インフィニット・オーネスト ~いつだって、命を懸けて~ 作:青海 翠果
それでは第四話、どうぞ!
~翌朝~
開理(なんか、全然眠れなかったけど心は軽いんだよな。なんでだろ?)
簪と共に朝食を食べながら、そんなことを考える開理。
簪「今日は...何するの...?」
開理「そうだな~、会ったことないけど生徒会長さんとお話しようかな。色々聞きたいこともあるし。」
簪「お姉ちゃんと...?」
開理「うん、簪さんとの試合とかも、予定聞かないといけないし、簪さんに仲介人が必要ならいくらでもなるし。」
簪「あ...ありがとう...でもその前に、開理君の練習とかは...?」
開理「放課後に簪さんとパンドラの定着も兼ねて、一緒に練習しようと思ってるんだけど、良いかな?」
簪「っ!も、もちろん大丈夫だよ...!むしろ、こっちがお願いしたいくらいだよ...。」
開理「なら、改めてよろしくね。」
簪「うん...よろしくね...。」
~昼休み~
開理「さて、生徒会長さんは...ん?」
楯無「あの子が...。」
開理「どなたですか、そこに隠れてるのは?」
楯無「っ!さすがに気づいちゃうわよね、気配隠してなかったし。」
開理「はい、で、確かあなたは...。」
楯無「ええ、あなたが今探してた、更識楯無よ。初めまして、本当の世界初の男性操縦者、神代開理君。」
開理「やっぱり!俺、あなたに色々伝えることや聞きたいことがあって、探してたんです。」
楯無「あら、何かしら?もしかして簪ちゃんのことかしら?」
開理「っ!それも一つあります。でもまず、伝えたいことといいますか、提案があります。」
楯無「提案?」
開理「はい、ラビットクラフトワークス並びに亡国機業と、更識で協定のようなものを結びたいんです。」
楯無「!協定!?」
開理「ええ、組織的な同盟といいますか、互いに出資しあったり、技術や情報などの相互提供などをしたいと思ってます。」
楯無「...本当の話なの?裏に何かあるんじゃないの?」
開理「嘘ついても更識と戦争するだけで何もメリットがないじゃないですか。それに俺、嘘が通じないし大嫌いなんですよ。でも信じたくないことは信じない我儘なやつなんで。」
楯無「本当かしら?今は保留にするけど、もし牙が見えたら戦いの合図だと取らせてもらうわ。」
開理「あ、はい。というか、今ここで情報を渡しましょうか?そのほうが信憑性が高いし、俺がどれだけ頭おかしいことをしてても人類的に善なのか悪なのかがわかると思いますし。」
楯無「え!?いいの!?」
開理「はい、えっと、これか。どうぞ。」
楯無「あ、えっと、見てもいいの?」
開理「はい、信じてもらうためにも、これが一番手っ取り早いんで。」
そして楯無はすべて閲覧し、データを自分のUSBメモリに記録し、開理に端末を返した。
楯無「どうやら本当みたいね、疑ってごめんなさい。」
開理「いえいえ、まあ最初は疑うと思ったんであのデータを持ってきてたんです。そしたらやっぱり、使う場面があったんで良かったです。」
楯無「今、口約束で決められるものじゃないけど、また後日、正式に話し合いましょう。ところで、簪ちゃんの話は?ルームメイトみたいだけど、仲良さそうじゃない♪」
開理「あ、えっと、いろいろあって、簪さんの専用機の残りを俺が作ってしまいました。勝手な真似をしてすみませんでした!」
楯無「あ、良いのよ、大丈夫よ。簪ちゃんも、人を頼れるくらい強くなったってことだと私は思ってるの。精神面では簪ちゃんのほうが強いと思ってるわ。そういえば、簪ちゃんは私と試合をしたいのよね?」
開理「え、知ってたんですか?」
楯無「昨日もこっそり見てたの、整備室のやり取り全部。」
開理「え!?全然気づかなかった、じゃあ、試合は...。」
楯無「もちろん受けるわ!簪ちゃんは私を超えるために、きっと並々ならぬ努力を積み重ねてくるはず。その努力の成果をしっかり受け止めて、きちんと仲直りすることが、もう一度姉と認めてもらうための、私のケジメなの。」
開理「わかりました、では試合はいつにしますか?」
楯無「開理君は試合があるんでしょう?それはしっかり見ておきたいから、二週間後くらいにしましょう。応援してるわよ、頑張ってね♪」
開理「ありがとうございます、やるからには無敗で行きますよ。」
楯無「お、言ったね~、じゃあ開理君の実力、しっかり見せてもらうわよ。」
開理「はい。見ていてください。」
楯無「うん、じゃあまたね。期待してるよ、開理君♪」
開理「あ、はい。」
~一年四組の教室~
簪「お姉ちゃんと話したの...?かなり早いね、で、お姉ちゃんはなんて...?」
開理「試合は受けるけど、クラス代表決定戦とかあるから、二週間後だって。」
簪「わかった、それまで練習、よろしくお願いします...。」
開理「こちらこそ、よろしくお願いします。あと楯無さんから、代表決定戦で応援するって言われたんだけど。」
簪「開理君の実力に、皆が注目してるんだよ...かくいう私も、今日戦うのが楽しみでもあり緊張もしてる...。」
開理「俺の実力っていうか、単純にこのオーネストが強すぎるんだ。決して俺の強さじゃない。こいつの力を知ってる知らない関係なく勝つのはほとんど無理で、これを使えば確実に勝てるようなもんだ。」
簪「そ、そんなに...!?」
開理「通常で8種類の『モード』、さらに相手を倒すためだけの三つの『バースト』っていうのが入ってる。」
簪「多機能過ぎない...?」
開理「俺も思った、でもこれを入れて今も慣れちゃったから、これ以外の選択肢がないようなもんなんだよ。」
簪「そうなんだ、勝てるものじゃないんだね...。」
開理「まあ、簪さんを強くしたいのには変わりないし、負けてもいいから努力を積み重ねてほしい。」
簪「うん、頑張る...。」
~放課後~
一夏「開理兄、練習どうするの?」
開理「俺はルームメイトの簪さんとやろうと思ってる。模擬戦とかやるんだったら、いつでも誘ってくれ。」
一夏「そうなんだ、わかった。お互い頑張ろうぜ!」
開理「ああ、健闘を祈るってやつだな。じゃあ、また明日。」
一夏「うん、開理兄も!」
~アリーナ~
開理「じゃあ簪さん、始めよっか。」
簪「う、うん...それが、オーネスト...綺麗だね...。」
開理「ホント?ありがと。簪さんはどう?違和感とかはない?」
簪「うん...大丈夫...むしろフィットしてる...良い感じだよ...。」
開理「良かった。じゃあチェックとかいろいろしてから始めるよ。まず...。」
~約一週間後・アリーナ控室~
開理「ようやくこの日が来たな。」
スコール「応援してるわ、手加減するんでしょうけど。」
開理「一応、相手と同じ土俵で行きたいんで。」
スコール「完全に心を折る気なのね。」
開理「そうしないと、ただの馬鹿のままでしょ?取り返しのつく前に矯正しないと。」
スコール「相変わらずやることがえげつないわね、まあいいわ。好きにやっちゃいなさい。」
開理「了解です。じゃあそろそろ行きますね。」
選手の方はアリーナに出てください。
開理「神代開理、オーネスト。発進!」
~アリーナ~
セシリア「あなたが神代開理さんですか?わたくしに宣戦布告した翠天使と呼ばれる方は。」
開理「ああ、お前の傲慢なプライドを叩き潰しに来た。」
セシリア「できるとお思いで?」
開理「余裕。ていうか始めようぜ。」
セシリア「その減らず口も聞けなくして差し上げますわ!」
試合、開始!
セシリア「ハッ!!」
試合開始と同時に、セシリアが放った弾丸は...
開理「フッ。」
最小限の動きで避けられる。
セシリア「なっ!?」
開理「はぁ...。」
そして開理は動きながら
開理「モード・アーチャー。」
〈Archer mode activete〉
と言いながら、手にスナイパーライフルを出して、セシリアの弾丸を撃ち落としていく。
セシリア「そ、そんな!?でも、こんなのもあるのですわ!ティアーズ!」
セシリアが出したのは、彼女の専用機『ブルー・ティアーズ』のBT兵器『ティアーズ』。機体と同じ名前だが、気にしてはいけない。
セシリア「さあ、踊りなさい!私とティアーズが奏でるワルツで!」
開理「生憎と、シャルルって曲が気に入ってるんでそれの方がいい。」
セシリア「どうでもいいですわ!」
ティアーズの攻撃を、開理は完璧に躱しつつ、セシリアのある弱点に気づく。
開理「(まさか...)フッ!!」
セシリア「っ!」
セシリアはティアーズを操作して攻撃をかわすが
開理「(やっぱりこいつ、ビットを操作してるときは自分が動けないのか!)モード・ガンナー。」
〈Gunner mode activete〉
そうして二丁の銃を取り出すと
開理「フッ!!ハッ!!ハッ!!タッ!!」
セシリア「なぁっ!?ティアーズが!!」
開理「やはりな。アンタ、ビットを操作してるときは自分が動けないんだろ?だから、自分が避けようとするとビットの操作ができない。なら、アンタを攻撃しようとするふりをしてビットを落とせば、あとは楽なもんだろ。」
セシリア「今の短時間でそこまで!?」
開理「試合にはどんな時でも勝つためのヒントが転がっている。それすら探そうともしないアンタ程度に、負けるつもりは毛頭ない!!」
セシリア「ですが、ティアーズは四基だけじゃないのですわ!」
開理「見た目の構造上、そうだろうと思ってた!」
そういいつつ避ける開理、そして
開理「じゃあこっちも見せてやるよ。展開、『オービタル』!!」
そう言うと、オーネストの装甲からBT兵器が出てきた。しかも15基も。
セシリア「なぁっ!?そんなばかな!?」
開理「予想外のこと程度でパニクってんじゃねえよ!!」
セシリア「!?」
開理「自分が一番強いなんて思ってるからそうなるんだろ!?代表候補生『程度』でそんな驕ってんじゃねえよ!!アンタが女だからなんだ!?俺が男だからなんだ!?今はお互い、ISという兵器に乗った一人の戦士だ!!なら、自分の相棒と一つになってる時こそ、命を懸けろよ!!女だから、代表候補生だから、なんて肩書なんかこの世界では邪魔でしかないんだよ!!ISに乗るなら、いつでも命を奪われると思った方がいい。絶対防御が守り切れない攻撃だってあるくらいなんだ。いつ死んだっておかしくないだろ!!なら、全力で向かって来いよ!!でなきゃ何も意味がないだろ!!」
セシリア「!!(わたくしは、驕っていたの?男だからと見下して、相手の実力も計ろうとしなかったのは、驕っていたから?だから私は今、こんなに無様な姿を晒して...わたくしは、何て愚かだったのでしょう。この方にも失礼を沢山...なのにこの方は、わたくしの目を覚ましてくれた。なら、その気持ちに報わなければ!)」
セシリア「先ほどまでの無礼、失礼しました。」
開理「!、良いさ、じゃあ、本気で来い!!俺は本気じゃないけどな。」
セシリア「やはりそうでしたか、でも簡単に負けるつもりはありませんわ!」
開理「良いねぇ、じゃあこっちも、モード・セイバー!」
〈Saber mode activete〉
開理「俺の得意な剣で行こうか。」
セシリア「どれだけのモードを!?」
開理「ざっと8種類くらいだなっ!!」
セシリア「あっ!?ティアーズが!?」
開理「最後に全力を見せてみろ!俺も全力の一部を見せる!」
セシリア「は、はい!!インターセプター!」
開理「ダガーか、近接だな。さあ、行くぞ!!リミットリリース!!」
〈Limit release saber mode full break〉
セシリア「はああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
開理「おらああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
シールドエネルギーエンプティ、よって勝者、神代開理!
観客『オオオオオオオオオオオォォォォォォォ!!!!!!!!!』
ISを解除したセシリアを、お姫様抱っこする開理。
開理「よっと、大丈夫か?」
セシリア「あ、すみません///」
開理「大丈夫、てか、ちゃんと食べてる?ものすごい軽いけど。」
セシリア「そ、そうでしょうか?///」
開理「まあいいや、ピットに連れてくけど良い?」
セシリア「は、はい、お願いします。」
~アリーナ・控室~
セシリア「本当に、申し訳ございませんでした!!」
開理「いえいえ、もうこれで、人を見下したりはしないでしょ?」
セシリア「はい、もう自分は強いなどと驕ったりはしませんわ、あなたのおかげです、本当にありがとうございました!」
開理「それならよかった。強くなっても驕らずに努力する、戦士としての基本だ。よく覚えておいて。」
セシリア「はい、えっとそれで、もしよろしければ、開理さんとお呼びしてもよろしいでしょうか?///」
開理「え、いいよ?じゃあこっちは何て呼べばいい?」
セシリア「ではセシリアとお呼びください///」
開理「わかった、これからよろしく、セシリア。」
セシリア「は、はい///」
開理「じゃあ、次の試合の準備をするから、そろそろ行くね。」
セシリア「は、はい!頑張って下さい!」
開理「もちろん!」
さて、次の試合は秋十との戦い、開理はどれほどの力を見せるのか?
いかがだったでしょうか。開理君は無自覚モテ男です。しかもやることが全部カッコよく映るせいで惚れる人が多いらしい。羨ましいような、面倒くさそうな感じですね。
ちなみに、楯無さんとセシリアの機体も、開理が新しく作っちゃうので、それもお楽しみに!
それではまた次回、よろしくお願いします。
読了ありがとうございました。