GANTZ 神代蓮の序章   作:サムスの趣味

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第11話 喋ってくれ、少しでいいから

 その後レーダーを見て敵が複数に分かれてる事から、別行動をするようになった。加藤、ホモ、サダコと俺、姫愛、詩乃に分かれた。

 

「私も戦うわ」

「詩乃、初めてだし無理をしなくても」

「皆が戦ってるのに、私だけ隠れてるのなんて我慢できないし、知らない内に貴方が死んだなんて事になったら、一生後悔する、それなら貴方達と一緒に戦って死ぬ方がまし」

「詩乃……姫愛、お前からも何か言ってくれ」

「私は賛成かな、それにこうなった女の子は何をしてもついてくるわよ」

「姫愛、はぁ分かった。勝手に行動して死なれた目覚めが悪い、俺のそばを離れるなよ」

「ふふ、分かったわ」

 

 そう言って腕に抱き着いてきた。いやそういう意味で言ったんじゃ無いんだが。これは確信犯だな。

 

「ちょっと、離れなさいよ!」

「蓮が離れるなって言ったのよ」

 

「お前達、ふざけてないで行くぞ」

「はーい」

「了解」

 

 

 数体星人を倒して詩乃が初めてにしては戦い慣れてるのに疑問を持った、仏像星人は複数いるだけあって身体能力は人間とそう変わらなが、そうえいばサバゲーをやっていたんだっけ。発見したそばから詩乃が撃ってほとんどの星人をヘットショットで決めていた。時々外れるのは実際の殺し合いが初めてだからだろう。

 詩乃に聞いてみたところサバゲーでは長距離からのスナイパーを使ってるらしく、1000メートル級の長距離射撃において、ほぼ外した事がないと言っていた。

 それは期待できるな、俺が前衛、姫愛が中衛、詩乃が後衛のバランスのとれた構成ができる。ただおしいのはエリアが決まってる事だ。

 そんな事を考えてたら、

 

「いた! おーい! 来てくれ加藤達が危ない!」

 

 不良二人組が叫びながら走って来た。

 詳しく聞くと、ある部屋に千手観音とそれを取り囲む四体の仏像がいて、空手家が一体の仏像に挑んだが死に。北条が千手観音を見て撤退するよに言ったが四体の仏像に取り囲まれて何とか不良達だけ逃げてきたらしい。その時加藤が俺に伝えるように言って探してようだ。その話を聞いてたら感情の波が来た、それも加藤の怒り、殺意だ。まずいな、一人で突っ走ってるかも。

 不良達を置いて俺は急いで向かった。その後を姫愛と詩乃が何か言ってきながらついてきたが、話してる暇はない。

 

 

 反応があった場所についた。

 

「うおおぉぉぉ」ギョーン ギョーン ギョーン

「加藤!」

 

 ちょうど加藤が千手観音を撃った所だった。千手観音は左腕に持ってた瓶の中から液体を放った。同時に上半身がはじけ飛んだが、逆再生のように復活した。加藤は液体をもろに浴び徐々に溶け始め下半身が無くなった。

 

「クソが!」

 

 確実に死ぬな、そう考えた俺の思考に怒りを感じた。加藤が死にそうなにそれを冷静に把握してる、悲しみたいのに悲しめないそん自分に。

 

「へへ、やっぱ、蓮ちゃん見たいには、行かなかったや……歩の事よろし、く、な」

「加藤! 加藤!「蓮!」」

 

 後から来た姫愛に引っ張られた、俺がいた所を仏像星人が蹴りを放ってた。

 姫愛達が来た事で冷静さが戻って改めて周りの状況把握を行った。北条とサダコは体重なった状態で上下に分かれてる。傷跡からして瓶による酸の攻撃だろう。それと今まで姿の見えなかった新川らしき頭の無い死体があった。仏像は一体は死んでいて残り三体。強さとしては雑魚仏像の上位変換だろう、連携してきた事から知能も高い。

 そうして何よりボスっぽい千手観音だ、彼奴はひょうほん星人と同じく特殊だろう。再生の仕方が普通じゃなかった、右手に持ってる時計みたいなのが動いて再生してた事から時間の巻き戻し、逆行だろう。ひょうほん星人も幻覚を見せてきたから今さら驚かないが、ん?幻覚何か違和感が、いや今考える事じゃ無いな。

 取り合えず方針は決まった。

 

「姫愛、詩乃二人で仏像三体を引き受けてくれ、彼奴らは連携もしてくるから気をつけろ。俺は千手観音をやる」

「分かったわ、蓮こそ気おつけて」

「了解、すぐ倒して援護に向かうわ」

 

 詩乃の言葉を最後に俺は突っ込んんだ。そのまま千手観音に向かって行くと当然のように仏像星人が邪魔してくるが姫愛達が相手をする事で通り過ぎた。

 改めて観察し千手観音は両手に剣と灯篭、右手に時計、左手に酸の瓶。灯篭がまだ分からない、能力があるのかないのも、だからあえて距離を空けてxガンで戦う。

 

ギョーン ギョーン ビー

 

 何回か撃つと灯篭からレーザーを放った。何とか避けたが少し掠ってスーツの防御力を無視するようで血が出た。これは剣も防御力を無視すると考えた方がいいな。そうなると彼奴の攻撃はすべて避けなければならない。

 クソっ、条件がそろってるからゾーンは使えるが、使ったら周りが見えなくなって千手観音の攻撃が姫愛達に向かったら危ない。ここは時間を稼いで姫愛達が終わるのを待つか。

 

 接近したり距離を開けたりして、間合いを掴めなくしながら時々時計を狙ってるが相手も分かってるいるのか中々壊れないそうしながら時間を稼いだ。

 すると千手観音がいきなり爆発した。

 

「「蓮!」」

 

 やっと終わったようだ。再生してる間に急いで今までの情報を伝えた。俺が前衛、姫愛が中衛、詩乃が後衛の布陣で戦う事になった。いきなりの事だが今までの連携に詩乃が入るだけだ、詩乃の腕は確認して信じてるから大丈夫だ。

 ガンツソードを姫愛の分も持って二刀流で突っ込んだ。そのまま走りレーザーを避けながら瓶の方に近づいていく、そしたら案の定、酸を放って来たので上に跳ぶのと同時に姫愛が両手に持ってるxガンで両方の灯篭を撃つ。俺はそのままガンツソードを振り下ろした、そこに詩乃の射撃で時計を撃つ。もしも両手の剣で時計を守っても俺が両腕を斬る事で詩乃はそのまま撃つ手筈になってる。結局俺のガンツソードを剣で防いだ事で時計を撃たれた。

 後注意するのは剣と酸だけになった、俺達はその勢いのまま攻撃しようとしたところで、

 

「待って待って! 僕だ! 新川だ!」

 

 いきなり喋りだした。それも死んだ奴の名前で。俺達は一旦集まった。

 

「新川君!」

「落ち着け、まず確認からだ。死体がそこにある、それはどういう事だ」

「頭が無いだろう、どうやこいつ―僕、どっちでもいいや、まあこいつは人の脳を捕食する事で知識や経験を取り込む能力があるんだ。僕は透明化出来る事が分かったからそれを使ってこいつを殺そうとしたんだけど見事に殺されて、それで脳を食べられたってわけ」

「なら、何で今になって現れた」

「それはちょうどこいつと融合が終わったからね。僕は見た目はこれでもまだ人間だ、だから助けてくれ」

 

 その言葉に俺は悩んだ、自分と似てるからだ。だが、

 

「新川君本当に大丈夫なのね」

 

 詩乃がそう言って近づいて行った。

 

「待て! 詩乃!」

「え」

 

 俺が叫んだ事で詩乃が振り向いた。そこに新川は剣を振り下ろそうとした、まずいこの距離じゃガンツソードで防げない、こうなったら、片腕で詩乃を押して突き飛ばした。そこに剣が振り下ろされて俺の片腕が斬り落とさた。だがそんなの気にしてる場合じゃない、残りの片腕でもう一本の剣を防いだが、そこにまた振り下ろした剣を横なぎにしてもう一本の腕も斬り落された。

 

 すると自動的にゾーンに入った。すべての剣を紙一重で躱し近づき、瓶を上に蹴る事で酸が新川自身に降りかかるようにした。

 

「ぐわぁぁぁ!」

「「蓮!」」

 

 その声でゾーンがとけた。姫愛達は俺を持って距離を取った。今のは勝手に発動したのか?

 

「くそ! よくも邪魔してくれたな!」

「新川君! どういう事!」

「朝田さん大丈夫、今の僕はそいつ何かより強い、だから僕が守ってあげる」

「な、何を言って「無駄だ」え」

「今の彼奴はもう前までの新川じゃない、もう彼奴の心はお前を殺す事しか無い」

「そんなどうして……」

「そうよ、彼奴はシノンの事すきだったでしょ、なのに殺すなんておかしくない?」

「そうだな彼奴の愛は歪だった、そこに融合した事での全能感、そうして脳を食べる事で融合する事が分かって、そうなったんだろう、そうだろう新川」

「ああ、よく分かったね、そう朝田さんの脳を食べる事で僕と朝田さんは融合する、ずっと永遠に僕と一緒になるんだ、すごいだろ!」

「ひっ!」

 

 さすがに今のセリフはきもかったらしく、詩乃は悲鳴を上げた。姫愛なんてゴキブリを見る目だ。

 

「姫愛、撤退だ、血がやばい、くらくらしてきた」

「ちょ、早く言いなさいよ!」

 

 俺は姫愛に背負われて撤退した。詩乃はxガンで撃って追撃してるが一発も当たってない。さすがに友達を殺す事は出来ないか。

 

 何とか撒けて外側の廊下で応急処置をした。

 

「ありが、とう」

「何言ってるのよ、こういう時こそ頼りなさいよね。それで彼奴どうするの」

「ああ、俺が囮になる、その内に姫愛、お前が仕留めろ」

「却下、そんなの私が了承すると思ってるの」

「だがお前一人で戦わせるわけには」

「……ごめんさい、私が戦えれば」

「それで、いいんだよ詩乃は、ここで心を殺してやったら駄目だ」

「そうよ、さすがに友達を殺せなんて言わないから、それに蓮を見といて」

「分かったわ、今の私にはそれしか出来ないものね」

「そう、落ち込むな……そろ、そろ意識がやばい、姫愛、危険と思ったら、俺を置いて、逃げろ……」

 

 それを最後に俺の意識は闇に落ちていった。

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

 ここは、ひょうほん星人の時の場所?

 俺の目の前にはひょうほん星人と対等する俺と姫愛がいた。

 これは夢か?

 

『そうか、だいたい分かった。こちらが先に攻撃したって言うなら、こちらから攻撃しなければ殺さないだな』

『当たり前じゃないかボクだって殺したくて殺してるわけじゃいんだから』

 

 確かこの時……そうだ幻覚、いやあれは幻覚だったのか?

 

『そうだいいもの見せてあげる』

 

 夢のひょうほん星人がそう言ったの同時にこっちにも、寺みたいな場所で姫愛が胸に穴をあけて横たわり俺がその体を抱えているヴィジョンが映った。

 ぐっ!この場所は!今現実で俺がいる場所だ!って事は本当に未来なのか?でもこのヴィジョンでは、腕もあるし、詩乃がいない。

 

 いやそもそも何でこの夢を見た?それにこんな鮮明な夢はおかしい、夢と言うに非現実的な事もないし、これは夢と言うより記憶の再生だ。俺には完全記憶がある、だがこの完全記憶もすぐ思い出せるわけじゃ無い、古い記憶は思い出すのに時間もかかる、ただどんな事でも絶対に思い出せる、だから完全記憶と呼んでるいる。

 

 この夢は俺の記憶を鮮明に再生してるって事か。なら何故、今になって、いや現実で姫愛の危険を感じ取り、無意識にこの時の幻覚―未来?―を思い出したのか。それで夢と言う形で見ている。

 

 そうなったら早く目覚めなければ!幻覚か未来かなんて関係ない、こうして姫愛の危険を感じ取って俺に何かを伝えよとしてる。それで十分だ。

 

 だから、お願いだから死なないでくれ、姫愛…………

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「っ! 姫愛!」

 

 目覚ませば、詩乃がいる事には変わりないが、姫愛がいない。

 まさか!急いで周りを見渡せば、廊下の外で六本腕の異形の生物と戦っていた。ふぅ、よかった。

 詩乃が俺が目を覚ましたのに気が付いた。

 

「何が、どうなって……」

「落ち着いて心配なのは分かるけど姫愛はそんなに弱くないはずでしょ。それは貴方が一番分かってるじゃない」

「そう、だな」

「それで状況としては、貴方が意識を失った後、新川君が来て姫愛がここで戦うのは危ないから、蹴って外に跳ばして今戦ってるのよ」

「そうか」

 

「ああもう、うっとしいわね! さっさと死になさい!」

「邪魔をするな! 邪魔をするな! 邪魔をするな!」

 

 戦闘力はさほど高くないようだが、新川は確か詩乃にサバゲーを勧めたぐらいだ、自分もそれなりにやってるんだろ。そのおかげか、銃の攻撃は避けられて当たってない。そのためガンツソードで戦って接近戦をしてる、パンチの威力も高くなくてスーツで耐えられるぐらいだ

 だがそのままくらい続ければスーツが駄目になる「キュゥゥゥン」いったそばから、このままじゃまずいな、いつもの姫愛ならすぐ仕留められるのに……俺がいるからか、ここで此奴に負ければ俺が危ない、だから早く仕留めようとするだが、なかなか当たらなくて焦ってる。それのせいで動きが悪くなってる。

 

 姫愛にとっては初めてだから、自分が負ければ大切な人が死ぬ、そんな戦いは。武者星人の時は確かに危なかったが逃げる事ぐらいはできた。だが今は逃げる事も出来ず、見てるだけ。そんな俺ができるのは声をかけるだけだろう。だがそれ十分だ、俺は感情を伝えられる。

 詩乃に体を起こしてもらい、

 

「勝たないと、じゃないと「姫愛!」っ! 蓮!」

「落ち着け! 俺はお前を信じてる!」

 

 たったそれだけの言葉で姫愛は落ち着いた。それからはあっというまだった。

 今までパンチをくらってたのが嘘のように避けていき、右側の腕を斬り、そのまま流れるように左側の腕も斬る

 

「ひっ、待ってくれ! 悪かった! だから「ザンッ」そん、な」

 

 命乞いもかまわずその首を斬り落とした。

 やっぱり気鬱だったか、いや俺が声をかけなければ負けていたかもしれなかった。ならあの夢にも意味はあったんだ。

 

「ふぅ……蓮!」

 

 一息いれてから姫愛は笑顔でこっちに来ようとしただが、っ!

 

「避けろ!」

「っ!「ドスッ」これ、は、かはっ」

 

 最後の気力だったのか新川だった生物の尻尾が姫愛の胸を貫いた。

 

「そんな……」

「姫愛!」

 

 死にそうだったのも忘れて俺は無理やり姫愛に駆け寄った。

 

「死ぬな! 少しでいいから生きてくれ! そうすれば「ごめん、なさい」何を言って」

「死んじゃって……でも……蓮を守れて……よかった……」

「姫愛! 姫愛! 姫愛! 喋ってくれ、少しでいいから、お願いだよ」

 

 だが姫愛はピクリとも動かず、喋らなかった。その笑顔は綺麗なぐらい動かなくて、それが一層俺の心を締め付けた。

 

「くそぉぉぉぉぉ!!」

 

 俺はただ叫ぶ事しかできなかった。

 

ジジジジジジ

 


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