悪辣な転生者に裁きを 作:フライング・招き猫
アンケートのご協力ありがとうございました。
シャルロットの専用機にかんしては、アルトアイゼンナハトにいたします。 ちなみに作者の予想はガルガーディアかガーバインのどちらかと思ってました。
それから、あらすじの注意事項にあるように、この作品は原作の流れから大きく逸脱しており読み手を選ぶ作品だと思います。
どうか閲覧する際には気をつけてください。原作崩壊が嫌だという方は、このまま閲覧せずにプラウザバックされた方がよろしいかと思います。
また、原作と違うといって、感想や評価に反映されても困ります。
シャルロットとデュノア社の事件が起きて、1週間が過ぎた頃。
IS学園に6月に行われる学年別タッグマッチトーナメント戦の概要が発表された。
1、参加自由。不参加の場合は事前に申請すること。ただし、戦績は一学期の成績に反映される。
2、タッグペアは本日より7日以内に専用の用紙に記入して教員に提出すること。提出後にペアを確認して重複したりレギュレーションに抵触しなければ許可する。 なお、参加者でペア申請がなされなかった場合はトーナメント当日に大会運営のくじ引きによりペアを作る事になる。
3、専用機持ち同士でペアを組むことは禁止する。
4、専用機の有無に関わらず、代表候補生又は企業候補生同士のペアも禁止する。※候補予備生は除外する。
5、使用する訓練機は事前に申請すること。
6、訓練機のカスタマイズは事前に申請すること。ただし、大幅なカスタマイズは認めない。
7、トーナメントに参加しなくても機体整備等の裏方として参加する場合も事前に申請するように。整備経歴を考慮して一学期の成績に反映する。
8、ただし、男性操縦者に関しては3、4の項目の対象外とする。
9、男性操縦者のペアの決定権は男性側にある。また、むやみに押し掛けて、ペアになるように求める事も禁ずる。
これ以外にも細かな大会規約があるが、8と9の項目が大きく注目を浴びた。
「以上が、学年別タッグマッチトーナメント戦の概要だ。 さて、既に概要にあるように、男性操縦者・・・1組の織斑、4組の更識にペア申請が集中することはわかっている。だが、概要にあるようにペア申請を求めて押し掛ける事は禁止されている。もし破って押し掛ける者には、それ相応の罰則が用意されているので覚悟しておくように。」
そう言って、千冬は朝のSHRを締め括る。
生徒会室
昼休みになり、生徒会室に集まった夏輝達は購買部で購入した物を食べながら、タッグマッチトーナメントの概要を見ていた。
「・・・・・・いつの間にレギュレーションが変わったの? 4の部分が少し厳しくなったのは?」
「それについては、いくら専用機を持たないとはいえ、流石に一般生徒と候補生とでは差が有りすぎるので、候補生同士のペアはワンサイドゲームになる畏れがあるから、という意見が出て検討して採用したみたい。」
簪の疑問に答える刀奈。
「まあ、4の項目は理解出来るけど・・・・・8の項目は・・・・やっぱり織斑先生の?」
「はい。織斑先生が女尊男卑主義者や女性権利団体からの非難や無茶な要求を跳ね返す為にも、男性操縦者はある程度の戦績を残した方が良い、という意見と一緒に出されたのです。もっともな意見という事で、すんなり採用されました。」
夏輝の疑問に虚が答える。
「まあ、織斑君の戦績を少しでも良くする為に思いついたんだろうけど、そんな事したら余計、夏輝と比較されるんだけど。」
刀奈が呆れながら呟く。
「それで、兄さんは誰とペアを組むんだ?」
「わ「お嬢様は学年が違います。」・・・酷い。」
早速、立候補しようとした刀奈だったが虚の指摘で落ち込む。 簪、円華、本音、黒江の視線が夏輝に集まる。
「四人でじゃんけん「「「「最初はグー!じゃんけんポン!! あいこで、しょ!!!」」」」早いな・・・」
夏輝が言い終わる前にじゃんけんを始める四人。そして
簪→✊ 円華→✋ 本音→✊ 黒江→✊
「やったぁーーー!!!」
右手のパーを高々と掲げて、喜ぶ円華。
「し、至高のグー様が・・・・・」
膝を着き、右手の拳を震わせて悔しがる簪。
「負けちゃった~♪」
負けたのに、あまり悔しそうにしていない本音。
「仕方がありません、ここは円華様にお譲りいたします。」
冷静さをみせて、円華に勝ちを譲ったという事にしている黒江。
「円華、よろしくな。」
「はい。私と兄さんのペアなら優勝間違いなしだ。」
「それじゃあ、食事が終わったら申請に行こうか。」
職員室
「「失礼します。」」
ドアを開けて一礼して室内に入る夏輝と円華。 二人はスコールの元に向かう。
「ミューゼル先生、ペア申請に来ました。」
「更識君は妹の円華さんとペアを組むのね。」
「はい。兄さんと組みますので申請手続きをお願いします。」
「わかったわ。うん、記入洩れは無いわね。」
スコールが机の上にあるパソコンに入力していくが
「あれ? 更識君のペア申請がされているわね。えーと、申請者は1組の長篠あかりさんで、受理したのは織斑先生だわ。更識君、覚えはある?」
「いいえ、俺は長篠あかりさんとは面識がありませんし、ペアを組むと約束した覚えも、頼まれた覚えもありません。」
「そう、ちょっと確認するわ。織斑先生!」
そう言ってスコールは千冬に声をかける。
「どうしましたミューゼル先生?」
「実は更識君がペア申請に来たのですが、本人が知らない内に1組の長篠あかりさんとのペア申請がされて受理されているんです。今、更識君に確認しましたが、彼は長篠さんとのペアを約束した覚えも無ければ、頼まれた覚えも無いとの事です。受理したのは織斑先生ですが、長篠さんに確りと確認はしましたか?」
「長篠は約束したと言っていたが・・・・だが、更識が身に覚えが無いのならば、その申請は却下して、新たに更識の申請を受理してください。長篠には私から言っておきます。」
そう言って千冬が離れていく。
「やれやれ、あれだけ注意していたのに無断申請とは。とりあえず、長篠さんとの申請を無効にして円華さんとの申請処理をするわね。・・・・・・・よし、これで申請が登録がされたわ。」
「「ありがとうございます、ミューゼル先生。」」
「午後の授業の時に更識君がペア申請をして登録したことが伝えられるから、もう無断申請はされないわ。」
夏輝と円華はスコールに礼をして職員室を後にするのだった。
アリーナ
放課後になり、学年別タッグマッチトーナメント戦の日程とレギュレーションが発表された事により参加する生徒達の訓練も、一層力がはいっている。また、アリーナの利用規約が緩和され利用時間が短くなったのも、その一因となっていた。 限られた時間を少しでも有効に使う為に利用する生徒は真剣そのものだった。
しかしそんな中、第3アリーナには百春と箒、そして鈴の姿しかなかった。奇しくも、シャルロットの事件直後に鈴が復学したのだ。
そして鈴が復学してからというもの、百春と箒の訓練に参加するようになった。 この日で2度目の合同訓練となる。 だが、それが思わぬ悲劇を生んだのだ。
百春と箒と鈴が同じアリーナを使用して訓練すると、周囲の他の生徒達の事を考えずに行動する為に模擬戦や痴話喧嘩の巻き添えを喰らうのだ。 前回の訓練で周囲の生徒達は逃げ回る事態になったのだ。
前回アリーナを監視する教員から注意を受けていたが百春は兎も角、箒と鈴には寝耳に水だった。自分達の認識では、相手は百春が悪いと思っているからだ。
態度を改めない二人と一緒にいた百春はその事で千冬から説教を受けたのだ。
この日、アリーナの使用許可を求めてきた時に受付職員は許可をだす前に千冬に確認を取ったのだ。
千冬は前回の事を考慮して、今回は特別に安全を考えて貸切りで許可して欲しいと願った。
代わりにこれ以降は、3人が一緒に同じ時間で訓練しないように申し渡すからと言われて今回は許可を出した。
「ハァァァァァァーーーーーー!!!」
「太刀筋が甘い! もっとこう、グッとして、シュッとして、ズバットしないと!」
箒が纏うグルンガスト零式に目掛けて斬艦刀を横なぎで振るう百春。だが、それは避けられ箒から擬音だらけのアドバイスがとぶ。
「行くわよ!」
「グアッ! 鈴、いきなりはキツイよ!だいたい、どうやってやるんだよ後退加速なんて!」
「百春! なんとなくでわかりなさいよ。感覚よ、感覚! なんでわかんないのよ!」
斬艦刀が避けられて、体勢の崩れた百春に鈴が双天牙月を振るい、避けられずに右肩に当たる。
訓練内容は後退加速をマスターするためのものだが、鈴の説明が感覚的なものなので理解出来ない百春。
幾度と無く、同じ事が繰り返される。周囲の被害を全く考えずにアリーナのフィールドを独占して行われる訓練。
箒が百春に教えようとすれば、鈴が負けじと教える。二人は互いに張り合い、やがて実力行使に出る。
そこで百春が仲裁に入る。このやり取りがループしているのだ。
結局、この日は後退加速の修得どころか、まともな訓練にならなかったのである。
この時、3人は気づかなかったが観客席の入口の影から、その様子を伺っていたラウラが居たことに。
(・・・・・・・・やはり無能だな。教官の実弟とはとても思えぬ。才能はあるのかも知れぬが、それに胡座をかき高めようとする気が全く無い。更識夏輝と比べる迄もない存在だ。)
興味を失ったのか、ラウラはその場を後にする。
ちなみに、この光景は録画されており千冬が確認することになっている。
この日、3人は訓練終了後に千冬に呼び出されて
そしてこの日以降、3人一緒に訓練することは無くなり、百春はタッグパートナーとなった箒(鈴とじゃんけんをして勝利)と訓練する事になる。
一方、第6アリーナでは夏輝と円華が訓練をしていた。 夏輝のサイバスターと円華のヴァルシオーネRは射撃系の武器を封じて剣のみで周囲の生徒達に迷惑にならないようにフィールドを制限して模擬戦を行っていた。
「セイヤァァァーー!」
ディスカッターを正眼に構えてから振るう夏輝。
「ハァァァーーーー!」
ディバイン・ブレードで斬りかえす円華。
二人の剣が交わり火花を散らす。 既に始めて10分は経つものの、定めたフィールドから出ることなく、幾度と無く斬り結ぶ。
その迫力が有りながらも人を魅了する剣撃に、周囲の生徒達は訓練の手を止めて見入ってしまうのだった。
そして
「イヤァァァーー!」
「とりゃぁぁーー!」
気合いと共に繰り出された鋭い一撃は、互いの喉元…夏輝の剣は僅か1Cm手前で、円華の剣は10Cm手前で止まっていた。
その光景に周囲の生徒達は息を飲むのだった。
「「フゥゥゥゥーーー。」」
二人は同時に息を吐き、剣を引く。二人は構えたまま1歩だけ下がり数秒或いは数十秒経っただろうか、構えを解き剣を仕舞うと一礼する。
その瞬間、割れんばかりの拍手がおこる。
「ふう、やはり兄さんの太刀筋は鋭いな。それが更識の剣【神祇無窮流剣術】か。」
「そうだ、基本的な剣技【虚空斬】と足捌きの基本【流水の型】だ。」
「私もそれなりに剣には自信があったけど、実際に斬り結ぶと兄さんには遠く及ばないな。」
「円華は神祇無窮流剣術の技を始めたばかりで、以前の我流の剣の癖が残っていて、まだバランスが取れてないんだ。以前の癖が無くなれば直ぐに上達するさ。」
夏輝は円華にそう言って、先程の模擬戦で気付いた事を指摘して時間まで型の練習をしていった。
こうして各々、学年別タッグマッチトーナメント戦の開始まで訓練を続けるのだった。
時は流れ6月
学年別タッグマッチトーナメント戦の幕が開けるのだった。