バンド姉妹の兄ちゃんは霊媒師(物理)   作:黒色エンピツ

11 / 23
一人ぼっちの天体観測

朝起きてリビングに向かうと既に紗夜が起きていて、天気予報を見ていた。

 

『本日は天気も良く流星群が良く見えるでしょう。』

 

へぇ、流星群か。

 

「おはよう、紗夜。」

 

「あ、おはようございます、兄さん。」

 

あれ、なんかいつもよりぶかぶかな服来てるな。

 

「あ、それ俺の服か。紗夜が着てるんだな。」

 

そう指摘すると紗夜は少し顔を赤らめた。改めて言われると恥ずかしいよね……臭いとか大丈夫かな?変な臭いしてないよな?

 

「こ、これは家だとリラックスするために少しの緩い服の方がよりリラックス出来るから……。」

 

「あ、なるほどね。それは分かる。

まあ、俺はもう着れないから紗夜にあげるよ。」

 

捨てるのも勿体ないしね。

するとスマホが鳴る。

 

「氷川です。」

 

『協会の者です。警察と病院から我々に依頼が届きました。原因不明の意識不明状態の患者が急に増え、確認した所、呪われている事が分かりました。患者の呪いは解呪に試みましたが、半分解呪出来たという状況です。完全な解呪のために現地へ向かい呪いを早く祓う事が必要となりました。

そのため、最も近い場所を担当しているあなたへこの依頼をお願いします。』

 

「一気に言ったな……。つーか、帰って来たばかりなのに、随分と扱き使うんだな、近いだけじゃないだろう、何があった。」

 

『……申し訳ございません。他の方にも依頼しましたが返り討ちにされました。』

 

「そりゃまた、どうして?他の人も並の呪いや霊に負ける様な人達じゃなかったはずだ。」

 

『人の手が介入しています。今までやられた人員は全て霊ではなく、人に襲われて失敗していると意識を取り戻した一人の証言があります。その為、対人との格闘に慣れているあなたに回ってきました。』

 

「分かった。じゃあ今日中に終わらせちゃうから、場所を教えてくれ。」

 

『メールで送らせていただきます。』

 

「頼む。」

 

そう言って切る。さて、人が攻撃してくるのか……。

 

「兄さん、また仕事なの?」

 

「うっ……まあ、俺にしか出来そうに無いし……。」

 

霊だけなら他の霊媒師でも良いけど、人が出てくるならもやしだからダメなんだよなぁ。

 

「そう……。」

 

紗夜が残念そうに呟く。あ〜、罪悪感!

 

「ごめんな、今度一緒にどっか行こうか。」

 

「私は兄さんが居ればそれで……。」

 

「嬉しい事言ってくれるなぁ。」

 

兄冥利に尽きるぞ。

ソファの後ろから軽く抱き締めて頭を撫でる。昔からこれ好きだったよな?

 

「ちょ、ちょっと兄さん、流石に恥ずかしいわ……。」

 

「良いだろー?お兄ちゃんだって紗夜に構いたいんだぜ。」

 

「それは嬉しいけど、日菜に見られたりしたら……。」

 

「おっはよー!あれ?おにーちゃんとおねーちゃん何してるの?あたしも混ぜてー!」

 

「ほら……。」

 

「良いじゃないか。ほら、日菜ちゃんもおいでー!」

 

「おーにーちゃーん!」

 

ズンッ!と日菜が突進してきて抱き着いてきた。頭が鳩尾に刺さってとても痛い。

 

「兄さん、顔が青いわよ、日菜も離れなさい。」

 

「は〜い。」

 

「は、ははは、元気でよろしい……。」

 

「あ、あたし、今日の流星群をこころちゃん達と見るんだけど二人とも一緒に行こうよ!」

 

「私は大丈夫だけど……。」

 

妹達と……天体観測、だと……!?ふざけるな!何でこんな時に結構危ない仕事が入って来るんだ……!!

 

「日菜、ごめんよ。お兄ちゃんな、仕事入っちゃったんだ……。」

 

「そっか……じゃあ、おにーちゃんの分もおねーちゃんと見てくるね?」

 

日菜は残念そうにそう言った。今度どっかに連れてってやるからな……!!

いってらっしゃーい、と見送られて外へ出る。……今回の犯人は絶対に許さん。

一応の武器として木刀を長い布袋に入れて持ち歩く事にした。人間だしね。

 

「さてと、場所は……少し遠いな。」

 

車で4時間って所か。しかも森の中、神社の近くか。呪いをかけるならうってつけだな。

 

「途中でガソリン入れないとな。」

 

あー、めんどくせー。

 

 

 

 

「到着っと、ここからは歩きか。」

 

着いたのは昼過ぎだった。

目的の地点に行く前に先に近くの神社に寄る。ここでも警戒を怠ってはいけない。神社へ向かう道には長い階段があり、両側は木々で囲まれていてこちらからは見えづらいがあちらからは見つけやすい道となっている。

その道を木刀を布袋から取り出して歩き出した。

 

「うわぁ、これはまた……。」

 

幸いにも襲われずに神社に来れたと思い、随分と立派な神社を見渡せば荒れ放題だった。しかも悪い気が漂っている。

 

「これじゃあ神様も弱ってしまうな。」

 

勝手だが、先に掃除をしようと思い掃除道具を探す。

そこでなんとなく後ろに木刀を突き出す。

 

「な、なぜ……。」

 

白い服を着た男のが倒れた。右手に持った金槌で俺を殴ろうとしたらしい。

気配や足音がしなかったからそういうのに特化した何かをしたのだろう。よく分からないけど。

いやぁ、運が良かった。俺の直感も捨てたもんじゃないな!

 

「ほうほう、丑の刻参りか。」

 

右手に金槌、腰に藁人形、懐に誰かの写真や毛髪、頭に蝋燭。うーん、分かりやすい!

男を縛り上げて掃除を続ける。

 

 

 

 

「よっし!綺麗になった!」

 

日が沈みかけるまで掃除を続けてようやっと終わった。

 

「あれ、あの男どこに行った?」

 

しっかりと縛ったはずなんだけどな。

 

「流星群の時間もあるから早く終わらせたいな。」

 

同じ場所では見れなくとも、流星群を見れたら良いな。

探そうと森へ向かうと多分呪いである、黒い塊が飛んできた。

 

「……馬鹿なやつ。」

 

それを片手で振り払うと呪いは来た道を戻って行った。あれに付いて行こう。

 

「ぎゃぁぁああああ!!!」

 

予想通り、男が丑の刻参りを行っていた男は地面に転がって苦しんでいた。

 

「呪いってのはな、返されたら自分に降り掛かるんだよ。呪うくらいならさっきみたいにすれば良かったな。

悪い事をすれば、自分に返ってくるんだ。」

 

男の頭を殴って気絶させて、呪いを取っ払う。別に殺したい訳じゃないし。

まあ、結局捕まえるからさっきより強く縛り上げて協会に連絡する。

 

「さてと、なるほど、魂の一部を囚われているのか。通りで半分しか解呪出来なくて意識も戻らない訳だ。」

 

男が丑の刻参りを行っていた所には大量の藁人形が落ちていた。多分被害者である人達の写真が貼り付けてある。

 

「さあ、みんな、元の場所に戻ろうか。」

 

両手を二度鳴らす。すると藁人形に囚われていた魂達が浮かび上がり、飛んで行く。

 

「思ったより多いな……まるで流星群だな。……これから本物を見るんだが。」

 

そこでドスッと、この場に不釣り合いな音が鳴ると同時に激痛が走る。しかも刺したまま捻りやがった。

 

「……なるほど、二人居たのか。」

 

首を後ろに向けると先程とは違う男がナイフを握っていた。

刺されたのに意外と冷静になるんだな。

 

「こふっ……治療したいから、とっとと終わらせるぞ。」

 

口と腹から血を流しながら、二人目の男にズンズンと歩み寄る。

 

「か、確実に致命傷だぞ!?ふ、巫山戯るな、化け物!」

 

「化け物じゃあない、霊媒師(物理)だ!」

 

顔面に拳を叩き込んでそのままの勢いで地面にめり込ませる。

 

「ふう……手間取らせやがって。」

 

先程の男と同様に縛り、常備している包帯を腹に巻く。

落ち着いて、木に背中を預けながら空を見上げる。さあ、そろそろ時間のはずだ。

空から一つ、二つと流星が流れ、その数はどんどん増えていき、流星群となって空を彩った。

そうだ、紗夜と日菜にも連絡してやろう。それなら一緒に見ている風に感じるかな?

スマホを取り出して日菜に電話を掛ける。今回は日菜が楽しみにしてたしね。紗夜も一緒に居るだろうし。

電話を掛けて少ししてから日菜が出た。

 

『……もしもしおにーちゃん?どうしたの?』

 

いつもとは違う感動している様な声が聞こえる。多分見蕩れていたんだろう。悪い事をしたかな。

 

「俺も流星群を見てるんだ。一緒は見れないけど、こうすれば一緒に見ている風に感じるだろ?紗夜もそこに居るか?」

 

『うん、おねーちゃん。おにーちゃんから電話だよ。』

 

『兄さんから?』

 

「や、紗夜も流星群見てるかい?

綺麗だなぁ。」

 

『うん……すっごく綺麗。』

 

『ええ……本当に。』

 

そうして流星群を見上げていると口から血が出てきて咳き込む。

 

「ごふっ、うはは、随分とサックリやられたな。」

 

『おにーちゃんどうしt』

 

『ちょっと、兄さん大j』

 

バレそうだと思って電話を切る。これは後で怒られそうだな。全く、なんで俺がこんなバトル漫画みたいな事しなくちゃいけないんだ。俺は霊媒師だぞー!

 

「お待たせしました。協会からの回収班です。」

 

「ん、ご苦労さん。悪いけど、病院に連れてってくれ。後、車も頼む。」

 

「畏まりました。」

 

今回は何日か入院かな、流石に。

 

 

 

 

「あ〜、りんごうまー。」

 

早速だけどみんなはりんごの皮は全部剥く?それともウサギ?俺はそもそも洗うだけだ。果汁も逃げないし、皮のカリッとした食感も味わえるからね。

それで結局入院は一週間だってよ、普通はもっと遅いんだろうけど、協会の病院はいつもこんな感じだから慣れた。

りんごを食べているとドアがノックされる。

 

「どーぞー。」

 

俺の担当である連絡員が入って来る。相変わらず綺麗な子なのに男の気配や浮いた話が無くてお兄ちゃん心配。あ、18歳らしいよ。

 

「失礼します。御家族がお見舞いに来ていますが、どう致しますか?」

 

「いや、何でここがバレてるんだよ。」

 

「我々の判断で呼ばせていただきました。」

 

「何勝手な事を……」

 

「貴方は周りから慕われているのを自覚すべきかと。

我々はいつも貴方に助けられています。そこで、何かするべきではないかと考え、家族を大事にしてましたから呼べば大喜びするのではと考えた結果です。」

 

「……面と向かって言うんじゃないよ。」

 

顔が暑いわー。この子素でこういう事言うんだな。

 

「分かった分かった、通して良いよ。」

 

「はい、失礼します。」

 

トンッとドアを閉めて数分バタバタと走る音が聞こえ、勢い良くドアを開けて日菜が入って来た。あーもー、泣いちゃって。

 

「お、おにーちゃあん。」

 

その後から紗夜も来て、最後に親父とお袋が来た。

 

「日菜、可愛い顔が台無しじゃないか。」

 

「だってぇ……。」

 

「俺は大丈夫だよ、一週間入院するだけだし、経過観察みたいなもんだって。」

 

「腹部にナイフによる刺傷、後に捻って傷を抉られました。」

 

連絡員が勝手に言う、すると紗夜の目にも涙が浮かんだ。

 

「余計な事を言うんじゃないよ……。」

 

「?真実です。」

 

ええい、もう良い。

 

「はー……分かった、下がって良いよ。仕事あるでしょ。」

 

「はい。それでは何かあれば連絡を。」

 

ささっと戻って行った。

 

「……日菜、紗夜、こっち来てくれるかい?」

 

二人ともこっちに来る。うん、こういう所も違いがあるね。日菜は涙を浮かべても真っ直ぐにこっちを見てるけど、紗夜はあまり涙を見られたくないのか顔を少し逸らしている。

 

「ごめんな、心配掛けた。」

 

そっと二人の頭を撫でる。それで限界が来たのか、涙が溢れて抱き着いて来た。

少し傷に響くが、これくらいどうって事ない。

 

「親父もお袋もごめんな。」

 

「響也なら大丈夫だって信じてたからね。」

 

「あら、心配であたふたしてたのは誰だったかしら?」

 

「あ、あれはだなぁ……。」

 

んー、甘い。もう結婚して長いのに何で新婚さんみたいに甘い空気作ってんのよ。

 

「おにーちゃん、もっと撫でて……。」

 

「……私も。」

 

「はいはい、分かりましたよお姫様方。」

 

いつまで撫で続ければ良いんだろう?

 

 

 

 

「ふっっっかーーつ!!」

 

なんだかんだで一週間が過ぎた。少し傷跡が残ったが、他の傷よりマシだろう。

協会様々だな。

 

「体を動かしてなかったし、散歩にでも行くか。」

 

前もこんな感じだったな。あれ、もしかして俺って趣味無い?

 

「……いや、映画とかあるってインタビューで答えたじゃないか。安心した。」

 

ふう、と一息つく。

 

「それでね、美咲!最後に風船をあげるのと花火を打ち上げるの、どちらが良いかしら?」

 

「ええと、どっちも大変だと思うんですけど……。」

 

そう言えば、海外に居る時にリラックス効果のあるハーブをもらったっけ、焚いてみるのも良いかもしれないな。

 

「あのっ」

 

パシッと腕を掴まれて引き止められる。誰だ、俺はこれからハーブを焚いてアロマキャンドルを点けて線香でリフレッシュしようと思っていたのに。

帽子を被った黒髪の可愛らしい女の子。クールや消極的な印象を受ける女の子に手を掴まれていた。

 

「どうしたんだい?もしかして逆ナンとか……!?」

 

海外ではそこそこあったが日本では初めてだ。単純に嬉しいかも、しかも可愛い。甘いものあげたい。

 

「あ、いえ、知り合いに似ていたので……。」

 

「あー……そっかー、勘違いだったかー……。」

 

これは恥ずかしい。今なら恥ずかしさで両面宿儺でも倒せそうだ。

 

「氷川響也さんですよね……?」

 

「あれ?名前言ったっけ……?」

 

「こっちに来てください。」

 

「えぇ……?あ、うん……。友達は良いのかい?」

 

「先にみんなで行ってもらってるんで大丈夫です。」

 

ぐいっと引っ張られる。

ううん、どうにも断りにくい、俺もまた断れない日本人であったか。女の子だからかなぁ?

 

「ちょっとちょっと、そっちは路地だぜ、危ないんじゃあないか?」

 

「大丈夫ですから。」

 

そう、なのか?こういう路地には不良でも居そうなもんだけどな。

路地に入って少し歩くと完全に人の気配を感じなくなった。

 

「あ、もしかしてこの前のパステル*散歩見てくれて俺に依頼があるとか?」

 

宣伝はしてなかったけどテレビに出た効果とか!?テレビってすげー!

 

「出てたんですか?

それより、靴紐が解けてますよ。」

 

「えっ、ほんとに?」

 

あっちゃー、ほんとだ。ダサいなー。

中腰になると女の子に肩を掴まれて壁に押し付けられた。壁ドンみたいな姿勢になった。いや、ちょっと違うし、結構腰にくるんだけど。

 

「え……ちょ、ちょっと?」

 

「本当に忘れたんですか……?」

 

「会った事……あったっけ?」

 

は、ははは、と笑って誤魔化すと睨まれる。な、何かあったっけ?

どんどん獣の様な雰囲気になっていく女の子。これじゃあまるで捕食される寸前の草食動物だ。

 

「じゃあ、思い出すまでやらせてもらいますね?」

 

「んぇっ!?」

 

キスをされた、キス!?

驚いて暴れると強引に押さえ付けられる。何なの最近の女の子、力強くて怖いんだけど。

日菜の時とは違って体も触られる。腰から尻にかけてを触られてぴくっと反応する。

 

「腰とお尻が弱いなんて、女の子みたいですね。」

 

君の度胸は少女漫画のイケメン並ですね。

何かこの子、人の弱い所触るの上手くない?

耳や首筋、太ももを撫でられる。

 

「んっ……。」

 

「ここなら人は通りませんし、声を我慢しなくても良いんですよ?」

 

「いや、君……あっ、慣れ過ぎじゃない……?」

 

袖で口元を隠す。待って、俺は同人誌のヒロインじゃないよ。待って。

 

「だって、あなたの為に勉強しましたから。」

 

勤勉で素晴らしい。もっと他の事に使ってあげて……。

首を上に向けられてキスをされ、唾液を流し込まれる。

 

「んー!?んぶっ!?」

 

鼻を摘まれてバタバタと両手両足を暴れさせる。

 

「暴れないでください。潰しますよ?」

 

ピタリ、と動きを止める。やだ、調教されてるみたい……。

仕方なく唾液をこくりと飲み込む。

 

「偉いですよ、響也さん。」

 

笑いながら頭を撫でられる。なんだか嬉しく感じた。俺はMなんだろうか?

無抵抗のままたっぷりと頂かれてしまった。……日菜ー、紗夜ー、お兄ちゃん汚れちゃったよー。

 

 

 

 

いくらあたしの顔を忘れてたからってやり過ぎてしまった。

響也さんがあたしの前で服を乱れさせて肌も露出させ、結んでいた髪が解けて散乱したまま放心状態になっている。しかも顔が赤くなって息も荒い上に軽く痙攣している、まるで事後だ。

正直言ってエロいと感じ、唾を飲み込む。

最初はそれこそ軽口を叩く余裕があるようだった、あたしが何かしたとしても。

 

「ちょっとちょっと、女の子がする様な事じゃないよ。止めなさいって。」

 

と言ったりしていたのが段々と顔が赤くなり顔を逸らしたりしていたが喋る事は止めなかった。

 

「ふー……今なら大丈夫だよ……怒らないから……。」

 

それでも止めなかったら最後には喘ぐ様な声を上げ始めた。

 

「あっ…んっ………あひっ…やっやめっ…あぁっ…………。」

 

しかも途中からはあたしの言う事を聞いてくれるようになった。

あの強くて頼もしくて、憧れし、大好きな響也さんが、あたしの言いなりになってくれるのが脳内に薬でも入ったかのようにゾクゾクして快感だった。

 

「響也さん、口開けてください。」

 

そう言うと少しだけど口が開く。それがまた嬉しくなって、口に指を入れる。ぬるっとした舌があたしの指に触れると指を動かす。

ぴちゃぴちゃと音を立てて指に響也さんの唾液を絡ませる。口から指を抜くとぬらぬらと指に付いた唾液が光る。

ほう、とため息を吐く。

 

「……あ、みさき、ちゃんか。」

 

ぽつりと呟いた響也さんの一言でまた嬉しくなる。やり過ぎたけどそれよりも思い出してくれた事が嬉しい。

あたしは響也さんを胸元で抱き締めて、そのまま響也さんの髪に顔を埋める。

息がしにくくて身動ぎをする響也さんの首を撫でるとビクンッと反応して止まる。

ああ、好きな気持ちが溢れそうだ。このまま彼を連れ去ったらきっとあたしだけの物に出来るだろう。

 

「って、違う違う。好きだけどそれはおかしいよね。」

 

今日はこれくらいにしておこう。あ、服や髪も戻さなきゃ。

 

 

 

 

「……いつの間に布団に入ってたんだ?」

 

体を起こして周りを見る。おかしな所はない。

 

「あれは夢だったとか?」

 

高校生になった美咲ちゃんに襲われるとかどんな夢だよ、全く。いや、やけにリアリティがあったし、気持ち良いって感じちゃったけどさ。

チリン、と鈴の音が鳴る。

 

「鈴のキーホルダーなんて付けてないよな。」

 

首に何かが擦れて気付くする。首を触ると鈴の付いた首輪が着けられていた。

 

「えー……なーにーこーれー。」

 

すぐに外してデスクに入れる。

 

「あんまり寝れた気がしないし、もう少し寝よう。」

 

寝たら大体何とかなる。

 

 

 

 

「兄さん、兄さん。」

 

「ん……紗夜かい?」

 

「晩御飯よ。ずっと寝ていたけど一日何も食べないのは良くないわ。」

 

「ん、ありがと。」

 

食卓に向かうと日菜と親父とお袋が既に食べ始めていた。

 

「あ、おにーちゃんおはよー。」

 

「ああ、おはよう。」

 

今日はミートソーススパゲティか。うん、シンプルで美味しい。

横に座っている日菜を見ると口にミートソースが付いていた。

 

「日菜、付いてる。」

 

ちゃっとティッシュで拭ってあげると少しくすぐったそうにする。なんだが猫みたいだ。

 

「もっと落ち着いて食べなよ。」

 

「は〜い。」

 

少しして食べ終わるとリビングのソファに座る。

 

「あれ?おにーちゃんこれどうしたの?」

 

首の後ろ辺りを触られる。首はさっき確認したはずだけど後ろまでは見えなかった。

 

「おねーちゃんこれ見て。」

 

「あら……随分しっかり付けられたのね。」

 

「ま、まさか……。」

 

カシャッと写真を撮られて見せられるとしっかりとキスマークが付いていた。

 

「〜っ!!」

 

両手で赤くなった顔を隠す。穴があったら今すぐ入りたい。

 

「おにーちゃんも大変だねー。」

 

「その中には日菜も入ってるんだけど……?」

 

あはは〜、と笑って誤魔化される。

とりあえず明日にでも美咲ちゃんを探して少し言っておかなければ。ほら、歳上としての威厳みたいなね?流石にされるがままだったのは男としてね。

 

「あ、日菜。その写真消しといてね。」

 

「え〜、もうおねーちゃんにも送ったよ?」

 

「需要ある?」

 

そう言うとにんまりと笑った。

 

「消しなさい。」

 

「やだ。」

 

「ひーなー?」

 

「嫌だもん。」

 

「こらー!」

 

「きゃー!」

 

結局写真は消す事は出来なかった。

 

 





健全です。

ちょっとあれな描写を書きたくなっちゃう。だって男だもん。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。