ゴーダとロイとエドは、その部屋で話していた。
エ「無理だっつってんだろ!
・・・もう使えねえんだよ。錬金術は・・・」
ロ「方法はある!君は鼻から否定する奴ではなかっただろう?」
エ「それは力はあったからだ!
真理の扉がない人間は錬金術が使えないのは知ってるだろ!」
ゴ「でも遠隔錬成ができるのは・・・可能なのは・・・
君だけなんだよ。」
エ「でも!」
ロ「とりあえず聞け!この馬鹿!」
ロイの怒号に驚いたエドは思わずだまる。
エ「・・・わかったよ・・・」
ロ「では方法を説明しよう・・・」
エルリック家
ウ「そういえばエド、どうして錬金術使えたのかしら・・・?」
エドが立ち去ったその部屋で、ウィンリィは一人疑問を抱き、
シルも汽車の中で同様の疑問を抱いていた。
ー大総統執務室ー
ロ「これだ。」
ロイが差し出したそれは、かつてのエルリック兄弟が探し求めていたものに
よく似ていた。
エ「賢者の石!」
ロ「に見える錬成陣だ。」
エ「は?」
ゴ「私の査定で出した研究成果だよ。」
その石は、とても錬成陣には見えなかった。
ゴ「かつて国家錬金術師だった君は知っているだろう。
銀時計は術法増幅器だと。」
エ「知ってるよ。」
ロ「では、それが”フラスコの中の小人”が所持していた賢者の石から
できていたことは知っているかね?
術法増幅をさせるにも、それと同等の代価が必要。
そのための代価は・・・わかるな?」
エ「そんな!俺は無意識に人間の命を使っていたのか!
あってたまるかよ・・・」
ロ「残念だが、本当だ。だが安心しろ。
鋼のの銀時計ーシルに託した時計からその部分は抜いてある。」
エ「そうか・・・少なくともシルはそれを使わないでいるってことか。」
安堵する。
ロ「本題に戻ろうか。これはな、「錬成力をため込むシロモノ」だ。」
エ「電池みたいな?」
ゴ「まあ、そういうことになるな。
で、私の予想だが、「一度真理の扉を開けたロイの力を、これを媒介に使える。」
ことが可能だと思うのだよ。」
ロ「すでにこの石には私の力がためてある。
だが、鋼のは錬金術が使えない身。体力の消耗が激しいから気を付けて
使いたまえ。あと、石が使えるのは一日2回だ。」
エ「一時的なものってことか。うっしゃ!引き受けた!」
ロ「二日後にアエルゴの国立北方図書館に例の手紙を遠隔錬成しろ。
頼んだぞ。」
そして現在・・・
シ「ただいまー。」
エルリック家に再びかえって来たシル。
エ「おう!帰ったか!」
シ「父さんだろ?アレを錬成したの。」
と、例の手紙をひらひらさせる。
エ「-なんで分かった?」
シ「大総統は赤、アームストロング准将は緑、その他もろもろ・・・
青いのは父さんだけだろ?」
一瞬間驚いたエド。
エ「くっははは!」
いきなり笑い出したエドにシルは驚く。
エ「悪ィわりぃ。いや、観察力すげぇなって。」
シ「で?なんで父さんが錬金術使えるの?」
エ「えっと・・・それはだな・・・なんというか・・・
大総統にも、シルには言わないでくれ、と自分から頼み込んでおいて
いうわけにもいかなかった。
シ「ま、もしかしたら父さんと同じ錬成光の人いるかもしれないしね。」
エ「お、おう。そうじゃないのか?」
ーその晩ー
シ(父さんが持ってた赤い石・・・賢者の石ではなかった。
アレは・・・なんだ?)
こんちはー
いやあ、前回驚かせてすいませんねえ。
エドは錬金術使えないのに!と思った方、こういうわけです。お許しくださいませ。
では、また次回ー!