あと地の分クッソ多いです。
物量に物を言わせる波状攻撃という問いがある。旧世界で日本は大量の対艦ミサイル、魚雷の備蓄と多様な
しかし2015年に国が丸ごと新世界へ転移し、強力な対地攻撃能力と頼みの綱の米軍を欠損した日本は第3文明圏とは非対称戦を繰り広げることになる。技術的に数百年優位にいながら上の問いによりciwsの世話になった護衛艦などがあった。その答えとして哨戒機の爆装化や増設パイロンの開発で一先ず抑えるが、西の果てでまた新たな脅威が勃興した。
基準排水量6万tを凌ぐ強大な戦艦に50機以上の艦載機を運搬できる航空母艦。その護衛や沿海哨戒を担当する巡洋艦に駆逐艦や輸送艦や補助艦艇併せて旧軍を上回る海軍力であった。勿論技術レベルが80年以上前であるので勝てる。だが今の日本の防衛力で無傷に完遂できるかと言われれば断言が怪しくなる上、パーパルディアとの
それら問題を空間的に支配可能なのは米海軍の空母を擁した戦力投射力が高い空母打撃群だが、その作成は容易なものでなく旧世界の中国はあれ程の国力と無茶が可能な体制でありながら空母を擁した艦隊を獲得するのに20年以上は費やしていた。艦載機についても同程度の時間とそれなりの資金を掛けており日本も同程度の
現有の射程100km程度の対艦ミサイルの波状攻撃による量対量では撃ち漏らしが怖すぎる。もっと根本を叩くような
如何にリソースを割かず即応が可能で量産性が優れた兵器をどのようにするか防衛省と防衛装備庁は悩んだ。悩みに悩んだ結果自らと比較的近しい国の事を思い出す。
(そういえば海軍力の育成中は人民解放軍は何をしていたんだ?)
A2/ADという戦略がある。接近阻止・領域拒否といった意味であり、かつて米空母戦闘群2個が喉元の台湾海峡に突き付けられた際に為す術がなく辛酸を舐めた中国軍は弾道ミサイルの精密投射技術を磨き大陸国家から海洋国家への脱皮が終わるまでの米国の空母打撃群に対する回答としていたのだ。
防衛装備庁と防衛政策局はこれらを流用した案を省議にかけ、弾道ミサイルや
―――
小笠原諸島最南の有人島である硫黄島、そこには4両の重装輪回収車がいた。ただその回収車の平ボディには異様な物が積まれている。それは
陸上自衛隊…ではなく防衛装備庁の試験装備品、XMSM-1。射程1000km程度の二段式
Xの現状接頭語が表す通りこの装備は〇〇式などの冠称がついておらず、性能評価のために10基のみ生産され、ここ硫黄島で試射を行っていた。本来であれば日本唯一のミサイル発射試験場である新島試験所で行われるはずだが、硫黄島の丁度数千キロ先にロデニウス大陸があり空港もあり観測機が追跡・着弾観測がしやすいということでスタンドオフミサイル類の射爆場として硫黄島に新たに設置されたのだ。
既に6発が発射されており900km先の目標に対し
『こちら統合火力調整所、作戦域に何者かが接近。MSM中隊は対艦戦闘準備せよ』
「了解。対艦戦闘用意」
車両に横たわるように寝ていたXMSM-1が起立し、発射準備が整う。射撃管制のレーダーは73式小型トラックに載せられたP23レーダーであり覆域範囲の若干の底上げを狙い標高170mの摺鉢山に展開しており進行する艦隊の情報収集や捜索にあたっている。
装備自体はまだ防衛装備庁なのだが、現在運用しているのは歴とした陸上自衛官であり各地対艦ミサイル連隊の人員らから志願者を募り、中隊と言われる通り100人程度で構成された。これだけだと規模が小さく見えるが実際は施設科や通信科の人員も寄せ集まっており千人規模である。
『未確認船舶が目標の艦隊と同定。敵艦隊の未来位置は我の位置から
「了解。ICC指示の目標距離480nm、方位2-2-5。
既に上空待機しているP-3cの情報提供を指揮統制官が報告し、未来位置を射撃手に伝える。従来の射撃管制装置、指揮管制装置と同じように大型トラックを改修とも考えられたのだが、ユーザビリティのテストも兼ねとりあえずまとめて仮設テントの中で行うことになった。
そしてテント内のシステムコンソールではレーダースコープのトラックが評価が変わったため識別不明を示す緑から赤に変わり、もたらされた情報をXMSM-1に入力を行う。
「こちら射撃統制、4本全ての調整完了」
『状況そのまま、一一四五まで待機維持せよ』
P-3cもこの作戦に参加しているとはいえ有視界下に飛び出させることはさせられない。故に戦果確認は上空に飛ぶ情報収集衛星だがその際解像度向上のため低軌道に落とすためにタイミングを計る必要もある。時刻は10時25分、約20分ほどの待機時間が発生した。
―――
「時間です」
「そのようだ」
「朝霞より通達。存分にやれ、と…」
「……」
官邸、防衛省、方面総監部経由で射撃命令が仮設の第1地対艦ロケット中隊の隊長である星野に下る。星野はフッと息を吐いて命令を下した。
「妙見作戦発動、弾道弾射撃用意。一定間隔で全弾発射にセット」
「了解。一定間隔で全弾発射準備」
コンソールにいる射撃担当官が
「発射弾数4発、緒元最終入力と内部電源への移行完了。風向きと風速全て修正範囲内」
「
「用意よし」
「撃―っ」
「撃―っ」
透明な樹脂ケースを捲り、ENGスイッチを押した。そのオペコードが有線で車両に通達され、命令がモーターケースに電気プラグで火が灯る形で反映された。
一定間隔を上げながら固体燃料推進特有の炎をスカートのように広がらせつつ煙を吐く。発射炎を出しながら上空彼方に1本ずつ轟音を奏でながら消えていく。これにより12分15秒間の空の旅が始まった。
「XF-1燃焼終了。モーターユニットを
「続いてXF-10を点火――燃焼終了まで32秒」
「――燃焼終了、ユニットを
「07から10すべて予定
「MSMとの通信途絶。レーダー車による追跡に移行します」
MSMのヴィークル後部にはRCS値を高める為にマグネシウム由来の発火体が仕込まれており、レーダーの追跡を容易にさせている。通信が途絶した以上、目標物に着弾するまで誘導は全てMSM自身に一任される。
ミッドコース・フェイズに入りヴィークルの速度が若干落ち始める。とはいえ出している速度はマッハ5以上の極超音速域でありその速度帯で最高到達点に達し、高度200km弱で下降を始める。すると弾頭は再び加速を始めた。
しかし大気圏内で極超音速域で飛行すると熱で機材が劣化するために精密誘導が非常に困難になり通常MRBMはCEPが1km以上になってしまう。その事態を解消するためにXMSM-1は高度計から自身の位置が高度50kmを切ったことを察知し、再突入体後部に備え付けてある動翼が起動する。
MaRVと言っても再突入体を水平に起こすような事はやらない。大気圏内でそれをやると着弾速度が亜音速まで低下する為だ。なので再突入体が行う
落下速度がマッハ4を切った時、再突入体のパッシブシーカーがレーダー波を検知する。目標に対しアクティブレーダーシーカーが覆域範囲を1㎡四方に分解していき、RCS、レーダー波や艦隊位置の情報を踏まえ脅威度判定を次々と下していく。このようにシーケンスとは異なり
MSMはそれを更に高度化させた物で、発射された4基間でネットワークを組み脅威を設定し2つに分かれるルート選択を自動で組む。MSMは垂直突入を行い終末誘導を終わらせようとしており、さながら破壊意志を持った隕石と形容できる。
―――
「MSM、第5ウェイポイント通過。
「弾着まであと10秒…6,5,4弾着、今!」
「再突入体、レーダーから消えました」
「衛星が上空に到達するまでは、あとどのくらいだ?」
「あと5分ほどになります」
発射されて735秒。目標領域に敵艦隊は予想通り到達し、その上空に再突入体が突っ込んだ様だ。後は神のみぞ知ると言ったところであるが、祈る者は誰一人としていなかった。
『火力調整所から指揮所へ、レーダーに動きが』
「どうかしたか?」
『艦隊陣形がばらけ始めています。明らかに陣形変更ではありません』
「その中で速度を落としている艦がいるか確認できるか?」
『そこまではまだ…』
何者かが艦隊近くに落下し、艦隊陣形が変更される事はあるにしても、ばらけ始めるという事は大なり小なり何かが起きたという事を意味する。速度を落としていれば猶更だが其処までの情報は収集できない。そして偵察衛星が上空に到達し、防衛省経由でMSM中隊の指揮所に画像が到着した。
「市ヶ谷から情報受領、赤外線衛星画像が届きました」
「着弾観測を行う。正面プロジェクターに画像を映せ」
「了解!」
コンソールにいる人員がプロジェクター周りの機器を操作し、受領したデータを投影する。艦隊陣形はかなり乱れ、その画像には高い熱を持つ箇所が白く反映され、それが見える限り3つ存在していた。それらを守るかのように護衛艦らしき巡洋艦や駆逐艦が取り囲みつつありテント内におぉ、と小さな
「やった…ぞ」
「今のところほぼ確実に…」
「向かって右、下から3つ目の煙を吐く艦をクローズアップ」
「はっ!」
煙を吐く物体は、明らかに戦艦だとわかるサイズの艦が2隻。もう1隻は艦橋が右舷に偏り艦砲が無く甲板が開けていた。明らかに空母である。
「aに2発、βに1発、空母に1発…。一発外れたか」
「ですが戦艦にも十分であることは証明されましたね」
XMSM-1は
「大型艦を狙って始末するのが我が隊の任務だが…これで十分だろう」
「あとは海自が殲滅するはずです」
「ああ」
この衛星画像は官邸や防衛省幹部も精査を行い、妙見作戦フェーズ2に移行されロデニウス大陸沖を上空待機している第3航空隊へ航空攻撃が下令された。
旧世界の2つの超大国が酌み交わした
だが日本は河を渡った。それは抑止力というのは
XMSM-1はGAのレイフォル襲撃の情報を掴むのと、カルミアークに外交官が派遣され魔帝の核所有が発覚した位に試験部門が立ち上がったという設定です。
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