悪辣な転生者に裁きを 作:フライング・招き猫
IS学園 1年1組
百春は1年1組の教室でご満足だった。これから始まるハーレム生活に。クラスメイトの顔触れを見回す。
(箒もいるし、おっ!セシリア発見!他にも可愛い娘ばかりだ・・・・・ん?! あれ、本音がいない・・・それに四十院神楽だっけ? 箒と対極的な大和撫子がいない?)
クラスメイトに本来ならいるはずの少女がいない事に疑問を持つ百春。 だが、この時百春は気づかなかった、クラスメイトを見回した時に一人の女子生徒が不快な顔をしたことを。
そしてそれは百春に心当たりがあった。それは2日前の事だった。
その日の朝、百春が自室で目を覚ますと枕元に1通の手紙が置いてあった。中を開くと
[IS学園への入学おめでとうございます。転生してからの人生はどうでしたか?楽しんでますか?ここでひとつお知らせする事があります。既にあなたも気がついているかも知れませんが、あなたが知るはずの歴史・・・ストーリーとは差違が生まれております。ですが、これはあなたが本来ならいないはずの人物、織斑百春とした転生し、更に本来の主人公である織斑一夏が消失した事による弊害です。これ以降もこういった事がおきますので心してください。 神より ]
手紙を読み終わると手紙は、あっという間に細かい塵となって消えた。
この時になって百春は恐れた、つまり自分が知っている原作知識が役にたたない事が起こる可能性があるということだ。だが、それでも百春は
(今さら引き返せるか!俺は絶対にハーレムを築くんだ!)
やがてチャイムが鳴り、ドアから真耶が入ってくる。
「皆さん、おはようございます。IS学園への入学おめでとうございます。私はこのクラスの副担当教員の山田真耶と申します。どうぞよろしくお願いします。」
そう言って御辞儀をする真耶、だが生徒達は誰も反応しない。
クラスが静寂に包まれる。だが、状況は一変する。
「・・・・・・・可笑しいですね? クラスの副担当教員が挨拶したのに返事すら無いなんて。ここには礼儀作法も知らないガキがいるみたいですね。IS学園を退学してから、もう1度小学校からやり直しますか? 」
絶対零度の笑みと毒舌にクラスの生徒達は震えあがる。人畜無害な教員というイメージは無くなり、決して怒らせてはならない人というイメージを持つ。
「「「「よ、よろしくお願いいたします。」」」」
全員が一斉に挨拶をかえす。
「あー、よかったです。毎年いるんですよね。勘違いしてる人達が、ここはIS学園ですが日本の高校でもあるんです。勉強のみならず社会に出る為の一般教養をその身で学ぶ場所でもありますので、気をつけてくださいね。それでは自己紹介をお願いします。」
自己紹介が始まる。
IS学園1年4組
「皆さん、入学おめでとうございます。私がこのクラスの担当教員になりますスコール・ミューゼルと申します。よろしくお願いします。」
「「「「よろしくお願いいたします。」」」」
此方は1組と違い、しっかりと挨拶が返される。
「それでは自己紹介をお願いね。」
此方でも自己紹介が始まる。
「更識簪です。日本代表候補生を勤めています。どうぞよろしくお願いいたします。」
「更識夏輝です。御存知とは思いやりますが、世界で二人目となります男性操縦者です。それから、先程自己紹介した更識簪は私の妹にあたります。どうぞ妹共々よろしくお願いいたします。」
そう言って夏輝が御辞儀するとクラスから割れんばかりの拍手が湧く。
「カッコいい!!」
「頼れるお兄さんって感じ!!」
「それに、あの洗練された所作。痺れる!」
口々に感想が湧く。
「はいはい、興味深々なのはわかるけど、今は自己紹介の途中です。」
スコールが注意して自己紹介は進む。
一方の1組
自己紹介が終わったところで千冬が教室に入ってきて、一波乱があった。それも鎮まったところで一人の生徒が
「先生、もう一人の男はこのクラスじゃ無いんですか?」
その生徒の質問に百春は固まった。
(も、もう一人? 俺以外に男性操縦者が?!もしかして、これも・・・)
「もう一人の男性操縦者は4組にいる。言っておくが無闇に押し掛けるなよ。」
千冬はそう念押ししておく。
SHRが終わり、千冬が教室を出たところで百春が
「ち、千冬姉じゃなかった、織斑先生!もう一人の男性操縦者って?!」
「何だ織斑、お前はニュースを見ていなかったのか?全世界で一斉開始された男性対象の適正検査で見つかったんだ。名前は更識夏輝、お前と同じ15歳だ。・・・・仲良くしろとは言わん。だが、下手にちょっかいをかけたりはするな。先に言っておくが、お前と更識とでは既にあらゆる面で大きく差がついてしまっている。これには私にも責任があるから先に謝っておく。」
「ど、どういう事だよ。」
「詳しくは、今日の夜に話す。」
そう言って千冬は立ち去る。
(おいおい、どうなってるんだ・・・二人目がいるだけでも驚きなのに、千冬姉のあの言葉・・・何が起きて・・・・ちょっと待て、更識! 更識って生徒会長の更識楯無と日本代表候補生の更識簪の兄妹ってことか?!)
1年4組
SHRが終わった教室では夏輝の周囲にクラスメイトが集まり質問を続けていた。
そんな中、一人の女子生徒が夏輝に近付いてきて
「少しよろしいでしょうか?」
「はい? あ、セシリアさん。どうも御無沙汰してます。」
夏輝が顔を向けると、そこにはイギリスの代表候補生セシリア・オルコットの姿があった。
「夏輝さん、簪さん、本音さん、黒江さん、此方こそ御無沙汰しております。その後おかわりはございませんか?」
「はい。」
「セシリアさん、久し振りです。」
「セッシー、おひさーー」
「セシリア様、御無沙汰しております。」
夏輝、簪、本音、黒江が挨拶をかえす。
「まさか夏輝さんがISを動かすなんて驚きましたわ。」
「あーー、俺も驚いているよ。それよりセシリアは何処のクラスに?」
「私は1組になりました。あの織斑百春がおります。」
セシリアは百春の名前を出した時に表情が歪む。
「どうしたのセッシー?」
本音が気づいて尋ねる。
「いえ、あの織斑百春という男性何ですが、何と言いますか、周囲のクラスメイトを見る目が舐めるようなというか、いやらしいのです。まるで見定めるように。」
それを聞いてた4組のクラスメイト達は
「えーー、織斑君って、そんな事してたんだ。」
「うーーーん、イケメンだけど、そんな目で見られるのは・・・・・」
「何か下心見え見えだね。ちょっとガッカリ。」
と、百春の評価は駄々下がりである。
「それよりも、夏輝さん。夏休みになりましたら、是非イギリスにお越しくださいませ、父と母も御会いするのを楽しみにしておりますし。」
夏輝達とセシリアの出会いは2年前まで遡る。更識の仕事の研修で、イギリスに行った時のことである。
たまたま乗った特急電車でセシリア達と出会ったのだ。その頃のセシリアは男性に対して嫌悪感を抱いていた。 日頃の父親の弱腰の態度に広まっていた女尊男卑の縮図を感じていたのだ。
だが、そんな列車旅の途中、突然起きた不自然な崖崩れ。幸いにも列車は巻き込まれなかったものの停車してしまった。 そんな時だった、ISを纏った女性が2人と銃火器を持った集団が列車を襲ったのだ。
「目標はオルコット夫妻だ、絶対に始末しろ!」
そう言って銃を乱射してくる集団は次々と乗客を狙っていく。 そんな集団の前に無防備な姿をさらしたセシリアに容赦なく銃弾は迫る。 だが、そんなセシリアを救ったのは他ならない父親だった。体を盾にしてセシリアを守る。
あわや危機一髪のところで夏輝達が駆けつけて武装集団に対して実力行使に出たのだった。幸いな事にその時は刀奈と虚がISを所持していたので、緊急時における非常使用を適用してISを展開し、刀奈がISの方に虚が武装集団の制圧に出た。夏輝・簪、それに傍についていた警護の者達も襲撃者の銃を奪ったりして迎撃していき、本音と黒江は怪我人の治療や避難誘導にあたった。
そのかいもあって重傷者は出たものの奇跡的に死者を出すことなく事件解決となった。セシリアの父親も銃弾を多数体に受けたものの命に別状はなく、またセシリアも毛嫌いしていた父親が命をかけた自分を守った事で父親の本当の強さを知り、今までの自分の認識を改めた。
そして、その時に夏輝達とは連絡先を交換し度々連絡を取り合ったり、時には家を訪れて友情を育んできた。
「そうだな、夏休みにみんなでイギリスに遊びに行こうかな。」
夏輝がそう言ってところで予鈴が鳴る。
「まだまだお話ししたい所ですが授業の時間も近いので、また昼休みに。」
セシリアはそう言って優雅に御辞儀して教室を後にする。
とりあえず、書き貯め分はここまでです。
なるべく間を空けずに投稿したいと思います。