ある日、突如ジュダ・スペクターがグリッドマンを襲撃する。

凄まじい戦闘力に手も足も出ないグリッドマン。

絶体絶命のその時、あのヒーローが駆けつけた!



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グリッドマンとウルトラマンのクロスオーバーになります。どのウルトラマンが出るかはお楽しみに!


「共・演」

 

 

 

 

ある日の午前。東京都ネリマ市ツツジ台には日常が流れていた。街を駆け巡る車も、サラリーマンが乗り降りする駅から発車する電車も、太陽の光を反射しながら流れる大きな川も、少し霧がかかっているのも⋯ いつもと変わらない日常がそこにはあった。でも今日は少しその日常が崩れているように思えた。なぜなら⋯

 

 「ぐあぁッ!」

 「ふん!その程度か、グリッドマン!」

 

 巨人と見慣れない宇宙人が戦っていたからだ。

 

 

 

 

 グリッドマンは突如襲来した宇宙人、ジュダ・スペクターと交戦していた。しかしジュダの猛烈な攻撃の前に手も足も出せずにいた。一方その頃、絢 JUNK SHOPではグリッドマン同盟の一員である宝多六花と内海将がジャンクから戦いを見守っていた。

 

 「やっぱりジュダは強い。帝王の名は伊達じゃないな⋯」

 「ねえさっきから内海君が言ってる”ジュダ”って、グリッドマンが戦ってる相手のこと?」

 「ああ。あいつはジュダ・スペクター。ウルトラファイトビクトリーに登場した宇宙の帝王だ。元々ジュダってのはウルトラマン物語に登場した宇宙人でな⋯」

 

 別に求められてもいないのにジュダについて語りだす内海。が、六花が知りたかったのは敵のことなので、名前以外は特に聞いてはいなかった。

 

 「で、内海君、あいつは強いの?」

 「え?ああ、めちゃくちゃ強い。ウルトラマンだって苦戦したし」

 

 それを聞いた六花はサムライ・キャリバーの方に向いてグリッドマンの支援を頼み、キャリバーはそれを承諾した。

 

 「アクセスコード:グリッドマンキャリバー!」

 

 ジャンクの前に立ちそう叫ぶと吸い込まれていった。そして程なくしてグリッドマンキャリバーが到着し、グリッドマンの手に握られた。

 

 「電撃大斬剣・グリッドマンキャリバー!」

 

 勇ましい構えを見せる。が、ジュダは物怖じ一つしない。それどころか、そんなオモチャじみた剣など通用しないと自信満々に啖呵を切り、グリッドマンに向かって行く。

 

 「くるぞ!」

 

 キャリバーをぐっと握りしめ迎撃態勢に入る。そして振り下ろされた剣に反応しグリッドマンも振り抜く。その刹那、互いの剣がぶつかり火花が散った。そこから剣と剣の激しい打ち合いが始まった。一進一退の攻防、飛び散る火花、風を切り裂く音。この打ち合いに入り込める余地は皆無だと思わせるほど熾烈だった。

 しかし打ち合いは徐々にジュダ優勢となっていく。激しい攻撃に一時は対応できていたグリッドマンだったが、エネルギーを消耗したせいもあってどんどん差し込まれていった。そしてついに一瞬の隙を突いたジュダが均衡を破った。体勢を崩したグリッドマンに次々と攻撃を仕掛けダメージを与えていく。そしてジュダの剣がグリッドマンの体を抉るように切り裂いた。それを受けたグリッドマンは仰向けに倒れてしまった。

 

 「やばい⋯!グリッドマンがやられる⋯!」

 

 エネルギーランプが点滅しているグリッドマンの姿を見た六花は、再び振り返りマックスに支援を求めた。しかし内海がそれを制止してしまう。

 

 「どうして止めるの⋯? グリッドマンがピンチなんだよ?! このままじゃ響君は⋯」

 

 脳裏に浮かぶのはぷつんと消え、死んだように起動しなくなったジャンクの光景と裕太が生きて帰ってこれないかもしれないという恐怖だった。

 

 「⋯分かってるよ! でももしマックスさんが出撃して余計動作が重くなったらどうすんだよ!」

 「だからって⋯ 見捨てるの? そんなの酷いじゃん⋯ それでもグリッドマン同盟の一員なの!?」

 

 その言葉が内海の胸に突き刺さる。彼だって裕太を見捨てたりしたくないし、六花と同じことを思っている。しかしジャンクの低スペックさが原因でアシストウェポンがもう一機出撃すればフリーズしてしまうのではという不安があった。もしフリーズしてしまえばもはやグリッドマンに勝ち目はない。敗北あるのみだ。

 

 「⋯分かってるよ。⋯分かってるよ」

 

 ぐっと拳を握りしめ、なにもしてやれない自分を責めた。

 

 「おいまずいぞ!グリッドマンがやられちまう!」

 

 ボラ―がジャンクを指さす。そこにはトドメをさされそうになっているグリッドマンが映し出されていた。

 

 「響君!」

 

 思わず声を上げる六花。しかしどんなに声を上げても無駄だった。

 

 「終わりだ、グリッドマン」

 

 スッと剣を振り上げる。その瞬間六花は無意識のうちに救世主を望んだ。

 

 「(誰か⋯ 響君を、グリッドマンを助けて⋯!!)」

 

 彼女の頬を一粒の涙が伝い、零れ落ちたその時だった。

 

 突如として空に”穴”が開いたのだ。

 

 「なんだ!?」

 

 気を取られるジュダ。すると”穴”から二本のブーメランがジュダ目掛けて飛んできた。それをくらったジュダは後退し、グリッドマンと距離を離してしまう。ブーメランはジュダを攻撃すると”穴”に帰って行った。そして次の瞬間⋯

 

 「シェアッ!!」

 

 銀色の鎧を纏った赤と青の巨人が”穴”から現れ、グリッドマンの前に降り立った。突然の出来事にジャンク越しで見ていた一同は驚きを隠せない。

 

 「なんだあの巨人は⋯」

 「うわ、めっちゃ強そう」

 「あれもグリッドマンの仲間なんですか?」

 「いや、違う」

 

 初めて見る巨人に戸惑いを見せる。しかし内海だけは戸惑うどころか頭を抱えていた。

 

 「ありえない⋯ ありえないでしょ⋯」

 「どうしたの内海君?頭を抱えて。もしかしてあの巨人のこと知ってるの?」

 「そりゃそうでしょ⋯ だってあれは本物の、本物の⋯⋯ウルトラマン。ウルトラマンゼロなんだから!」

 

 

 「久しぶりだなジュダ。俺の弟子が世話になったな」

 「弟子? なんだそれは」

 「⋯まったく覚えてないってか? はっ!上等だぜぇっ!」

 

 銀色の鎧、ウルティメイトイージスを解除したゼロはゼロツインソードを手にジュダに向かって行く。ジュダもまた剣を振り抜くと、二人の剣による攻撃が開始される。両者とも相手の攻撃をうまく避けている。そして再び互いの剣が交差する。つばぜり合いの後、いったん距離を取るとゼロはエメリウムスラッシュを放つ。それを食らったジュダは剣でそれを受け止めはじき返した。

 しかしゼロは弾き終えたその一瞬を狙って足に炎を纏ったウルトラゼロキックをお見舞いする。

 

 「ぐああぁ!?」

 「へへっ! まだまだいくぜぇ! ルナミラクルゼロッ!」

 

 ゼロの体が青色に染まった。ルナミラクルゼロにモードチェンジしたのである。ゼロはウルトラゼロランスを手に取ると、ミラクルゼロスラッガーを同時に放つ。そして飛び上がり俊敏性を生かした攻撃と、ミラクルゼロスラッガーの斬撃を同時に食らわせた。

 

 さすがのジュダもこれには膝をついてしまう。そして敗北を悟ったのか

 

 「くっ、余計な邪魔者が入ったか。仕方ないここは一時撤退といこう」

 

 闇のオーラで姿を隠し、そのまま消え去った。

 

 「ちっ、逃げやがったか」

 

 ジュダを仕留め損なったゼロは悔しさを露にした後、倒れているグリッドマンに歩み寄った。

 

 「君は一体誰だ?」

 「俺はウルトラマンゼロ。お前がこの世界のウルトラマンか?」

 「ウルトラマン?私はグリッドマンだ」

 「グリッドマン?聞きなれないな」

 

 と、そんなやり取りをしているとエネルギーランプの点滅が速さを増す。

 

 「すまない。どうやら限界のようだ。私のことについてはまた後で話す」

 

 と、言い残してグリッドマンは姿を消した。程なくして、合体を解いた裕太と六花、内海の三人が店から現れる。

 

 「おーいこっちこっちー」

 「ん?なんだお前たちは?」

 「あの、さっきは助けていただいてありがとうございます」

 「まさかお前がさっきの巨人か?」

 

 そう言うとゼロは片膝をついて三人に近寄った。結構迫力があって怖かったのはまた別の話。

 

 「あ、はい。僕が一応合体してるんですけど⋯ ていうか目立ちませんか?その巨体」

 「まあそうだな。ちょっと体借りたいんだが⋯」

 

 この世界で活動するために体を借りる人間を探すゼロ。しかし目の前の三人以外いなかったので、裕太の横にいた内海に目を向けた。

 

 「おい、そこのメガネ!ちょっと体貸してくれ」

 「お、俺っすか!?えっ、別にいいっすけど⋯」

 

 ゼロに体を貸してくれと言われて困惑しつつも承諾する。承諾を得たゼロは早速光となって、内海の体に乗り移った。

 

 「(よっ。お前、名前は?)」

 「え!?あ、内海将です」

 「(内海か⋯ よろしくな!早速だが俺と代わってくれ。他の二人に自己紹介がしたい)」

 「あ、はい」

 

 と言うとメガネを外し、裕太と六花の方に向いた。

 

 「よう、俺はウルトラマンゼロだ。二人は?」

 「あ、響裕太です。さっきの巨人に変身してました」

 「宝多六花です」

 「裕太と六花か。二人ともよろしくな」

 

 内海なのに内海じゃない人と話しているようで、なんか気持ち悪いなあと思いつつも二人は握手を交わした。

 

 「早速だが裕太。グリッドマンだっけか?そいつのことについて教えてほしい」

 「わかりました。でもここじゃなくて、あの店で話しませんか?」

 

 と、言うと六花の店を指さす。別段断る理由もないのでゼロ内海(以下、Z内海)はわかったと返し店へと案内されるのだった。

 店に戻ると、新世紀中学生たちが出迎えてくれた。なお六花ママは昨日から用事で店にいない。帰ってきて早々彼らは裕太たちにあの巨人のことについて尋ねた。

 

 「あの巨人はどうなった?」

 「どうなったっていうか、一応話はしましたけど⋯」

 

 あの巨人と話せたんだ。とヴィットが呟いたのはさておき、裕太たちはなんとも難しいというか説明しづらそうな表情をしていた。それをマックスは察したのか、今度はそのことについて尋ねた。

 

 「何か説明しづらそうだが⋯」

 「あ、いえいえ!そういう訳じゃないんですけど⋯」

 「六花ぁ~。いい加減あの巨人がどうなったか教えろよ~」

 

 ボラ―が追い打ちをかけるように問い詰めるので六花は余計に言いづらくなってしまう。この光景を見たZ内海は自分から打ち明けた方が手っ取り早いだろうと考え、ついに口を開いた。

 

 「あの巨人なら、ここにいるぜ」

 「はあ?何言ってんだよ内海」

 「だから俺がその巨人だって言ってんだよ」

 

 その言葉に彼らは衝撃を受けた。意味不明過ぎて逆に。なんならヴィットは衝撃的過ぎて逆に笑っていたし、ボラ―も何言ってんだコイツと言わんばかりの表情だった。

 

 「ハハハハ。いやいや何言ってんのぉ」

 「⋯内海お前、勉強のし過ぎで頭おかしくなったのか?」

 「おい!なんだよその言いようは!」

 

 信じてもらえずバカにされたのが癪に障ったのか、Z内海はつい喧嘩腰の口調になってしまう。このままでは説明するどころか喧嘩に発展しそうな雰囲気だったので、裕太は一旦Z内海を店の外に連れていき、六花は新世紀中学生たちにあの巨人は今、内海と同化しているとなんとか説明して納得させていた。

 

 「なんだよ?」

 「あの、ゼロさん。正直言うとすごいややこしいし、誤解を招いてるんですよね。内海の姿で話されると」

 「じゃあどうやって説明すんだよ」

 「それは今考えてます。とにかく!内海に戻ってください!」

 

 そう言われて渋々ゼロは内海に意識を返す。

 

 「⋯っと」

 「あ、戻った?」

 「戻ったよ」

 

 内海は意識が戻ったと言っているが、裕太はいまいち信じられないので顔をじっくりと見つめる。

 

 「俺だよ!内海だよ!戻ってるよ!」

 「あ、内海だぁ⋯」

 

 ようやく信じてくれてホッとする内海。六花の方もなんとかなったようなので二人は店に戻ることにした。

 

 「あ、内海君。戻ったの?」

 「ああ。戻ったよ」

 「ホントかぁ~?」

 

 疑うように内海の顔から体まで見つめるボラ―。すると何を思ったのかいきなり彼の脛を蹴ったのだ。当然ながら脛を抱えて悶絶する。だが、ボラーはこの痛がる様子を見て内海だと確信するのだった。

 

「うん。お前内海だ」

「⋯何も蹴る必要はないでしょ⋯」

 

 痛がる内海をよそに裕太たちはどうやったらゼロと内海を分けて会話できるか話し合っていた。が、そんなこと不可能なので解決するには苦労する。が、六花の思わぬ一言が答えを導くカギとなった。

 

 「このヘッドセットをジャンクに繋いで内海くんにかぶってもらうのはどう?」

 

 年季の入ったヘッドセットを手に取って見せた。もちろん裕太はそんなことできないでしょと言うのだが、マックスがまあやってみる価値はあると言ったので、とりあえずジャンクとヘッドセットを繋いで内海にかぶせた。

 

 「どうグリッドマン?」

 『特に何も起こらないが⋯』

 

 試みは失敗に終わったかに見えたその時。

 

 『よっと!』

 「あ、ゼロさん!」

 『へへ。ようみんな。俺がウルトラマンゼロだ。よろしくな!』

 

 グリッドマンを押しのけて割り込むようにゼロがモニターに映ったのだ。

 

 『おい!ここは私の空間だぞ!』

 『そんなケチケチすんなよ。ってかお前の声、どっかで聞いたような⋯』

 『話を聞け!』

 

 まるでコントのようなやり取りを繰り広げるのだった。

 

 『と、それはさておき本題に入るか。まずこの世界のことやグリッドマンのことについて教えてくれ』

 

 裕太たちはこの世界は怪獣の危機に晒されており、怪獣に殺された人間は存在がなかったことにされる。また次の日になればどんなに街が壊れてもすぐに修復され、人々は怪獣のことを忘れてしまう。そんな危機に立ち向かうのが自分たちとグリッドマンであることを説明する。

 

 『なるほど。不気味な世界だ』

 「はい。じゃあ次はゼロさん、どうしてあなたはこの世界にやって来たのですか?」

 

 そう聞かれたゼロはウルティメイトブレスレットに触れながらこう言った。

 

 『こいつに導かれたんだ。たぶん、ジュダの闇のオーラを感じたんだろう』

 「宇宙の帝王ですもんね。あいつ」

 『ああ。って内海なんでジュダが宇宙の帝王だって知ってるんだ?』

 

 そう聞かれた内海は、この世界ではウルトラマンはテレビで放映されている空想上のヒーローであり、これまでのウルトラマンの戦いやゼロとベリアルの因縁もすべて架空の出来事として認識されていると説明した。

 

 『なるほどな。だからジュダのことを知っていたのか』

 「はい。でもあのジュダって変じゃないですか?

 『ああ、今回のあいつは変だ。まるでグリッドマンを狙っているようだった』

 「ではあいつの標的はグリッドマンということか」

 『ああ。だが安心しろ。このウルトラマンゼロがサポートするぜ!』

 「ありがとうございます!」

 『心強い味方だ』

 『へへっ。気にすんなよ。お前も俺も同じ平和を守るヒーローだろ?ヒーローは助け合いだ』

 

 ゼロとグリッドマンは固い握手を交わす。その後、ヘッドセットの接続が切れゼロは内海の元へと戻った。

 接続が切れてヘッドセットを外した内海はいきなり裕太のほうを向いた。

 

 「ん?どうしたの内海」 

 「いや、その⋯ 今朝のことなんだけどさ」

 

 頭を掻く内海。どうやら今朝の出来事について謝りたいようだ。が、ふとこんな不安がよぎる。もしこの場で自分が理由があったとはいえグリッドマンのこと見捨てかけたことを打ち明けてしまったら、裕太はどれだけショックを受けるだろうか。もしかしたらこの後の戦いに影響するのではないか。と⋯。

 結局内海は何も言えず、小腹がすいたから何か買いにいくと言ってはぐらかし、逃げるように店を飛び出すのだった。そんな彼を見ていたボラーは人知れず彼を追うように店を後にした

 

 

 

 

 店から逃げた内海は、川のほとりのベンチでおぼろげに遠くを見つめながらスペシャルドッグを口にしていた。そんな彼の隣にボラーがやって来る。

 

 「どうしたんだ内海?元気ないな」

 「今朝のことすごく悩んでて⋯ 」

 「あ~⋯あれは一概にお前が悪いとは言えないだろ」

 「だとしても、見捨てようとした事実は変わらないですよ⋯」

 

 ふとこんなことを呟く。

 

 「ボラーさん。俺、ウルトラマンに相応しいですかね?こんな友達を見捨てるような男が、他人の命を救えるんでしょうか?」

 

 ボラーは内海の質問にしばしの沈黙の後こう答えた。

 

 「別にオレは内海がウルトラマンに相応しくないとは思わないけどな。あの時だってグリッドマンを助けようとしたけど色々な理由があって無理かもしれないって感じだったろ?つか、お前が簡単に友達を見捨てる人間なら、そもそもこの戦いから逃げてるだろ?」

 

 そう励ますように肩をポンと叩く。が、当の本人には励ましとなっていないようだった。

 

 

 その頃店では、ジュダの襲撃に備え各々休息を取っていた。

 

 「ねえ六花。さっきの内海なんか変じゃなかった?」

 「そ、そう⋯?」

 

 六花は今朝の出来事を隠すかのようにはぐらかした。

 

 「(ジュダとの戦いが終わったら、私も手伝ってあげよう)」

 

 そう心に決めたその時、裕太のアクセプターが鳴り響く。

 

 「ジュダが⋯⋯ 来る⋯⋯!!」

 

 裕太の言葉通り、街のど真ん中にジュダが再び舞い降りた。

 

 「出てこいグリッドマン!貴様が現れるまで、この街を破壊しつくしてやる!」

 

 そう言って剣を振り払い、挑発するように建物を破壊していく。街が壊されていくさまを間近で見ていた内海たちは急いで店に戻ろうと走り出す。だがその間も内海の表情は曇ったままだった。そんな彼にボラーは内心イライラしていた。

 

 その時、ビルが破壊されコンクリートが落ちてきた。しかもその落下地点には母親とはぐれた少女がいた。このままでは命が危ない。そう思った瞬間、内海の体は無意識のうちに走り出し、少女を抱きかかえ間一髪のところで危機を脱した。

 

 「お兄ちゃんありがとう」

 

 内海に感謝する少女。するとどこからともなく声が聞こえてきた。どうやら母親のようだ。少女は内海の元を離れ母親と再会するのだった。母親との再会に笑みを浮かべる内海。そんな彼にボラーはこう言った。

 

 「な、言ったろ。お前はウルトラマンに相応しいって」

 「えっ⋯?」

 

 まだ気づいていないようなので痺れをきらしたボラーが内海の脛を蹴って先程の親子を指さす。そこには涙と笑顔がこぼれる親子の姿があった。

 

 「あれを見ろ!あの親子の笑顔をお前は救ったんだ!これでもまだ自分は他人を見捨てる最低なヤツだ、ウルトラマンに相応しくないって言うのか!!」

 

 頭をガツンと殴るようなボラーの檄にハッと目を覚ます。そうだ、あの笑顔は自分が救ったんだ。俺は命を見捨てたりはしなかったんだ。ついに迷いを振り切った内海は裕太たちの待つ店に向かって走り出した。駆け出した内海にボラーは笑みを浮かべながらこうつぶやいた。

 

 「最初っからそうしとけ」

 

 一方その頃内海の帰りを今か今かと待ちわびる裕太たち。しかしこのまま待っていれば街は破壊される一方なので裕太は内海の帰還を待たず一人戦いに赴こうとする。その時。店の扉が開き、息を切らした内海が戻って来たのだ。

 

 「内海!」

 「内海君!」

 「悪ぃ。待たせちまった」

 「早く変身しよう!」

 

 「(もう迷いは振り切ったのか?)」

 「ええ。もちろん」

 

 小さい声でゼロの問いに答えるとジュダを倒すため、ジャンクの前に立ち並ぶ。

 

 『二人ともいけるか?』

 「うん!」

 「もちろん!」

 

 力強くそう言うと裕太はプライマルアクセプターを、内海はメガネを外し、ポケットからゼロアイを取り出す。

 

 「アクセス⋯⋯ フラーッシュッ!!」

 「シェアッ!」

 

 裕太は腕を十字に交差しボタンを押し、内海はゼロアイを装着する。二人は光に包まれた。

 

 ジュダに破壊され尽くし絶望漂う街に二つの光が空に輝く。そして光と共にグリッドマンとウルトラマンゼロの二大ヒーローが舞い降りた。

 

 「来たか」

 「お前の野望は私と!」

 「このウルトラマンゼロが打ち砕く!」

 「フン!たとえ一人増えたところで私に敵うものか!」

 「試してみるか?行くぜグリッドマン!」

 「ああ!!」

 

 その一言と共に二人の巨人は構えを取りジュダに向かって行く。先手を打ったのはゼロ。ゼロが飛び蹴りをすると、続くようにグリッドマンがパンチを繰り出す。しかしジュダはそれを避けると真っ二つにしようと真一文字に剣をを下す。二人は左右に分かれることでその攻撃を避けた。

 ゼロは攻撃を避けた勢いそのままにゼロスラッガーを放つ。ジュダは飛んできたスラッガーをグリッドマンの方に弾く。が、グリッドマンははじき返されたスラッガーを蹴り飛ばしさらに勢いをつけると、さすがにその攻撃には対応しきれなかったのか懐が一瞬空いてしまう。その隙をついて二人は両脇に立って同時に腹に二発蹴りを入れ、正面に回るとそのまま胸に蹴りを入れた。

 

 「小癪なぁ!!」

 

 闇のオーラを纏った斬撃を放つ。グリッドマンとゼロは飛び上がり

 

 「ウルトラゼロキック!!」

 

 二人同時にキックをお見舞いし、ジュダにダメージを与える。

 

 「へへへ!どうだ!」

 「ゼロ、一気に行くぞ!」

 「おうよ!」

 

 そう言うと二人はエネルギーを集中させる。そして

 

 「グリッドォォォ⋯⋯ ビィィィーーム!!」

 「ワイドゼロショット!!」

 

 必殺光線が放たれる。ジュダにはそれを避ける暇はなく、そのまま喰らい爆発するのだった。

 

 「へっ!俺達をなめんなってことだ!」

 「やったな、ゼロ」

 

 ジュダを倒したと確信した二人。その時、硝煙の中からジュダの声が聞こえてきたのだ。

 

 「フッフッフ⋯ これで勝ったと思うな」

 「へっ!負け惜しみか?だったらもう一度かかって来いよ!」

 「フン!これからそんな口など聞けぬようにしてやるわ!」

 

 と、言うと光が放たれ、硝煙をかき消すほどの風が舞った。思わずガードする二人。そして顔を上げるとそこにはジュダの姿はなく、金色に煌めき、まるで要塞のような大きな怪獣が現れていた。

 

 「これが我が真の姿。スーパーグランドキング・スペクターだ!」

 「なんだあの姿は⋯!?」

 「へっ!確かに迫力は増したが⋯ でかいだけじゃあ俺達には敵わないぜ!ストロングコロナ、ゼロッ!」

 

 啖呵を切ると、ゼロはストロングコロナゼロへと変身し駆け出す。そして勢いをつけて威力の増したビッグバンゼロを繰り出した。しかし⋯

 

 「なっ!?」

 「そんな貧弱な攻撃、効かぬわ!」

 

 ダメージはおろか傷一つ与えられなかった。それどころか左腕の鉤爪でゼロを攻撃し吹き飛ばした。

 

 「ぐあぁッ!」

 「ゼロッ!?」

 

 いとも簡単にゼロを吹き飛ばしたSグランドキング・スペクターの力をまざまざと見せつけられたグリッドマンは、応援に駆け付けたバトルトラクトマックスと合体し、マックスグリッドマンに変身する。そしてゼロと同じように力を込めたパンチのラッシュを食らわせる。

 だがそれでもまったくと言っていいほどダメージを受けている様子はなかった。それどころか右腕の大剣の一突きでマックスグリッドマンを同じように吹き飛ばしてしまう。

 

 「なんてパワーだ⋯!?」

 「フン!どうした?その程度か?」

 「なめやがってぇ⋯!」

 

 二人は立ち上がると先程と同じようにエネルギーを溜める。

 

 「マックス!」

 「グリッドォォオ⋯!」

 

 「ガルネイトォォオ⋯!」

 

 「「ビィィィーーム!!」」

 「バッスタァァァーー!!!」

 

 先程よりもより強力な光線が放たれる。避けるそぶりを見せずそのまま受け止めると、再び爆発が起きた。

 

 「やったか?」

 

 渾身の一撃を放ったので倒したはずだった。しかし硝煙が晴れ始めると、金色に煌めく装甲がうっすらと見え始め、徐々にその姿を現し二人を絶望に陥れた。

 強力な光線をを喰らってもなお、Sグランドキング・スペクターの装甲には傷一つついてはいなかったのだ。

 

 「なっ!!」

 「フハハハ!喰らえぇ!」

 

 今度はこっちの番だと言わんばかりに腹から赤い破壊光線を放つ。拡散した光線はグリッドマンとゼロの足元に着弾、大爆発を起こした。それを受けた二人はマックスグリッドマン、ストロングコロナの変身を解除してしまうほど大ダメージを喰らってしまう。それを裏付けるようにエネルギーランプ、カラータイマーが点滅を始めてしまう。

 

 「ぐっ⋯ あっ⋯⋯!」

 「クッ、クソ⋯⋯!」

 「フハハハ!先程までの威勢はどうした?まあ、次で終わらせてやるがな」

 

 二人を煽ると、次でトドメを刺そうと再びエネルギーを充填し始める。しかし今の二人はダメージのせいで動くことが出来ない。このままでは直撃してしまう。

 

 「ゼロさんとグリッドマンが!」

 

 ジャンク越しにそう叫ぶ六花。しかし一番強いとされるマックスが敵わなかった以上、他のアシストウェポンたちが応援に駆けつけても敵わないだろう。

 このままやられてしまうのか⋯ 絶望に打ちひしがそうになったその時、ふと見慣れないフォルダーを発見する。それを開くとそこにはなぜかグリッドマン用のウルティメイトイージスのデータが入っていたのだ。

 

 「もしかしたら⋯!」

 

 疑う暇はなかった。無意識だった。とてつもない速さで使えるようにプログラミングし完成させた。

 

 「よし、これで⋯」

 

 最後にアクセスコードを入力する。

 

 「アクセスコード:ウルティメイトイージス!!」

 

 そう言ってエンターキーを押すとウルティメイトイージスは転送された。そして光線が放たれたと同時に現実世界に現れたイージスは、それを防ぐかのようにグリッドマンの前に現れた。

 

 「これは⋯!」

 「ウルティメイトイージス!?まさか、グリッドマン用の? まあいい。そいつと合体しろ!グリッドマン!」

 「了解した!」

 

 そう言うとウルティメイトイージスは分離し、ゼロと同じようにグリッドマンの体に装着される。

 

 「超越合体超人・ウルティメイトグリッドマン!!」

 

 ウルティメイトイージスを装着したウルティメイトグリッドマンが降臨した。

 

 「ウルティメイトグリッドソード!!」

 

 右腕に装着される白銀の剣から超強力な斬撃が放たれる。Sグランドキング・スペクターはそのまま受け止めるが、凄まじい威力に撃ち負けダメージを負ってしまう。

 

 「ば、バカな!」

 「(すごい⋯!アレがイージスの力⋯!)」

 「見とれてる場合じゃないぜ内海。俺達も本気出すぞ!」

 「(はい!)」

 

 そう言うとインナースペース内の内海はメガネを外し、ゼロ専用のライザーを起動、ゼロアイを合体させ、二つのウルトラカプセルを起動する。

 

 「ギンガ、オーブ!」

 

 「ディアッ!」

 「ショウラァ!」

 

 「ビクトリー、エックス!」

 

 「フッ!」

 「イィーサァー!」

 

 二つのカプセルをナックルに装填、そしてそのままリードする。

 

 『ネオ、フュージョンライズ!』

 

 「「俺に限界はねえ!」」

 

 ライザーを目の前に持っていくとトリガーを引く。

 

 「ハアァッ!」

 

 『ニュージェネレーションカプセルα、β! ウルトラマンゼロビヨンド!』

 

 「デェェアッ!」

 

 ゼロの最強形態、ウルトラマンゼロビヨンドが降臨した。

 

 今ここに、ウルティメイトグリッドマン、ウルトラマンゼロビヨンドの最強形態が邂逅する。

 

 「どんな姿になろうと無駄だ!」

 

 そう言うと巨体を揺らしながら二人を攻撃しようと歩み始める。ゼロビヨンドはそれに向かって行き、腹にゼロ百裂パンチを繰り出す。目にも止まらぬ凄まじい勢いと威力のそのパンチはいともたやすくSグランドキング・スペクターを吹き飛ばした。

 

 続けざまにUグリッドマンがソードで切りつけていく。右腕の大剣と左腕の鉤爪で抵抗しようとするが両方とも破壊され、最後には強力な一撃をお見舞いされ後退する。

 

 「ば、バカなぁ!こんなことが⋯!!」

 「(これが俺達グリッドマン同盟と!)」

 「(ウルトラマンゼロの力だ!)」

 

 そう言うとグリッドマンはイージスをファイナルウルティメイトモードに移行させエネルギーをチャージ。ゼロは周囲に八つの紫色の光球を出現させる。

 

 「ウルティメイトグリッドォォオオ⋯⋯!!」

 「バルキィィイイ⋯⋯!」

 

 「シューーット!!!」

 「コーラスッ!!!」

 

 ウルティメイトグリッドシュートとバルキーコーラスが放たれる。最強の威力を持つ二つの必殺技を受けたSグランドキング・スペクターは爆発四散し、ジュダの魂も消え失せ完全に倒されるのだった。

 

 「やったな」

 「ああ。ありがとう、ウルトラマンゼロ」

 

 二人の最強のヒーローは固い握手を交わすのだった。

 

 

 

 

 夕暮れ時。裕太、内海、六花、新世紀中学生たちはジュダを倒し、内海と分離したゼロを見送るため、河川敷に集まっていた。

 

 「ありがとうゼロさん。あなたのおかげで勝てました」

 「へへへ。お互い様だろ? グリッドマンにもよろしく言っといてくれ。あ、それと内海」

 「はい?」

 「これからも⋯⋯ がんばれよ!」

 「⋯⋯はい!!」

 

 ゼロはその一言を告げると時空の彼方へと去っていくのだった。ゼロを見送った後、内海は勇気を出して裕太に今朝の出来事を告げる。

 

 「裕太、俺⋯⋯ 今朝の戦いの時、フリーズするのが怖くてマックスさんたちに援護を行かせなかったんだ!ホント⋯⋯ ごめん!!」

 

 内海の告白に裕太は⋯⋯

 

 「いいよ、内海。これからもよろしく!」

 

 と、手を差し伸べた。内海はその手を握り締め、改めて同盟を結ぶのだった。

 ここは新条アカネの部屋。部屋の主であるアカネは機嫌がいいのか鼻歌を歌いながら怪獣を作っていた。机には、現在制作中の怪獣の模型と彼女が制作したジュダ、グランドキングの模型が置かれていた。

 

 「しかし残念だったねぇ。あと一歩のところでお客様を倒せたというのに」

 「でもまあ収穫もあったからね」

 

 何の収穫があったのかわからないアレクシスはそれを問いかける。

 

 「グリッドマンにウルトラ怪獣が効果的なのは分かったけど、それ以上に面倒なウルトラマンが来ちゃったからね。特に最近のウルトラマンは平気で次元を超えちゃうから、夕陽の風来坊とか来られると厄介なんだよねぇ~」

 「なるほど。それは厄介だねぇ〜」

 「でしょお? だから、今後も私オリジナルの怪獣でグリッドマンを倒すことにしたんだ♪」

 「うんうん。それが一番だよ」

 「これからもよろしくね、アレクシス!」

 「こちらこそ。よろしくだよ、アカネくん」

 

 

 




アニメ本編に描かれていない描写は自己解釈で表現しているのでご了承ください。なお、本編次第ではグリッドマンの名称を変えることがありますので、重ねてご了承ください

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