悪辣な転生者に裁きを   作:フライング・招き猫

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第21話  期末テストと買い物

 

 

 

 

 

 学年別タッグマッチトーナメント戦が終わり、7月。

 

 

 

 

 さて、IS学園は日本の高等学校にあたる。授業内容もIS関連を除けば日本の高等学校と何ら変わりはない。 

 日本の高等学校は地域によって様々だが2学期制や3学期制で構成されている。 そのうちIS学園は3学期制を導入している。

 そして間も無く、1学期が終わり夏休みを迎える。

 

 1年生は夏休み前に最後の行事である2泊3日の臨海合宿が行われる。 

 

 しかし、その前に大きな壁が存在している。

 

 1学期の授業の集大成とも言える学期末テストである。

 

 IS学園の学期末テストは少し特殊だ。一般学科に加えてISの座学のテストと実技のテストがあるのだ。

 

 IS座学の方は全生徒共通の物になるが、実技に関しては専用機持ちと代表候補生は一般生徒共通と別枠でのテストとなる。 一般生徒は搭乗して歩行、走行、飛行に拡張領域からの武装の出し入れといった基本動作に初歩的な武装取扱いのテストとなる。

 

 しかし専用機持ちと代表候補生は内容がガラリと変わり教員との模擬戦となる。勝つ事が出来れば合格なのだが、勝てない場合でも幾つかの項目があり、それをある程度クリアすれば合格となるのだ。

 

 だが、本当の強敵は一般学科にあるのだった。試験内容は、国語・数学・理科(化学&生物)・社会(地理&歴史)の4教科。そして50点以下は赤点となるのだ。

 そして赤点を取った教科は夏休みに1科目毎に4時間の補習と追試を、更に追試で60点以下の場合は2時間の補習追加で追試、これの繰り返しとなる。下手すれば夏休みが無くなるのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 (・・・・・・・・な、何でこんなに難しいんだ?クソッ!)

 

 百春はタッグマッチトーナメント戦以来、ISの訓練に熱をいれていた。夏輝を見返す為に。しかしその分、座学や一般学科を疎かにしていた。そのツケが回ってきたのだ。

 

 (転生特典で優秀な頭脳を手に入れたのに何でだ?)

 

 維持したり高める努力を怠った為に優秀な頭脳も劣化していったのだ。

 

 こうして百春の一般学科のテストは散々な物になった。 ちなみに箒のテストも同じような物だった。

 

 

 一方の夏輝達は余裕でテストを解いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    

キーン コーン カーン コーン

 

 

 

 「そこまでです。ペンを置いてください。」

 

 教員の号令と共に試験は終了し、答案用紙が回収される。

 

 「さて、今日で1学期の学期末テストの全日程は終了しました。 そして来週の水曜日から1年生は臨海合宿に向かいます。みなさん、準備を怠らないようにお願いします。」

 

 スコールがそう挨拶して、その日のSHRは終えた。

 クラスの生徒達は来週の臨海合宿に想いを馳せて、明日・明後日で買い物に行く予定を立てている。

 

 「簪・円華・黒江・本音、3組に寄ってシャルと合流して生徒会室に向かうぞ。」

 

 シャルは無事にIS学園へ編入した。外見が変わりメガネを掛けている事もあり、殆どの生徒や教員からは疑われることは無かった。

 

 

 

 「ところでシャル、3組のクラス代表になったそうだな?」

 

 「うん。最初のクラス代表の子が退学してから、暫定的に選ばれた子がしていたんだけど、臨海合宿はあるからって事で正式に決め直す事になって選ばれたんだ。」

 

 夏輝の質問にシャルは答える。シャルが夏輝に尋ねかえす。

 

 「ところで夏輝様、刀奈様の用事ってのは何でしょうか?」

 

 「たぶん、臨海合宿の事だろう。色々と協議を続けていたみたいだし。開催を決定した以上は警備に関しての追加事項が出来たんだろう。」

 

 「・・・・・ねぇ兄さん、まさかと思うけど?」

 

 「あ~、かんちゃんの考え当たっていると思うな。」

 

 「私もそう思うよ、兄さん。」

 

 「それだけで済みますでしょうか?学園側が他に条件を出している可能性も、考えられます夏輝様。」

 

  様々な憶測をしながら進むと生徒会室に着いた。扉をノックして室内に入ると、そこには刀奈と虚以外にラウラの姿があった。

 

 「おや?ラウラ、どうしたんだ?」

 

 「おぉ、待っていたぞ永遠の好敵手(ライバル)。」

 

 「中二病乙」

 

 「それで、ラウラがここにいる理由は?」

 

 「私が呼んだの。ドイツから依頼されていた、ラウラちゃんの専用機が出来たって連絡があったからよ。」

 

 「なるほどね。それで受け渡しは明日?」

 

 「そうよ。明日・明後日で最適化と一次移行、更に慣らしを終わらせるみたいよ。」

 

 「今から楽しみだ。それで明日は何時に行けばよいのだ?」

 

 「明日の朝9時にIS学園の正門に迎えの車が来ますから、それに乗ってください。」

 

 「そうか、わかった明日の朝9時だな。」

 

 そう言ってラウラは生徒会室を楽しげに出て行った。

 

 「嬉しそうだったわね。」

 

 「それで刀奈姉さん、ラウラの専用機[ゲシュテルベン]はどんな感じなの?」

 

 円華の質問に刀奈は

 

 「美兎姉さんが言うには、ガーリオン以上アステリオン以下だって。」

 

 「流石に第5世代機を渡す訳にはいきませんので、第3.5世代型ISという事で収めたみたいです。」

 

 虚が補足する。

 

 「第4世代機にはしなかったんだ。」

 

 「私が止めました。」

 

 簪の言葉に答える黒江。

 

 「もしかして・・・・・・」

 

 「はい、最初の内は第5世代機を作ろうとしてました。気づいた時には6割近く出来てまして、慌てて止めました。そこから新たに作ってもらったのです。」

 

 「ちなみに黒江。その作りかけのは、どうしたんだ?」

 

 「美兎様が言うには、このままにするのは勿体無いから自分用に作り替える、と言っておりました。」

 

 黒江の答えに全員の動きが止まる。

 

 「・・・・・黒江、間違いなく自分用にと言ったんだよな?」

 

 「・・・・・・・はい、間違いなく。」

 

 「・・・・・・・ヤバいものが出来るかも。」

 

 全員が夏輝の言葉に同意するかのように激しく頷く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「それで刀奈姉さん、臨海合宿の方はどうなったの?」

 

 「大きな変更点は3つ。1つは教員部隊の1部・・・3名を同行させる事。2つ目は同行する教員部隊の使用するISにガーリオンを1機加えること。」

 

 「ちょっと待って刀奈姉さん、ガーリオンは校外への持ち出しは厳禁で契約してたよね。」

 

 「えぇ、そうよ。でもね一部の教員から、夏輝の安全と引き換えには出来ない、と言われればどうしようも無いわ。無論、使用者を指定させる事にしたわ。」

 

 「・・・・・・それで3つ目は?」

 

 自分をだしに使われた事に少し怒りを覚えた夏輝。

それを隠して3つ目を尋ねた。

 

 「3つ目は、二人の専用機持ちを同行させること。そしてその人物が、私と虚ちゃんなの。」

 

 これはある程度予測がついていたので驚かなかった。

夏輝達が驚かないのを不審に思い刀奈が、

 

 「あれ?驚かないの、私と虚ちゃんが同行するんだよ?」

 

 「ある程度予測出来たからな。おそらく刀奈姉さんが押し通したんだろう。」

 

 「その通りです夏輝様。ガーリオンの持ち出しと引き換えに私達の同行を認めさせました。」

 

 「ちょっと、虚ちゃん?!」

 

 どうやら内緒にしておくつもりだったようだが、虚があっさりと暴露するのだった。

 

 「全く、刀奈姉さんと虚さんが学園を離れたら、学園に何か起きた時の対応に色々と支障が出るんじゃないか?」

 

 「それについて何ですが、明日から学園の専用機持ちが増える事になります。」

 

 虚の言葉に刀奈以外の全員が驚く。

 

 「どういう事なのお姉ちゃん?」

 

 「正式な発表は月曜になりますが、まずは2年生のイギリスの代表候補生のサラ・ウェルキンさんに第3世代型IS[サイレント・ゼフィルス]が与えられます。」

 

 本音の質問に虚はそう答えると、モニターにサイレント・ゼフィルスのスペックデータが表示される。

 

 「ご覧の通り、オルコットさんのブルー・ティアーズの発展型でビット兵器を装備してます。ただ、ブルー・ティアーズと違いAI制御が施されていますので、BT適正が低くても使える様になっているそうです。」

 

 「つまりは、誰でもBT兵器を使える様にするためのテスト機体というところよ。それに元々サラはイギリス代表候補生の中でも、抜きに出た実力と才能の持ち主なの。今まで専用機が与えられなかったのもBT適正が低いという一点だけだったの。むしろ、今回の専用機は与えられるべき人に与えられた、というところかしら。」

 

 刀奈の補足に虚が頷き、口を開く。

 

 「次に、3年生の中国代表候補生の陳白さんに専用機[甲龍]が与えられます。これは凰さんが専用機を剥奪された事によるものです。」

 

 「陳先輩もサラと同じく実力と才能に問題は無かったの、本来なら彼女に甲龍が与えられる予定だったみたいなの。ところが政府の横槍が入って凰さんになったみたい。ある意味、本当の持ち主の元に戻ったというところかしら。」

 

 「それから、これはまだ未確定の事何ですが、1年生のアメリカ代表候補生のティナ・ハミルトンさんにも専用機が与えられるという話もあります。此方はもしかしたら臨海合宿で行われる可能性もあります。」

 

 「虚さん、何故未確定なのですか?」

 

 簪が虚に聞くと、刀奈が

 

 「元々ハミルトンさんには、クラス対抗戦直後から専用機の話があったみたいなの。ただ国の方で色々あって延び延びになっているみたいなの。そして今回、漸く決まったみたいなんだけど、専用機のスペックは勿論のこと、受領時期も未だに学園に届け出が無いの。」

 

 「それはおかしいですね。何かにつけてトラブルでもあったんでしょうか?」

 

 シャルの疑問に黒江が

 

 「例えば、専用機が完成していない。もしくは完成したものの何か欠陥や改修点が見つかり、それを修整している。というのが考えられます。」

 

 「・・・・まあ、今は情報が確定するのを待とう。それで、刀奈姉さんと虚さんは臨海合宿では警護だけするの?」

 

 「警護も任務の内だけど、それ以外にも指導や模範演技に、手伝いとか色々しないといけないの。」

 

 「つまりは教員と同じ事をするんですね。」

 

 「そういう事よ円華ちゃん。それじゃあ、明日は臨海合宿の為の買い物にみんなで行きましょうか。」

 

 「買い物? 必要な物は購買部で揃うんじゃ?」

 

 刀奈の言葉に戸惑う夏輝。

 

 「残念だけど、1番必要な物が購買部には無いのよ。」

 

 含みを持たせる刀奈。その瞬間、夏輝は嫌な予感がした。先手を打とうと

 

 「俺はあ「それはね、み・ず・ぎ! 折角、海に行くんだから新しい水着が必要でしょ。だからみんなで買いに行きましょう。勿論、夏輝が選ぶのよ!」

 

 だが虚しくも、夏輝の言葉は遮られた。そして刀奈の言葉に全員の熱い視線が夏輝に集中する。

 

 「夏輝様、僕も手伝いますし諦めてください。」

 

 シャルが夏輝の逃げ場を塞ぐのだった。がっくりと項垂れる夏輝。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日

 

夏輝達の姿はIS学園から程近い商業施設レゾナンスにあった。

 

 「さあ、先ずは水着を買いましょう!」

 

 刀奈が先頭になって水着売り場に向かう。1番後ろを行く夏輝の顔色はあまり優れない。隣を歩くシャルが

 

 「諦めてください夏輝様。まあ、せめて2種類に絞るようには言いますので。」

 

 「それでも、7人✖2の14着も見なきゃいけないんだぞ。」

 

 「夏輝様、7人✖2ではありませんよ。8人✖2ですよ。」

 

 そう言ってシャルは自分を指差す。

 

 「おいおいシャル、まさか?」

 

 「別に僕は刀奈様達と同じ立場になんて思ってませんし考えていません。僕を(デュノア)から解放してくれただけで満足してます。さっきのはサポートする見返りといったところです。」

 

 悪戯猫の如く笑みを浮かべるシャル。

そんなシャルに少し呆れながらも、吹っ切れた様子に安堵する夏輝。 

 

 だが、水着売り場で刀奈達が待ち構えているのを見て、

 

 「・・・・・・・なあシャル「ダメですよ、大人しく諦めてください。」はぁ~。」

 

 シャルに腕をとられて連行される夏輝であった。

 

 「さあ、夏輝!私達の水着を選んでちょうだい♥」

 

 「刀奈様、せめて自分達で候補を選んでからにしませんか?いくらなんでも全員分を最初からだと、時間がいくらあっても足りません。せめて2つまで候補を絞りましょう。」

 

 「シャルさんの言う通りですねお嬢様。」

 

 「む~、仕方ないな~、それじゃあ、2つまで候補を絞ってから夏輝に選んで貰いましょう。」

 

 そう言って刀奈達は水着売り場に入っていく。それを見届けてから、夏輝は自分の分の水着を買うために1番端にある男物の水着売り場を向かう。

 

 「これでいいか。」

 

 サッと見て回り紺色に白い縁取のシンプルデザインのサーフパンツとラッシュガードを選び買うのだった。

 

 商品を受け取り通路に出たところで、夏輝はラウラとさゆかに出会った。

 

 「ん、ラウラ達も買い物か?」

 

 「あぁ水着を買いにな。私は学校指定の物で良いと思っていたのだが、さゆかが新しいのを買えと言うのだ。」

 

 学校指定の水着といえば今では珍しいスクール水着というやつだ。それを思いだし、さゆかに視線をやると苦笑いをし

 

 「水着だけじゃありませんよ。ラウラは寝間着どころか私服もほとんど持っていないんですよ。」

 

 そういえばラウラはIS学園の制服を着ていた。既にさゆかとラウラは幾つか買い物袋も手にしていたみたいで、

 

 「そうか、苦労するな。そうだ、今なら水着売り場に刀奈姉さん達がいるから、手伝って貰ったらどうだ?」

 

 「いいんですか?」

 

 「一人では大変だろう。いいさ。」 

 

 「それじゃあ行きます。ラウラ行こう!」

 

 「あぁわかった。」

 

 何処と無く元気の無いラウラ。どうやら馴れない事で既に疲れているようだ。

 それを見送り夏輝は近くにあったカップ式自販機でコーヒーを購入し近くのベンチに座るのだった。

 そんな夏輝の目の前に大量の紙袋が置かれるのだった。 夏輝が顔を上げてみれば、見知らぬ30歳前後の

ハデな服装に化粧と香水のキツい女性がいた。

 

 「そこのあんた、その荷物を持ってちょうだい。ついでに、買い物するから支払いをヨロシクね。」

 

 そう言ってきた。しかし、夏輝は無視をした。

 

 「ちょっと聞いてるの?卑しい男を使ってあげるのよ、感謝して従いなさい。」

 

 どうやら相手は女尊男卑主義者らしく、夏輝を見下している。 だが夏輝は何も言わずに無視する。少し視線を動かせば更識の警護が既にカメラで証拠映像を撮影しており、更には水着売り場から虚が此方の様子を伺っていた。 

 夏輝が反応しないのに痺れをきらした女性は

 

 「ちょっと、何時まで無視してるのよ。私は女性なのよISを使えるのよ。あんた達のようなISも使えない無能な男は黙って私達に従えば良いのよ。」

 

 だが夏輝は無視を続ける。

 

 「私がここで声を上げて痴漢された、と言えばあんたは問答無用で捕まるのよ。イヤでしょ?さっさとついて来なさい。」

 

 「はぁ~、何で俺があんたみたいな女を痴漢しなきゃならないんだ。自意識過剰にも程があるぞ、おばさん。」

 

 夏輝の言葉に顔を真っ赤にする女性。

 

 「そもそもISが使える、使えると言っていたが、本当にあんたはISを使った事があるのか?そもそもISの適性があるのか?」

 

 「なっ!!」

 

 更に顔を真っ赤にする女性。

 

 「そもそも目の前にいる俺が、世界で二人しかいないISの男性操縦者で、現日本代表操縦者の更識刀奈の弟の更識夏輝だとしたらどうする?」

 

 「そんなはず、有るわけないでしょ!誰か、誰か来て!痴漢よ、痴漢!!」

 

 女性のヒステリックな叫び声に周囲に人が集まる。そして警備係らしき女性も現れて

 

 「どうしました?」

 

 「この男、痴漢なのよ。捕まえて!」

 

 「わかりました。ちょっと警備室まで御同行願えますか?」

 

 「お断りします。私は何もしてませんし、そもそも周囲の人に確認してもらえれば私の無罪は証明されます。何故、問答無用で連行しようとするのですか?」

 

 「うるさい!男の癖に生意気な!」

 

 そう言って警備係の女性は殴ってきた。夏輝は座ったまま左足で拳を蹴りあげる。蹴られた右腕を押さえながら

 

 「きさま!公務執行妨害で警察に連行する!」

 

 「そっちが手を出して来たんだ、正当防衛だ。」

 

 そこにタイミングをはかっていたかのように刀奈が現れる。

 

 「夏輝、何をしてるの?」

 

 「刀奈姉さん、この二人の女性に難癖つけられているんだよ。」

 

 「アラアラ、困った人達がいるわね。」

 

 「何だお前達は、庇いだてするなら同罪で連行するぞ。」

 

 同僚らしき警備員が集まってきた。刀奈はIS学園の生徒手帳を取りだし示す。そこにはIS学園の生徒を証明するエンブレムのみならず、日本の国家代表選手の証明書もあった。 それを見て警備員のみならず、難癖をつけた女性も固まる。

 

 「私はIS学園の2年で日本代表選手を努める更識刀奈です。そしてそこにいるのは、私の弟で世界で二人しかいないIS男性操縦者の更識夏輝です。」

 

 そこまで刀奈が言うと周囲は驚きに包まれる。そして難癖をつけた女性の顔色は真っ赤から真っ青に変わっていた。

 

 「イヤ、その、そこの女性が、痴漢されたと」

 

 警備員が言うと夏輝が

 

 「先程言いましたよね。俺はしていないと、周囲に確認してくださいと。それに問答無用で殴ってきましたよね。ちなみに、その女性が難癖をつけてきた時から今までの状況は全て撮影されています。」

 

 そう言って夏輝はスマホを取りだし、警護から送られてきた映像を再生する。それを見て女性と警備の女性は顔色が真っ白になる。他の警備係達が、女性警備員と最初の女性を拘束し連れて行った。その後、騒ぎを聞き付けた責任者が現れて

 

 「大変申し訳ありませんでした。このような事が2度と起こさぬように気をつけますので、何卒お許しを。」

 

 先程の一件を謝罪してきた。夏輝も騒ぎを大きくしたことを謝罪した。とりあえず、その場はそこで収めたのだった。

 

 

 

 「全く夏輝たら、あんなに騒ぎを大きくして。」

 

 「イヤ、いきなり上から目線の命令口調に、キツい香水で気分が悪くなってね。」

 

 と弁解した。刀奈達は呆れながら

 

 「まあ、いいわ。それじゃあ水着を選んでちょうだい!」

 

 そう言って夏輝は売り場の中へ連行されていくのだった。 

 

 

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