インフィニット・オーネスト ~いつだって、命を懸けて~ 作:青海 翠果
さて今回は、一章ラストの回です。それではどうぞ!
~一年四組の教室~
スコール「さて、このクラスの勝利者は神代君なんだけど、代表になるんじゃなくて、代表を『選ぶ』人を決める決定戦だったから、この中で誰が代表に選ばれてもおかしくないのよ。で、神代君。あなたは誰を選ぶのかしら?」
開理「その前に、役職として『副代表』というのを作ってもいいでしょうか?」
スコール「構わないわ、その副代表の方はクラス代表対抗戦には出ないのでしょう?」
開理「はい、代表のみが出ます。では、代表に神代開理、副代表に更識簪さんを指名したいと思います。」
簪「!!」
他の生徒『!?』
スコール「わかりました。更識さんは宜しいかしら?」
簪「は、はい!!」
スコール「他の皆さんは、二人で良ければ拍手をしてください。」
パチパチパチパチ
スコール「では、今日の授業はここまでね。クラス代表対抗戦は二週間後だから、神代君は頑張ってね。それでは。」
~一年一組の教室~
千冬「それでは、一番勝利数の多かった神代姉に代表を決めてもらおう。」
百夏「はい、じゃあ神代百夏を代表に指名します!」
千冬「了解した、他の者で、異論のないものは拍手をするように。」
パチパチパチパチ
千冬「では、クラス代表決定戦及び、本日の授業はここまで。クラス代表対抗戦は二週間後だ。神代姉は準備を怠らないように、以上。」
~放課後~
開理「ごめん、簪さん。勝手に指名しちゃって。」
簪「え、う、ううん!!ぜ、全然大丈夫だよ...(むしろ一緒にいる時間が増えて嬉しいから!)。」
開理「ホント!?良かった~勝手に色々しちゃって申し訳なくて...改めて、これからよろしく、簪さん。」
簪「うん、宜しくね...。」
開理「じゃあ、晩御飯どうしようか?」
簪「あ、えと、お姉ちゃんと他にも二人いるんだけど...良いかな...?」
開理「あ、そうなんだ、大丈夫!何人増えてもいけるから大丈夫!」
簪「あ、ありがとう...!!」
開理「楯無さんと、他は誰が来られるの?」
簪「一組の布仏本音と三年の布仏虚さんだよ...。」
開理「へぇ~、関係性がわからないけど、どんな関係だったりするの?」
簪「本音は私の従者で、虚さんはお姉ちゃんの従者なの...。」
開理「じゅ、従者!?...えっと、簪さんのお家って、結構お金持ち?」
簪「あ、あれ?更識って、聞いたことない...?」
開理「うん、そんなに有名なの?俺、IS開発ばっかりしてたからかな?」
簪「なら、仕方ないのかな...?まあ、一応、お金持ちの部類に、入ると思うよ...。」
開理「へぇ~、まあ、だからといって何が変わるわけじゃないし。三人の好きな食べ物はわかる?」
簪「うん、お姉ちゃんは....。」
~一時間後・食堂~
本音「かんちゃん、お待たせ~。」
虚「簪様、お久しぶりでございます。」
簪「本音、待ってた。虚さん、お久しぶりです。」
虚「それで...お嬢様?」
楯無「あ、え、えっと、か、簪ちゃん...。」
簪「あ、お、お姉ちゃん...。」
楯無「あ、そ、その、ご、ごめんなさい!!」
簪「あ、えっと、私も、ごめんなさい!」
楯無「あ、えっと、簪ちゃんが謝ることじゃないのよ、全部私が悪いんだから...。」
簪「ううん、私も、途中から意地になっちゃってたから。だから私も、ごめんなさい。」
楯無「か、簪ちゃん...。」
簪「と、とにかく!今日の晩御飯、久しぶりに皆で食べよう...!」
楯無「!!そ、そうよね!!それで、開理君はどちらに?」
開理「もう少しお待ちくださーい。」
楯無「あっ、わかったわ~。」
簪「じゃあ席で待ってるね...。」
開理「了解です。」
~数分後~
開理「とりあえず、皆さんの好きな食べ物の共通点に辛い物と卵があったんで、カレーリゾットオムレツにしました。」
本音「おぉ~、おいしそ~!」
簪「今日も素敵な料理だね...。」
楯無「簪ちゃんはこんなにおいしそうな料理を毎日食べてるのね。少し羨ましいかも。」
虚「本当においしそうですね。」
開理「ありがとうございます。」
~食後~
本音「初めまして~、布仏本音だよ~。気軽にのほほんさんって呼んでね~、かいりん。」
開理「か、かいりん?」
簪「本音はよく人にあだ名を付けるの、気にしないでね...。」
開理「なるほど。宜しく、のほほんさん。」
本音「うん、宜しくね~。ちなみに、ももちんとイッチーとマドマドのお兄さんかな?」
開理「百夏と一夏と円夏のこと?そうだけど...。」
本音「やっぱり~!三人とは同じクラスなんだよ~。」
開理「なるほどな、じゃあ、三人のことも宜しく。」
本音「うん、任されたのだ~!」
虚「初めまして、本音の姉の布仏虚と申します。どうぞ宜しくお願いしますね。」
開理「あ、宜しくお願いします。えっと布仏先輩。」
虚「そんな固くなくてもいいですよ。下の名前でも構いませんよ。」
開理「じゃあ、虚さん、宜しくお願いします。」
虚「はい、宜しくお願いします。開理君。」
楯無「私はもう知ってるわよね、というか、簪ちゃんとの決闘のことや今日のご飯も、ありがとね。あなたが来てくれて、本当に良かったわ。」
開理「いえ、俺は、姉妹が仲悪い光景のままなのは嫌だったので。それに、せっかくルームメイトになったので、なにか力になれるならと思っていたんです。」
簪「開理君...!本当に、ありがとう...!」
開理「いやいや、副代表に任命しちゃったし、色々勝手にしたんだもん。そのお返しにすらならないかもだけど、協力できたなら良かった。」
簪「じゅ、十分すぎるくらいだよ...その代わりといってはあれだけど、悩みとかあったら、私たちに何でも言ってね...!できる限り力になるから...!」
楯無「そうね、ここまで力になってもらって、何も返せないのは嫌だもの。相談でもなんでもいいから、お姉さんたちにいつでも言ってね。」
開理「あ、ありがとうございます。それで、楯無さん。同盟というか、協定的な話はどうなりました?」
楯無「あ、それね。情報を解析したりしたんだけど、危険な情報どころか、私たちにメリットしかなかったわ。だから、明日にでも正式なものにできると思うわ。お願いしてもいいかしら?」
開理「本当ですか!?意外と速かったですね、じゃあ束さんに連絡して、色々決めちゃいましょう。今日はもう遅いんで、明日でもいいですかね?」
楯無「そうね。明日、生徒会室に来てくれる?そこで決めましょ。」
開理「はい。では、そろそろ解散ですかね。」
本音「そうだね~。じゃあまたね~かんちゃん、かいりん。お嬢様とお姉ちゃんもおやすみなさ~い。」
虚「まったくあの子は...それでは、簪様、お嬢様、開理君、おやすみなさい。」
楯無「おやすみ、虚ちゃん。じゃあ私も戻ろうかしら。おやすみなさい、簪ちゃん、開理君。」
簪「おやすみなさい、お姉ちゃん...じゃあ、私たちも、戻ろっか...。」
開理「そうだね、簪さんも、パンドラができたおかげで、健康的になったんじゃない?」
簪「あ、わかる...?朝が気持ちよくなったんだ...。これも開理君のおかげだね...。」
開理「そんな大袈裟な。でも、健康だと、毎日が楽に、楽しくなるんだよね。」
簪「あ、そんな感じ...。いつもよりなんか、ゆとりがある気がするんだ...。」
開理「そりゃいいことだ。じゃあ、おやすみ、簪さん。」
簪「うん...おやすみ、開理君...。」
そうして、クラス代表決定戦の夜は過ぎていった。
第一章、終了。
さて、一章ラストの今回は、更識、布仏、そして開理君のお食事会と布仏姉妹との初会話でございます。
ちなみに開理君は、相手が好きになるきっかけは分からないけど、相手に好意を寄せられているということには敏感な方です。よって、簪ちゃんやセシリアの好意にバリバリ気づいてます。そして、その好意が暖かいので、向き合うことが恥ずかしく、ちょっと照れるような喋り方を意識して書いてます。
あと、次回から、クラス代表対抗戦編に突入します。予定では、アーキタイプから一人だけ入れたいと思います。自分はアーキタイプをプレイしてないので、そのキャラしか書けそうにないんです。
では、また来年もよろしくお願いいたします。
また次回お会いしましょう。読了ありがとうございました。良いお年を~!!