バンド姉妹の兄ちゃんは霊媒師(物理)   作:黒色エンピツ

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小話:初日の出を見るのって大変

これはクリスマスが終わって、お揃いのマフラーを買った後の話。

 

「さあ、妹達よ!来年の初日の出を一緒に見ようぜ!!」

 

「いいよ〜、でもこころちゃんが初日の出はこころちゃんの所のコテージにガールズバンドのみんなを呼んで一緒に初日の出を見てハッピーになろうってのに呼ばれてるんだよね〜、おねーちゃんも。」

 

「わ、私はみんなが羽目を外し過ぎないように監視しに行くだけよ!」

 

「素直じゃないな〜。」

 

「そっかー、俺も一緒に行って良いかな?」

 

「もっちろん!あたしから連絡するね!」

 

いやー、ははは、楽しみだなぁ。

おや、電話だ。どうしたんだろう?

 

「はーい、氷川でーす。」

 

『こんにちは、年明け前から年明けにかけて霊が暴れると予測されますので、対処をお願いします。』

 

い つ も の

 

「なんでー!?休ませろよ!?」

 

『皆さんもやっている事ですので……。』

 

「そんなぁ……。」

 

こうなれば……!!

 

「日菜、紗夜。お兄ちゃん、ちょっと遅れて行くわ。場所だけ教えてくれ。」

 

「兄さん、難しいなら私は残るけど……。」

 

「お兄ちゃんに任せとけって!間に合わせるよ!」

 

車で行けば余裕でしょ。

思えば、これがフラグだったんだろうね……。

 

 

 

 

「あああぁぁぁぁぁ!!!!邪魔だァ!」

 

『オオオオオォォォ』

 

年が明けて、初日の出まで数時間。それなのに俺は走っていた。

 

「まさか、まさか、エンジンが動かないなんてぇ!!!」

 

問題ないくらいに対処してコテージに向かおうとした時だった。

 

『イエーイ、おっわりー!待ってろよ〜妹達!』

 

キュルルルルル……

 

『うん……?寒いから調子が悪いのか?』

 

キュルルルルルルルル……

 

『そんな訳……』

 

キュルルルルルルルルルルルル……

 

『…………走った方が良いんじゃね?』

 

そして車を飛び出した、それがさっき。

 

「こういう時に限って無駄に力のある霊ばっかなの何なの!?嫌がらせ!?」

 

目の前に飛んで来る霊だけを殴って蹴散らす。後ろからも霊が追ってくる。

 

「まずいぞ……どっかで一掃しとかないとコテージに着いた時には酷いことになってそうだ。」

 

なんだかんだ走ってコテージまで残り数キロ。正直ここまで出来る自分の体にドン引きしてる。

ここで反転して待ち構える。群がる霊に化け物、妖怪、都市伝説。混ざり過ぎだろ。

 

「かかって来い!!」

 

 

 

 

「おにーちゃん遅いねー。」

 

あたし達はご馳走を食べてから、別々にコテージで休んだり遊んだりしながら時間を潰していた。

やっぱり星が良く見えるね、るんっ♪て来るけど、お兄ちゃんはまだ来ないや。

 

「そうね……渋滞はしていないはずだけど。」

 

「ねぇ、日菜。響也はまだ来ないのかしら?待ち遠しいわ。」

 

「ごめんね〜。電話も通じないから分からないんだよね。

きっともうすぐ来てくれるばすだよ。」

 

「そうよね!約束は守るものね!

さ、星を見ましょうっ、とっても綺麗よ!」

 

駆け出したこころちゃんを追い掛けてあたしも走り出した。

 

「待ってー!」

 

 

 

 

「ふぅー……幾ら数があってもまだまだ戦えるぞ。」

 

戦い初めて一時間程過ぎたか、時間としては問題ない。初日の出には間に合う。

霊達も勢いが落ちてきた。

 

「ん?何をするつもりだ?」

 

霊達が一ヶ所に集まると合体を始めた。どうやら蠱毒の様なものみたいだ。

 

「うおぉ……どんどん力が上がってるな。」

 

巨大な人型になって落ち着いた。目であろう部分が赤く光ると遂に動き出した。

 

「俺だって約束があるからな!負けられないな!」

 

俺たちの戦いはこれからだ!!!

 

 

 

 

「もう初日の出の時間になっちゃうよ……。」

 

やっぱり忙しくて間に合わなかったのかなぁ……。

 

「ねぇ、おねーちゃん」

 

「しっ……日菜、何か聞こえない?」

 

?何かって何だろう。

耳を澄ませると遠くから声が聞こえる。

 

「………ぉぉ…………ぉぉぉ………………うおおぉぉぉセーーーーーーフ!!!」

 

おにーちゃんだ!!でも、あれ、上の服を着てないような……。

 

「何で半裸なのよー!!兄さんのバカー!」

 

「ふべらっ」

 

あっ……おにーちゃんが飛んだ。

 

 

 

 

「いててて……。」

 

あいつを祓ってから時計を見ると時間がやばいから全力で走って、間に合ったと思ったら紗夜にビンタされた。お兄ちゃん泣いちゃいそう。

しかし、どうやら戦っている間に服が破れてしまったらしい。しまった、カッコ悪い。

とりあえずコテージにある服を借りた。多分一心さんのだろう。

 

「いやはは、間に合って良かったぁ。」

 

「さっすがおにーちゃん!さっきのはるんっ♪て来たよ!」

 

「兄さん!幾らなんでも人前であんな服装はやめてください!」

 

「ごめんごめん。これでも急いだんだから許して、次は気を付けるからさ。」

 

「全く、仕方が無いですね。」

 

他のガールズバンドの子達にも軽く謝罪をする。見られても恥ずかしい様な体はしてないつもりだけど、俺が恥ずかしい。

 

「おっ、上がって来たか。」

 

みんなが歓声を上げる。うん、天気も良くて良かった。バッチリ見える。

誰にも聞こえない様にぼそりと一言

 

「来年もまた笑って過ごせますように。」

 

 

 

 

ちなみに妹達には聞こえてたみたいでからかわれた。

 

 





今回も閑話でした、次は普通の出します。

ランキング45位ありがとうございます。

それでは、来年もよろしくお願いします。
あけましておめでとうございます。
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