バンド姉妹の兄ちゃんは霊媒師(物理)   作:黒色エンピツ

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日常短編詰め合わせ的な何かです。






トイレに気を付けろ

「ふぃー、トイレトイレー。」

 

この店にトイレがあって良かった、結構我慢してたからなー。便座に腰を下ろして用を足す。スッキリした良い気分だぜ。清々しいとはこういう事よ。

 

「ん?」

 

トイレの上から赤い紙と青い紙が垂れてきた。

 

「……都市伝説ってけっこう露骨だよな。」

 

『赤い紙か、青い紙か。』

 

「……よっと。」

 

紙を引っ張って個室に引き釣り込む。ズボンはもう履いたよ。拭いたし。

紙が地面に落ちると勝手に起き上がる。

 

「お前らね、流石に選択肢厳しくない?赤は血を撒き散らして死ぬし、青は血が抜けて死ぬって。」

 

『しかし、これが人間に定められた役割。』

 

「あー、うん。もうちょい優しくしてやってくれ。」

 

『……心得た。』

 

それからトイレで赤い紙を選ぶとトイレットペーパーで尻が切れ、青い紙を選ぶとブルーレットが落ちてくるという噂が流行った。

 

 

 

 

ある日朝から散歩をしているとどこからか歌声が聴こえてきた。近くの公園かな?

 

「へぇ、上手だな。」

 

幼い感じの声だけど誰が歌っているんだろう?子供か、声優志望とか?他は分からないな。

 

「〜♪」

 

銀髪の女の子が公園の中心で歌っていた。周りには誰も居らず、ただ上手く歌いたいというように見える。

近くのベンチに座って歌に耳を傾ける。一生懸命で良いね。

そうしてぱちっと目が合う。

 

「や、こんにちは。」

 

「……こんにちは。」

 

ぺこりと会釈をして少し離れられる。ちょっとショック。

 

「いつもここで歌ってるのかい?」

 

「ええ、外で歌う時はここで。」

 

やっぱり距離感じちゃうなぁ。初対面だし当たり前か。

 

「歌手でも目指してるの?」

 

「その辺を。」

 

……淡白!!

 

「は、ははは、悪かったね遮って。それじゃ。」

 

肩をガクッと落として公園を出る。後ろから別の女の子の元気な声が響いた。

 

 

 

 

最近上手くいき過ぎてたんだなと反省して羽沢珈琲店に入る。

 

「いらっしゃいませ!」

 

「や、つぐちゃん。」

 

「こんにちは、響也さん!」

 

ぱたぱたとこっちに来る。はー、可愛い。

徐ろに頭を撫でる。

 

「もー、擽ったいですよ。」

 

うむ、満足。これこそ日常よ。そう思って手を離すと肩を掴まれる。

 

「やあ、響也くん。」

 

「ははは、巧さん。肩が折れますよ。」

 

「いやははは、娘に変な虫が付かないようにね?」

 

「虫……?」

 

「虫。ちょっとお話しようか。」

 

厨房の方へ引き摺られた。

 

 

 

 

「今日は臨時のバイトで響也くんが入ってくれるぞー!」

 

「頑張ります……。」

 

「響也さん、ありがとうございます!」

 

「任せて!」

 

お兄ちゃん頑張る!

 

「さあ、これから沢山お客さんが来るから頑張るよ!」

 

 

 

 

「すみませーん。」

 

「はい、ただいま!」

 

ああ、忙し忙し。普通の高校生だったらこんな風にバイトしてたんだろうなぁ。結局普通には程遠いだろうけど。

 

「こっちお願いしま〜す。」

 

「はぁい!」

 

お、モカちゃん達だ。

 

「こっちもー!」

 

「畏まりましたー!」

 

日菜と紗夜もか。

 

「あたし達も頼むわ!」

 

「氷川さん……すみません。」

 

「はいはーい!」

 

こころと美咲ちゃんも。

 

「……巧さん、なんかしました?」

 

「いやぁ、なんにもー?ただ黒緑の髪をポニーテールにした16歳がバイトするとしか呟いてないなぁ。」

 

「ちょっ、ここらだと俺だけでしょそれ!!」

 

「えー?そうだったかなぁ?ごめんごめん。」

 

こんの……確信犯め!

 

「注文良いですかー?」

 

「はぁい!」

 

滅茶苦茶頑張った後につぐちゃんに慰めてもらいました。

 

 

 

 

「……ああ、昨日は酷い目にあった。」

 

巧さんめ、次会ったら特製ハバネロピザを食わせてやる。

 

「あ!マイケr……氷川くん!」

 

「マイケルって言いかけましたよね?」

 

「それは置いといて、今回も頼めるかな?ちょっとだけど給料は出るからさ!」

 

「しゃーないですね……。」

 

ふふふ、おかしい。俺は元々こんなに仕事は無いはずなのに……。

 

 

 

 

「マイケルだよぉ!」

 

子供のため、子供の笑顔を守るため。今日も俺は着ぐるみを着る。

…………暑い。しかしその間も子供達は俺に向かって突撃してくる。パッションが凄い。

 

「美咲!マイケルが居るわ!」

 

んげっ、こころと美咲ちゃん昨日に続いてか!

とーうっと言いながらこころが飛び付いて来た。普段ならあれだが今はマイケル、ふっはっはっは、姿勢も崩れんよ。

 

「あら?なんだか響也の匂いがするわ!」

 

匂いってなんだよ……。

 

「ねぇ、マイケル、さっき綺麗なポニーテールをした人を見かけなかったかしら?」

 

「みみみ見てないよぉ。」

 

「こ、こころ!マイケルは忙しいみたいだからそろそろ行くよ!」

 

美咲ちゃんに向かって親指を立てると苦笑いで返される。気付いてたね。

 

「ねぇ、美咲!マイケルみたいな人を探すなんてどうかしら?きっと楽しくなるわよ!」

 

「えー、うん、探すのが大変そうだよね。」

 

着ぐるみでかいからね。

給料は焼肉食べ放題だった。ゴチになりまーす。

 

 

 

 

私は今響也さんの家の前にいる。

今日はこころが来ずに家で手持ち無沙汰になってたらお母さんが『お世話になったから』と食材を持ってご飯を作る事になった。

チャイムを一度鳴らす。

 

「あれ?居ないかな。」

 

それならと前に教えてもらった鍵の隠し場所を見る。花壇の下だから不用心。

 

「……お邪魔します。」

 

入って少し先のリビングのソファで氷川が寝ていた。もう昼過ぎだけど疲れてるのかな?それに珍しくスーツを来ている。……なんだか大人っぽくてかっこいい。いつも纏めてる綺麗な髪もバラバラに広がっていた。

 

「…………あ、ご飯作らないと。」

 

最近はお母さんの手伝いで料理をしてるから周りの子達よりは料理が出来る自信がある。今日はカレーにするつもり、たくさん作れるし、嫌いな人はあんまりいないし。

ご飯を炊いてカレーを作って、お母さんは『料理は愛情』って言ってたから自分なりに気持ちを込めてみた。美味しいって言ってくれるかな?

響也さんを起こさないと。

 

「響也さん、起きてください。」

 

声をかけても起きないから揺すってみる。

 

「響也さーん?」

 

するとぼうっとしたような顔で目を開いた。

 

「あ、起きた。勝手ですけどご飯作ったんで食べませんか?」

 

そう言っても寝起きが弱いのかじっと私を見つめる。

 

「眠い……。」

 

「うひゃっ!?」

 

ふらっと上半身が動いて私の腰に抱き着かれて尻餅を着く。

 

「ちょ、ちょっとどうしたんですか?」

 

そのまま顔を私のお腹に擦り寄せてくる。

響也さんが私に甘えてるみたいでいつもと違って可愛い。猫みたい。

少しだけ汗の臭いがするのも嫌いじゃないかも。

 

「あれー?開いてる。もしかしておにーちゃん閉め忘れた?」

 

「花壇の下に鍵が無かったから誰か来てるわね。」

 

わ、日菜さんと、後もう一人妹が居るって言ってたような。

ってこんな所見せられない!?

 

「んーっ、んーっ……!」

 

ち、力強いね、やっぱり。

 

「あ、美咲ちゃんだー…………。」

 

「あ……。」

 

「おにーちゃんのばかー!」

 

パァン、と良い音が鳴り響也さんの悲鳴が響いた。

 

 

 

 

起きたらほっぺにもみじが出来た。後何故か妹様達と美咲ちゃんが居る。

 

「おにーちゃん!あたしとおねーちゃんが居るのにー!全然るんって来ないよ!」

 

「え、あ、ごめんなさい?」

 

な、何事?

本当に何があったんだ?

 

「兄さん、いつも寝起きは気を付けてと言ってるでしょう。」

 

「あー……そうだったね。ごめんごめん。美咲ちゃんにやっちゃったかな?」

 

「い、いえ、私は大丈夫ですけど……。」

 

「そう?良かったー。自分でも何やってたか覚えてないからさ。あ、でも妙に良い匂いが残ってる。」

 

どこかで嗅いだ事あるんだよなー、と考えていると美咲ちゃんに手を引かれる。

 

「そ、それよりも!昼ご飯を作ったんで食べませんか?」

 

「作ってくれたの!?マジで!?」

 

ちょうど腹減ってたんだよなー、昨日の仕事がスーツだったもんだからいつもよりダルくて飯も食わずに寝ちゃったし。

 

「おー、カレーだ。美味そう。」

 

シンプルなチキンカレーだ。いいね、チキンが好きなんだよ。

大きく口を開けて頬張る。

 

「あふあふ、んっ、美味いな。」

 

美咲ちゃんが小学生だから甘口だけどこれはこれで美味い。

 

「ん?日菜と紗夜は食べないのか?」

 

美咲ちゃんは食べてるのに。

 

「あのね、兄さん。もう昼過ぎなんだから私達は食べてきたのよ。」

 

「あ、それもそうか。」

 

今更ながら時計を見ると14時を指していた。とんだ寝坊助だな。

まあいいか、そう思ってカレーを食べ続け、時折おかわりをする。その度に美咲ちゃんが嬉しそうな顔をするのは料理が上手く出来たと喜んでるからだろうか。

結局その日は四人で家の中で過ごした。最近ずっと外に居たからな。

 

 

 

 

「む、良い匂いがする。」

 

パンだな。そういえばここのパン屋の評判は聞いていたが来たことはなかったな。入ってみるか。

入るとレジに妹と同じくらいの女の子がいた。それにしてもつぐちゃんと言い手伝う子が多いね。

 

「いらっしゃいませー!あっ、目立つお兄さんだ。」

 

「……?聞き捨てならないんだが、目立つお兄さんってのはなんだ?それとお兄さんの名前は氷川響也だから、覚えてね。」

 

初対面の子にそんな事言われるの初めてなんどけど。

 

「うん、私は山吹沙綾だよ。

所で、さっきの話ですけどこの辺で着ぐるみに入ったり小学校の運動会で雄叫びあげたり変な事してたりするし、凄く目立ってるし噂になってるよ?」

 

「……俺だな。」

 

あっれー、おっかしいなぁ……。そんな目立ってたのかぁ。

 

「それは置いといて。おすすめは?」

 

「うちのパンは何でも美味しいよ!」

 

何でもって、流石に全部が全部じゃないだろ?人気じゃないのもあるだろうし。

 

「あー、疑ってるんだ。疑うのは食べてからにしてよね!」

 

ふむ、食べてないのにそう思うのは確かに失礼だな。よし。

 

「全部一つずつ貰おうかな。」

 

「えっ、お兄さん食べきれるの?細いのに。」

 

「失礼な、脱いだら凄いんだぞ。」

 

かなり食べるからな。

 

「ぬ、脱いだらって……。」

 

顔を赤らめる女のコ。

 

「なんだこんな事で、初心なんだな。」

 

いや、紗夜はこんなもんだったね。日菜があれなだけか。

すると店のベルが鳴った。

 

「あ、いらっしゃいませー!」

 

「お、モカちゃんだ。」

 

「お〜、きょーやさんこんにちは〜。」

 

隣で女の子が『あれ?知り合い?』みたいな顔をしている。微笑ましいね。

 

「モカちゃんは良く来るのかい?」

 

「ん〜、たまに〜?」

 

「いっつも来るでしょ!嘘吐かないの。」

 

「怒られちゃった。わ〜、きょーやさんたくさん食べるね〜。」

 

「まあ、体が資本だからな。」

 

むん、と右腕を曲げて力こぶを見せると二の腕にモカちゃんがぶら下がる。

 

「ほんとだ〜、力持ち〜。」

 

ふふん、と鼻を鳴らす。でも店内でやる事じゃないな。

 

「モカちゃん、迷惑になるから降りなさい。」

 

「は〜い。」

 

「……あの噂も本当だったんだ。」

 

「えっ……どの噂?」

 

「目立つお兄さんは周りに小さな子が沢山居るって。」

 

「んっん〜……。」

 

嘘では……多分無い。最近散歩してたら会うし、でも認めたくはない。

 

「つぐの所にも行ってあげてくださいね〜。」

 

「そうだな……ってこの前手伝いしてたし、モカちゃんも来てたろ。」

 

「あれ〜?そうでしたっけ〜?」

 

忘れっぽいのか何なのか、まあいいや。

 

「とりあえずお会計頼むよ。モカちゃんのも一緒にね。」

 

ひょいっとモカちゃんのトレーを取り上げてレジに持って行く。……いつの間に取ったか分からないけど随分買うな。

 

「良いんですか〜?」

 

「良いの良いの。子供は大人に甘えなさいって事よ。」

 

言ってから思ったけど俺も今16歳だった。

 

「あ、ポイントカードはあたしの使ってくださ〜い。」

 

「へぇ、ポイントカードとかあるんだ。」

 

「ありますよ。」

 

「モカちゃんはたくさん集めてるんだ〜。」

 

ほら、と見せられる。ふむ、確かにたくさん貯まっててもう少しで使えるみたいだ。

 

「意外と節約家?」

 

「趣味です〜。」

 

「また変わった趣味だねぇ。」

 

「はい、出来ましたよ。」

 

「ん、おお、ありがとね。」

 

頑張ってね〜、と言いながら流れでモカちゃんと外へ出る。

 

「さてさて、早速頂きますか!」

 

「ますか!」

 

少し行儀が悪いけれど二人で歩きながら食べるパンは美味しかった。後、紗綾ちゃんの言葉に嘘はなかったよ。全部美味しかった。

 

 

 

 

「ふんふんふふーん。」

 

コンビニのくじでうまい棒当たり帰りに食べながら歩く。もちろん味はコーンポタージュ。でも口に張り付くから飲み物も買った。

サクサクサクサクサクサクサクサク

 

「あ、響也さん、こんにちは。」

 

「んん?んぐっ、蘭ちゃんか。こんにちは。」

 

チラッと、横を見ると人魚がふわふわしながら蘭ちゃんに懐いていた。ほんと好きだねぇ。

手を振られたから振り返すと蘭ちゃんに不思議な顔をされる。

 

「知り合いでも居たんですか?」

 

「ん〜?まあ、ちょっとね?」

 

霊的な知り合いがね。

すると蘭ちゃんがおかしそうに笑い出す。

 

「どうしたの?」

 

「だって、口の周りがお菓子だらけなのがなんだかおかしくて。」

 

お菓子だけにってか、おっと失礼。

ポケットティッシュで口の周りを拭く。ううむ、やはり水で濡らした方が良いか?

 

「取れた?」

 

「一応。」

 

そっかそっか。……ウェットティッシュ常備しようかな。

 

「そんで、蘭ちゃんはこんな所でどうしたの?」

 

「みんなと遊んでて、その帰りです。」

 

「ほんとに仲良しだねぇ。よっしゃ、お兄さんが家まで送ってあげよう。」

 

露骨に胡散臭いやつを見る目で見られた。凄い傷付くんだけど。

 

「いや、何となくね?深い意味は無いけどね?子供が一人って危ないでしょ?」

 

「はぁ、じゃあお願いします。」

 

「まっかせなさい!」

 

自信満々で送ったけど厳さんに睨まれて逃げて帰った。あの人娘好きすぎでしょ。

 

 

 

 

「ん……。」

 

目を覚ますと柔らかい感触。あれ?俺抱き枕なんて買ったっけ?

 

「うぇへへ……おに〜ちゃ〜ん。」

 

そっかー日菜かー。ならいいか。

 

「うぇへへ……日菜ちゃ〜ん。」

 

「兄さん……?」

 

ピタリと動きが止まる。ゆっくり首を向けるとおたまを持った紗夜がこちらを見ていた。

 

「……奥さんみたいでエプロンとおたまが似合うね!」

 

「そう。変な事言ってないで起きなさい。ご飯出来たわよ。日菜も狸寝入りしない。」

 

「えへへ、はぁ〜い。」

 

するりと日菜が抜け出す。暖かさが抜けてお兄ちゃん寂しい。

 

「うおぉ〜、日菜ぁ〜。」

 

「ごはーん!」

 

食い気が勝っちゃったかー。

ベッドから起き上がってのそのそと机に向かう。ん〜、良い匂い。

 

「いただきまーす。」

 

「召し上がれ。」

 

うん、うん、美味しい。日菜と一緒にお袋の手伝いしてんのかねぇ。

食べていると紗夜がこっちを見ながら何かを待っている。ふふふ、分かっているとも。

 

「紗夜、美味しいぞ。」

 

「おねーちゃん美味しいよ!」

 

「そ、そう。なら良いわ。」

 

あー、紗夜ちゃん可愛い!でも口に出すと睨まれそうなんだよねぇ。

 

「「ごちそうさまでした。」」

 

「お粗末様でした。私が洗い物するから、ゆっくりしてて。」

 

「いやいや、ここは俺がやっとくからゆっくりしてなって。」

 

二人の背中を追いやってソファに座らせる。たまには俺にやらせなさい。

ぶつくさ言われたが無視無視。

 

「ふーんふふー。」

 

「おにーちゃーん、電話鳴ってるよー。」

 

「ちょっと持って来てー。」

 

誰だろ。

 

「はい、氷川です。」

 

『こんにちは、氷川くん。』

 

んげっ、協会のババァだ。

 

「なんですかね。ここらはしっかり守ってるんですけど?」

 

『いやぁねぇ、最近各地で厄介なモノが沢山出てるらしくて。フリーで強いを誰かに殲滅してもらおうと思っておるんよ。』

 

「へー、頑張ってください。」

 

『あんたが行くんじゃ。』

 

「はぁ〜……何で俺?」

 

『強い、体力ある、若い、暇。これで充分じゃろ。世界旅行出来るぞ。あんたが空いた所は他のやつが埋めるから安心しなさい。』

 

「やりたくない。」

 

『拒否権は無いからのぅ。後程メールと部下を向かわせるから、よろしくの。』

 

「まっ……切りやがった。」

 

クソッ面倒な。

その後すぐにメールで『数年海外国内問わず出てもらう』と来た。

 

「紗夜、日菜。数年海外か国内のやつら祓ってくるから留守番頼むわ。。」

 

「はぁ?」

 

「何言ってるの?」

 

「えっ?ちょっと、待ってください。」

 

怒られたよ畜生。

後他の子達や知り合い、両親、墓に挨拶して来た。つらぁ……他の子達は俺の事忘れないでくれるかなぁ、日菜と紗夜が大きくなって『兄さんと一緒に洗濯しないで〜』とか『おにーちゃん臭う〜』とか言う年齢になっちゃうんだろうなぁ……。はぁ、辛い。やば、泣きそ。

 

 

 

 


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