悪辣な転生者に裁きを 作:フライング・招き猫
登場人物の名前を変更しました。また設定の一部を変更しました。
「馬鹿者!! 何という事をしでかしたのだ!」
「申し訳ありませんでした。 ミスして人間を死なせた事を知られたくなくて・・・それで勝手に転生させてしまいました。」
白い衣を着た壮年の男性が同じような衣を纏った少女を叱っている。 少女は床に土下座して謝っている。
「勘違いをするな! 私が叱っているのはミスをした事ではない。 ミスして死なせてしまった以上は、その人間に対して保障をし、新たな人生を歩んで貰う為に転生させるのも別に悪くはない。だがな、転生させるにも最低限護らなければならないルールが存在するのだ。」
そう言って男性は溜め息をつき
「二次元の創作世界に転生させるのも別に問題はない、だがな転生させるにあたっては、原作の主要な登場人物を歪に歪めるような立ち位置に転生させたり、転生特典を与えてはならない、というルールが存在するのだ。」
それを聞いて女性の顔は青ざめる。
「然るに今回キミが行ったのは、それを違反している。 主人公の双子の兄として転生させ、身体能力に頭脳を強化。これにより主人公は転生者に居場所を奪われてしまった。 このままではあの世界は終焉を迎えてしまう。」
男性が手を翳すと 床に映像が映し出された。 そこには降りしきる雨の中、大きな河にかかる橋と土手の隙間で雨風を避けながら寒さに震える少年の姿があった。
「既に、影響は出ている。 転生者の影響で世界を滅ぶなどあってはならない。」
もう一度、手を翳すと映像が替わり、家のリビングでのんびりと寛ぎながら下卑た笑みを浮かべる少年の姿が現れる。
「本来なら転生者を排除するのが1番手っ取り早いのだが、既に転生者により物語が改悪されてしまっており、本来の物語に戻すのは不可能なので意味がない。そこでキミには今回の一件の罰として主人公のサポート役として、あの世界に転生して貰う。そして主人公を手助けし、世界を終焉から救って貰う。」
少女は顔をあげて
「転生ですか?」
「そうだ、転生だ。キミの魂を3つにより別けてそれぞれ別の立場を与えるので主人公の手助けをして貰う。いいな?」
「わかりました。それで転生する先は?」
少女がそう尋ねると、男性は手に持つ1つの水晶を見せた。
「これはISのコアというものです。これに宿って貰い彼の専用機となって彼をサポートしなさい。そして残りの二つの魂は本来なら厳禁ですが、物語に登場する二人の人間に憑依融合してもらいます。そして主人公のサポートをしてもらう。」
「その人物とは?」
「一人目は****、二人目は****です。」
「わかりました。」
「それではいきます!」
男性が手を翳すと少女は光となり3つにわかれる。1つは男性が持つコアに、残りの二つは消えた。
「さて、私の方でもサポートしなければな。本来なら厳禁なのだが、物語に介入し改悪する転生者がいる以上猶予は無いしな。最悪、登場人物の一部に影響がおよぶが仕方ない。世界の終焉を回避するためだ、赦せよ。先ずはあの転生者の特典だが、特典を消したり変更したりは出来んが、多少制約を加える事は出来るからな。」
更識夏輝【旧姓 織斑一夏】
転生者である、双子の兄の織斑百春により幼き頃から虐められ、更には百春が姉である織斑千冬や周囲の人物達に有ること無いことを吹き込み、能無し・出来損ないといったレッテルを貼られて虐めらる。
そして6歳の頃に家を追い出されてしまう。
だが、事態を知った神により救済措置がなされ更識楯無に保護されて、更識家に養子として迎えられる。
その後、秘められていた才能が開花し、その力を認めた楯無により娘の刀奈と簪の婚約者に選ばれる。
また更識家の養子になった頃から篠ノ之束が現れて一夏並びに更識家へのサポートを申し出てくる。束曰く『罪滅ぼし』とのこと。
この頃には既に織斑家への拘りはなくなり自分は更識家の人間と認識する。そして決別の意味を籠めて束特性のナノマシンによる目と髪の変色、顔の一部、更には戸籍の改竄をして織斑としての痕跡を消す。
また神より対転生者用の特典を与えられる。
織斑百春(おりむら ももはる)
転生者。 少女の姿をした神のミスにより死亡してしまったが、お詫びとして転生させられると聞き喜んで転生した。転生するに辺り、特典として身体能力の強化、頭脳強化、IS適性の所有、専用機所持、関わった人物への絶対的な信頼、織斑家の長男として転生を貰う。 転生後は自分が物語の主人公になるために一夏の立ち位置を奪う為に様々な策を労した。 その甲斐があり、6歳の頃に家から追い出す事に成功する。 その後は一夏の立ち位置を完全に自分の物にするために原作知識をフル活用し行動する。 その為、千冬をはじめとする周囲の人物達からの信頼は厚い、ただ篠ノ之束だけは接触が無かった為に信頼を得られなかったのが心残り。
ただ百春は知らない、自分というイレギュラーが加わった事で原作というものは既に無くなったという事を。