個人的な趣味を全会で書きました。
多分投稿スピードは遅め。場合によってはもう……
楽しんでもらえたら幸いです。
もうずいぶん昔の記憶、まだ俺が今よりずっと弱かった時の記憶。
勝てなくて、なんだかつまらなくて……
デュエマなんてやめようと思ってた時。
「君にはこのカードをあげよう……」
もう顔も思い出せない男。
その男がくれたカードが俺の相棒なんだ。
頭脳の戦いデュエルマスターズ。
5色のマナをチャージしクリーチャーを召喚!!
無数の呪文や能力を駆使し、戦場を操れ!!
5枚のシールドを破り相手にトドメを刺す!!
このゲームにのめり込む、少年たちがいた。
「ふぅんふふん~♪」
鼻歌を歌いながらデッキ調整をする俺こと、
デッキをいじりより強くする、それこそが俺の一番のリラックスタイムだった。
『ずいぶんご機嫌ね?』
すぐ横から気の強そうな女の子の声が聞こえる。
此処は俺の部屋だけど、彼女なんて居ない俺には不釣り合いなシチュエーションだ。
しかし確かに聞こえる。
俺は、慣れた手つきでデッキから一枚のカードを取り出す。
「ああ、もちろんさ。飽きたりするもんかよ、これが俺のライフワークさ」
そう言って話しかけるのは一枚のカード。
その名も『薫風妖精コートニー』
返事もそのカードから帰ってくる。
最初に断っておくが俺の頭がおかしい訳じゃない。
コートニーは実際に話しているのだ、親や友人に聞いても声は聞こえないらしいがコートニー曰く『波長が合うデュエリストなら聞こえる』らしい。
その事が本当であることを祈るばかりだ。
俺だって、頭のおかしい人のレッテルは欲しくない。
『そう言えば、今日の大会行くんでしょ?』
「ああ、もちろんさ」
そう話すと俺はデッキケースを取り自転車で近くのカードショップへ向かった。
「はい、コートニーでトドメっと!」
「うーん……ありがとうございました」
大会の始まりに何とか間に合った俺、着実に優勝へとコマを進める。(10人程度の規模の大会だが……)
「よう、黒札!」
「よう、
何時のこの店で俺と優勝争いをしている中埜が案の定相手の様だ。
敵にとって不足無しだな!!
「じゃあ、始めるか?」
「おお、そうだな」
「「デュエマスタート!!」」
その言葉と共に、店の壁にかかったTVが点灯する。
想護たちが使っているテーブルは特殊な物で、カードを読み取り目の前、テーブルの中央画面にクリーチャーたちが映し出されるのだ。
その映像は、壁のTVにも映されギャラリー全員がデュエマを楽しめる構造になっている。
両者が40枚のカードの束『デッキ』を机の上に置く。
枚数確認が終わり、山札の上から5枚を『シールドゾーン』へ更に5枚を『手札』にする。
じゃんけんの結果、先攻は想護になった。
「俺の先攻、ドローは無し。マナに古龍遺跡エウル=ブッカをチャージ!!ターン終了!!」
想護 手札4 マナ1 シールド5
「俺のターンだな……ドロー、さっそく動かせてもらおうか、マナにチェレンコをチャージ、1マナ使用でトロンをバトルゾーンに!!」
中埜のバトルゾーンに帽子をかぶった子供の様なクリーチャーが出る。
このトロンは『ブロッカー』で相手の攻撃を中止させ代わりに自分がバトルする能力が有る。
デュエルマスターズは、最初から動くデッキというのは限られている。
この時点で、かなり大きく中埜のデッキタイプを測ることが出来る。
「ターン終了だ」
中埜 手札4 マナ1 シールド5
「ドロー……来てくれたなマナを1マナチャージ!2マナでコートニーをバトルゾーンへ!!」
反撃とばかりに想護のバトルゾーンに、目を隠した少女の様なクリーチャー、『コートニー』が出現する。
「さぁ、今回も暴れるわよ!」
そう言って想護にしか聞こえない声で、話し腕まくりをし、腕を振り回した。
(こいつ、もう少しおしとやかには成れないのか?)
その態度を見て黒札は一人愚痴る。
しかしコートニーはそんな事お構いなしだ。
黒札 手札3 マナ2 シールド5
中埜「出やがったな、相変わらずの着色クリーチャー……だが、俺は俺の信じる戦いをするだけ!!ドロー!いいねぇ、こっちも良いのが来たぜ!2マナでトロンを進化!エンペラー・ベーシックーン!」
中埜のバトルゾーンのトロンが青い光に包まれ、機械に乗ったようなクリーチャーに変化する。
進化クリーチャーのエンペラー・ベーシックーンだ。
「まだ終わりじゃない!Gゼロ発動!!パラダイス・アロマを0マナで召喚!」
デュエルマスターズは何かを出す時はマナを使用しなくてはいけない。
しかし、中には条件を満たす事でコスト0で使えるカードが有るのだ!!
この『パラダイス・アロマ』もそうだ、自分のバトルゾーンに『サイバーロード』の種族を持つクリーチャーが居ればタダで出せるのだ。
「サイバーロードある所、パラダイス・アロマあり。だな
エンペラーベーシックーンで攻撃!同時に効果発動!『メテオバーン』!!」
中埜の言葉と同時に進化元となっていた、トロンが手札に回収され更に山札の一枚がめくられる。
そのクリーチャーはまたしてもエンペラーベーシックーン。
「コイツはクリーチャーを攻撃時自分の進化元としておけるのさ、トリガーは?」
「無いな」
「ならこれで俺はターン終了だ」
多少わかりにくいが、コレは中埜の手札にトロンが戻った事を意味する。
地味だが手札補充を可能にしているのだ。水文明の得意とする手札補充戦略。
多くの手札は多くの攻め手を生み、柔軟な戦い方を可能とする。
事実デュエマの中でも、過去にもっとも多くの殿堂が出されたのは水文明だ。
中埜 手札3 マナ2 シールド5
「俺のターン、ドロー!」
(エンペラーベーシックーンのパワーは5000、俺のコートニーのパワー2000では勝てない、今は……マナを溜める!)
「俺は3マナで手札から呪文『フェアリーミラクル』を発動!」
フェアリーミラクルは山札の一番上をマナゾーンに送る呪文だ。
だが、マナゾーンに5つの文明のカードが全てあればもう一枚チャージできる。
現在3マナ、このタイミングで5色すべてが揃う事は少ないが……
「コートニーの効果発動!マナの色を全色として扱う!!」
コートニーの効果が発動し、もう一枚マナがチャージされる。
中埜が手札を増やすなら黒札はマナを増やす戦法を取ったのだ。
想護 手札3 マナ5 シールド4
「ほう、流石のチャージ力、羨ましいな!だが俺の方は超ついてる!前のターン引いたカードを見せてやる!発動!ストリーミング・シェイパー!」
中埜も同じく呪文を使用する。
ストリーミング・シェイパーは山札の上から4枚を見て、水のカードを全て手札に加える事の出来るカードである。
中埜のデッキは全て水のカード!そのため確実に4枚のカードが手に入るのだ!
「いいね……全部水だぜ!さぁ、アタックステップだ!エンペラーベーシックーンでシールドをブレイク!更に再びメテオバーン!進化元となったベーシックーンを回収!山札の上のカードがクリーチャーなら、進化元としておける!……ふん、チェレンコを進化元として送る!」
再び中埜の手札が増える!
そして想護のシールドが一枚削れる!!
シールドゾーンのカードが手札に加わる時、想護がニヤッと笑った。
「かかったな?行くぜ!多色マナ武装発動!今手札にきた、スーパースパークを墓地に送る事で!手札から、界王類邪龍目 ザ=デッドブラッキオをバトルゾーンへ!」
黒札のバトルゾーンに突如として5つの首を持つ龍が出現する!
ザ=デッドブラッキオもパラダイスアロマと同じ様に、コストを払わずバトルゾーンに出せるクリーチャーだ。
その条件は自身のマナが5マナ以上有、なおかつ5色全てが揃っている場合、シールドからカードが手札に加えられる時相手のターンでもバトルゾーンに出せるのだ!!
「ザ=デッドブラッキオの効果!パラダイスアロマを選んでマナゾーンへ!」
地中から蔦が生え、パラダイスアロマを地面に引きずり込んだ!!
「ちぃ……ターン終了」
中埜 手札6 マナ4 シールド5
「俺のターン!マナをチャージし、4マナで手札から「奇跡の面 ボアロジー」をバトルゾーンへ!」
想護のバトルゾーンに現れたのは、密林などに居るであろう呪術師だった。
顔をカラフルな面で覆っている。
「ボアロジーの能力発動!コイツもさっきのフェアリーミラクルと同じくマナを追加する能力が有る!山札から、一枚、コートニーの能力で全色ある扱いになり更にもう一枚!」
山札から2枚のマナが追加される、このターンだけで3枚の追加だ。
「バトルだ!デッドブラッキオでエンペラーベーシックーンを攻撃!」
「ニンジャストライク発動!斬隠テンサイ・ジャニットを召喚!!」
中埜のバトルゾーンに今度も青い子供の様な姿をしたクリーチャーが召喚される。
『ニンジャ・ストライク』このカードも相手のターンにマナを払わずバトルゾーンに出せるカードも一つだ。
効果は相手のコスト3以下のクリーチャーを手札に戻す事。
コートニーが黒札の手札に戻される!
しかしバトル自体は止まらない!
デッドブラッキオによってエンペラーベーシックーンが破壊されてしまった。
「これで俺はターン終了!」
「ターン終了時にニンジャ・ストライクを使った俺のジャニットは山札に下に戻る」
黒札 手札2 マナ8 シールド3
「ふぅ……このデッキに対してブラッキオは辛いな……だが!対処できない訳ではない!」
マナを手早くチャージし、バトルゾーンにマリンフラワーとトロンをそれぞれ1マナで出す。
残りは3マナ。
「召喚!テンサイジャニット!」
再びジャニットが現れ、ニャスが消える。
巨大なデッドブラッキオは確かに脅威的だ。だが、出しただけでそれ以上の能力は持たず、更に破壊されることを前提にすれば並べた無数のブロッカーで十分対処できるのだ。
中埜の使う水文明らしい、手数の多さを利用した戦い方だ。
「くそ……」
想護が小さく毒づく。
巨大獣を数で圧倒する戦い方。
最悪中埜は自身のシールドを捨ててでも、こちらにトドメを差してくるだろう。
クリーチャーが幾らいようと、プレイヤーを攻撃されてはゲームに敗北してしまう。
「鉄壁……には、程遠いけど、まぁ何とかなるだろう」
先ほど破壊されたベーシックーンはメテオバーンで手札にもう一体のべーシックーンを残している。
このままジワリジワリとこちらを、追い詰める気らしい。
中埜 手札2 マナ5 シールド5
「俺のターンだ……」
黒札 想護がデッキに手をかける。
相手は水単速攻と呼ばれる部類のデッキ。豊富な手数、攻撃をすればこちらが追い詰められる。
そう、この盤面は決して想護が有利という訳では無いのだ。
『なぁにぃ?ビビってんのぉ?相変わらずダッサイの~』
「コートニー!?」
「ん?」
突如声を上げた、想護を中埜が不審がる。
それは大会の決勝を見ていたギャラリーも同じ様だ。
「あ、いや……何でもない……」
必死になって誤魔化すが、想護には見えていた。
自身の横、半透明となって空中を浮かぶコートニーの姿が。
『アンタって、むかしっから、チキンなのよね。
偶にはさ、なんにも考えずに殴って見なさいって!』
シュッシュと拳を突き出す。
「…………」
シールドトリガー、ニンジャストライク。
様々な要素が、攻撃の隙にある。場合によっては敗北に直結する物さえも……
「けど、偶には何も考えないのもいいかもな……」
想護が笑みを浮かべ、デッキに再度手を置く。
手札には、フェアリーミラクルとさっき戻されたニャス、そしてカモンピッピー。
此処から勝手段はある。
「こっからはギャンブルだ……俺かお前か、勝利を手にするのはどっちだぁ!!ドロー!!」
想護がデッキの一番上のカードを引く。
中埜が息を飲む、ギャラリーも黙り込む。そして想護がそのカードを見て――
『ようやく来たみたいね』
コートニーが笑った。
「俺は、手札のカモンピッピ-をマナへ!!2マナでコートニー!!
そして、こいつが今回の主役だ!!
来い!!龍覇 イメン=ブーゴ!!」
7つのマナがタップされ、黒札陣営のバトルゾーンに青いトカゲを思わせるクリーチャーが出現した。
青赤黄緑黒の5色の飾りを身に纏い、顔には無表情な白い丸い仮面をつけている。
「おぉおおおおお!!」
イメン=ブーゴが叫び、何かを求める様にその手を雄々しく振り上げる。
「超次元ゾーンから、
その瞬間、何処か遠い場所で、ツタで封印されていた5つの龍の頭をあしらった斧がその声に呼応するように飛び立った。
そして、その斧は遥かな距離を超え、イメンー=ブーゴの手に収まった。
「ドラグナーか……」
中埜が渋い顔をする。
ドラグナーとは、超次元ゾーンと呼ばれる特殊なゾーンから、龍の魂が封印された武器を呼び出す力を持った存在だ。
その効果は様々だが、このボアロアックスは……
「マナゾーンにあるコスト5以下の自然のクリーチャーをバトルゾーンへだが……」
「コートニーの効果で、全部の文明として扱う――つまり、自然でもあるという事……!!」
想護の説明を途中で中埜が引き継ぎ、言葉を発する。
「正解だ。マナゾーンから来い!!爆轟 マッカラン・ファイン!!」
想護が呼び出すのは、本来なら火のクリーチャーであるマッカラン・ファイン。
赤い鎧に剣を握り、大しく声を上げる。
「マナ武装5発動!!マナゾーンに火のカードが5枚以上あれば、バトルゾーンのクリーチャーすべてにスピードアタッカーを加える!!」
今度はマナが真っ赤に染まった。これにてマナ武装が達成された。
想護のデッキはほとんどが自然で構成されている。だが、コートニーの能力で次々とマナの色を自由に変える戦略がとれるのである。
特にドラゴンサーガ期に作られたマナ武装とは相性が良く、本来一色でのみ制作されるはずのマナ武装を複数の文明文使用できるのが、想護のデッキ通称『武装コートニー』である。
「行くぞ!!龍覇 イメン=ブーゴで攻撃!!その時、ボアロアックスの効果発動!!
マナゾーンから、再度コスト5以下のクリーチャーをバトルゾーンへ!!
来い!!光流の精霊 ガガ・カリーナ!!そして、効果発動!!超次元ゾーンから勝利のプリンプリンを!!」
想護が再度呼び出すクリーチャーは、黄色い口の裂けたクリーチャー。
ガガ・カリーナが咆哮すると、今度は同じく眼が隠れた少女のようなクリーチャーが現れる。
「あはっ!」
カワイクポーズをとると、中埜のバトルゾーンのトロンの力が抜ける。
プリンプリンには、相手のクリーチャー一体を選び、ブロックとアタックを封じる力を持つ。
「くそっ!イメン=ブーゴから、マッカラン、ガガ・カリーナから、プリン……ドギバスでもこんな動きしねーぞ!!マリンフラワーでブロック!!」
中埜に切りかかろうとするイメン=ブーゴをマリンフラワーが身を挺して守る。
「まだだ!!ザ・デッドブラッキオでダブル!!」
デッドブラッキオが想護の呼びかけに呼応して、中埜に飛び掛かる!!
今の中埜には、自身を守るブロッカーは居ない。
「ちぃ!トリガーは無しか……」
5枚ある内の2枚のシールドが破られ手札に加わる。
「ガガ・カリーナ!プリンプリン、マッカラン・ファイン行け!!」
想護の指示で3体のクリーチャーたちが次々とシールドを破壊する。
「こい、こい、トリガぁああ!!」
だがむなしくも最後のシールドまでもがトリガーではなかった。
「あ……」
全てのシールドを失った中埜の前、コートニーが腕を組んで立っており……
「コートニーでトドメだ」
「ざっまぁ!!」
コートニーの蹴りが、中埜を捉えた。
「あれ、今一瞬……本当に蹴られたような?」
「そ、そんな事無いぞ?ゲームにのめりこみすぎだぞ?」
誤魔化す様に想護が話す。
「おっかしいな……あーけど悔しぃ!!どっかでトリガー出ればマッカラン除去できたのに……」
「クロック出たらやばかった」
そんな風に談笑して、二人は分かれた。
『うっし!気分いいわ~、プレイヤー蹴飛ばすのさいっこー!』
自転車をこぐ想護の横で、コートニーがご機嫌で飛びながらついてくる。
「……毎回、なんかひやひやするんだけど?なんか、相手に影響ないよな?」
『ある訳ないじゃない。ただのゲームなのよ?』
そう言って、ただのゲームじゃ説明できない本人が話す。
「ま、良いけどさ。俺の相棒は少し変わってるってことで――ん?コートニー?」
空を、星を見上げるコートニーを見て、想護が何かに気が付く。
『なんだろ……今の、感覚……どっか、知らない誰かが、ここじゃない何処か別の世界から来たみたいな……
この世界に異物が入り込んだみたいな……そんな、感じ?』
「異物?何言ってるんだ?」
どうにも、話が合わないコートニーをみて想護が不振に思った。
だが、そんな事より明日は学校だと、自転車のペダルに力を籠める。
「よし、クロック4枚目……トリガーを厚くしてみたぞ……あんまり、入れすぎると進化できないし……けどな」
とあるカードショップで中埜がデッキをいじる。
敗北した後、トリガーを求め他のショップからショップへとクロックを求めて、走っていたのだ。
そこへ――
どがっ!
「デュエリストか……丁度いい。ここいらのレベルが知りたい。相手を頼めるか?」
目の前に座ったのは、怪しい男。
20台くらいにも見えるし、もっと若くもみえる。だが、30と言われても信じてしまいそうな不思議な男だった。
「あ、えっと?フリー対戦ですか?」
「俺はそうは、呼ばない。これは
男の言葉と共に、背後に一瞬だけ口が裂けたドラゴンが像を結んだ。
「え、え?」
「さぁ、お前は生き残る人材か見せて見ろ!!」
謎の男が、好戦的に笑みを浮かべた。
デュエル描写むずい……
うーん、カードゲームは動きが無いからな……
もっとド派手なアクションとか入れないと。
そういう意味では遊戯王のARCーVは画期的なアディアだったのかもしれませんね。