから大丈夫です……」

 

あれ? デジャブ?

 

「ならいいがあまり無茶はするな、何かあったら俺にいえ。わかったか」

「はっはい! 早速なのですが離してもらっても宜しいでしょうかっ!」

あまりの緊張のせいで舌をちょっと噛んでしまったが結果オーライ、レンさんは忘れてたという表情で離してくれた。

 

「えっと、腕痺れてない?」

「問題ない」

その言葉を聞いてなのはは上目ずかいをしながらその3計画を実行にうつす。

 

「ごっごめんね? まさかここまで寝相が悪いとは思わなくて」

「寝相が悪いとゆうより転がってきただけだな」

「そっか転がって……、転がって? なんで分かるの?」

「起きてたから」

「ごめん、全然わかんないんだけど」

 

就寝

1時間後ぐらい、仮面を外し忘れ起床。

仮面を置くため腕を伸ばす。

その瞬間なのはが寝返りを打ち、腕を軸にレンへ体当たり。それと同時にレンの服をがっしり握り込む。

流石にまずいと思い、なのはを起こすことにする。しかし起きる気配がないため、手を剥がそうと尽力するが離れる気配なし。

時間が時間だったため、再び就寝。

 

「という感じだな」

「重ね重ねごめんなさい、次また同じ事になったら殴っていいです!」

「俺は別に気にしてないんだしそこまでしなくてもいいだろ、そんな事より支度しなくていいのか?」

「はっそうだった!!」

 

同居生活が始まったといっても普段の生活が変わるわけではないため、今日も朝から訓練です。

普段は余裕をもってアラームをセットしているため急がなくていいのですが、今回ばかりは時間をとりすぎたため倍のスピードで身支度をします。

念の為ですが着替えは脱衣所です。

っと、忘れるところでした、やっぱりどんなに急いでいても朝ご飯は必要ということで、朝食の支度もやりたいと思います。

 

ガラァァァ

 

「レンさんもご飯食べますか……!!?」

レンに朝食を食べるか聞こうと思ったなのはの前には、堂々と着替えをする上半身裸のレンさんがいた。

 

「食べる」

「すぐ作るね!」

返事を聞いた瞬間、なるべく視界に入らないように急ぎ足でキッチンに向かう。

 

 

「びっくりした~」

レンさんいつも突然なんだもん。しかもまた顔熱くなっちゃったし。はぁ~、おかしいなぁ、いつもだったら平気なんだけど……。

レンさんといるとなんだか調子狂うんだよね。

それにしてもレンさんいい体してたな、あれはやっぱり無駄な筋肉なさそうだったもんね~。

 

…………

はっ! 念のために言っておきますけど違いますよ!? ただちょっとした職業病といいますか、戦技教導官やってるとそういうのに敏感になるんです!!

 

などと考え込んでいたため後ろから近づいてくる気配に全くなのはは気がつかなかった。

 

「なにか手伝うか?」

「うわっ!」

急に話しかけられたため手に持っていたフライ返しを落としかけるが、なんとか無事だった。

「何? なんかなのはって俺が話しかけるとびっくりする率高くないか?」

心外そうな顔でレンは言う。

「ごめん、ちょっと考えごとしてたから、ご飯はもうできるから大丈夫だよ。座って待ってて」

「ん」

 

 

「おまたせ! 口に合うかは分からないんだけど、どうかな?」

本日の朝食はオムレツ風スクランブルエッグと野菜です。シンプルですが時間もそんなに掛からないしなにより今、私の中でマイブームとなっています。

「うまい」

「そっかよかった!!」

 

やっぱり緊張しているためどうもぎこちないが、なんとか朝食を終わらすことができた。

 

そろそろ時間のため、玄関へなのはは向かう。

 

「じゃぁ私そろそろ行くね!」

「あぁ、そうだ、俺の顔のことは言わないでくれ」

「へっ?」

余りに唐突な事だったため、すっとんきょんな返事を返してしまう。

「1日中仮面付けてたってことで」

「付けてないってバレたら何かあるの?」

首を傾げながら言う。

「いや……、何処になのはの隠れファンがいるかわからないからな」

「?」

「まぁなんだ、顔がバレてない方が私服で行動しやすいって事だ」

「う~んよくわからないけど、言わなきゃいいんだね?」

「そうゆうことだ」

「は~い」

「よし、いってらっしゃい」

仮面を外してから初めての優しい笑顔でなのはを送り出す。

 

「あうぅ、行ってきます……」

レンさんのいきなりの不意打ちの笑顔のせいで、恥ずかしいことに本日3度目の赤面をしてしまいました。

こんなことで赤面するのはおかしいと言われるかもしれないけどまだ耐性がないんだもん、慣れればきっと顔が赤くなることなんて絶対ないよ!

 

 

「みんなおまたせ~」

「「「おはようございます! なのはさん!!」」」

なのはより先に揃っていた4人が一斉に言った。

 

「おはよ~」

「2分の遅刻だな」

「うぐっ、これでも全力で走って来たんだけどな」

「あっだからなのはさん顔が赤いんですね!」

「えっ! あっ赤いかな?」

もうとっくに鎮火していたと思っていた頬に手を当てながらなのはは言う。

「真っ赤だな」

「にゃはは、やっぱり久しぶりに全力で走ったからかな?」

とてもじゃないが、レンさんが笑ったのを見て赤面したことを知られるわけにはいかないため、なるべく平静を装いつつ言葉を返す。

 

しかし長年一緒にいるヴィータはいつもと比べると挙動不審気味のなのはに気づき、疑いの目で声を発する。

「おめぇ何かおかしくないか?」

「そんなことないと思うけどなぁ」

内心冷や汗をかきつつも普段通り話す。

こんなことで疑いの目を向けるヴィータちゃんを誤魔化す事ができただろうかは疑問ですが、取り合えずなんとかこれでいきたいと思います。

 

「それじゃぁ今日も張り切って訓練いくよ!」

「「「はい!!」」

 

余談ですが、訓練中ヴィータちゃんにものすっごく見られながら教えました。やっぱりあれですね……、心臓に悪いです。

 

~ 昼食時 ~

機動六課スターズ、ライトニング部隊およびナンバーズを中心とした作戦会議が開かれていた。

その中心でみんなの注目を浴びている人物、部隊長である八神はやてが神妙な面もちで話を進めていく。

 

「さて皆の衆、昨日ミゼット提督が最後に言っていた詳しい詳細のデータが配布されているかと思われる。というわけで代表のなのはちゃん、読み上げるんや」

「この場合代表ってはやてちゃんじゃないの?」

「いやここはなのはちゃんで行こかぁ」

「? 変なはやてちゃん」

 

朝食、昼食、夜食、就寝にいたるまで一緒に行うこと。

 

1日に最低でも2時間は共に過ごすこと。(食事、就寝時間は計算にいれない)

 

ナンバーズの面倒をみること。

 

健康管理はお互いしっかり確認すること。

 

他にも似たような内容が50項目ほど記入されていたが、ただ一つだけ言わせていただこう。

 

「スカリエッティはお母さんか何かなのかな?」

もっとこう生活のこととかじゃなくて大会のルール的なものとか想像してた身としては拍子抜けなんだけど。

「それは私も思ったんやけどな、他にもあんねん。50項目目見てみい」

未だ神妙な面もちで話すはやてに促されながら、まだ見ていないその行を読む。

 

「えっと……」

 

五十

レン名誉元帥ならび高町なのは一等空尉は日常時も一緒にいること。なお戦闘時、訓練時を除く以外は1メートル以内にいること。

 

「名指し!? なんで!? しかも1メートル以内ってなに!!」

あまりにも理不尽極まりなく、意味不明な文を見て驚愕を隠しきれないなのはは叫ぶ。

「なのは、なのはってば、まだ続きあるみたいだよ」

「えっもう見たくないんだけど……」

すでに災難だというのにこれ以上何か書かれていたら辛いため拒否る。

 

しかし部隊長であるはやてはそんな甘えを許さなかった。

「なに甘えた事ゆっとんねん! なのはちゃん隊長やで! こんなところでスカリエッティに負けてもいいってゆうんか!! そんな弱気のなのはちゃんみたくないでぇ!」

肩を震わせ視線をずらしながらはやては訴える。

「はやてちゃん……」

別の角度から見ると顔が笑っているのが見て取れるが、なのはの角度からでは見えないため、はやての力強い一言に感動したなのはは覚悟を決めて文に目をとおす。

 

五十

レン名誉元帥ならび高町なのは一等空尉は日常時も一緒にいること。なお戦闘時、訓練時を除く以外は1メートル以内にいること。

 

PS.1メートル以上離れた場合、デバイスに組み込んだウイルスの引力で交互に相手に引っ張られます。

 

試験運用時間 2:00

運用開始時間 13:00

 

「何、ウイルスに引力って……」

もはや呆然自失となったなのはにチンクが説明をする。

 

「実は昨夜ドクターから連絡がきてな、どうやら強固型戦技場のIDチェックの機械に細工をしてウイルスが流れ込むようにしたらしい。それとデバイスが持っている情報も読み込めるようになっていたようでマスターが知られたくないと思うこと、保存されていた映像も入手できる仕掛けみたいだ」

チンクの話を聞いたティアナが挙手をして質問をする。

 

「つまりは皆さんが戦技場で暴露されたことはデバイスから漏れたって言うことですか」

「そうなるな。試験的にこのデータが役に立つかの実験も行ったそうだ」

ということは、すべての騒動はスカリエッティのせいというわけである。

 

すると今の話に疑問がよぎったフェイトがティアナに続き質問をした。

「ちょっと気になったんだけど、試験的に実験を行ったてことは何かに使うのアレ」

昨日の騒動を振り返り遠い目をしながら答えを待った。

「ふむ、確か負けたときに使うと言っていたな」

 

その瞬間ナンバーズを除く被害にあった全員が戦慄する。

「嘘でしょ! 私もっと軽い気持ちで考えていたんだけど!」

フェイトは言った。

 

「くっ! これ以上晒し出すわけにいかん! エリオ、キャロ悪いが試合になったら全力で叩き潰させてもらう!!」

大人げないことに叩き潰す宣言をするシグナム。

 

「あかんでぇ、これ以上バレたら死待つのみや……」

恐らくろくでもない事であろうはやて。

 

「…………」

これって現在進行形でデータとられるの? もしそうだとしたら一貫の終わりなんだけど。

 

そんな中IDチェック時何も言われることなくすんだ4人は安心しきっていたが、次の一言で突き落とされることになった。

「あぁそうだった、デバイスの情報は一度ウイルスに感染すると常に流れることになっているからあまり恥をかきそうなことはしないほうが身のためだな」

 

「それはつまり」

「私たちがなにも言われなかったのは新しくて情報が無かっただけで」

「今だったら隊長たちみたいなのが負けたら言われるってことで」

「しかもこれからも増えるかもしれない」

さっきとは打って変わって落ち込む4人に続き、常に流れているということを知ったなのはも落ち込むを通り越して絶望する。

 

嘘だよね。確かに現在進行形じゃないよねって思ったけどこれはまずいよ。何がまずいかって言ったらアレだよ、昨日と今日だけでもうすでに見られちゃまずいものが4つぐらいはあるんだよ? 2ヶ月だよ? どう考えても無理だとしか言いようがないよ。

あっもしかしてあれかな、パートナーと同居にしたのってただ単に弱みをデバイスに記録させるためとかなのかな?

確かに一人でいるより墓穴ほること多いよね、私が実証済みです。

 

「話変わるんやけど結局引力ってなんなん」

いち早く立ち直ったはやてが切り出す。

「そのまんまの意味で1メートル以内にいなかったらどちらか一方に引っ張られてくっつくんだ」

くっつく、その言葉と試験運用時間を考えた結果今日の抱き込み事件の理由に思いいたった。

 

つまり昨日寝たのが1時ぐらい、レンさんが起きたのが2時だとすると、お互い端っこにいたのが災いしてぎりぎり足りずその引力とやらでああなってしまったということだろう。

はた迷惑なっ! あれでもちょっと待ってよ

 

「ねぇ、もう1時過ぎてるよね? これっていつから開始なの?」

「今日からの筈なのだが……ん」

「?」

突然話を中断したチンクが見ている先に魔法陣が展開していた。

「誰か来るの?」

「何ゆっとんねん、この流れから言ったら来るのは名誉元帥やろ」

「え」

 

さてはて魔法陣を出現させてまで1メートル範囲を貫かせようという心意気、敵ながら天晴れです。

スカリエッティの脅威に負けないよう心を不屈、いえそれ以上の強さで迎え討ちたいと思います。

ですがそれほど強く決意してもレンさんの前では打ち砕かれそうな気がします。というより打ち砕かれました。

はい……、私からは以上です。

 

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