ご注文は無口な少年ですか?   作:獅子龍

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前回の投稿から、かなり遅くなってしまい申し訳ありませんでした。
言い訳をさせていただきますと免許に仕事始めと大忙しで書く暇がありませんでした……
今後は仕事の合間を見て書いていきます!
どうぞよろしくお願いいたします。


15羽 無口な少年と休日

ある休日の朝チノはいつも通り起きて窓を見ていた。

 

「今日は……いい天気です。こんな日は日当たりの良い部屋でボトルシップを……」

「お散歩に行こう!」

チノが言いきる前にココアが入ってきた。シノンを連れてというおまけ付きで

「……休みの日は家でのんびりしていたいです。あと少しで作りかけのボトルシップが完成するんです。」

「それなら公園で作って川に浮かべて流そうよ!」

「ボトルシップって何かわかってます?」

「……………………。」

「そっか~」

「え!コ、ココアさんいつものですか?」

「えっとね……"1800年前後に、ある船乗りが飲み終わった酒瓶と船の中にある材料だけで作ったのが始まりとされている、帆船などの模型がそれよりも小さな口を持つ瓶(ボトル)の中に入っている工芸作品だよ。

引き起こしタイプ、分解・組み立てタイプ、偽ボトルシップがあるよ"だって」

「今回…シノンさんはなにも話してないような?」

「チノちゃんもわかるようになるよ!」

「自信ないです。」

「………………?」

 

ココアの説得もあり……3人は私服に着替えて街に繰り出した。

 

「この街の散策をちゃんと出来なかったから今日はチノちゃんに案内してもらうんだ」

「…………よろしくね」

「……ココアさんは迷いますもんね」

「………………」コクコク

「え~そうかなぁ?」

「シノンさんは苦労してそうですね……」

「………………………………ん」

「え!?そうなの!?」

「………………よく…………迷子…………探す」

「これは、私もわかりますね。〝ココアさんはよく迷子になるから探すのに少し苦労する〟と言ってますね!」

「…………………………あってるね」

「ご、ごめんね……シノン」

「……………………大丈夫……………見つけるから」

「そういえば、シノン私が迷子になっても見つけるよね?」

「何かコツでもあるんですか?」

「………………………………勘」

「「勘!?」」

 

「自転車があったらチノちゃんを後ろに乗せてこの坂を滑走するの!」

「二人乗りは駄目ですよ」

「その前に自転車の乗り方教わらなきゃね」

「ええーー!?」

「私、夕日のなかで何度も倒れながら特訓するのが憧れで」

(話がコロコロ変わっていく)

「そういえば、シノンさんは乗れるんですか?」

「………………乗れるよ」

「シノンは運動神経いいもんね!」

「そうなんですか?」

「……………………?」

首をかしげるシノン

「首をかしげですが……」

「んっとね"自分ではそんなにいい方ではないと思ってるからよくわからない"だって!」

「首をかしげるだけでそこまで言ってたんですね……」

首をかしげた仕草の意味を考えていたチノだったがココアの説明により理解するのはまだ先だなと思うチノだった。

「えぇ~シノンはすごいんだよ~」

「…………それより…………次……行こ」

「そうですね」

「うん!」

3人は先に進んだ。

 

「あの看板は何屋さん?」

ココアが看板を指差しながらチノに聞いてみる。

「手前から古本屋さん時計屋さん床屋さんです。」

「…………………………家の………………色が………………違う?」

「はい。シノンさんの言う通り。この街はお店がわかりやすいように職業別に家の色が決まっていたんです。昔の話ですが、魚屋さんは青色パン屋さんはピンクなどですね」

「へー私は将来ピンクの家のパン屋さんになるのかなー」

「え?ここに住む気ですが?」

「………………………?」

ココアの些細な言葉に気がつくチノとシノン

「1階がチノちゃんとシノンの喫茶店で2階が私のパン屋さん3階がリゼちゃんのガンショップだったらとてもカラフル」

「一つ物騒なお店があるんですが」

「………………チノちゃん………………その時は…………お願いね」

「えっと…その……はい、お願いします。」

「えー!?ずるいよ!シノン!」

「ココアが言いましたことではないですか…」

チノの頭に手を置きお願いしてくるシノン。それに嫉妬して頬を膨らませるココアであった。

 

 

「あれは……リゼちゃん?」

「……………………リゼ?」

歩いていると服屋で服を両手に持ち選んでるリゼを見つけた。リゼは服を探すことに夢中で3人には、気づいていなかった。

「洋服を選んでますね」

「リゼちゃんって感じの服だね」

「私たちはあまり着ない系統の服です。」

「…………………………可愛いね」

「あ、ちょっと笑顔になった」

「気に入った服を見つけたんですね」

「なにやら葛藤しているようですな」

「そっとしておきましょう」

3人はまた街へ散歩に歩き出した。シノンはそっと振り返りリゼを見ながら思った。

(………………多分……"結構この服いいなぁ、でも自分には可愛いすぎるか、いいやでも色もいい感じだし、う~ん買うべきか買わないべきか~う~ん悩むな"…………って顔してる気がする。)

 

「公園はぽかぽかして気持ちいいねー、あれ あのクレープ屋さんにいるのって……」

ココアの目線の先にはクレープ屋のキッチンカーで働いてるシャロがいた。

「シャロちゃん!こんな所でもバイトしてるなんて多趣味だねー」

「ココアとチノちゃん!?それにシノン!!?そっそうよ多趣味よ悪い!?」

「趣味の多さならチノちゃんも負けてないよ」

「チェス ボトルシップ、パズルなどを嗜みます。」

「ろ、老後も安心の趣味ね…………その、シノンも趣味ってあるの?」

「……………………?………………料理と読書」

「あの美味しさなら納得ね」

「シノンさんの料理は美味しいですもんね」

「さすがだね!シノン!」

「…………ん」

 

「おいしーっ はいシャロちゃんもあげる」

ココアはクレープをシャロに向ける。

「私 仕事中よ?」

「一口だけでも」

「ひとくち……」

(節約中でクレープなんて、滅多に食べられないし)

シャロがクレープに手を伸ばした。その時空から黒い物体が落ちてきた。

べしゃっ!

クレープの上にあんこが落ちてきてクレープが撒き散らされた。

「あーっ!!また空からあんこが!!」

「うっ……」じわぁ~

「あれ!?私よりショック受けてる?」

「………………ん」

シノンはあんこを持ち上げて自分のハンカチで軽く拭いてあげた。そして、次にテイッシュを取り出し。クレープが撒き散らさせれた所を拭いていく。それを見てシャロが申し訳そうに謝る。

「あ!ごめん、シノン」

「………………気にしてないで……………それより……………」

シノンは自分のクレープをシャロに向けた。

「え?」

「……………………あ~ん?」

首をかしげながらクレープを向ける。

シャロは、顔を真っ赤にしてあたふたしてる。

「!?え、その」

「………………?……遠慮……しないで?」

「そ、そういう問題ではなくて……」

「ちなみにココアさん、シノンさんに羞恥心というものは?」

「まったくないね!」

「………………?…………あ~ん?」

「うっ、……あ、あ~ん」

意を決してクレープにかじりつく。

「………………美味しい?」

「う、うん」かぁ~

さらに顔を真っ赤にするシャロ

すると千夜が走ってきた。

 

「やっと追いついたー」

「千夜ちゃん!またカラスにあんこさらわれたの?」

「そうなのよ」

「そういえばいつもと制服が違うけどもしかして仕事中だった?」

そうココアが言う。実際千夜の服装はいつもの緑をベースにした服装ではなく、オレンジなど明るい色がベースの服装だった。

「今はレトロモダン月間中なの」

「甘兎もそのうちフルール・ド・ラパンよりいかがわしくなるんじゃない?」

「そう……それなら脱ぐわ」はらり

そう言いながら少し肩を出す千夜

「ここで脱がないでよ!」

「………………………………」

「シノン!見ちゃ駄目だよ!」

ココアはシノンの目を後ろから手で隠す。

「……………………ん」

シノンは器用にあんこを持ちながら上着を脱ぎ、上着を差し出した。

「…………千夜………………これ……着て」

「え?」

「…………………………寒い…………でしょ?」

「シノンさん……」

「シノンに色仕掛けは無理ね」

「シノン君、鈍感を通り越している気がするわ」

「そういえば、シノン昔からそういうのに鈍かったな~」

「…………………………?」

 

千夜とシャロと別れた3人は公園のベンチで休憩していた。そして、ココアは兎と戯れていた。

 

「もふもふ天国さいこー!!」

「いいんですよ、私にはティッピーがいますから」

「そういえば動物が懐かない体質だっけ」

「きっと、チノちゃんは口とか毛並とかうさぎに似てるから同族嫌悪されてるんだよ」

「意味わかって使ってます?」

「それなら私がチノちゃんをもふもふすれば寂しくなくて解決だね!」

そう言いながらココアはチノを抱き締めた。

「何も解決してませんが?」

「…………………………ん」なでなで

「シ、シノンさん!?」

「………………チノちゃんのこと…………好きだよ?」

「え、あ、ありがとうございます」かぁ~

「照れてる、チノちゃんも可愛いね!」

「うぅ~」

シノンは胸のところで手をグーにしてチノに言う

「…………チノちゃん…………まかせて」

「「え?」」

シノンは近くにいる一匹の白いウサギをじっと見つめ始めた。

「………………」

「………………」

「シ、シノンさん?」

「………………」

「………………」

「シ、シノン?」

「………………」

「………………ん」

シノンはゆっくりと手をウサギに出した。

ウサギはゆっくりと近づきシノンの手に顔をスリスリし始めた。

「な、懐いた!?」

「見つめていただけで!?」

「……………………お願い」

シノンはウサギを持ち上げると目をじっと見つめて話しかけた。

そうするとウサギはチノの膝の上に飛び乗ると座り始めた。

「え!?い、いいんですか?」

チノはおそろおそろウサギに聞くと意を決して撫で始めた。

「おぉ!良かったね!チノちゃん!」

「はい!ありがとうございます!シノンさん!」

「…………………………ん」

((シノンさんは動物と話せる(のかな)んでしょうか?))

 

しばらくベンチで休憩していると青い髪の女の子と赤い髪の女の子がやって来た。

「あっー!チノじゃん」

「喫茶店の仕事休みって知ってたら誘ってたのに」

「隣にいるのは、チノが言ってた、お兄さんか!?」

「えぇ……春から家で働いて貰っている保登 シノンさんです。」

「…………シノン……です。…………よろしく」

「マヤでーす!」

「メグです~」

「噂はチノから聞いてるよ!」

「………………噂?」

「うん!お料理も上手だし優しいお兄さんだって」

「………………」チラッ

「あ、いや、その……」

「…………ありがとう」なでなで

「い、いえ」かぁ~

「今度チノちゃんも一緒に映画行こうね」

「はい、どんな映画を見てきたんです?」

「私はアクションがいいって言ったんだけどメグが~」

「今流行ってる映画でねすごく泣けるんだ~」

「パンフレットも買っちゃった」

うさぎになったバリスタ

((他人事とは思えないタイトル!!))

そう心で思うチノとティッピーだった。

 

マヤとメグと別れたチノ

「また明日ね~」

(あれココアさんどこに行ったんだろ……)

「………………ココア姉…………いない」

「はい。迷子ですかね?」

「………………多分………………探そっか?」

「そうですね」

こうしてココアを探し始める2人

 

その頃ココアは1人の女性と話していた。

その女性は落ち着きのある雰囲気で薄い金髪で眼鏡をかけた綺麗な女性だ。

「小説家さんですか~」

「そう……閃きを求めて彷徨っているんです。」

「ペンネームは何ていうんですが?」

「青山ブルーマウンテン……といいます」

(不思議な名前だ)

「書いた小説が最近映画化したりしました。」

その話を聞いてココアは思い付く。

(街の国際バリスタ弁護士としてパンを焼きながら小説家の道を生きるのもいいかもしれない)

「あ、いました!!」

「………………見つけた」

少し遠くからチノとシノンがココアを呼ぶ

「あ!!シノン、チノちゃん!!」

「では、また彷徨ってきます。」

「あ、はーい」

そう言いながら女性は去っていった。

「ココアさん、さっきの人は?」

「う~んと通りすがりの小説家さん?」

「………………小説家?」

「うん、何書いてるのか聞いておけばよかった~」

「………………そのうち…………また……あえるよ」

何故かそんな気がしたシノンだった。

 

「公園は人が集まるから色んな人とお話しちゃった」

「……ココアさんは知らない人と気軽に話せて羨ましいです。」

「チノちゃんも喫茶店のお客さんと話せてるよ?」

「いきなり世間話はしませんし……話すのは得意じゃないです」

「さっきの友達とは楽しそうに話してたよ?」

「……あの二人が積極的に話しかけてくれなかったら友達になっていませんでした。」

「そんなっ!ティッピーの腹話術の技術があれば私だったら世界を狙ってたのに!」

「頑張ってください」

「……………………チノちゃん…………大丈夫だよ」

「シ、シノンさん……!」

少し微笑みながらチノの頭を撫でるシノン。

そのれに安心したのかチノは心地いい気持ちになりこれから頑張れるような気がしたのであった。

 

公園を出てしばらくして…………

紫髪の長髪の女性が前を歩いていた。

「次はどこ行こっか」

「……リゼさん?」

「………………?」

「はい!?」

(バ、バレた!?)

チノが声をかけると女性はビクッとして振り返った。しかしチノはリゼと勘違いしたと思いすぐに謝った。

 

「……す、すみません人違いでした。」かぁ~

「さっき見かけた時と服と髪型が違うもんね」

(み、見てたのか!?)

「ん?でもリゼちゃんって呼んだら振り向いたよ?」

「ちっ、違います、き、聞き間違いました。私その、ロゼという名前なので」

少し頬を染めながら鞄で顔を隠すロゼ(?)

 

「でもびっくりです。ロゼさんに良く似た人がうちの喫茶店にいるんです。ぜひ来てください、ラビットハウスという名前の喫茶店です。」

「ほ、本当?ぜひ行ってみたいわ」

「……………………」ペコリ

そう言うとそそくさとでは、と帰る女性

「私 人見知りするんですがさっきの人はなぜかいきなり会話できました」

「やったねチノちゃん」

(もしかしてこれは……ココアさんの影響!?)

(いやあれはリゼじゃろ)

「……………………」

(カットモデルに頼まれたのはまだしも買った服をすぐ着たくなってしまったなんて)

(言えないとか考えてる顔じゃな)

(あの2人はうまく誤魔化せたがシノンは…)

リゼは後ろを少し振り返るとシノンもまた少し振り返り自分の口元に指を持っていき少し微笑みながら

「………………し~」

「!?!」

シノンの思いもしなかった行動に顔を真っ赤にするリゼだった。

 

「足がくたくたー」

「今日は休日なのに色んな人と話しました。」

「あの……ココアさん」

「わかってるよー明日は学校だから早く寝ないとでしょ?じゃあおやすみー」

そう言うとココアはドアを空け自分の部屋に戻った。

「……おじいちゃん……お父さんとバーにいるんだった」

チノは少し考えると部屋を出てココアの部屋へと向かった。

コンコン

「?はーい」

「今日は何だか落ち着きませんまだ……お話してたい気分です」

「でもココアさんが迷惑というなら……」

ぱぁ

ココアは一気に明るくなりチノを部屋へと招いた。

「じゃあリゼちゃんに借りたDVD見よっかー」

「会話が盛り上がる気がしないです」

そんな2人の会話を壁越しに聞こえてきたシノンは少し微笑み好きな小説を読みながら今日あったことを振り返りまた微笑むのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが、無口な少年の休日の物語だった。

 

 

 

 




読んで頂きありがとうございました!
気長にお待ちいただければ幸いです。
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