今回も過度な期待はせず、あたたかい目でご覧いただけるとうれしいです。
それと、お気に入り登録していただき本当にありがとうございます。
「わぁ~!可愛い街、ここならやっていけそう! ね? シノン!」
「………………」コクッ
俺とココア姉は春から高校に通うべく新しいこの木組みの家と石畳の街へとやってきた。
ちなみにココア姉と呼ぶようになったのは、高校に合格したときだった。
それは、俺が保登家の養子になったときココアにお姉ちゃんと呼ぶことを強要された。
しかし、喋れない俺はそれを断りしばらくして、少しは喋ることができるようになったがココアをお姉ちゃんと呼ぶことを断り続けた。
そして、中学3年の時ココアからある提案をされた。
「私が高校に合格したら私のことお姉ちゃんて呼んで!!」
俺達が目指していた高校は、ココアはあと少し点数が足りなかった。その原因は、苦手な文系が足を引っ張っていたからだ。
そして、ココアは苦手な文系を猛勉強し見事に合格。
その日から俺は、ココアのことをココア姉と呼ぶようになった。
今、俺とココア姉は、これから、居候させてもらいその代わりに住み込みとして働くことにもなっている香風さん家を探している。
「それにしても、香風さん家てどこにあるんだろうね?」
「……………………地図」
「地図? あー!そういえば地図があったね!さすが! 私の弟!」
……………………俺の姉はどこか抜けてる。
その時、路地裏からかすかに叫び声が聞こえてきた。
様子を見てみるとウェーブのかかった金髪の少女が、涙目に怖がっていた。…………うさぎに
シャロside
「う~不良野良うざき、怖い!噛まれる!」
こんなことなら特売に間に合うために近道なんてするんじゃなかった。
その時不良野良うざきがシャロに飛び掛かろうとした。
「きゃあああああ!助けて──!!」
「あ、あれ?」
いっこうにこないうさぎに疑問を持ち、恐る恐る目を開けると黒髪の男の子がうさぎを抱えていた。
「………………」
「あ、あの?」
「…………………………大丈夫?」
「え?あ、はい!大丈夫です!」
「……………………………………」
「あの、助けていただきありがとうございました」
「…………………………………………」コクッ
黒髪の男の子は頷くと不良野良うざきをそっと降ろし、シッシッと逃がし始めた。
「……………………じゃあ、これで」
「え!? いや、あの何か、お礼を」
「……………………………………大丈夫」
そういうと少年はどこかへ行ってしまった。
「お礼したかったなぁ、また会えるかな」
シノンside
金髪の少女をうざきから助けたあと俺は、あることに気がついた。……………………ココア姉がいない。
地図は、ココア姉が持っているし…………どうしょう。
とりあえず、道なりに進むか。
そのころ、ココアは野良うさぎを追いかけていた。
ココアside
「うさぎ♪うさぎ♪あ~可愛い!ね!シノン。あれ?シノン?シノンがいない!」
シノンと離れて約30分後に気が付いたココアであった。
「とりあえず、香風さん家に行こう!多分シノンも向かってると思うし」
しばらく歩いていると
「ラビットハウス!きっとうさぎがいっぱいいるんだ!」
カランカラン
「……いらっしゃいませ」
「うさぎ♪うさぎ♪」
あれ?店内を見渡すとうさぎはいなかった
一応机の下も見てみるが一匹もいない
「うさぎがいない!」
「なんだ、この客……」
ココアが席につくと店員さんの頭の上に白いモジャモジャしたものが乗ってるのに気づく
「……モジャモジャ」
「これは、ティッピーです。一応うさぎです」
「うさぎ!」
「あの、ご注文は?」
「じゃあ、そのうさぎさん!」
「非売品です」
「じゃあ、モフモフさせて!」
「コーヒー1杯につき一回です」
「じゃあ、3杯!」
「!」
店員さんは、驚きながらもコーヒーを作り始める。
「お待たせしました」
「3杯たのんだから、3回モフモフする権利を手にいれたよ!」
「その前に速くコーヒー飲んでください」
「うん!それもそうだね!」
1杯目
「う~んこの上品な香り!これがブルーマウンテンだね!」
「いえ、コロンビアです」
2杯目
「この酸味……キリマンジャロだね!」
「それが、ブルーマウンテンです」
3杯目
「安心する味!インスタントの」
「うちのオリジナルブランドです」
「え?うん!どれも美味しい!」
3杯飲み終えたココアはティッピーをモフモフし始めた。
「あ~気持ちいい~モフモフだぁ~あ、よだれが」
「のおおおおお!」
「え!? 今、この子にものすごくダンディーな声で拒絶されたよ!」
「私の腹話術です」
「え?でも」
「私の腹話術てす。それよりもティッピー返してください」
「もう少しだけ~」
「私ね、この春からこの町の高校に通うの!
それでね、下宿先探してたら弟とはぐれちゃて」
「下宿先ですか?」
「うん! 香風さんていう家なんだけど香る風て書くんだけど」
「香風は家です」
「えー! これはもう偶然を通り越して運命だよ!」
「弟さんは、大丈夫なんですか?」
「うん、下宿先が香風さん家てことは、知っているから」
「弟さんは、地図なんかを持っているんですか?」
「私が持ってるよ?」
「それじゃあ、弟さん私家わからないと思いますよ」
すこし、呆れ声でいうと
「あー!!」
「今、気付いたんですか?」
「さ、探しに行かなきゃ!」
「ま、待ってください。入れ違いになるかも知れませんし私が行きます。今、お店を閉めますから」
そう言いながらドアを開けて外に出ようとしたとき
なにかとぶつかった。
ぶつかったせいで後ろに倒れそうになるが腕をつかまれて倒れることはなかった。
そっと目を開けると黒髪の男の人が心配そうにこちらを見ていた。
これが、無口な少年と青い少女の出会いだった。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
今度の投稿も気ままにするので
気長に待っていただきたいと思っています。
できるかぎり頑張ります。